[1104]フフホト通信(山東省青島市から)

石井裕之 投稿日:2012/10/05 03:49

山東省青島市から石井裕之がフフホト通信をお届けします。
最近、日本の方からセカンドハウスに関する問い合わせを多々受けます。特に首都圏に御住まいの方に多いですね。退職金で購入出来る範囲でとか、天災に備えてなんて理由からのようです。それに折角買うんだったら値上がりの期待出来るもので、スポーツ・ジム施設の完備されたマンションが良いね、なんてご意見も聞きます。

そこで、日本人が中国にマンションを購入する際の注意事項を列記してみたいと思います。
①中国では不動産に対する所有権は基本的に認められておりません。それが中国人であろうが外国人であろうが同様です。住居の場合、50年~60年の使用権を購入する、ということになります。
②外国人がその不動産の使用権を購入する(以下、購入すると略します)場合、条件が付けられる場合があります。その一番大きな条件とは、ローンが組めない。現金のみの買取になります。
③上海や北京の中心部などにおいては、外国人の購入することが出来ない物件もあるようです。
④一般的に一年以上中国に滞在していることが不動産購入に必要な条件です。
⑤地域によって、上記「④」が緩和されている場合があります。
⑥中国人向けの価格と、外国人向けの価格が違う場合があります(当然、外国人向けの価格の方が高い)。
⑦地域によって不動産購入と同時に長期滞在ビザの発給が得られる場合があります。これはその地域行政のサービスですね。
⑧日本では「坪」当り単価(3.33平米)で金額を表示していますが、中国では「1平米」当り単価を用います。
⑨最近のマンションは内装工事を仕上げてから受け渡しをしている物件も見掛けられますが、基本的に内装工事は購入者が行います。
⑩上記「⑨」のような状態をスケルトンでの受け渡しと言いますが、床材を張ったり、壁に断熱材を入れたりするところから購入者がしなければなりません。
⑪そのため、中国では内装工事屋が大繁盛していますし、内装建築資材屋の数がやたらと多いですね。日本では有り得ないでしょうが、「床は大理石張りにしようか、それとも木板を使うか」とか、「クローゼットをどこの壁にどのように配置しようか」なんてことをDIYすることが出来ます。好きな人には堪りません。
⑫ただ、その内装工事も日本の仕上げ品質に比べてしまうとお粗末としか言い様が有りません。それに工事をしにくる職人の腕も怪しいものです。
⑬不動産価格ですが、地方によってマチマチです。例えばフフホトのような人口300万人程度の地方都市であれば、8000元(10万円)/1平米くらい出すと街の中心に割りと近いところにマンションを購入出来ます。これが青島になると25000元(31万円)/1平米以上出さないと良いところに住めません。北京や上海になってくると青島の5~10倍に跳ね上がります。
⑭今から10年くらい前であれば、マンション価格の値上がりも相当激しいものがありました。3年で2倍になった、という例もあったくらいですから。ただ、今はそのような値上がりは期待出来ません。

大体そのような感じです。
上には書きませんでしたが一番やってはいけないことは、飲み屋で知り合いになった中国人の女の子の名義でマンションを購入する、ということです。これでマンマと騙し取られた日本のオジさまを何人も知っています。
日本語が話せるというだけで相手(女の子)を信用しないようにすることが肝心ですね。