[1295]風俗
風俗や 本番無しの 法倫理
“お吉さん” 国防軍の 人柱(ひとばしら)
特殊慰安施設協会
RAA
(Recreation and Amusement Association)
その道は、特殊慰安施設協会の再設提案に通じると思う。
ハリスの妾“お吉さん”は愛国の英雄の象徴として利用された様だが、
現代の風俗は、「一億の純潔を護り、以て国体護持の大精神」で、
「国民外交の円滑なる発展に寄与」出来るのだろうか。
「平和世界建設の一助」となるのだろうか。
終戦当時、占領当局がRAAを廃止とした背景には、
タテマエでは、「非民主的で婦人の人権を侵害するという理由」があっても、
占領軍内部では、性病患者の急増がホンネであったとすれば、
現代医学で性病対策が出来れば、今後再設すれば存続できるのだろか。
“お吉さん” 国防軍の 人柱(ひとばしら)
若者の雇用対策として、国防軍に入隊させ、
女性の雇用対策として、風俗店に入店させ、
どちらも消費的支出であれば、
風俗は外資を稼がないと国内は潤わない。
風俗や 本番無しの 法倫理
“国内合法的風俗” の世界発信は、
“ニッポン カワイイ” のソフトパワーになりえるのだろうか。
倫理、道徳のない野蛮人としての印象を生む、
“恥”となるのだろうか。
現実への言及と、理想への言霊。
RAA設立の際、
マッカーサーにより政府の関与に歯止めがかけられたのだろうか。
“ホンネ”と“タテマエ”
“理想”と“現実”
“目的”と“手段”
“光”と“影”
自己矛盾を含む現実に対処するために、
“悪”と“善”に役割分担される。
宗教に裏打ちされない道徳は無力だ。
日本で宗教の力が減衰すれば、
宗教に代わる道徳への思想が必要だ。
個人の欲求を満たすことは善。
生理的欲求と社会的欲求の狭間で、
公共の福祉の最大化をめざすとき、
政府は生理的欲求を抑圧しても、
社会的欲求の創造を個人に強いる見解をとる。
おさえきれない個人の欲求は、
別の個人が犠牲となり満たされる。
もともと、世の中は弱肉強食、
政府が弱肉強食を調整しようと理想に向かっても、
どこかで弱肉強食の、共食いが目撃される。
政府には、
世の中は弱肉強食だ。だから肉のかわりに骨でも噛ませとけばいいんだ。
ではなく、
弱い肉もあまり食べられなくてもすむ世の中を目指してもらいたい。
参考:『敗北を抱きしめて 上』 ジョン・ダワー 訳:三浦陽一・高杉忠明
以下引用
P150
「内務省は全国の警察管区に秘密無電を送り、
占領軍専用の「慰安施設」を特設するよう指示した」
「施設に入れる女性の調達には地方の警察署長があたり、
地元の売春業者や関係者を動員すべしとされた。」
「近衛は、「日本の娘を守ってくれ」と警視総監に嘆願したといわれる。」
「しかし、それから数日のあいだに、方針が変更されることになった。
降伏使節としてマニラに飛び、マッカーサー元帥やその司令部と打ち合わせを終えた
河辺虎四郎将軍が東京にもどってきて、この種の施設の運営には日本政府が
直接関与すべきではないと、強く主張したのである。」
「それ以後、政府の主な役割は、この事業におすみつきを与え、資金を融資し、
警察の協力を与えることに限定された。」
「池田勇人は、このとき政府側の手配に活躍した人物であり、
後に「一億円で純潔が守れるなら安いものだ」と言ったと伝えられている。」