[1185]オーストラリアの会員の方に暑中見舞い
暑中お見舞い申しあげます
オーストラリアはめちゃくちゃな猛暑だそうですね。ロイター通信によると、40度~45度の酷暑と異常乾燥で、山火事が豪州各地で起こっていると報じられています。
首都キャンベラの郊外10キロ近くまで火が上がっています。
タスマニア島でも大規模火災が発生して、ジュリア・ギラード豪首相も被災地にいったようです。ギラードの様子をみたい方は[ギラード・山火事視察]で検索してください。
すでにタスマニア島では19,000ヘクタールが焼けたそうです。「80年来の大火災」とギラード首相は国民に注意を促しているようです。
オーストラリアでは大熱波ですが、日本はこの1月に北海道の各所で-30度を記録しているようで、気温差は70度にもなります。
今日は東京は吹雪いたようですが、関西はぱらぱらと雨でした。
ギラード首相は地球温暖化が原因だ、といっているようですけど、そう単純に決め付けてはいけないだろう、と思います。防災研究家の山村武彦(やまむら たけひこ)氏は2009年のオーストラリアのブラックサタデイを取材して、オーストラリアの山火事(bush fire)の50%が放火または放火の疑いがある、といっています。(2009年のブラックサタデイの際には200人以上が死亡した。)
http://www.bo-sai.co.jp/bushfire.html
また上の山村レポートによると、オーストラリアでは山火事で家族が死んでも「行政や政府を非難する人はおらず、家族の死傷は自己責任であり、自分たちが早期自主避難を怠ったからと割り切っている。」
またこれは副島先生の最新刊『個人資産防衛の時代』とも絡んでいると思いますが、「(ブラックサタデイの山火事の際に) 家族を失った人を収容するリリーフセンターが各所に設けられたが、一日程度そこで暮らす人はいたが自分でモーテルやホテルを見つけて暮らすため、どこのリリーフセンターにも被災者の姿はなかった。」(家を失った人たちに対するホテル代は一日1万円程度の支援金が支給される)とある。
無論、東日本大震災のケースと同列に論じることはできないが、被災した後、体育館で集団生活を何ヶ月も暮らしていてはいけないのだ、という副島先生の考え方と符合していると思います。
私はまだアイン・ランドの『肩をすくめるアトラス』や『水源』を読んでいないので、よくわからないけれども、生活の観点からリバータリアニズムを教えてくれているのだと思います。
いきなり、山火事の話から始めて申し訳ありません。
半田様と副島先生が紹介された豪州にお住いの会員の方の情報を読んで、政権党の労働党(Labor party)の内部が二つに分裂していることを知りました。無論、ジュリア・ギラード現首相と、ケヴィン・ラッド氏(前首相)の対立のことです。
この件に関する文章がありましたので、紹介したいと思います。
(引用開始 )
johnpilger.comより
2012年10月25日
オーストラリアには世界のウランの40%があるが、その全てが先住民の土地にある。ジュリア・ギラード首相は、核拡散防止条約(NPT)への署名を拒否している政府にウランを輸出するため、インド訪問したばかりだが、インドの敵パキスタンも非署名国だ。両国間での核戦争の脅威は絶えずに続く。ウランは核兵器に必要不可欠の材料だ。デリーでのギラードの協定は、”早い時期の核兵器競争の休止に関する効果的対策と、核軍縮に向けて誠意を持って交渉するように務める”NPTの義務を拒否する国々にはウランを輸出しないというオーストラリア労働党の長年にわたる政策を正式に終わらせた。
(中略)
2007年、ジョン・ハワード首相は、資源の豊富な北部地域の先住民社会に”緊急介入”するため軍隊を派遣した。
(中略)住民は、彼らの土地借地権を放棄しなければ、基本的なサービスは受けられないと言われたのだ。ギラードの先住民問題担当相は、以来、”強い未来”というオーウェル風の名前を与えられている。(中略)
人々を”ハブ・タウン”に追い込み、彼らにはまともな住居提供はせず、一つの部屋に大人数で暮らすことを強いるのが戦術だった。(中略)
“介入”が始まると同時に、ウランを含む鉱物資源を探鉱する企業に何百もの免許が認められた。オーストラリアの現代政治は、採鉱企業の権力によって規定されることが多い。前の労働党首相ケビン・ラッドが、記録的な採掘収入への課税を提案すると、彼は、後に税を引き下げた、ギラードを含む秘密政治徒党によって退陣させられたのだ。ウイキリークススが入手した外交電信は、ラッド追放工作をした二人の共謀者は、ラッドが、中国を包囲し、インド等のアメリカの子分にウラン輸出を許可する、というアメリカ計画の書状に従わないことに怒った、アメリカ大使館への情報提供者であったことを明らかにしている。
オーストラリアを、ソ連と東欧衛星国家とよく似た、ワシントンとの歴史的関係にギラードは復帰させた。昨年バラク・オバマがキャンベラを訪問し、中国が”自由世界”にとっての新たな敵だと宣言する前日、党はウラン輸出禁止を止めるとギラードは発表した。
冷戦後のワシントンの別の執念がオーストラリアからの貢献を要求している。
(以下略します 引用終わり)
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1318823/1335849/83219491
サイト「マスコミに載らない海外記事」(世界を一層危険にするのに熱心なジュリア・ギラード)より引用しました。原文は↓です。
johnpilger.com/articles/making-the-world-a-more-dangerous-place-the-eager-role-of-julia-gillard
海外からの投稿を私も楽しみにしています。「知りたい。」という気持ちが強く起こります。
半田様も匿名の方もくれぐれも猛暑に気をつけてください。(山火事にも)
田中進二郎拝