ベネズエラ問題について
副島隆彦です。今日は、2026年1月7日です。ベネズエラ問題について書きます。
1月3日午前1時に、ベネズエラ国の大統領のニコラス・マドゥロが米軍の特殊部隊デルタフォースによって、首都カラカスの大統領官邸が襲撃され、拘束、連行された。

ベネズエラの地図

ベネズエラ国の大統領のニコラス・マドゥロ

マドゥロが連行されるところ
早くも現在は、ニューヨークの南部の裁判所で裁判が始まり、テロリズムと麻薬密売への加担などで、一般犯罪者として、起訴されている。だがベネズエラ国内は平穏である。暴力事件は起きてない。
米軍が一斉に首都カラカスを目指して、1万人規模で軍事侵攻するという動きはない。トランプ大統領は、盛んに脅しをかけているが、事態はこのまま続いてゆくだろう。デルシー・ロドリゲス(女性、副大統領)が暫定(ざんてい)大統領になった(5日)。彼女は裏側で深くアメリカと繋がっているようで、トランプの言うことを聞く動きをこれからする。

デルシー・ロドリゲス(女性、副大統領)
マルコ・ルビオ国務長官と、ロドリゲスが電話で話し合っている。ルビオは、フロリダ州が地盤で南米系だから、スペイン語ができるだろう。私が、このような中南米の話を急に始めても、専門家ではないから、たいしたことは語れない。世界中で報道されている内容以上のものは書けない。それでも私は、次の4つのことを話すことで日本国民の知識層にとって大事なことを書く。
① マドゥロ大統領の拘束は、アメリカがベネズエラの石油と天然ガスを一気に取り戻したということだ。大きくは中国との資源戦争である。PDVSA(ペデベーサ)というベネズエラ国営石油公社という大きな企業があって、ここが重要問題である。
② 今回のトランプが決断した南米国への軍事介入は、モンロー主義( Monroe Doctrine )と呼ばれるものである。このモンロー主義と孤立主義(アイソレーショニズム)は違う。このことを日本の知識層が分かっていないので、後で説明する。
③ 中南米(ラテン・アメリカ)の歴史で、ベネズエラが西洋によって一番最初に開発された国である。だから一番歴史もある。そして、シモン・ボリバル(1783-1830)という南米の解放者と呼ばれる人物が重要である。

シモン・ボリバル(1783-1830)
④ ニカラグア運河が出来さえすれば、中国の力でこれから中南米諸国は、アメリカ合衆国からの支配と、抑圧から解放される。この話もする。
まず① 。トランプはこの軍事行動で直接、ベネズエラの石油を実力で奪い取りに行った。このことは、トランプは、もうニューヨークの金融(紙切れの証券)経済 を信じていなくて、直接、実物資産(タンジブル・アセット tangible asset) である石油と天然ガスというエネルギーと、鉱物資源(ミネラルズ)の鉱山会社を取りにいった。このことが重要だ。
考えたら、トランプは就任直後から、カナダを「併合する」と言った。その大きな理由は、カナダの天然ガスから作られる電力が、ニューヨークなど東部大都市に供給されている。だからカナダやグリーンランド(氷の広大な大地)を取りに行くという動きも見せている。 今、カナダ政府は、「アメリカ合衆国 the USが、失礼にも自分たちを合併しようとする本当の理由であるエネルギーを、ベネズエラから取ることで、カナダとの取引材料(カード)を無くそうとしている」と考えるだろう。
私は昨年末、12月24日からの銀(ぎん)のNYの先物(さきもの)市場の大きな変動を報告した。アメリカのコモディティ(基本物資、商品)の実物資産の市場のペイパー・マネーの市場が壊れつつある。銀の実需、すなわち工業製品としての、太陽光パネルや半導体やEVのための銀の実需(じつじゅ)の7割は中国が押さえてしまっている。これら貴金属類のことも関係している。

