[135]ウィキリークス WikiLeaks サイトから 世界政治に激震が走る。私たちも読みましょう。 

副島隆彦 投稿日:2010/12/05 10:58

副島隆彦です。 昨年の7月からヨーロッパで騒がれ出して、そして、ついに先月末から、本格的な大騒ぎになっています。 このウィキリークスという、サイトを作って、世界政治言論のネット革命 を実行している ジュリアン・アサンジ(39歳)を、私たちも熱烈に応援しましょう。

彼は、今、怒り狂ったヒラリー(オバマが、「国務省の責任だ」と言ったようです) が、ICPO(アイ・シー・ピー・オウ 国際刑事警察機構)を使って、今にも、アサンジ氏を逮捕しそうです。 「国際指名手配」を受けそうです。 ヨーロッパの自由のために闘う言論人たち、ジャーナリストたちが、一斉に声を挙げています。 

ヒラリー・クリントン国務長官は、慌てふためいて、各国の首脳たちを順番に訪ねて、「あれの米外交文書の 流出の中身を気にしないでね。・・・」と宥(なだ)めすかして回っている。

アメリカの、我らがロン・ポール下院議員も、昨日、「アサンジ氏を守れ」と表明した。 

私、副島隆彦も遅ればせながら、昨晩からずっと、このウィキリークスのサイトを、読んでいました。 何が、そんなに、重要で問題なのかを、たとえば、以下に引用する 文章たちの中から、一点、取り上げて説明しましょう。それは、まず、孫崎亮(まごさきうける)さんという、極めて優れた、日本の元外交官( 外務省国際情報局長もした人)が、次のように、ツゥイッターで、書いていることです。

(転載貼り付て始め)

孫崎さん
http://twitter.com/magosaki_ukeru
ウィキ: 11月30日英紙ガーディアン:
国際原子力機関天野(あまの)事務局長 が 就任に先立ち、米国大使に、
公平な立場要求の発展途上国グループに譲歩の要あるも、高官の任命からイラン核開発疑惑るまであらゆる重要決定で一貫し米国に同調すると確認。
孫崎注:これが今日の日本外交。本人問題と思わぬ点が深刻 
約2時間前 webから

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 この文の内容は、天野 と言う、日本のテレビにもよく出てくるようになった、アメリカの下僕、手先で、チンコロ犬のような日本外務省あがりの男が、今のIAEA(アイ・エイ・イー・エイ、国際原子力委員会という核開発諸国に、厳しい核査察を行う国際機関) の事務局長(マネージング・ダイレクター、事務総長)になったのだが、こいつが、あろうことか、「私は、アメリカの言うことを何でも聞きます。国際機関の長として、私は、公平な立場で、いろいろの立場からの意見を聞かなければいけないのですが、そんなことはしません。アメリカ様(さま)の言うとおりにします」 と、上記の文で、言ったと明らかになった。

 こういう 米国の外交文書が、大量(あと、25万本あるそうだ)が、英ガーディアン紙と、それからNYタイムズ紙ほか数紙にも、ウィキリークス・サイトのアサンジ氏から、まとめて送られた。 NYタイムズは、卑劣にも、それらを握りつぶしてきた。それが、もう、そういう訳(わけ)には行かなくなって、恥知らずの上塗りで、今、NYタイムズは国務省と交渉をしている。 

 アメリカのメディアも、グローバリスト(地球支配主義者)の片割れであり、世界民衆に信実を教えず、CIAの一部のようになって、世界各国に謀略ニューズを流す、腐ったメディアであることが、証拠付きではっきりしたということだ。

IAEAの 天野は、これで非常に厳しい立場に追い込まれる。なぜなら、「自分は、公平な立場であるはずの国際機関の長に任命されましたが、実は公平ではありません。自分はアメリカの忠実な家来です。彼らの言いなりになります」と発言した公文書が、このように明らかになった。
アメリカの手先ども、というのは、外交官たちまでがこのよに飼育され、アメリカのいいようにこのように国際舞台で、下僕として使われる。

