イラン戦争はトランプの負け、イランの勝ちである。副島隆彦
副島隆彦です。今日は2026年4月2日(木)です。
丁度一か月続いた、イラン戦争 Iran War は、アメリカのトランプ大統領の負けだ。
イランの勝利、とういうことでひとまず終わった。このように、アメリカ国内だけでなくヨーロッパや世界中の政治の専門家たちが思っている。だが誰も、このようにはっきりと書かない。だから、私、副島隆彦が書く。
トランプ(アメリカ)の負けだ。皆も本当はそう思っている。だが西側同盟の人々は自分に向かって恥ずかしいから、そのように率直に言わない。実は、一番恥ずかしがっているのは、アメリカ国民である。アメリカ国民が恥を知るべきなのだ。
自分たちの指導者である大統領(プレジデント)が、急に戦争を始めた。それをアメリカ国民の8割以上が支持した。しかし、この一か月の間で、どんどん考えが変わった。どうも自分の戦争支持の判断は間違っていたのではないかと、深刻に考えを変えつつある。
人間は、自分の誤りや考え違いを、簡単には認めない生き物である。ただ、恥ずかしいのである。だから4月2日の現在もなお、勝手に戦争を始めたドナルド・トランプに対する激しい怒りを表明するアメリカ知識人は少ない。MAGA派の中の中心的な人物たちだけが、「トランプはイスラエルに引きずられて、ネタニヤフに騙されて、イランへの空爆を開始した」と、激しく書いた。私は彼らの考えに賛成している。
アメリカ合衆国の政治の歴史で、リーダーすなわち自分たちの指導者に対する権限移譲の考えというのは独特である。「自分たちの指導者だ」と認めた人間に対する絶対的忠誠心を、アメリカ国民は持つ。このリーダーの問題はひとまず置く。
トランプは、3月24日の時点で既に戦争の継続をあきらめていた。それでも「自分はこの戦争に勝つんだ。恥をかくわけにはいかない」と強がって意地を張って、日本の佐世保にいた強襲揚陸艦(きょうしゅうようりくかん、Amphibious assault ship アンフィビアス・アソールト・シップ)である「トリポリ」(2500人の敵前上陸部隊が乗り組む)と、カリフォルニアのサンディエゴ軍港からも「●」も出撃させた。合計で5000人の海兵隊(マリン・コー marine corps )、緊急即応部隊を動かした。たった5000名の兵隊をイランのカーグ島に上陸させる、という茶番劇を世界中に示した。
始めからできるわけがないんだ。いったいどうやって、この二隻の強襲揚陸艦がホルムズ海峡を無事に通過できるというのか。そんなことをしても、イランの革命防衛隊が沿岸から打つ巡航ミサイルとドローンで撃沈されるだけだろう。
1969年のベトナム戦争で、アメリカは50万人の米兵を派遣した。そして1972年のパリ和平会議で米軍は撤退した。2003年3月20日からのバクダッド爆撃と米軍によるイラク侵攻では、ブッシュ(子)大統領が、16万人の米兵をイラクに進駐させた。この時、中国は「たったの16万人の米兵しか送れないのか」と、アメリカを見切った。
おそらくトランプは、イランへの上陸作戦とイラン全体の制圧などできるわけもないとして、実行するなどと考えてもいなかったはずだ。駆け引き、取引(ディール deal)で相手を威圧して自分に有利に物事を運ぶという、トランプのこれまでの人生全てでのやり方のまずさが、今回は全面的に露呈した。もう、「トランプは口ばっかりの人間だ」ということが世界中にばれてしまって(TACOと言う)、トランプ自身が大恥をかいている。
しかし大事なことは、今後も、アメリカの国家としての恥である今回のイラン戦争での敗北を、なんとか塗固(こと)して、さらに嘘で塗り固めるだろう。自分たちが負けなかったことにするために、これからも「アメリカが勝ったのだ」という見せかけの外交交渉をやり続けるだろう。次は、トランプ大統領の対イラン戦争への敗北への責任追及がアメリカ国内で起きる。それと合わせて、再び、エプスタイン問題へのトランプの関与が騒がれる。