ウーゴ・チャベス前大統領(1954-2013)
ベネズエラは反米国家として、とくに1999年からのウーゴ・チャベス大統領(1954-2013)の登場で、前述したPDVSA(ペデヴェーサ)の国有化が断行された。このことで、アメリカの石油大資本が怒り狂っていた。
今回、それをロドリゲス女大統領に圧力をかけることでアメリカへの原油の輸出をただちに再開するはずである。現在でも、シェブロンは、ロドリゲスが外相(2013年)のときに交渉してアメリカに原油を輸出している。同じロックフェラー系なのだが、最大石油資本のエクソン・モービルが怒っていて、今回もトランプを唆(そそのか)したはずである。
現在、ベネズエラは日量(1日あたり)90万バーレルを出油しているが、そのうち70万バーレルは中国へ、らしい。パナマ運河を使って10万トン級のタンカーで輸出している。
ベネズエラは世界最大級の石油埋蔵量3000億バーレルを持つ。だから、日量で500万バーレルでも輸出できる。これをトランプが狙っている。
マラカイボ湖という大きな湖と、オリノコ川があって、その一帯で川岸にベチャベチャと重質油油が地表にまで溢(あふ)れ出しているそうだ。そういう石油大国なのだ。これらを採集して精製しさえすれば、アメリカ合衆国のエネルギー事情は大きく好転する。この重質油は精製(レファイン refine )が以前は困難だと言われていた。簡単に言えば、硫黄(いおう、sulfur )をたくさん含んでいるらしい。
だから、それを精製する設備は、最新式の精製設備が必要だ。どう中国に輸出されてきたベネズエラ原油は、数年前まで日本の和歌山にある旧ロックフェラー系の東燃ゼネラル石油(今はエネオス)製油所で精製されて中国に行っていた。秋田県の小坂(こさか)製錬所でもこの重質油が精製(リファイン)されていたようだ。現在は中国の山東半島に巨大な高性能の精製所質と精油所を作っている。
日本側は親中派の政治家の二階俊博氏(にかいとしひろ)が、和歌山が地盤でもあり、その仲立ちをしていた。だから、今回の動きで中国が打撃を受けたという見方がある。すなわち、アメリカと中国の資源戦争が起きている。だが、中国は中長期でものを見ているから、目先でベネズエラの利権を失ったとしても、着々とやるだろう。
私は自分の中国本(これまで17冊出した)でずっと、「ニカラグア運河ができれば、中国が中南米諸国(ラテン・アメリカ)を助けに行ける」と書いてきた。ニカラグア運河の話は地図ぐらいしか貼れないが、今のパナマ運河の5倍ぐらいの大きさで、もっと大きなタンカーやコンテナ船が入れるだろう。これが開通すれば、中国の船がメキシコ湾とカリブ諸国に大量に入り、ベネズエラやブラジルそしてアルゼンチンにまで、ぐるっと回って南米と物流の輸送網を作れる。

ニカラグアは中米のほぼ中央に位置する(出所:日本経済新聞 2017年10月24日)

ニカラグア運河の地図
ところが、調べてみたら、このニカラグア運河の建設は2019年で止まっている。アメリカ合衆国が必死で妨害したのだ。パナマ運河は、最近、ようやく映像で映るようになったが、日本人にこれまで絶対に運河の運営の様子は見せなかった。