IAEAの前のエルバラダイ事務局長とかが、「公平と真実発見に心がける」と言い続けて苦労して、どれぐらい偉い人たちだったかがよく分かる。

天野、お前みたいな 愚劣な人間どもは、さっさと辞任、退職しろ!
世界中がお前を嫌い、そして、お前の最近のいかがわしい発言の数々に怒っている。日本人の恥そのものだ。

 私たち日本からも、今から、アサンジ氏のウィキリークスのサイトの英文を読みに行きましょう。そして真実を知りましょう。 ウィキリークスの重要な記事の英文を日本語文にどんどん翻訳する人たちが、出てきますから、お待ちください。

アサンジ氏を、ICPOが政治弾圧の、口封じで逮捕して投獄したら、私たちも許さないぞ。

 ICPO( 国際刑事警察機構、 Interpol インターポールとも呼ばれる) の 日本の対応物(カウンターパート、出店)は、警察庁(けいさつちょう)です。 警察庁は、だから、公安調査庁(こうあんちょうさちょう)や警視庁(けいしちょう)外事課(がいじか。副島隆彦の担当はここらしい)や 内閣情報調査室(ないかくじょうほうちょうさしつ) が、すぐに国内で、違法な捜査をしようとするのに対して、すこしは「世界基準」を気にしているだろう。

副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

(副島隆彦注記。主に阿修羅掲示板から盗りました)

● 2010年12月04日  DHHfsFx

WikiLeaks (wikileaks) on Twitter
http://twitter.com/wikileaks

WikiLeaks now available at
http://wikileaks.de/
http://wikileaks.fi/
http://wikileaks.nl/

● 2010年12月05日 W0HiRdT7fs

 ジュリアン・アサンジ氏を激しく支持する。いかにアメリカがイカサマをしているかがこれから暴かれる、そしてアメリカを支持している国は日本と韓国、強制的に支持させられているのだが、アサンジ氏を支援しているのは国家レベルではないのだろうか、? 実際そうあって欲しいものだ、フタを空けたら相当数の国家が裏で支援していたらアメリカも終わりだろう?。

●  2010年12月05日 ozTKVgXuik

 匿名を使い、政府や企業、そして宗教まで関わる機密情報を公開するウェブサイト  「ウィキリークス」。投稿者の匿名性を重視し、機密情報から投稿者が特定されないようにする努力がなされているのが特徴だ。

  創設者は豪州出身のジュリアン・アサンジ氏 39歳。 そして設立日は2006年12月。設立からわずか1年以内に120万件もの機密文書をデータベースに収集したというのだ。今のところ公表されたのはごく一部のようだが、驚いたことに、在日米大使館から流出した資料が3番目に多いという。

 このウィキリークスを世界に轟かせたきっかけが、今年4月に公開された映像で、バグダッドで07年7月に録画された米軍アパッチヘリによる銃照準器のビデオだった。この惨劇は、ジャーナリストのカメラマンを含む10数人が米軍ヘリの攻撃により殺害された。米兵らの会話も録音されていて、世界中の視聴者に衝撃を与えた。この映像を提供した軍人は、翌月逮捕されている。

その後もアフガニスタンでの戦争に関する米軍機密文書を公開。
10月にもイラク戦争の米機密文書、約40万点が公開。
そして政府関係者による細かい発言も明らかになった。
中国外務次官による、日本の常任理事国反対発言。
同じく同国高官の、朝鮮半島は韓国がコントロールすべきだ。。。
さらに韓国当局者による、金総書記の死後は2~3年で崩壊. . .

