[1237]BRICsの”B”のブラジルもいよいよ動き出した、という感じです。

会員番号1113番 鈴木勝彦 投稿日:2013/03/28 23:45

BRICsの”B”のブラジルもいよいよ動き出した、という感じです。

[ダーバン(南アフリカ) 26日 ロイター] 
ブラジルと中国は26日、相互に自国通貨10 件を融通し合う通貨スワップ協定を締結した。期間3年の同協定の下、年間最大300億ドル相当の自国通貨を融通し合う。

ポルトガル語のニュースを読むと、2008年のリーマンショック後に米国と同じく同額のスワップ協定を結んでいるそうです。
ただ、(米国との協定は危機回避の目的なので、今回の商業目的の中国との協定とは中身が)違う、と言っています。

Acordo entre Brasil e China foca transações comerciais, Estado de Minasより抜粋
Esta linha é diferente da firmada pelo Brasil com os Estados Unidos em 2008, que também envolvia um swap de US$ 30 bilhões, anunciada pelo BC brasileiro em 29 de outubro daquele ano. Na ocasião, o mundo mergulhava na pior crise internacional desde a Grande Depressão dos anos 1930. Os recursos daquele contrato firmado com o Federal Reserve (Fed) tinha como objetivo prover liquidez ao País, caso fosse necessário, para se proteger das turbulências nos mercados internacionais.
(http://www.em.com.br/app/noticia/economia/2013/03/26/internas_economia,363046/acordo-entre-brasil-e-china-foca-transacoes-comerciais.shtml)

日経でも、
中国、ブラジルと通貨交換協定
2013/3/26 22:50
【北京=大越匡洋】中国人民銀行(中央銀行)は26日、ブラジル中央銀行との間で自国通貨を相互に融通し合う通貨交換(スワップ)協定を結んだと発表した。期間は3年間で上限は1900億元(約2兆8500億円)。中央銀行を通じて人民元を調達する仕組みを整え、ブラジルの企業が中国企業との取引で元建て決済に応じやすくする狙いがある。
と、ブラジルの新聞と同じことを報道しています。

やはり、もうドルもユーロも信頼できない、ということでしょう。
確か、ブラジル人のスーパーモデルが最初に「ドルでギャラはもらいたくない」と2007年頃(後で否定した様ですが)言い出しました。
ブラジルの南部は白人ばかりのアルゼンチンに近いのですが、金髪系が多いのでちょっと黒髪が多いアルゼンチンとは違い、北ヨーロッパの雰囲気もあります。
そんな地域の出身である同モデルは見かけは金髪碧眼でも中身は純粋のブラジル人、為替レートに敏感なのは中層以上のブラジル人として何十年も前から常識です。
ブラジルの中国とのスワップ協定も根っこはこのスーパーモデルと同じ考え方ですね。

名乗るのが遅くなりましたが、会員番号1113番の鈴木勝彦です。
副島先生、学問道場の皆様、いつも本当にお世話になっております。

私は、90年までのバブルが終わる直前に就職し、それ以降転職3回うち一回はあの有名になった六本木の防衛商社で全社員解雇にあったり、これまでそれなりの山あり谷ありでした。
同社では東京地検の取り調べ(?と、いう程ではなかったですが。)も何回か受けましたし、アーミテージと会社の人が肩を組んでいる写真を見せてもらったり、中々面白い経験も積ませてもらいました。
その前にいたゼネコンはホテル買収で高杉良の小説にもなりました。(なんか、谷ばっかりみたいですが、、、)
まあ、何とかここまで20年弱社会人生活を送ってきましたが、もう他人の指示に従って仕事をするのは十分かなという感じで居ります。

私の最初の結婚が学生時代に南米で知り合ったポルトガル人で、今の家内がブラジル人です。
と云う訳で、かれこれ20年強人生の半分位ずっとポルトガル語に接してきているので、ブラジルに次のチャンスを見つけてみようとも考えています。

ブラジルというのは、昔からアメリカにいじめられてきたので、グローバリズムをその言葉ができる前から身に染みて判っています。
彼らは、私たちがイメージする様な楽天的な社交家がすごく多いです。
そんな中で、周囲のちょっと曖昧で能天気な気質に流されない(?)人たちも結構居て、そんな人たちは逆に日本人にもあり得ないくらい几帳面で真面目、意志が強い上に皆、体力があります。
今のブラジルの動きを見ていると、改めてそういう人たちが中心となって国を支えているんだなと感じます。
たとえば、マンテガ財務相の通貨戦争発言など、筋金入りの発言は、もう、国家として自立しており、うらやましいです。
(今回の南アのBRICS会議でも色々活躍されているようです「マンテガ財務相」ですぐヒットします)