イスラエルのネタニヤフ首相に騙(だま)されて、トランプが自分の弱みを握られているものだから、2月28日に奇襲攻撃(先制の不意打ち攻撃)をやった。イランの最高主導者のハメネイ師と40名のイラン政府のトップを、テヘランの同師の自宅を爆撃して殺した。イスラエル空軍がやった。これで一気にイランの政治体制が壊れると、二人は考えた。それが愚かであった。
この日、ハメネイ師自宅ではイランのトップたちが集まって、アメリカとの和平協議に関する検討をしている最中だった。アメリカは、イランの最高幹部たちが集まって結論を出す場をわざとつくって、そこをだまし討ちしたのだ。イラン側が自国の核兵器の開発をやめると話し合っているところを、卑劣なやり方で狙ったわけだ。だからイラン国民が激高(げっこう)するはずなのだ。そのあと米軍が、イラン全土の6000か所を弾道ミサイルで爆撃したという。
それでも、指導者たちを殺されても、イランは屈服しなかった。アメリカの、軍事衛星を使った最高性能の精密誘導爆弾(プリサイス・アタック・クルージング)のミサイルで指導者たちを次々に殺されても、イランは屈服しなかった。体制の崩壊も起きなかった。これがイラン民族という長い歴史を持つ国民のすごさである、と世界中で言われ始めている。
簡単に書くと、イランとイラクを合わせたのが6000年前からのメソポタミア文明である。メソポタミアの南の方がバビロニアだ。この6000年の歴史を持つ、世界4大文明の中でも一番古い文明の強さが、今回、如実(にょじつ)に示された。現代世界の最高級の軍事技術をもってしても、人類の文明の長さと大きさにはかなわない、ということだ。
ここで、少し余計な話をします。イランはアケメネス朝ペルシア帝国の2500年の歴史も持っている。しかしペルシアは、19世紀に「イラン」というコトバに民族名を変更した。ヨーロッパ白人たちへの劣等感と強がりから、ペルシア人たち自身が「自分たちもアーリア(アリアン)人で、西欧白人と同じ白人種である」と言って民族名を変えたのだ。
私、副島隆彦は、イランというコトバを消滅させて、元のペルシア・ペルシア人(Percian)に戻すべきだとずっと主張している。
私は12年前にイランの首都テヘランに調査旅行に行って、その痕跡を探った。拝火教(ソロアスター教)の教会にも行った。現在のイスラム教シーア派の大きなモスクの脇に追いやられて、小さな火を灯した教会があった。ゾロアスター教こそは、世界中のすべての大宗教のふるさとである。これをニーチェが「ツァラストラ」という思想書に書いた。
1979年のホメイニ師(アヤトラ)のイスラム革命で、現在のイランの宗教国家体制ができた。ハメネイはホメイニの後継者である。12年前のテヘランの町では、若い女たちはイスラム教の衣服であるヒジャブ(スカーフ)やアバーヤ(衣服)を嫌っていた。若者たちは西欧の自由主義に憧れるから、ハメネイ師がつくった革命防衛隊はイラン民衆からもっと嫌われていた。
その調査旅行の際に、私は旧アメリカ大使館の周りを調べて、写真を撮って回っていたところを革命防衛隊に銃を突き付けられて拘束されてしまった。一緒に行った編集長に「君だけ帰りなさい。私は数か月間、ここで捕まったままだろう」とその時言ったが、拘束は30分間で済んだ。よかった。革命防衛隊というのは、国家軍隊(国防軍)ではなくて私兵(しへい)であり、傭兵部隊である。それが今や、イランの国家予算の3割ぐらいを握っている強大な組織になっているようだ。
12年前、テヘランの町で「ビクトリア大通り」と言う名前の大きな自動車道を見た時に、私はハッと気付いた。やはり、18世紀(1700年代)からイラン(ペルシア)はイギリスの影響下に置かれて、西洋化した国家として改造されていたのだ。だからカジャール王朝のカジャールも、のちのパーレビ(パフラービ)王朝も、本当はイランの将軍のひとりだった男に過ぎない。それがイギリス王国の差し金で、「国王」ということにされただけなのだ。私、副島隆彦はそんなものは認めない。
