イタリアのドラギ首相が英米DS最高幹部を裏切った
かたせ2号です。
最初に。
藤原直哉さんがツイッターで紹介する記事選定のセンスは抜群です。
今回のかたせ2号の投稿は、それにのっかっているだけです。
以上、前置きでした。
さて、以下、紹介したいニュース記事を時系列にならべて、表題に結論に至るまでの解説を加えます。
1. ドイツ(2022年5月10日)
まず、ドイツを「ロシア産エネルギー年内輸入停止」の柵の中に追い込むために、DS最高幹部の意思の代弁者であるウクライナのゼレンスキー大統領とイギリスのトラス外相とが、2022年4月の1ヶ月をかけて奮闘する姿を、私、かたせ2号はこれまで、この掲示板の投稿の中で追いかけました。
そして、その最終結果として、いったんは、ロシア産エネルギーの輸入停止をDS最高幹部に表明したドイツではありました。ドイツによるDS最高幹部への降伏文書調印式の様子です。
ロイター通信のサイトから。
記事名:ドイツ外相、ウクライナ訪問 キーウの大使館再開へ
2022年5月10日配信
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-germany-idJPKCN2MW0X5
(一部引用開始)(下線部はかたせ2号が引いた)
ドイツのベーアボック外相が2022年5月10日、ウクライナ入りした。ロシアのウクライナ侵攻後にウクライナを訪れたドイツ政府関係者としては最高位となった。
ドイツ政府は当初、ウクライナへの重火器の供与に消極的で、関係が悪化していた。しかし、ドイツはウクライナが目指す欧州連合(EU)加盟に支持を表明し、ロシアへのエネルギー依存低減を鮮明にするなど、関係修復に動いている。
ベーアボック外相は、ロシアからのエネルギー輸入をゼロとし、「永続させる」ことを目指すと述べた。
(一部引用終わり)
かたせ2号です。
これでDS最高幹部がドイツを屈服させて正式な決着がつきました。それは確かな事実です。
2. EU(2022年5月10日)
EU大統領も上記1.の方向を追認しています。
日経新聞サイトから。
記事名:EU大統領「ロシア産ガスも禁輸」 依存脱却へ追加措置
2022年5月10日配信
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR0807E0Y2A500C2000000/
(一部引用開始)
欧州連合(EU)のシャルル・ミシェル大統領は日本経済新聞のインタビューで、EUとして「ロシア産化石燃料への依存を終わらせる」と述べ、ロシアからの輸入停止措置を天然ガスにも拡大すると表明した。
(一部引用終わり)
3. イタリア(2022年5月11日)
しかし、ここから状況が、真逆にひっくり返ります、ものの見事に。
まず、イタリアのドラギ首相が、「ほとんどのガス輸入業者がガスプロムにルーブル建て口座を開設している」と暴露します。
田中宇さんのツイートから。
https://twitter.com/tanakanews_com/status/1524580188788760576
2022年5月12日のツイート
(引用開始)
ロシアの天然ガスを輸入する欧州諸国のほとんどは、プーチン提案のルーブル口座をこっそり作ってガス輸入を続けていると伊首相が訪米時に暴露。みんなEUの対露制裁法に違反。実はロシアを制裁してない欧州。
記事名:欧州の制裁は吹き飛んだ。ドラギ総裁、「ほとんどのガス輸入業者がガスプロムにルーブル建て口座を開設している」と発言
https://www.zerohedge.com/markets/european-sanctions-blown-bits-draghi-says-most-gas-importers-have-opened-ruble-accounts
記事本文:3週間前、我々は、いくつかのヨーロッパのガスバイヤーがブリュッセルの制裁に違反して、ロシアが要求したように静かにルーブルで供給を支払うようにヨーロッパの偽の統一戦線が速やかに亀裂を入れたことを報告し、すぐにヨーロッパの事実上すべての人が彼らの足跡に続いて、同様にEU制裁を回避すると予測した。先程、欧州で最もパワフルな人物の一人、元ゴールドマンのパートナーでECBのトップであるマリオ・ドラギが、まさにそれを確認したのである。
ジョー・バイデンとの会談後、(2022年5月11日に)ワシントンD.C.で記者会見したドラギは、ヨーロッパのガス輸入業者はすでにガスプロムにルーブル建ての口座を開設していると述べたのである。
イタリア首相は、イタリアが制裁に違反することなくガス代を支払うことができ、したがってイタリアへのガスの流れが影響を受けることはないと確信しているかという質問に答えている。
「実はかなり自信があるのだが、愚かな理由もある。制裁に違反するとはどういうことか、公式には何も発表されていない。ルーブルの支払いが制裁に違反するかどうか、これらの支払いがどのように組織されているかについては、誰も何も言っていないのです。だから、ここはグレーゾーンなんです」。