この国の動きを見ていると、国のトップが自分たちの国家を世界の中でどういう方向にもっていこうかとそれなりに考えているのが判り、来るべき時代を感じさせます。
一般的な日本人の固定観念で「ブラジルはねえ、、、」という軽い軽蔑も彼らは痒くもありません、きっと。
実際外貨準備高も2011年時点で世界6位、台湾の次です(中国、日本、サウジ、ロシア、台湾の順で)。
もう、あの国はやりたい事をやりたいように自分で始めている、という感じです。うらやましい。
国家として、日本の国は、何を私たち国民にしてくれているのか?
日々の日本の頓珍漢なニュースを見ているとブラジルはもう見上げる国なのではないか?とも思ってしまいます。

とはいえ、実際、ブラジルの貧富の差、教育の差は本当にひどいので困ったものです。
ただ、それも裏返すとどん底まで行っている人たちのあけっぴろげな三つの本能(睡眠/休息、食欲、性欲)に正直な社会や、喜怒哀楽がストレートに表現される理由だとも思います。
とにかく、食べて、寝て、楽しんで、誰に迷惑をかけているの???、といった生まれながらの開き直りが、ある意味、ホントに気持ちの良いところです。
(ただ、身近にブラジル人が居る経験からして、普通の日本人からすると自分勝手なところに辟易してしまうことも多々ありますが、、、「もう、ブラジル人は!!!」って感じです。)

インフラ、医療、官僚主義、とマイナス面はまだまだ沢山あります。
それでも日本で定年延長してもらって年金をもらえるまで指折り数えるのはもう我慢出来なくなってきています。
それなら年金をもらえる前に事故や犯罪(これも多いんです!)でブラジルの土になってしまったとしても、それはそれで良いのかなとも思っています。

さて、副島先生には「ぼやき」の最初の最初から本当にお世話になっています。
もしかすると、リバータリアンの考え方に繋がるのかもしれませんが、もう、自分でやってゆくのが一番だと日々確信しつつあります。

中国とイスラエルの喧嘩について話された講演、また、モノラインの重役が自殺したとちょろっと講演で話された件など、強烈に心に残っています。
そういえば、一回だけ立川の会の部屋で車座で自己紹介などをした会で、一回だけ先生に握手をして頂きました。
先生の書かれる内容は激しいかもしれませんが、何事にも真摯な印象を持っていましたので、分厚い手でちょっとびっくりしました。忘れられません。
あれ、これは副島教ってやつでしょうか?
そう言われても痒くもありませんが、、、

最後に、以前友人から聞いた小話があります。

Tシャツに短パン草履姿で無精ひげのブラジル人がリオのビーチのカフェで午前中からビールを飲んでいました。

それを見た通りがかりの日本人が言いました、「なんでこんな朝っぱらからダラダラしているんだ?」「働かなくちゃダメじゃないか?」

急に話しかけられ疎ましげに見上げるブラジル人を気に留めず日本人は続けます。

「日本人はなあ、小学校から朝8時から3時まで勉強して(ブラジルの小学校は午前午後の二部制)、夜遅くまで受験勉強をして、それで有名大学に入るんだ」

「ふうんん、それで?」とブラジル人、

日本人は「有名大学に入ったらな、有名な会社に入れるんだ、給料も良いんだぞ。」と。

ブラジル人は少し興味を惹かれ「それは良いね、で、そのお金で何をするの?」

日本人は「毎日夜遅くまで一生懸命働いてな、お金が溜まったらな、大きな家を買ってな、それで海外旅行してな、ビーチでビールを飲みながらゆっくり日々を過ごすのさ!」と自慢げに。

ブラジル人はちょっと考え、「ああ、それじゃあ、いま俺がしている事と同じじゃん?」

この小話のブラジル人はビーチで午前中からビールを飲んで居る位なので、どう考えても下層ブラジル人です。
当然彼の日々の生活はちょっとみじめなものもあるはずです。
でもこの小話には考えさせられますね。

以上、長くなってしまいましたが、引き続きよろしくお願いいたします。

鈴木勝彦