[1203]春闘[

福田 博之 投稿日:2013/01/31 23:06

金融プチバブルをつくっても、いずれ、はじける。
消費的支出を増やしても、国は、豊かにならない。
国家は労働の果実を略奪し、さらに、成熟によるデフレの恩恵をも破壊する。

春闘始まる。

「春闘」は、総理の所信表明演説にある、
「額に汗して働けば必ず報われ」るかどうかを、検証する機会だ。
オーストリア学派の論理が妥当かどうか、
「物価上昇率」と「ベースアップ」(和製英語)の関係を確認することで考えてみたい。

「物価上昇率」と対比すべきは、「ベースアップ」だ。 「定期昇給」では無い。

「定期昇給」0%とは、
あなたの1年間の、労働における知識技能の向上、経験をつんだ事による、
労働による社会への貢献が、「報われたのが」0%だ、という事を意味するのではないか。

以下、上記を考える為のキーワードの参考資料を貼り付けます。

メディアは、今こそ「ベースアップ」と「定期昇給」の違いを、分かりやすく国民に説明するべきだ。
必要最小限の説明や、誤解を招く事実の提示が、行為として道徳原則に適うとしても、
その意図するところ、目的が、「国家による国民への詐欺行為の加担」であれば、
道徳原則に反していると言えるのではないだろうか。

●日本経済新聞「春季労使交渉が開始 経団連と連合、賃上げ巡り応酬」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL290FM_Z20C13A1000000/
「(経団連側は)危機的な経営状況にある企業は定期昇給(定昇)の凍結、
延期を協議せざるを得ないと指摘した。」

「経団連は賃金体系全体を引き上げるベースアップについて
「実施する余地はない」との姿勢を示している。

●NHKニュース「春闘スタート賃金引き上げで隔たり」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130129/k10015134621000.html
「経団連側は、厳しい経営環境が続いているとして、
基本給を一律に引き上げるベースアップについては実施の余地はなく,
定期昇給についても、延期や凍結を協議せざるをえない場合もあるという方針を示しました。」

●Wikipedia「ベースアップ」
http://ja.wikipedia.org/wiki/ベースアップ
「賃金の上昇額や率を計測する概念には、他に定期昇給(定昇と略すことが多い)があるが、
賃金交渉の実務上は、ベースアップと定期昇給は区別される。」

「1年間の給与の伸びは、ベースアップ部分と定期昇給部分に分解できる。」

「ベースアップ額はすべての労働者の名目賃金を底上げするものであり、
インフレなどの貨幣的な要因の他、資本装備率の向上などによる
企業全体の生産性向上を反映したものである。
一方、定期昇給額は特定年齢層の従業員が
1年勤続を積みますことで得られる賃金の伸びに対応するものだから、
その年齢層の教育訓練がもたらした労働生産性向上部分に相当する。」

「ベースアップにあるもう一つの機能は、
インフレ率に応じて名目賃金を調整するという働きである。
たとえば、インフレ率が3%であり、名目の売上額が3%増加している状況で、
名目賃金が従来通りならば、実質賃金は3%目減りしてしまう。このとき、
名目賃金を3%上昇させてはじめて、実質的な労働条件は以前と等しくなるのだから、
従前同様の人材を確保するためには、いずれ名目賃金の底上げが必要となってくる。」

●copyrght(c).金融政策と展開.all rights reserved「インデクセーション」
http://kinyouseisakutotenkai.rash.jp/kinyou/22.html
「インデクセーションとは物価スライド制、価値修正、物価指数化制度などとも言われます。
賃金、金利、社会保障費、企業資産、債権、債務などを物価指標の動きにスライドさせ、
インフレに伴う所得や資産の減価や分配の歪みを是正する制度で、
インフレそのものを抑える政策ではなく、
インフレにともなう苦痛を和らげる役割を果す政策と言えます。」

●kotobank 「物価スライド制賃金」
http://kotobank.jp/word/物価スライド制賃金
「今や日本でも春闘による賃上げに加えて物価スライド制を導入することが,
実質賃金を維持し向上させるうえで重要になってきているといってよい」

●星人事労務コンサルティング「カテゴリー別用語集」
http://hoshi-consulting.com/page_word5_1.html
「エスカレーター条項:escalator clause/li>
労働協約で、賃金を消費者物価指数や売上高などの変動に応じて自動的に調整することを決める条項。」

●PDF『インデクセーションの累型と効果』松水征夫
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/metadb/up/kiyo/AN00126877/SeikeiRonso_25-5_1.pdf