しかし、2022年4月27日、欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ロシアからのルーブルでのガス代支払いの要求に屈しないよう、企業に明確に警告を発した。「そのような契約を結んでいる企業は、ロシアの要求に応じるべきではない」とフォン・デア・ライエン委員長は述べた。「これは制裁違反となり、企業にとって大きなリスクとなる」。言い換えれば、ドラギは今世界で最もホットな話題の実態を全く知らないか、あからさまに嘘をついており、その過程で、プーチンに対する「欧州統一戦線」が巨大な茶番劇であることを証明しているのである。
その結果、ドラギ総裁の驚くべき結論が導き出された。「実のところ、ほとんどのガス輸入業者はすでにガスプロムにルーブルで口座を開いている」とドラギは付け加えた。裏では、ヨーロッパはロシアに毎日何十億も積極的に支払い続けているのではなく、プーチンの条件に従ってそうしており、ルーブルの高騰を助けているという驚くべき事実が明らかになった。
(引用終わり)
4. EU (2022年5月16日)
EUがロシアのガス代金をルーブルで支払うことを容認しました。
ということは、そもそもの「ロシア産天然ガスの年内輸入停止」といった意思決定も吹き飛んだと、かたせ2号は判断します。
以下の記事でわかる通りドイツとイタリアが手を組んで、DS最高幹部の意を組むEU大統領が示した方向性をひっくり返したわけです。
こうして、ロシア産エネルギーの輸入の是非について、EUは英米DS最高幹部の意向に公然と反旗をひるがえしました。
OIL PRICEのサイトから(田中宇さんのサイトでこの記事の紹介がありました。)
記事名:EU、ロシアのガス代金をルーブルで支払うことにOKを出す
2022年5月20日の記事
https://oilprice.com/Latest-Energy-News/World-News/EU-Gives-OK-To-Pay-For-Russian-Gas-In-Rubles.html
(引用開始、機械翻訳)
EUは、EU加盟国が制裁に違反することなくロシアのガス代金を支払う方法をめぐる長引く曖昧な状況に終止符を打った。
ロシアは各国にガス代をルーブルで支払うよう要求しているが、欧州各国政府は、制裁に抵触しない範囲でロシアに義務を負わせる方法を見つけるのに苦労していた。さらに問題を複雑にしているのは、これまでEUが、このような取り決めが現在の制裁措置に違反するかどうかを明確にしていなかったことである。
金曜日(2022年5月20日)にドイツとイタリアは、プーチン大統領の要請に沿って、ロシアのガスを購入するためにルーブルの口座を開設することができると企業に伝えた。
ロシアの要請では、企業はガスプロムバンクにユーロまたは米ドル建てとルーブル建ての2つの口座を開設することになっている。買い手は米ドルやユーロの一方の口座に代金を入金すると、ロシア銀行を介さずに自動的にルーブルに変換される。
先週までにEUの20社がガスプロムバンクに口座を開設し、さらに14社が口座開設に必要な書類を求めてきた。ドイツのVNGはすでにガスプロムバンクに口座を開設していた。
EUは現在、このような取り決めは行わないことを明確にしている。
しかしこれまでのところ、ブルガリア、フィンランド、ポーランドはルーブル口座での支払いを拒否している。ロシアはすでにブルガリアとポーランドへの供給を停止しており、ロシアは土曜日(2022年5月21日)にフィンランドへのガス供給を停止すると発表した。
ロイター通信によると、EUはこれまで、制裁に違反せずにロシアからガスを購入する方法について文書で伝えるバージョンと、非公開の会議でEU加盟国がガスプロムバンクにルーブル口座を開設しないよう注意するバージョンと、矛盾する情報を出してきたという。
(引用終わり、機械翻訳)
5. イタリア(ドラギ首相の心中)
しかし、イタリアのドラギ首相はECB総裁も勤め上げた、DS最高幹部の覚えめでたい人であるのに、なぜ上記のような言動・行動をとるのか、かたせ2号には理解ができませんでした。その心中を推し量る優れた記事を、藤原直哉さんがセレクトしてくれていたので紹介します。結論を簡単に言えば、会社に長年忠勤を尽くしてきた人物が、もうこれ以上評価されることはなく、これ以上の出世の目もないとわかって、一気に会社への忠誠心を失ったというところです。
だから、ドラギがDS最高幹部の意向に反した言動・行動をとっている理由も説明がついたので、話はつながりました。
藤原直哉さんのツイートから。
2022年5月26日
https://twitter.com/naoyafujiwara/status/1529627072813223937
(引用開始)
記事名:ドラギの脱出計画:イタリアはEU崩壊の引き金になるか?