など、枚挙にいとまがない。こういった情報流出を恐れたことから、中国やタイなどがアクセス規制を行っている。さらに今週に入って、ある米大手銀行に関する秘密文書を来年の早い時期に公開する用意のあることを、創設者アサンジ氏のインタビューで分かったという。

 このインタビューは11月初旬に語っていたが、このなかで同氏は、大手銀行の数万件の情報を公開する用意があると言い、その結果で、1行か2行は潰れるかもしれないと語ったというのだ。

 今回、ICPO(国際刑事警察機構:インターポール)が 同氏の逮捕状を思い切って請求した理由がコレだ。米国と欧州の両政府および公的機関が、逮捕するよう圧力をかけたに違いない。上記のようにウィキリークスのサイト、及び機密情報の漏えい問題は、すでに4月にはハッキリわかっていたのである。その後アフガニスタン問題の機密文書公開も報道されたが、創設者の逮捕問題にまで発展しなかった。

 また同氏の婦女暴行問題についても、すでに今年の8月には容疑がかけられていたのだが、なぜ今頃になって逮捕状の請求なのか・・・と、普通ならおかしいと感じるだろう。

 米国の大手銀行の暴露をされては、銀行の信用問題を超え、業績面から考えても大問題になることは間違いない。まさに国家的大惨事にまで発展することだろう。米国政府や州政府、金融機関や民間企業、そして個人の負債はすでに200兆ドルを超えている。日本円にして約1京6千兆円である。
米国の200兆ドルの負債は、あくまでマクロ的な意味だが、個別の銀行単位で暴露されると、それは米国だけでなく、欧州諸国全体の信用問題に発展するからだ。

 インターバンクや債権市場を調べれば、すぐに判明する。創設者は大手米銀の1行か2行は潰れるかもしれないと言い放つが、そんな程度では済まなくなるのは確実だ。しかも疑惑が最も高いといわれる 「ゴールドマンサックス」 の情報を漏らすというのだから堪ったものではない。実際、当銀行にどのくらいの負債があるのかどうかまでは知らない。

 しかしサブプライム問題で揺れ、08年3月に破綻したベアスターンズを吸収したJPモルガンチェースは、当時80兆ドルもの負債を抱えているという噂が流れた。もしこれが本当なら、このたった1社だけで米国GDPの6~7倍もの不良債権を抱えていることになるのだ。

 リーマンブラザーズの破綻も、裁判所の提出書類から、64兆円以上の負債があったというのだが、実際はもっと多かったに違いない。本当の情報は絶対に一般国民に知らせることはない。シティバンクについても、帳簿外が7つも8つもあるといわれている。事実は絶対に明らかにしないのが欧米の金融機関である。

 もし創設者の逮捕が現実に起こっても、他の従業員は世界中に存在しているのだから、逮捕後も機密情報が公開されないとは限らない。米国政府が最も恐れているのは、外交上の情報ではなく、軍の機密情報でもなく、金融機関の隠ぺい工作を暴露されることなのだ。

●  2010年12月04日   XD8QLgntG2

 スパイに内政干渉凄いネタが次々と出てくる!それをスルーするマスコミw 記者クラブの所為で世界中のジャーナリストから信用なくしているから当然か。 上杉氏の言ってるようにNYタイムス等が検証作業に加わっているのに日本マスコミに協力要請はゼロ、政府と一体化したマスコミは信用されないて例ですね。 アメリカ大統領ウィルソンの「十四か条の平和原則」第1条:秘密外交の廃止 に反しているアメリカ…

軍事覇権国家と成り下がった米国の真実の姿が暴かれるだろうな
アメリカが提唱した理想を自らの強欲で踏みにじる悲喜劇・・・

【ウィキリークス】 米韓高官が民主政権、自民と「全く異なる」で一致
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1291084264/

● 2010/11/30(火)