パナマ運河のカリブ海側に接するガトゥン閘門(こうもん)と、通航する船舶=2024年7月10日(出所:2025年2月12日 朝日新聞)
ここは、本当は1941年12月の真珠湾攻撃の直後に、日本軍は、すぐに爆撃すべきところだったのだ。この運河を使って西大西洋にいたアメリカの空母艦隊(タスク・フォース)が太平洋側に出て来られなければ、日本海軍はハワイ島を取ったあと、サンフランシスコまで上陸ができた。
ところが、日本海軍のトップ3人(米内光政(よないみつまさ)海軍大臣、井上成美(いのうえしげよし)次官、山本五十六(やまもといそろく)連合艦隊司令長官)がアメリカの手先だったから、日本軍は、ニューギニアや、インドネシアの南の方へ向かって行った。あのとき日本は大きく騙されている。
パナマ運河については、半年ぐらい前、香港の最大の財閥であった李嘉誠(りかせい、リカシン 97歳)の長江(ちょうこう)実業が、香港を脱出して、資産を世界中に移していた。彼がパナマ運河の両方の出口の港の経営利権(ポート・オーソリティー)を買っていた。これを無理やりアメリカに30億ドル(5000億円)ぐらいで売り渡させられた。このことも着々と準備されていたのだ。
パナマ運河を通れる船の大きさは、私の古くからの知識で、長さ333メートル、幅60メートルのアメリカの空母(エアクラフト・キャリアー)が通れる桝(ます)に乗せることができる。
今は3段階でエレベーターのようにして、大きな船を乗せたまま移動させる。このために、大量の水を両岸から取っている。海水ではダメなようだ。この熱帯雨林地帯の雨水がかなり減っていて、パナマ運河を通行する船は、1か月待ちさえあるようだ。トランプ政権は、このパナマ運河利権をしっかり握りしめた。中国からの船が入るのを邪魔しているようだ。
ここから②のモンロー主義について教える。 この言葉が急に最近出てきた。「ドンロー主義」と言って、「ドナルド・トランプによるモンロー主義」の意味で世界で使われ出した。日本人には、まだピンと来ないことだ。知識層はすぐに勉強して知ったかぶりをして、「ああモンロー主義ね」というが、その本当に意味を分かっていない。
それを私がたった1行で教える。第5代アメリカ大統領のジェームズ・モンロー(1758-1831)が、まだ独立して数十年の1823年に宣言した。「南米地域(リージョン)は、アメリカの権益である。ヨーロッパ列強(パウアス)は南米に手を出すな」という宣言である。
だから今度のマドゥロの拘束もトランプは、イギリスに一切、事前連絡していない。しかも、マリア・コリーナ・マチャドというベネズエラの野党の女をトランプは認めない。「この女は国民に人気がない」と言って切り捨てた。マチャドは作年末にノーベル平和賞をもらった。この女はヨーロッパ人たちが選んだベネズエラの大統領候補者だ。その前には、エドムンド・ゴンザレスという男の大統領候補者がいたが、マドゥロたちが大統領選挙を力で抑え込んだ。
トランプは今、ヨーロッパ各国首脳たちを大嫌いだ。ウクライナ問題でもプーチンと直接話して決めたがっている。ゼレンスキーをあまりに固くヨーロッパ(EU、NATO)首脳たちが支えるものだから、トランプは不愉快だ。
モンロー主義は、たった1行で「ヨーロッパよ、中南米諸国に手を出すな」である。そしてこれを、コロラトリー(拡張)したのは、第26代セオドラ・ローズベルト大統領(1858-1919)だ。彼は「中南米諸国への軍事介入は、アメリカが先にやる」という政策である。トランプはこれを実行した。「中南米は、USAのバックヤード(裏庭)だ。手を出すな」という言葉もある。
ベネズエラ国民の側からは、ヨーロッパ植民地主義(コロニアリズム)とアメリカ帝国主義(インペリアリズム)によって、再び独立国ではない、惨(みじ)めな国になるのは嫌だと言っている。ロドリゲス女大統領も、元々、左翼活動家であるから、1月3日には反米演説をして、「私たちのマドゥロを返せ」と言った。ところがトランプが「そんな態度だと、ロドリゲスよ、お前は、もっとヒドいことになるぞ」と脅したら、5日には態度を変えて、「アメリカと正しく交渉する、仲良くする」と言い出した。
ベネズエラの実情から言えば、国民は、アメリカの制裁もあって、「もうこんな貧乏な状態はやめてくれ」ということだ。すでに国民の4分1の700万人が国外に逃亡、流れ出している。あまりにも貧乏だから、我慢できない、ということだ。だからこれからアメリカの企業がたくさん入ってきて、経済を復興させれば、いい国なる、という理屈が片方にある。おそらくこの方向で、ずりずりと過ぎていくだろう。
隣のコロンビア国のロペス?首相もトランプに脅されて、「お前も反対ばっかりしていると潰すぞ」と。ついでに、キューバも、メキシコも脅された。
