[1305]敵国条項

福田 博之 投稿日:2013/05/25 14:51

“敵国”へ 軍の駐留 “侵略”か?

“兵站”は 武力の行使 “侵略”か?

日本による「植民地支配と侵略」と、日本への「属国支配と駐留」

今さら、と思うかたもいるかもしれませんが、“敵国条項”についてです。
“敵国条項”は死文化しておらず、
現在も重要な、
「属国支配と駐留」「侵略の正当性」の、
根拠となっているのではないでしょうか。

国連が敵国日本への「新たな侵略を防止する責任を負うときまで」か、
敵国条項が削除されない限り、
米国による日本への「属国支配と駐留」は、
国際的にも認められるということの文章ではないでしょうか。

(引用開始)

「国際連合憲章」

大小各国の同権とに関する信念
兵力使用の計画は、軍事参謀委員会の援助を得て安全保障理事会が作成する。

第53条

1.安全保障理事会は、その権威の下における強制行動のために、
適当な場合には、前記の地域的取極または地域的機関を利用する。
但し、いかなる強制行動も、安全保障理事会の許可がなければ、
地域的取極に基いて又は地域的機関によってとられてはならない。

もっとも、本条2に定める敵国のいずれかに対する措置で、
第107条に従って規定されるもの又は
この敵国における侵略政策の再現に備える地域的取極において規定されるものは、
関係政府の要請に基いてこの機構が
この敵国による新たな侵略を防止する責任を負うときまで例外とする。

2.本条1で用いる敵国という語は、
第二次世界戦争中にこの憲章のいずれかの署名国の敵国であった国に適用される。

第107条

この憲章のいかなる規定も、
第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動で
その行動について責任を有する政府が
この戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、
又は排除するものではない。

「侵略の定義に関する決議」
“侵略”とは、国家による他の国家の主権、領土保全若しくは政治的独立に対する、
又は国際連合の憲章と両立しないその他の方法による“武力の行使”であ って、
この定義に述べられているものをいう。

(引用おわり)

自国に覇権国の軍隊が駐留し、
自国の主権者が覇権国の意向に影響を受けるということは“侵略”でしょうか。

“武力の行使”の定義とはなんでしょう。
「武器の提供、兵站又はその他の支援」は武力の行使でしょうか。

“兵站(へいたん)” 兵員の展開や衛生、施設の構築や維持。中継地点の確立。

日本への米軍の駐留は、兵站であり、武力の行使ではあるように思えます。

敗戦国と勝戦国との間の条約や協定の締結について、
“自主独立した敗戦国の主権の行使”だったといえるのでしょうか。
そのとき“兵站”という“武力の行使”が存在していたのならば、
敗戦国の主権は脅かされていないと言えるのでしょうか。
敗戦による占領から侵略が現代に続いているとするのが正しい認識なのでしょうか。

憲法無効論が言われるように、
条約無効論、協定無効論も政治的には言えなくても、論理的には言えるのでしょうか。
私は言えないと思います。
敵国条項として国連憲章で、
「無効にし、又は排除するものではない」と明文化されているからです。

国連ではなく、米国が日本の「新たな侵略」を防止する為の、
国際的に認められる“敵国”への“侵略”というのが私の認識です。

庶民にも分かるように、
政府によって今一度、単語の定義を明確に説明して頂きたいです。
また、米軍の駐留についての国際的な位置づけを、明確にして欲しいです。
日米地位協定・日米安保条約が有効な根拠が敵国条項にもあると思います。