もとの誇り高いペルシア王国やメソポタミア文明に戻るべきである。ペルシア人が卑屈になって自分たちも欧米白人たちと同じ白人種(アーリア族)だと大きな勘違いをしたことが問題だ。これは、日本の明治政府の天皇制の成立とよく似ている。このことの研究も私はやっている。
今回のイラン(ペルシア)の不屈の戦い方を見て私が思ったのは、大思想家のフリードリッヒ・ヘーゲルが大著『世界史の哲学』の中で書いた「高地アジア(ペルシア高原)の本質は熱狂である」というコトバだ。私はこのヘーゲルの世界哲学を、学生時代の22歳の時に読んだ。この「高地アジアの本質は熱狂(enthusiasm エンシューシアズム)である」と書いたことの意味がようやく分かった。ペルシア民族の誇り高さを言い表していたのである。
アケメネス朝ペルシアが、古代ペルシアをも、本当は支配していたのだ。ソクラテスの時代より少し後(あと)のギリシア・ペルシア戦争、その後のアレキサンダー大王の遠征も、まさしくこのアケメネス朝ペルシアである。だからアレキサンダーは、まさしく世界帝国だったペルシアの中心のバビロンで、アケメネス朝の王女の一人と結婚したのだ。もとのドイツ語では、この熱狂をEnthusiasmus (エントゥズイァスムス)という。
考えてみれば、2月28日の不意打ち爆撃の前に、アメリカの国家情報局(NIA)長官の●は、大統領への報告書でイランの政権を倒すことはできません、と冷静に分析していた。トランプがそれを無視して自分勝手にやったのだ。そして今、そのことでトランプ本人が非常に恥ずかしがっている。恥をかいた、で済めばいいが、これをメア・クルパ(Mea Culpa)とラテン(ローマ)語では言う。日本語では、「全く、私(わたくし)の不徳のいたすところです」である。トランプはこの後も、とぼけてしらん顔をして居直るだろう。トランプは認知症(デメンシア)、ボケ老人として見捨てられていくだろう。
副大統領のJ.D.ヴァンスが、最初からずっと冷静な態度をとっていた。ヴァンスの周りのスタッフたちも、イラン爆撃は一週間以内でさっさと終わらせるべきだと強く主張していた。ヴァンスがトランプから距離を置いていたという話は記事にもなっているので、それを載せる。
(該当記事の冒頭を貼りつけ 始め)
〇 「 存在感消えたヴァンス米副大統領、対イラン攻撃には反対 トランプと亀裂か 」 2026.03.17 11:00 Forbes

米国の対イラン軍事作戦をめぐる公的な議論において、J・D・ヴァンス副大統領の存在感が著しく薄れている。ヴァンスは、イランへの攻撃の可能性についてたびたび反対の意思を表明してきた人物。複雑化する一方の中東情勢と政治的リスクの高まりにドナルド・トランプ大統領が直面する中、ヴァンスが自身の政治的将来を見据えて守りの姿勢に入っているのか、それともトランプと真に対立しているのか、疑問が浮上している。
ー続きは投稿の後ろに載せますー
(記事の貼りつけ 終わり)
副島隆彦です。最近は日本人も平気で、「出口戦略」というコトバを使うようになったが、これは「ある事柄を決断して実行したときには、それを終わらせる時に、どのようにそこ(問題)から脱出するか」という、大人の議論である。つまり、はじめから後々のことを考えておくという慎重な態度のことだ。
ブッシュ(子)がイラク侵略戦争をはじめた(2001年の9・11の後にアフガニスタン侵攻。その2年後、2003年がイラク侵略戦争)のだが、最強のストライカー師団(戦車部隊)をやっと撤退(帰国)させたのが2013年、オバマ大統領の時だ。だから、一旦戦争を始めると、兵力を撤退させるのは大変なことなんだ。