コロンビアは麻薬製造の大拠点で、メディシン・カルテルと呼ばれる巨大犯罪組織が、今も有って、アメリカ合衆国にたくさんのコカインを密輸している。メディシンという大都市がある。コロンビアは、ずっと40年間ぐらい内戦(ないせん)をやって、それを終結させた左翼ゲリラたちが平和な国にした。
キューバは1960年のカストロとゲバラの独立革命の成功以来、反米(はんべい)の社会主義国だ。今度のマドゥロの護衛隊もキューバ兵たちだったようで、数十人が死んだ。キューバにベネズエラから安くで石油が売られていた。キューバは他の汚れた中南米諸国よりは、暴力団もいなくて、いい国なのだが、とにかく貧しい。民衆は飢えてはいないが、貧乏である。だから、汚れた資本主義的発展を取るか、貧しい社会主義で生きるか、が人類にとっての目の前の大きな課題である。
元に戻す。アイソレーショニズム(孤立主義)は、アメリカ・ファースト! と同じ意味だ。この言葉を、「アメリカ国内優先こくないゆうせん)主義と訳せ」と、副島がずっと力説してきた。この国内優先とは、なるべく外国に関わらない、ということだ。
とりわけ外国での戦争をしない、ということだ。アメリカの若者を外国で兵隊で死なせるな、という主義である。だから、今回トランプは、このアメリカ・ファースト! を踏みにじった。
日本の保守派の有識者たちまでも、今度のトランプの行動は、「国際法に違反して、国連憲章にも違反する、他国への侵略、侵害行動だ」と言っている。まあ彼らは、ぶつぶつ言っているだけで、すぐに論調はひっくりかえる。高市政権としては、アメリカ批判の声明は出せない。
他国の大統領を襲撃して拘束( capture キャプチュア、拉致 abduction アブダクションと同じ)した、トランプのやったことは、明らかに他国の国家主権(sovreinty ソブリーンティ)の侵害である。だが世界中がほとんど黙っている。
さらに話が広がって、「アメリカがこんなことをするなら、中国が台湾の頼清徳(らいせいとく)総統を襲撃して、拘束して連行(テイクアウェイ)してもいい、ということになる」という議論が起きている。
ここで、説明すべきは、トランプ自身の最終判断としては米軍のトップに「この作戦を実行したら、米兵が何人死ぬのか」と聞いたはずである。そして「ほとんど死にません」という答えを得たのだろう。だから実行した。「米兵が500人ぐらい死ぬ」という回答が軍のトップからあったらトランプは「それなら私はやらない」と決断したはずなのだ。
トランプを支えているMAGA(マガ)派は、とにかくアメリカ・ファースト! であって、外国への軍事行動を嫌う。だから、去年の10月のイランの核施設3か所への爆撃でもそうだったが、急襲が大成功して、作戦がうまくいって米兵が死ななかった。それならば、アメリカ国民の支持も続く、とトランプは踏んだのである。
この他に、トランプは、軍事行動が、泥沼に嵌(は)まるのを一番、嫌う。ベトナム戦争のように、10年もアメリカが戦争を外国ですることを政治家として嫌う。泥沼にならないこと、が、大事なのだ。だから、トランプは、脅しはするが、駆け引きと、脅しで、このあとも ベネズエラに言うことを聞かせる。
あとはエプスタイン・ファイルの公開問題で、自分の名前が騒ぎ続けられるのがイヤだから、軍事作戦を実行したのである。私が去年の7月から書き始めたとおり、トランプは自分の支持基盤のMAGA派(1億2千万人)を裏切って、ディープステイトの家来、子分たちである5千万人の白人中流層の、豊かで保守的なアメリカ人の支持を取り付ける動きに出ている。だから、米兵がほとんど死ななかったから、トランプの勝利である。
トランプが北朝鮮爆撃をするか、しないかのとき(2018年)も最終的に、米軍のトップに聞いたら「大統領、失敗したら2千人ぐらいの米兵が死にます」と言われた。それでトランプは、「それなら、やーめた」となったのである。このようにして、中南米諸国の政治情勢も動いていく。
ここでもう一つ西半球(にしはんきゅう)という言葉が使われている。アメリカの南北の大陸の事を指す。ヘミスフィア hemi-shere という言葉で、これは地球儀を縦(たて)に半分に割ったときのアメリカ側のことを指す。だから、ここにヨーロッパが手を出すなと言う、モンロー主義と同じ文脈である。
中南米諸国の歴史を大きく言うと、コロンブスの1492年の西インド諸島発見以来、スペイン人が大量に入り込んでいった。早くも1530,40年代にはペルーのクスコ銀山、そしてさらに南の方のボリビアのトポシ銀山の発見と開発が始まった。これで大量の銀(ぎん)が出たので、スペイン帝国が世界覇権国になった。ちょうど日本の戦国時代である。