 このニュースの最大のポイントは、2月に米韓が「菅と岡田に接触を強めよう」と合意して 日本が菅首相・岡田幹事長になったことだ

●  2010/11/30(火)  
 民主は米国に白紙委任状を渡してきたこれまでの体制を 多少なりニュートラル、多極化にしようとしてたんだから  アメリカが疑念や危機感を持っていることが分かるこの外交文書の民主評に驚きは無いね
日本にとって良い悪いはまた別の話

【政治】菅政権の武器禁輸見直し論は、SM3ブロック2を西側諸国に売りたい米国の意向か・・・ウィキリークスで明らかに
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1291197259/

● 「武器禁輸見直し要請 米、日本政府に 」  

2010年12月1日  東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2010120102000197.html

【ワシントン=岩田仲弘】 米政府が昨年九月、日米が共同開発している ミサイル防衛(MD)の海上配備型迎撃ミサイル(SM3ブロック2A) を将来的に欧州で売却可能とするため、日本政府に武器輸出三原則の見直 しを期待していたことが、民間の内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」  が三十日までに公開した米外交公電で明らかになった。

 公電は、米政府が新たな欧州MD計画を公表する直前、国務省から東京を 含む関係各国の米大使館に送られた。新MD計画に関する各国政府との協議 内容をそれぞれ指示したもので、新計画は当面、米国所有のミサイルを用いるものの、「将来的には北大西洋条約機構(NATO)軍や欧州の同盟国への 売却も含めて可能性を探りたい」と説明。菅政権での三原則見直し論につな がった可能性もある。

● 「 ウィキリークス、次の標的は米メガバンク 創設者「1行か2行はつぶれるかもしれない」」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1291186576/

2010/12/02(木)  
 アラブ系の新聞だと他の情報も出てるらしいけど、 よくわからん   ガーディアンの場合は 一日目はイラン攻撃をアラブが望んでるって話がメイン
二日目はサウジのBAE子会社の汚職は英王室とサウジ王室の関係に絡んでうやむやにされたらしいって話と
三日目の今日はクラスター爆弾の米軍の持ち込みを 英軍が抜け道用意して見逃そうとしていたらしいという話がトップ

● 2010/12/02(木)
インド洋の重要拠点の基地にクラスタ爆弾ため込んでるのが  ばれちゃいましたwww

http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-11894759

ディエゴガルシアは有名な基地だしな  当然か

● 2010/12/02(木)  S5L7tcU 0

 そのリークの一番のポイントは  クラスター爆弾の禁止条約に調印しているUKが  USAに抜け道を提供してクラスター爆弾を英領に  置こうとしていたことなんだと思う  基地にあるのは織り込み済みで、2013年までに撤去予定だったはず

岩上さん
http://twitter.com/iwakamiyasumi
日本の中にも山ほどいるでしょうね。
RT @takemarutake @iwakamiyasumi
ガーディアンによると、ドイツ外相のスタッフが駐独米国大使のスパイだったことがわかりWikiLeaksで明らかになり、首になったそうです。http://bit.ly/dOUDmt
約1時間前 TwitBirdから

孫崎さん
http://twitter.com/magosaki_ukeru
ウィキ:30日英紙ガーディアン:
国際原子力機関天野事務局長 が 就任に先立ち、米国大使に、公平な立場要求の発展途上国グループに譲歩の要あるも、高官の任命からイラン核開発疑惑るまであらゆる重要決定で一貫し米国に同調すると確認。
孫崎注:これが今日の日本外交。本人問題と思わぬ点が深刻 
約2時間前 webから

● 上杉隆 氏 の文 
http://diamond.jp/articles/-/10295

「ウィキリークスの情報漏洩で世界中に大激震!その時、日本外交とメディアは――」 上杉隆

 ウィキリークスによって世界中が揺れている。先月(11月)末に 一斉に暴露された米国務省の秘密文書約25万点をめぐって、世界中の政府、メディアが大騒ぎになっている。