トランプはこのことがよくわかっている男だから、「戦争はしない」と、深く自分にも言い聞かせて来たはずなんだ。なのに、やっぱりやってしまった。権力者になると、どうしても、我を忘れて戦争にのめり込むものであるらしい。
慎重な商売人上がりであるくせに、トランプはこの出口戦略(exit strategy エグジット・ストラテジー)が、今回は全然なかったのだ。それを、今頃になって慌てまくって、自分に打撃がこないように、備縫策(びほうさく)でみっともなく立ち回ってる。かつ、そのことが周りから丸見えになっている。それらの証拠になる記事も載せる。
(記事の該当部分を貼りつけ 始め)
〇 「 「勝利するまで戦い続ける」イラン革命防衛隊元司令官が語った内情 米国との“交渉” 」 2026年3月31日15:40 テレ朝NEWS

トランプ氏 イランを威嚇
31日未明にCNNが報じたのは、トランプ大統領が日本時間の30日午後8時半ごろに更新したSNSの投稿です。
「トランプ大統領は『ホルムズ海峡が直ちに通行可能にならない場合、米軍はイランにおける穏やかな“滞在”を終了し、イランの発電所、油田、カーグ島を爆破し、完全に破壊することになるだろう』とイランを威嚇しました」
イランとの協議で大きな進展があったとしたうえで、改めてイランに対しホルムズ海峡を開放しない場合、カーグ島などを標的にすると警告しました。
またニューヨーク・ポストによると、トランプ大統領はガリバフ議長がアメリカに協力する意思があるかどうかは、1週間ほどで明らかになるだろうと語ったとしています。
日本時間31日朝、会見を開いたホワイトハウスのレビット報道官は、交渉は順調に進んでいると強調しました。
「イラン側の公式発表や虚偽の報道とは違い、交渉は順調に続いています。公表されていることと水面下で行われている話し合いの内容は、大きく異なるものです」
ー記事の全文は投稿の後ろに載せますー
(記事の貼りつけ 終わり)
副島隆彦です。ここで、前の方に出て来た強襲揚陸艦(きょうしゅうようりくかん)について説明する。この強襲(assault アソールト)は突撃銃と言う意味で、世界中の兵隊たちが持っているものだ。日本には「出雲(いずも)」と「加賀(かが)」という強襲揚陸艦がある。揚陸(amphibious アンフィビアス)のアンフィビアは、両生類(カエル)と言う意味で、水陸両用の意味で使われる。今では戦車や大型の輸送機までこの水陸両用になっていて、それで敵前上陸させる(だから、いっぱい死ぬ)。それに乗っている海兵隊が、最前線の地上作戦部隊である。
今日はこれで終わりにするが、私、副島隆彦が冷酷な未来予測をしておく。私が生きている間に、すなわち10年以内に、イランは核保有をする。それを、この後も着々と続けるだろう。イラン(ペルシア)にしてみれば、最高指導者たちを殺されて、戦争の正義が自分たちにあって、このままただで済ませるわけがない。
中国とロシアは表面上は、絶対にイランに核技術を与えることはできない。それでもイランは、北朝鮮やパキスタンが持っている核技術を着々と手に入れる。同時に、サウジアラビアが核保有国に着々となりつつある。アメリカもイスラエルもこの事実を認めざるをえない。
さらに大事なことは、イランが核兵器を持つと、イスラエルと互いに一発ずつ発射する時が来る。それで互いに30万人ずつが死ぬだろう。これは極めて冷酷な人類史への私の予言である。人類(人間)という愚かな生き物は、自分が手に入れた最高技術は必ず使うという性質を持っている。
だから、イランとイスラエルが核を一発ずつ打ち合ったあと、人類は次の新しい世界に向かう。それは、「国家が死滅へ向かう」ということだ。人類は愚かなままではいられないので、「国家(政府)が悪をなすのであるから、その国家を廃絶し死滅に向かわせることが正義である」という考え方に、急激に向かっていくだろう。