それでもわずか、40年後の1588年には、エリザベス1世女王のイギリスが、スペイン「無敵(むてき)艦隊(インヴィンシブル・アルマダ)」をテムズ川の河口で打ち破った。それでもイギリスが大英帝国になるのは、200年後の1815年、フランスのナポレオンを打ち破った後である。
このようにして、中南米はスペイン人との混血が進んだ。中南米の原住民をインディオというが、白人と混血した国民が7割ぐらいいる。メスチーゾという。さらにその上にクリオールという白人たちがいる。クリオール(クリオーリョ)は、植民地で生まれ育った白人たちのことである。
このクリオールが今もベネズエラ国の上の1割ぐらいいるようだ。簡単にいえば、きれいな白人たちだ。これが前述した石油公社のペデベーサを運営していて、どうしてもベネズエラの原油をアメリカに輸出したい、と強く思っている。
中南米全体の歴史的な宗主国(そうしゅこく、コロニアル・マスター)はスペイン帝国である。ずっとスペインが支配した地域だからスペインに頭が上がらないはずだ。ところが今のスペインは力がなくなっている。1898年に米西(べいせい)戦争でスペインがボロ負けに負けた。このとき、キューバとフィリピンをアメリカにとられた。
一番わかりやすく言えば、フィリピンもスペインが400年間支配した植民地だ。だが、この100年はアメリカの従属国(属国)である。一応、日本と同じで独立している。フィリピン国内に自分たちはアメリカ合衆国の51番目の州になってもいい、という動きがあったのだが、USA側が要らない、と言った。
今でもフィリピンには、スペイン貴族の10家族がいる。若い花嫁はスペインからきれいな白人をもらってくる。それでも今のフィリピンの支配国はアメリカ合衆国である。
それと全く同じで、中南米諸国はUSAの実質的支配下にある。使われているお金は、米ドルである。自分の国の通貨は信用がない。このようにして、西洋白人との混血問題が世界中に厳然としてある。私は「褐色の人々」と呼んでいるが、中東アラブ世界でも、北アフリカ諸国でも、アジア諸国でも、中南米諸国でも、彼らは、長い歴史で、どうも白人と混ざっている人々が多い。
彼らがいわゆる新興国となって貧乏大国同盟で、落ちぶれつつあるヨーロッパと、崩れ始めているアメリカから世界支配力を奪い取って、これから世界の中心の勢力になりつつある。一言でいえば、BRICS諸国である。
ただし日本人、朝鮮人、中国人は鎖国をしたので、白人とほとんど混血しなかった。人類学ではモンゴロイードMongloid という。白人と混血しなかったせいで、英語やヨーロッパ語ができない。それよりは世界中にいる、白人と混血した「褐色の人々」の方が、世界性があって、欧米ともつながっている人が多くて、次の世界でどんどん成長している。
話をベネズエラに戻す。このようにして、ベネズエラはだから、上の1割はきれいな白人(クリオール)である。この者たちがベネズエラで威張り出すはずだ。なぜなら中南米の開発は、このベネズエラから始まったからだ。スペイン人たちがたくさんやってきて、南米諸国に広がった。遅れてドイツ人とかがアルゼンチンに入っている。
ここで、それでは、ブラジルとは何かを説明する。大きな面積のブラジルだけは、ポルトガルが植民地(コロニー)にした。だから、ブラジル人はポルトガル語を話している。ポルトガル語とスペイン語が、どれぐらい違うのか、私には判断できない。互いにゆっくりと話せば、通じるのではないかと思う。
例えば、2000年さかのぼると、朝鮮語と日本語は話し言葉(spoken lannguege スポークン・ランゲッジ)ほとんど同じだった。互いに通じた。江戸時代でも貿易商人たちは、話ができたようだ。ところが中国人となると紙に漢文を書いて意思伝達をした。
ベネズエラの名家に生まれた、③のシモン・ボリバル が重要である。彼はクリオール(クレオ)の名家の出だからスペインに戻って教育を受けたりして、ナポレオンの軍隊にも入ったこともある。帰ってきて、ベネズエラを独立させた(1811年)。それからさらに、コロンビア、ペルーやチリまでずっと遠征して独立させた。今のボリビアもこのシモン・ボリバル から取られた国名である。だから、南米諸国ではシモン・ボリバルが最大級の英雄であり、どこの国に行っても彼の銅像がある。だから「アメリカズAmerica’s ストリート」という言葉に意味があって、これは、南米諸国を意味する。「アメリカカン・ストリート」ではない。
ベネズエラに初めてやってきたアメリゴ・ヴェスプッチ(1454-1512)という名前から、アメリカができた。コロンブスのあと10年後ぐらいに探検して来たのである。今のところ、ベネズエラ問題で私が緊急に教えられることは、皆さんにこれぐらいである。 副島隆彦 拝
