地球の電気3

澤田 正典 投稿日:2014/08/31 08:20

澤田正典です。会員番号2953です。今日は平成26年8月31日です。

つづき
 次に、マイナスの電荷に偏った高速の太陽風プラズマが地球にやってくると、やはりオーロラを作りながら荷電粒子は速度を落とします。マイナスの電荷の正体は電子なので地球大気を構成する微粒子に出会うとその表面に付着して静電気となり、大気深部も含めて拡散していきます。このとき、もし地球内部がそれ以前にプラスの電荷の過剰供給を受けていて、大気や地殻内部の電荷分布が全体的にプラス側に傾いていた場合には、電気的な平衡状態へと移行する目的で、このマイナスの電荷を大気や地殻内部が受け取ります。

 太陽風の形で地球外部からプラスの電荷を偏って与えられたときは、プラスの電荷は大気から受ける浮力と電気的絶縁に遮られるために、電離層下部において広範囲に分散された後で、時間をかけて大気深部から地殻内部へと移動していきます。ところが、マイナスの電荷を偏って与えられたときは、マイナスの電荷は、かなり集中的に北極や南極といった極域において地殻内部へ移動していく特徴があります。結果的に極域では、全体的に見ると電気を一方向に流しやすくなっているので、ダイオードのような働きを示します。

 極域から地殻に入り込んだマイナスの電荷は、地殻内部で分散されながら、次の電気的な平衡状態へ向けて移動していきます。地殻内部において絶縁体(誘電体)となっている部分にはプラスの電荷が蓄積されている場合が多いので、特にそういった箇所に多く集まり、次第に電荷を蓄積していきます。ここでは、コンデンサのような働きを示します。

 このように、太陽風から地球に与えられる電荷の、その時々におけるプラス側、もしくはマイナス側への偏りが不連続かつ非定期的に行われることによって、そのたびに地球では大気や地殻内部に抱える無数の電気的な境界面(電気抵抗の疎密が面的な分布を示すところ)において電荷分布の平衡化を行う必要に迫られます。

 これが、地学的な領域における電気エネルギーの流れであるとイメージされます。
つづく

 澤田正典 拝