「国家はたった2つのことしかしない。戦争をすること、それから税金をとることだ」という冷酷な言葉が政治学にはある。だから、民衆は自分の子供が兵隊に引っ張られる(ドラフト、徴兵)されることが本能的に死ぬほど怖い。特に女がこのことを怖がる。それと税金。国家は、福祉やインフラ整備や医療その他必要なことをすることになっているが、それらはあくまで付け足しであり、言い訳なのである。
10年ぐらい前、私は佐藤優(さとうまさる)氏と対談本を作っていた(3冊目だったかな)。その時、私がとっさに「イランとイスラエルがやがて、互いに核爆弾を落とすでしょう」と言った。そしたら佐藤優氏はブルっと震えて、「副島先生、それは言ってはいけません。先生がそれを言うと、本当に世界に広がるんですよ」と真顔で言った。これをバタフライ・エフェクトという。小さな一匹のちょうちょの羽(はね)の羽(は)ばたきが、世界に影響を与える、という考えである。そういうものかな、と私はその時に思った。
そうだ。最後に金(きん)と銀の値段の動きの最新のグラフをあげておく。3月28日から表面化したトランプの腰砕けで「たとえホルムズ海峡の封鎖が解かれなくても、攻撃は終了する。アメリカは既に勝利した」と言ったあと、ニューヨークの株価が1000ドル上げて、東京の株も2000円上げた。原油は1バレル(158リットル)100ドルまで上がっていたのが、急激に80ドル台まで下がった。この、世界への安心感の広がりの一部として、金と銀もこれから買い直される。

1オンスあたりの国際金(きん)価格

金(きん)の国内小売価格

1オンスあたりの国際銀(ぎん)価格

銀(ぎん)の国内小売価格
本当は「有事の金(きん)」であるから、イラン戦争で金と銀はさらに上昇すべきだったのだが、どうやら、湾岸諸国の政府投資庁(ナショナル・ウェルス・ファンド NWF)が慌てて金(きん)を売って、目先のドルの現金に換えたようだ。そのために金(きん)が一時期下がった。しかし、すぐに1オンス5000ドルに戻るだろう。銀も1オンス100ドルの上に突き上げていくだろう。これらのグラフをよく見てください。
副島隆彦拝
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〇 「 存在感消えたヴァンス米副大統領、対イラン攻撃には反対 トランプと亀裂か 」 2026.03.17 11:00 Forbes
米国の対イラン軍事作戦をめぐる公的な議論において、J・D・ヴァンス副大統領の存在感が著しく薄れている。ヴァンスは、イランへの攻撃の可能性についてたびたび反対の意思を表明してきた人物。複雑化する一方の中東情勢と政治的リスクの高まりにドナルド・トランプ大統領が直面する中、ヴァンスが自身の政治的将来を見据えて守りの姿勢に入っているのか、それともトランプと真に対立しているのか、疑問が浮上している。
イラク戦争に従軍した経験を持つ退役軍人のヴァンスは6日、記者団の追及に対し、対イラン攻撃に関するトランプ大統領との協議内容は「機密扱い」だとのみ述べた。ただ、複数の報道によればヴァンスはイラン攻撃に反対しており、トランプにも意見していたという。政治ニュースサイトのポリティコは6日、匿名のトランプ政権高官の話として、ヴァンスは「懐疑的」で「成功を心配」し、攻撃に「とにかく反対している」と伝えた。
見解の相違についてはトランプも認めており、9日の記者会見では、イランでの米軍の作戦にヴァンスは「あまり熱心ではないかもしれない」と発言。「哲学的に自分とは少し異なる」と述べた上で、「この件に関してわれわれは非常にうまくやっている」と強調した。
政治観測筋は、ヴァンスが2028年の米大統領選への出馬を見据えて、この攻撃と距離を置こうとしているのではないかとみている。対イラン軍事作戦は米世論調査で不人気で、トランプ支持の「MAGA(米国を再び偉大に)」層でも支持が割れている。