2022年5月25日
チェーザレ・サチェッティ著
https://theyeoftheneedle.com/2022/05/25/draghis-escape-plan-will-italy-trigger-the-collapse-of-the-eu/
機械翻訳
国際政治の世界には、こんな言葉がある。イタリアの政治を理解することができれば、政治そのものについて基本的にすべて理解することができる。
それなのに、なぜかイタリアの政治を理解できない人がいるのは、彼らがイタリアという国に対して歪んだイメージを持っているからだ。
イタリアはユニークな天才の国であり、その特徴は政治環境にも反映されていると言える。
最近のイタリア政治に関するニュースといえば、ドラギ現首相が退陣するようだ。
ドラギ首相といえば、欧州中央銀行の前総裁で、欧州通貨を救うためにECBが行う措置について「必要なら何でもする」という表現で悪名高く知られているので、すでに多くの人が知っている。
実際、ユーロの救済はかなり成功したが、その代償は欧州諸国、特にイタリアが属する南欧諸国が支払った。
ユーロは通貨以上の存在である。実は、従来の通貨の定義に従えば、通貨ですらない。
ユーロは国家によって発行されるのではなく、ほとんどが民間銀行によって支配されている各国の中央銀行からなるECBによって発行される。
したがって、ユーロは金融通貨であり、その印刷と財産は民間団体の手中にある。
マリオ・ドラギは、これらの権力者の利益を守るのに極めて効果的で、ユーロを救うために、イタリアとギリシャの両経済を殺伐とさせた緊縮財政プログラムを全面的に承認した。
結局のところ、ドラギのキャリアは国際金融に奉仕するために築かれたもので、英米の銀行に対する最初の大きな贈り物は1992年に行われたものである。その年、ドラギはイタリア経済省に勤務する若手官僚だった。
この年、ドラギはイタリア経済省の若手官僚として、史上最大かつ最も残忍な売却、つまりイタリアの公共産業の売却を指揮した。
イタリアには世界でも有数の強力な公共産業があり、多くの銀行や外国企業がそれを手に入れようとしていた。
ドラギは、この巨大な宝物をとんでもない安値で売却することで彼らを助け、数年後、ゴールドマン・サックスに採用され、報酬として重要な仕事を任された。
このような背景は、ドラギ総裁の人物像をより良く紹介し、現首相の使命について読者に伝えるために必要である。
昨年(2021年)、ドラギはイタリアのMSMから絶賛され、イタリアの新しい "救世主 "と烙印を押された。もちろん、マスコミの逆さ言葉で言えば、「救世主」が実は「死刑執行人」であることを意味している。
ドラギはイタリアの新首相に任命されるや否や、その目標を達成した。
前首相のコンテに代わって就任した彼は、ロックダウンとコヴィッド規制によってイタリアに大損害を与えたが、EUを支配する金融権力者の心にはどうやら十分ではなかったようである。
新首相になった直後、彼は世界で最も厳しいワクチン規制を実施した。
ワクチン未接種の人々の公共の場への立ち入りを制限し始めたのだ。ワクチン未接種の労働者がワクチン接種を受けずに職場に出入りする権利を否定した。
彼は、50人以上雇用する企業に対するワクチン接種の義務付けを実施した。
彼は、ビルダーバーグ、WEF、三極といった、彼が信奉する民間のグローバリスト・クラブを喜ばせるためにできることはすべてやった。
しかし、イタリア国民の抵抗は印象的であった。おそらく世界中のどの国民も、この権威主義的な買収に対して、イタリア人のような回復力を見せたことはないだろう。
私たちは、ワクチン未接種の人々の数が、最初に政府が発表したよりもずっと多いようだということを発見した。
イタリア財政庁が50歳以上の人々に送っている通信から、その証拠が得られた。
政府はこの手紙を何人かの亡くなった人にまで送っており、これは政府がいかに誰がワクチンを打ったか、打たなかったかを把握していないかを証明している。
しかし、ドラギはイタリア人を苦しめるためだけにこのようなことをしたのではない。
確かに、彼は「自分の」国を蔑ろにしていることを行動で証明する人物だが、ドラギはその「サービス」に対して見返りを求めていたのである。
