[1367]半沢直樹に負けない、生(なま)の権力闘争の裏側を覗く

前田和寿 投稿日:2013/09/07 10:56

こんにちは、前田和寿です。

最近、半沢直樹が流行っています。あれほど根性のあるサラリーマンって、もう日本にはほとんどいないでしょうね。あんな作り話ではなく、本物の権力闘争の裏側を暴力団・山口組の元幹部が語った回想録が出版されました。

『鎮魂』盛力健児著(宝島社) http://amzn.to/15CAQYD

山口組は3代目の田岡一雄組長が死んでから、現在の6代目組長まで内外で様々な抗争がありました。詳しくは本を読んで下さい。

著者の盛力健児さんは、山口組の中枢で先頭に立って貢献して、本来ならこの人が山口組の組長になるだろうと言われていた人みたいです。迫力がハンパないですが、そんな彼が如何にして権力闘争で負けて行ったのか、そして、5代目から6代目に変わるクーデター事件の真相などが語られています。(ちなみに、北野武の最新作『アウトレイジ ビヨンド』はこのクーデターを元にして作られているはずです。)

相手を蹴落とすために盃を交わした兄弟にも平気で嘘をつき、義理人情を捨て去り、トップを勝ち取ろうとする姿が暴力団の世界にもあります。

私たちのように平凡に暮らしている人間には、分からない闘いを権力者たちは常にやっています。今の自民党内部でも、この山口組の争いと同じ事が起きていて、誰が誰を騙して、誰が誰を謀略させ、自らがトップを取るのか、じっくりと彼らの気持ちになって観察しなければ、政治は分からないと改めて感じました。勉強になりました。

私は、この本を読んで山口組もバブルまでは金がなかったんだと初めて知りました。あと、根性の無いヤクザ者もトップにはいるんだと知りました。

何よりも、ヤクザ者の任侠道=義理人情が消えつつあって、お金のみを優先するようになっているようです。今の6代目はしっかりされているようですが、6代目の後、山口組は簡単にアメリカに操られてしまうんだろうなって感じました。ヤクザも牙を抜かれつつあります。

前田和寿