 なにより長年、世界中の米国大使館から集約した情報が一気に漏洩したのだ。おかげで米国の培ってきた安全保障・外交政策は一夜にして危機を迎えている。イタリアのフラティニ外相が、「外交の9.11だ」と評したように、それは外交上の信頼関係を崩壊させるに十分なインパクトを持つ「テロ事件」であった。

 オバマ大統領は火消しに躍起になり、クリントン国務長官も機密漏えい者を厳罰に処すとの緊急の声明を出している。だが、それでも一度インターネットの世界に流れ出した情報は、永久に元に戻ることはない。いったん可視化された米国政府の手の内は、もはや全世界のインターネットユーザーならば手に取るようにわかるのだ。だからこそ、敵対する国のみならず、同盟国からも非難の声が上がっている。

〈プーチン首相はバットマンでメドベージェフ大統領はロビン〉

〈リビアのカダフィ大佐は、いつも連れている色っぽい金髪のウクライナ美人看護士に首ったけだ〉

〈ベルルスコーニ首相は軽率でうぬぼれが強く無能だ〉

 こうした各国指導者たちへの米国の本音が漏れたことは、所詮お互いさまとしてギリギリ許されることかもしれない。だが、安全保障および防衛戦略など危機管理に関することについては洒落にならない状況をもたらしている。

■ 米国の危機管理能力に対する信頼が崩れた「情報の9.11」

 米政府が敵対するイランやアフガニスタン政府への偵察行為を行っていたのは、さして驚きに値しないものの、同盟国である英国などに対してもスパイ活動を命じていたことは、米外交にとってきわめて深刻な事態を及ぼす可能性がある。

 また、各国首脳の本音が漏れたことも大問題になっている。たとえばサウジアラビアのアブダビ国王が、隣国イランの核開発を止めるために空爆を繰り返し要求していたことなど、安全保障上、危険な状況を作り出す可能性が高まっている。

 また、パン・ギムン事務総長を含む国連幹部の個人情報、とりわけクレジットカードの暗証番号や通信システムのパスワードを盗み見ていたことが判明したのは、米国政府の信頼性を毀損するに十分である。オバマ政権は、最高機密情報に関してはひとつも漏れていないとして問題の矮小化に必死だが、各国政府からしてみれば、米国の危機管理能力に大いなる疑問符がついてしまったのは確実である。

 だからこそ、イタリア外相が称したように、「9.11」に匹敵する外交上の大問題だと、世界中で大騒ぎになっているのである。ところが、いつものことだが、日本政府の反応は限りなく鈍い。

■ 7月の米軍のイラク戦争情報漏洩時も日本だけが世界とは違う鈍感さを露呈

 7月末、同じようにウィキリークスがイラクに展開する米軍の情報を漏洩したことがあった。世界中が同じような大騒ぎになり、各国政府は対応に追われていた。 ところが、日本だけは違ったのである。

 2010年 7月27日、岡田外務大臣の会見に出席した私は早速、この点について質した。

【フリーランス 上杉氏】 先日ですが、米国の内部告発サイトのウィキリークスで、アフガニスタンに関する軍事作戦の機密情報が一部公開されました。それに 基づくと、かなりこれまでの米国の政府の報告と違う部分があると思われるのですが、この内容によって日本政府のアフガニスタンへのいわゆる政策、それから、テロ特措法も含んだ部分について変更の可能性はあるのかどうかをお聞かせください。

【大臣】まず、その中身を詳細に承知しているわけではございません。分析をしたわけではございません。そういう段階ですから明確なお答えは非常に しにくいのですが、そもそも漏れたものが、それは事実なのかどうかということについても確認されておりませんので、特にそういった状態でコメントするのは 適切でないと思います。

――外務省・外務大臣会見記録 PC版 携帯版 動画版(14分53秒付近) より

 今年、ウィキリークスに関して、日本の外務大臣に対して質問が投げかけられたのはこれ一回だけである。 それは、政府・外務省の危機意識の欠如とともに、記者クラブメディアの鈍感さを示すものとなった。外務省がこうした危機管理に鈍いのはなにも今に始まったことではない。問題はメディア、いつものように記者クラブにある。