昨年(2021年)、イタリアのフリーメイソンの関係者が、ドラギの首相就任はメイソンの作戦の結果であると公然と認めた。
ドラギの計画は、これらの権威主義的な措置を施行し、その後、報酬であるイタリアの大統領職を得るというものだった。
しかし、ドラギにとっては不運なことに、事態は別の方向に進んでしまった。昨年(2021年)1月にマッタレッラの任期が切れたとき、政党はドラギを大統領として投票しなかった。
数日間の合意形成の後、多くの黒票を投じ、政党はマッタレッラの再任を、イタリアの大統領が住む宮殿、過去数世紀にローマ教皇を迎えた宮殿であるクイリナーレで認めた。
ドラギの反応は、裏切られたという怒りに満ちていた。しかし、このグローバリストの椅子取りゲームでは、前日まで握手していた相手に裏切られることはよくあることだ。
グローバリストの最高レベルでは、忠誠心というものは存在しない。あるのは、ライオンの闘技場のルールだけだ。隣人の死が自分の生存につながる。自滅的な世界なのだ。
EU委員会への出向を試みたが、誰も彼のために椅子を置いてくれようとはしなかった。
NATOの事務総長を目指したが、最も強力な大西洋主義者のロビーの後ろ盾がなければ、そのポストを得るのはかなり難しい。
彼のワシントン訪問は、このポストを得るためにバイデン政権の支持を得ようという意志と解釈することができる。
しかし、ドラギはバイデン大統領の影響力を誤算していたかもしれない。この大統領は、ディープ・ステートの台本通りに動いているわけではないので、かなり変則的であるように思われる。
何人かの外国人高官はバイデンの呼び出しを鼻で笑っているが、それはおそらく米国大統領が本当の責任者ではないことを悟ったからだろう。
米国は、誰が本当に国を治めているのか、いまだにはっきりしない一種の宙ぶらりんな状態に生きているようだ。
ある軍事関係者によると、軍部自体がこの政権を遠隔操作しているという話もある。
いずれにせよ、ドラギがNATOの長官になるには、まともな政治的後ろ盾がないため、ドラギの立場は不利になる。
どうやら、元ゴールドマン・サックスのバンカーは、他の一流の仕事を探す苦労や、それによって得られる免罪符に関係なく、決断を下したようだ。
ドラギは、イタリア首相としての現在の任務を遂行することに関心がないため、辞めたいと考えている。
(引用終わり)
6.ロシア・イタリア(2022年5月26日)
以下に紹介する記事においても、ドラキ首相が(英米)DS最高幹部に公然と反旗を翻していることを確認できます。
なぜなら、イタリアのドラギ首相は、次の3点で(英米)DS最高幹部の意向に反しているからです。
・ロシアへの制裁解除の方向で動かない。
・ロシア産天然ガスの輸入を停止する。
・今後、世界的な食糧不足を引き起こし、その責任をロシアのプーチン大統領に押しつける。
ロイター記事から。
記事名:ロシア、食糧危機解決支援の用意 西側制裁解除なら=プーチン氏
2022年5月27日配信
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-italy-idJPKCN2NC1LH
(引用開始)
ロシアのプーチン大統領は2022年5月26日、イタリアのドラギ首相と電話会談し、ロシアには世界的な食糧危機の解決に大きく貢献する用意があるが、貢献するのは西側諸国が制裁を解除した場合のみだと述べた。ロシア大統領府(クレムリン)が発表した。
プーチン大統領は、ロシアは危機に対応するために穀物と肥料を輸出する用意があると指摘。またドラギ首相に対し、イタリアへのガス供給継続も可能と伝えたという。
一方、イタリア政府の声明によると、両首脳はウクライナ情勢、食糧危機、貧困国への影響について協議した。電話会談の詳細は明らかにしていない。
ドラギ首相は記者団に対し「世界の最貧困層に影響を与えるかもしれない人道的危機の重大性」を考慮してプーチン氏との電話会談に臨んだと指摘。プーチン氏は制裁が食糧危機の原因との見方を示したと語った。
米ホワイトハウスは、ロシアに穀物輸出を促すために対ロ制裁の緩和を協議している事実はないとコメントした。
(引用終わり)
以上