トランプの元盟友から一転、対立して今年1月に下院議員を辞職した共和党のマージョリー・テイラー・グリーンは開戦3日後の今月2日、米著名ニュースキャスターのメーガン・ケリーとのインタビューで「J・D・ヴァンスはいったいどこにいるのか」と疑問を呈した。この時点で、普段はX(旧ツイッター)に頻繁に投稿しているヴァンスは、開戦についてSNS上で言及していなかった。
このインタビューが放送された数時間後、ヴァンスはイランでのトランプの行動を擁護し、アフガニスタンやイラクでの攻撃とは異なると米FOXニュースにコメント。トランプにはイランの核兵器保有を阻止するという「明確な目的」があるとして、「ドナルド・トランプが終わりの見えない長引く紛争に米国を巻き込むようなこと」は「決してあり得ない」と述べた。
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〇 「 「勝利するまで戦い続ける」イラン革命防衛隊元司令官が語った内情 米国との“交渉” 」 2026年3月31日15:40 テレ朝NEWS
イランの革命防衛隊の元司令官が番組の取材に応じました。イランの思惑について語りました。
イランが米軍拠点に攻撃
31日午前3時ごろ、イランの国営通信が公開した映像です。
ミサイルには「神は我々に敗北の道を閉ざした」というメッセージと、死亡した政権幹部ラリジャニ氏の写真がありました。
アメリカ軍の中級将校や指揮官200人以上が集結する拠点に対して攻撃を行ったと発表しました。
トランプ氏 イランを威嚇
31日未明にCNNが報じたのは、トランプ大統領が日本時間の30日午後8時半ごろに更新したSNSの投稿です。
「トランプ大統領は『ホルムズ海峡が直ちに通行可能にならない場合、米軍はイランにおける穏やかな“滞在”を終了し、イランの発電所、油田、カーグ島を爆破し、完全に破壊することになるだろう』とイランを威嚇しました」
イランとの協議で大きな進展があったとしたうえで、改めてイランに対しホルムズ海峡を開放しない場合、カーグ島などを標的にすると警告しました。
またニューヨーク・ポストによると、トランプ大統領はガリバフ議長がアメリカに協力する意思があるかどうかは、1週間ほどで明らかになるだろうと語ったとしています。
日本時間31日朝、会見を開いたホワイトハウスのレビット報道官は、交渉は順調に進んでいると強調しました。
「イラン側の公式発表や虚偽の報道とは違い、交渉は順調に続いています。公表されていることと水面下で行われている話し合いの内容は、大きく異なるものです」
一方、30日に閣議を開いたイランのペゼシュキアン大統領は「私たちは国民の奉仕者です」と述べました。
アメリカに提示しているすべての条件に加え、「国民の安全と尊厳、利益が保障される場合のみ終戦になる」としました。
戦闘終結 交渉は?
果たして、アメリカとイランの間で戦争終結についての交渉は、どこまで進んでいるのでしょうか?
イランの革命防衛隊の元司令官で、現在も幹部らにアドバイスをしているというラシード氏に話を聞きました。
「トランプ氏の終結合意が成立する可能性があるという発言は、株式市場を意識したもの」
元国会議員でもあり、長らく「外交・安全保障」を担当していた人物です。
「(Q.戦争終結の交渉について)イランとアメリカの仲介者たちはメッセージのやり取りを行っていますが、交渉につながる成果は何も出ていません」
「トランプ氏は自身の希望を押しつけており、現時点で交渉が行われているという話は聞いていません」
アメリカとイランは、現時点で交渉の場にも立っていないと話します。
「戦争終結の合意は、アメリカがイランの条件を受け入れた場合に成立します」
ラシード氏は、イランが提案した条件をアメリカが受け入れないことには停戦はないとし、合意が近いとするトランプ大統領の発言を否定しました。