 最初、ウィキリークスから在イラク米軍の機密情報が流れたとき、日本のメディアだけが世界中のそれとはまったく違った反応を示した。米軍のイラクでの振る舞いに目を向けるのではなく、信じがたいことに、ウィキリークスの信憑性を疑い、その存在を貶め、無きものにしようとしたのだ。

〈暴露系サイト〉

 あたかもウィキリークスという単語が汚らわしいものであるかのように、日本のメディアは不自然な「普通名詞」を使って、ウィキリークスをそう呼んだ。それは各国政府がこのメディアを揶揄した際に使った文言と奇しくも一緒である。 もちろん世界中のジャーナリズムで、そうしたスタンスを取ったところは、筆者が確認できた中ではひとつもない。

■ 疑わしきは、まず検証 それがジャーナリズムの国際的常識

 検証のため、事前にウィキリークスから情報を受け取っていたニューヨーヨータイムズ(米)、ガーディアン(英)、シュピーゲル(独)の三紙は別格としても、世界中のあらゆるメディアが、まずはウィキリークスの漏洩情報を事実であるかどうか取材検証し、その後、なぜ米政府がそれを隠したのかと批判的に報じた。

 今回の米国務省の公電漏洩事件も同様だ。ほとんどすべての海外メディアの論調は、25万点にも及ぶ米国務省の公電が本物であるかどうかに関心を寄せ、さらに調査取材の末、それが本物だとわかると、今度は米国の危機管理能力の欠如と世界戦略の傲慢さを批判的に報じはじめたのだ。事実上、ウィキリークスの創設者であるジュリアン・アサンジ氏の振る舞いを非難するだけの記事は皆無といっていい。

 ところが、世界中である国のメディアだけは違った。それが日本であり、記者クラブメディアの報道である。前回、7月の在イラク米軍の漏洩事件のときもそうだが、自らは検証することなく、「暴露系サイト」による信用ならない情報だと決め付け、実際そういう論調のニュースを繰り返し流し続けた。

 みのもんた氏の「朝ズバ!」(TBS)はいうに及ばず、報道系の「報道ステーション」(テレビ朝日)までもが、〈信用ならない元ハッカー(アサンジ氏)の作った胡散臭い暴露サイトの情報〉というレッテル貼りに終始し、、問題を矮小化させるのみだったのだ。

 あたかもそれは日本政府の代弁者のような振る舞いであった。じつは今回もまったく同様だった。さすがに〈暴露系サイト〉という不自然な「普通名詞」の使用は見当たらなくなったが、それでもウィキリークスという固有名詞は批判的な言葉として扱われ、新聞もテレビも〈信憑性に欠けるネット情報にすぎない〉というスタンスを変えようとはしなかった。本来ならば、信憑性の問われる情報があれば、それを取材・検証するのが世界のジャーナリストたちの仕事である。

 ところが、日本だけは新聞・テレビの記者クラブメディアは、自らそうした役割を放棄した上に、政府と一体となって情報の信用性にケチをつけているのだ。さらにその上で、米政府の危機管理ではなく、知る権利に応えた側のウィキリークスへ批判の矛先を向ける始末である。まったくもって本末転倒も甚だしい。
実は、これと似たような構図を私たち日本人はごく最近も経験している。

■ まるで記者クラブメディアによる「尖閣ビデオ」犯人探しの再現

 ここ数ヵ月間、日本の新聞・テレビは「尖閣ビデオ」をユーチューブに流した人物は誰かという犯人探しに明け暮れた。そして、海上保安官が自ら名乗り出ると、産経新聞を除いては、今度は彼を徹底的に批判するのだった。そうした行為は、筆者に言わせれば、日本の記者クラブメディアが自ら政府の広報機関に成り下がったことを宣言した瞬間にしか映らない。

