[1307]ぼやき漫談
「みんなが悪い悪いって言うから、
あの時は反省した感じになってたけど、
よく考えたら俺って悪くない様な気がするんだよね、
だって、証拠がはっきりしてるわけじゃないし。」
「俺がやってたことだって、みんなやってることだし、
俺が悪いんだったら、みんなだって、おまえだって悪いってことになるよね。」
「俺の体を守る為に、お前の強さに頼らせてもらったのは感謝してるよ。
今もお世話になりっぱなしで頭が上がらない。」
「お前の存在を使わせてもらうために、
親父もお前にうまいこと言ったみたいだね。」
「俺がまわりにちょっかいを出さない為には、
お前が俺んちに居座ってるのはしょうがないって、
みんなが見る文章にも書いてある。」
「その文章には、俺はお前の敵であり続けてるみたいだけど、もうお友達だよな」
「でもお前の方が俺より強いから、俺のものはお前のものって感じだけど」
「お前のライバルとも仲良くしたいけど、
ライバルやその手下のいたずらから俺の体を守る為には、
俺が強くなるまでお前はずっと必要ってことか。」
「でもそろそろあの時俺が悪いっていうのは無しにしたいんだよな、
あっ、でもそれが無しになると、お前が俺んちに居座る理由も弱まるってことか。
あのとき、お前が俺にした仕打ちの正当性も弱まるってことか。
じゃあ、お前は俺のことを『悪い悪い』って今も言い続ける必要があるわなぁ。」
「お前は俺の父親代わりっていうのが、みんなにとって、お前が俺んちに居座る理由。
でもそれだと気分が悪いから、
俺んちではお前らが勝手に言ってた事だって、こそこそ教えてるよ。
だから、子供や孫はみんなの常識とはかけ離れていくだろうなあ。」
「良い悪いなんて、誰が今強いかで、強いものが決めつけてるだけだから、
別にいまさら俺が悪くなかったなんて言ってもしょうがないよな。
だって、今強いのはお前と、お前のライバルだし、
俺が悪くないって言ったところで、
お前もお前のライバルも支持するはずがないんだから。
ただ、俺と、お前のライバルとの仲が悪くなれば、
俺がお前とつるむ理由にはなるから、お前にとっても都合がいいだろ。」
「絶対的な善と悪があるとしたところで、
俺の行動が褒められることにはならないし。
あの時はしょうがなかったんだ、
飢え死にしない為にはパンを盗むのは悪い事ではないんだって、
今更言ったところでどうなるものでもない。」
「盗んだパンをパン屋にほとんど返して、
おこぼれだけ俺が食べていたということなら、
俺は悪くないって、もっと言い張れるのかな。」
「こんなダベリが意味ないって思うなら、
みんながやってることも意味ないってこと?」
「じゃあ意味あることってなんだろう。
みんながパンを盗まなくてもすむ為にはどうすればいいかってこと?」
「みんなってどこまでを“みんな”とすれば争わなくてすむんだ?」