[1109]マリア信仰と修験道
会員番号1149番の茂木です。
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田中さんコメントありがとう御座います。“隠された歴史”副島隆彦著(PHP研究所)についても書いておきましょう。この本は夏休みに読みました。仏陀と菩薩信仰、キリストとマリア信仰を巡る文明史的考察で、「阿弥陀如来、観音菩薩、弥勒菩薩は、マリア様である」という、拍子抜けするほどシンプルな説は、山本七平氏や小室直樹氏による宗教研究を継承し、さらにその先を示したとても貴重な一里塚だと思います。渾身の一作で、読後、本物の思想家はものごとをここまでシンプルに整理できるものなのだなと感心しました。
福岡伸一氏の“できそこないの男たち”(光文社新書)にある通り、生命の基本仕様は「女」ですから、マリア信仰は人の原初的な欲求に合っているのでしょう。大脳新皮質の働きだけでは救済は得られない。大脳新皮質主体の思考優位の男性がどうしたら「愛」を悟りgreed(強欲)から離れていられるのか。仏陀とキリストが苦行と受難を通して「愛」を悟ったとしたら、日本の男には古来「修験道」という行がある。それが、“なぜ女と経営者は占いが好きか”副島隆彦著(幻冬舎新書)のテーマである「修験道」の話にも繋がってくるのだと思います。
11月3日の定例会は所用で参加できませんが、ミケランジェロとメディチ家の本は楽しみです。“隠された歴史”の最後に掲げられた「サン・ピエトロのピエタ」から話が始まるのだろうか。