[1013]フフホト通信(山東省青島市から)
石井裕之が青島からフフホト通信をお送りします。
いい加減「チンタオ通信」にしたらどうだ、というお叱りのメールを頂いておりますが、自分自身「フフホト通信」に愛着を感じております。
真に勝手ながら、暫くこのままのタイトルで続けさせて頂きます。
さて、今回は青島及び煙台(山東省)、大連のレストラン事情についてです。
現在、青島では「青島ビール祭」が開催されています。
市の東側に位置する国際展示場の西隣の巨大ショッピングモールの屋上スペースを利用してのものです。さながらビアガーデンの超巨大版といった風情でしょうか。敷地内に様々なバーベキューの出店が立ち並び、ステージの上では野外コンサートが開かれております。
また、青島ビールの生ビールは最高に美味いですね。
スッキリしているのに、妙にコクがあったりもします。
これは本当にヤミツキになってしまいます。
もうすぐ世界各国のビールもお目見えするとのこと。
中国の大連方面に出張予定の人は、是非とも青島まで足を伸ばしてみて下さい。一見の価値ありです。
また、青島の市内には様々な日本料理が堪能出来ます。
居酒屋は豊富な種類を誇っておりますし、結構美味いラーメン屋もあったりします。焼き鳥、鉄板焼き、蟹料理・・・なんだ日本に帰らなくても良いじゃん。
日本に比べると安いとは言え、こちらの物価を考えると結構な値段です。
大体一人当たり5000円程度でしょうか。
それでも夜は予約を入れていないと中々ゆっくり食事が出来ないほどの人気です。
煙台では、実に美味いマグロ料理が堪能出来ます。
聞くところによると、マグロの集積基地が煙台にあるのだとか。
日本の食品加工工場もここ煙台に集中しているそうです。
贅沢な話ではありますが、トロを大皿にコンモリと並べられても、そう沢山食べられるものではないですね。
これはにぎって欲しかった。
大連は日本人が非常に多い街ということでも有名です。
二百三高地で有名な「旅順」が、観光地として去年から一般公開されているそうです。
今後は観光開発されていくそうですので、一度行ってみては如何でしょう。
野木将軍の墓もあるのだとか。
大連の街中にも、日本食レストランは沢山あります。
この間行った焼き鳥屋さんは、日本人が炭火で焼いてくれていたので、非常に美味しい焼き鳥を堪能出来ました。
私は焼き鳥が大好物なのですが、なかなか中国では美味い焼き鳥がありません。以前上海や北京で食べた焼き鳥が最低だったので、今回の大連の焼き鳥はホームランです。
大連の「勝利広場」の周りにはこういった美味い日本食レストランが豊富に存在します。
そしてそれぞれの店に共通して言えることは、どこも客が一杯ということです。
青島や大連には、店舗改装専門の日系企業が多数存在しますが、どこも仕事を山ほど抱えているようです。
今、中国の外食産業は正に「花盛り」状態なのですね。
先日、大阪の知り合いの寿司屋の大将が青島を訪ねてくれました。
この大将のにぎる寿司はちょっと他所では観られないほど見事な「業」で、私も大好きな味なのですが、最近の日本ではやはり寂しいそうです。
売上や利益も去ることながら、料理人としてお客さんの「美味い!」という声ほど嬉しいものは他にないそうですが、今の日本では外食を楽しむ習慣が減ってきているため、件の寿司屋も本当に寂しい状態が続いているそうで、どうにも仕事に張り合いがない、と語っておられました。
「どうですか、青島でもう一勝負してみませんか?」と声を掛けたら、是非にもということで、今出店準備を急いでいるところです。
こうしてまた一人、日本の財産の海外逃避の手伝いをしてしまっている今日この頃です。