[1230]「アジア人同士戦わず」を蝕むもの

福田 博之 投稿日:2013/03/20 07:35

「火縄虫」

火縄虫 恫喝砲に 跳ぶ霞
ひなわむし どうかつほうに とぶかすみ

焼野へと 鳩の見ぬうち 火縄虫
やけのへと はとのみぬうち ひなわむし

火縄虫 トゲの山超え 薔薇の蜜
ひなわむし とげのやまこえ ばらのみつ

火縄虫 墓石へ傘は 花水木
ひなわむし ぼせきへかさは はなみずき

「火縄虫」とは、季節を限定しない詠者独自の表現です。
「火取虫」ですと、夏の季語となる様です。
夏に限定したくない場合でも使える虫の枕詞として、
勝手ながら「火縄」を使いました。
自然観察によるものではなく、観念的な句です。

蚊の様なもの。
ミミズの様なもの。
コガネムシの様なもの。
アメリカシロヒトリの様なもの。

色々な力に弱いもの。
平和を蝕む強いもの。
戦争を喰い物にするもの。
影でコソコソするもの。

「沖縄県」
「軍事大国」「CIA」「巨大資本」
「ISD条項」「ラチェット規定」
「法の支配」「対話と圧力」
「日米地位協定」「日米安保条約」「日米原子力協定」
「ネオコン」「戦争経済」「軍需産業」
「オスプレイ」「F14」
「密約」「保身」
「ニューヨークの州花」
「We are the 99%の声」
「アーリントン墓地」

などの言葉を思い浮かべながら、
それぞれの虫を、自由に当てはめてみて欲しいと思います。

すでに詠んでいた、
「TPP バスに飛び乗る 火縄虫 夏を待たずに 参加表明」
を、少し練ったので下記に投稿します。
あくまでも、「平成25年春のうた」です。

鳥が舞い バスに飛び乗る 火縄虫
梅雨も待たずに 鳴く声凍みる

とりがまい ばすにとびのる ひなわむし
つゆもまたずに なくこえしみる

米の国(こめのくに)

お米(コメ)の国(くに)は ベイの国(くに)
塀(へい)ではなくて ベイの国(くに)

米蔵(こめぐら)高(たか)く 舞(ま)う鳥(とり)は
鷲(イーグル)なのか 鷹(タカ)なのか

とんぼ返(がえ)りの 黒(くろ)い影(かげ)
空飛(そらと)ぶ虫(むし)か 鳥(ちょう)なのか

バスの灯(ひ)に寄(よ)る 乗客(じょうきゃく)は
火縄(ひなわ)を嗅(か)いで 擦(す)る虫(むし)か

鳥(とり)の真似(まね)して 鳴(な)こうにも
羽音(はおと)が耳(みみ)に 障(さわ)るだけ

遠(とお)くの陸(おか)で 雨降(あめふ)れば
地(ち)が固(かた)まるか 黴(カビ)るのか

季節(きせつ)はずれの 憑(つ)きもの映(うつ)す
お上(かみ)は 禍難(かなん)の 空模様(そらもよう)