 ジャーナリズムの最低限の仕事は、政府などの公権力が隠そうとする事実を暴くことにある。これは万国共通のジャーナリズムの理念であり、国民の知る権利に応えるものである。ところが、日本だけがそれが逆なのだ。だからだろうか、きのう(11月30日)の記者会見でも、前原外相の次のような酷い答弁に対しても、番組や紙面で単に紹介するだけで、言動を問題視するメディアは皆無であった。

【ニコニコ動画 七尾記者】視聴者の質問を代読します。ウィキリークスが米政府の外交公電を流しはじめました。クリントン国務長官はこれを強く非難。情報をリークした関係者の責任を追及していく構えです。一方、海外では、「歓迎」、「自粛」とメディアによって反応に違いが見られます。ウィキリークスに代表される内部告発サイトの存在について、大臣のご所見をお願いいたします。

【大臣】これはもう言語同断だと私(大臣)は思います。犯罪行為ですから。つまり、勝手に他人の情報を盗み取って、それを勝手に公開する。それがいかに未公開の秘密文書であれ、それを判断するのは、持っている政府であって、勝手に盗み取ってそれを公表することに評価を与える余地は全くないと私(大臣)は思っています。

【毎日新聞 西岡記者】ウィキリークスの件で、その中に日本の外務省の現職の幹部の名前が挙げられた文書が公開されていましたが、これに関して事実関係等の調査は指示されたのでしょうか。

【大臣】それについてコメントもしませんし、事実関係も調査しません。

【読売新聞 穴井記者】日本側から米政府に対して、何か対応を求めるとか、事情を聞くとか、あるいは米国から説明があったということはあったのでしょうか。

【大臣】米国から外交ルートを通じて事前の説明がありました。

【読売新聞 穴井記者】日本側からは、何か求めるということはしましたか。

【大臣】しておりません。

【フリーランス 上出氏】ウィキリークスのことですが、今の発言はやはりメディアとして聞き逃すことはできません。要するに、大手の新聞を含めて全部このことについて報道しています。これも含めて批判されているのか、また、西山記者がやった沖縄密約、あれはいろいろな技術的な問題で尻切れトンボになりましたが、改めて外務省も(関連文書を)公開しています。捉え方によっては、今の言葉はそういう問題にもつながる重要な問題だと思います。その辺も含めて、単なるコンピュータのマニアたちがやったということを批判するということではなくて、言論についての意味もあったと私はそのように聞きましたが、そのような意味は全くないのでしょうか。

【大臣】私(大臣)が批判したのは、勝手に人の秘密をかすめ取る、盗み取るということは犯罪であると、それを公開することは言語道断であるということを申し上げました。

【フリーランス 上出氏】それを判断して報道したマスメディアのことはどうですか。

【大臣】そういうものが出て、こういった内容があるというものを報道することは、我々は妨げることはできないと思います。

――外務省・外務大臣会見記録 PC版 携帯版 動画版(22分19秒付近) より

 いったいこの国の政府とメディアは何をしたいのだろうか。いくら現実から目を逸らそうとも、ウィキリークスは実在し、さらには外交文書が漏洩したのは、夢でもなんでもない紛れもない現実の出来事なのだ。そうした事態に対してリアルに対処するのが、政治であり、外交ではないのか。事実関係すら調査しないというのは、大臣として仕事の放棄を宣言したに等しい。

 また、記者クラブメディアも同レベルにある。ジャーナリストはニュースの信憑性を疑うのが仕事ではなく、それを取材検証し、確認するのが任務である。政府と一緒になって、情報源にペンの矛先を向けるのは、結果として自らの仕事に唾を吐く行為に他ならない。日本政府と外務省、さらには記者たちが、今回のウィキリークスの事件は外交・防衛、安全保障上の重大な危機であることに、一刻も早く気づくことを心から願う。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