「62」 「サブプラム危機から信用市場危機へ」(4) 大崩落の予兆は、5、6月からあった。想起すべき記事たち。2007.10.25
副島隆彦です。 崩れる予兆は、5、6月からすでにあった。
思い返して、記憶に記憶にとどめるべき記事たちをまとめておく。副島隆彦拝
(転載貼り付け始め)
● 「日米欧、3日で42兆円供給・市場安定化へ継続」
日経新聞 2007.8.14
【ワシントン=小竹洋之】米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の不安が続く中、欧米の中央銀行は13日、前週末に続く3度目の資金供給を実施、市場の安定化に全力を挙げる姿勢を改めて示した。これを受け同日の欧米株式相場は反発。小幅ながら上昇した同日の日経平均株価と合わせ、日米欧の連鎖安にひとまず歯止めが掛かった格好だ。
欧州中央銀行(ECB)は同日、短期金融市場に476億6500万ユーロ(約7兆7000億円)の資金供給を実施した。9日から13日までの3営業日で実施した資金供給の合計は約2035億ユーロ(約32兆8000億円)に達した。株式市場では「金融当局の資金供給が市場の不安感を和らげた」(英野村証券)という見方が広がっている。ECBは「金融市場は正常化しつつある。さらなる正常化を支援する」と説明している。(07:01)
●日銀、1兆5000億円の資金吸収オペ・2日連続
2007.8.15 日経新聞
日銀は15日朝、短期金融市場から即日で1兆5000億円の資金を吸収する公開市場操作(オペ)を実施した。資金吸収は2日連続。短期市場で信用収縮懸念に伴う資金需要は一服し、資金余剰感が強まったことに対応した。日経平均株価は大幅に下落しているが、銀行間の資金取引はその影響を受けていない。
日銀が政策金利としている無担保コール翌日物金利は朝、0.2―0.25%程度で推移。日銀は誘導水準の0.5%前後を下回ったことから資金吸収を実施した。(12:50)
● (8/14)住宅ローン関連の金融商品、米で発行額が急減
日経新聞 2007.8.14
【ニューヨーク=山下茂行】米金融市場で住宅ローン債権を組み入れた金融商品の発行額が急減している。住宅ローン担保証券(RMBS)の7月の新規発行額は前月比で62%減少し、約5年半ぶりの低水準となった。8月も減少が続いている。サブプライムローンの焦げ付き多発などを背景に、投資家が敬遠している。
RMBSは金融機関が保有するローン債権を小口化して債券にしたもので、投資家に販売する。ローンの元利返済金が投資家に分配される。
米調査会社ディールロジックによると、RMBSの新規発行額は2007年前半は月間700億―900億ドル台で推移していたが、7月は364億ドルに落ち込み、01年12月(187億ドル)以来の低水準となった。ファニーメイなど政府系機関が発行するRMBSは通常の住宅ローンを証券化した高格付け債が大半で、減少しているのはサブプライムも手がける民間住宅ローン会社の発行分とみられる。
● 「米FRB、14日は資金供給見送り」
日経新聞 2007.8.15
【ワシントン=小竹洋之】米連邦準備理事会(FRB)は14日、米短期金融市場への資金供給を見送った。前日までの3営業日で合計640億ドル(約7兆5500億円)の資金を供給し、市場に十分な資金があると判断した。資金供給を見合わせただけでなく、余剰資金の吸収に動いたとの観測も浮上している。(13:22)
●「日米欧の中央銀行、資金供給に柔軟な構え・サブプライム問題」
日経新聞 2007.8.11
【ワシントン=小竹洋之】米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題への不安が続く中、日米欧の中央銀行は市場の動向を見極めながら、今後の政策対応を柔軟に判断する方針だ。当面は潤沢な資金供給を続け、金融不安の沈静化に全力を挙げる構えだ。
米連邦準備理事会(FRB)は10日、緊急声明を発表し「必要に応じて米市場に流動性を供給する」と指摘。前日の240億ドルを超える380億ドルの大量資金供給に踏み切った。前日の資金供給でも市場の混乱が収まらなかったため、より強力な対応を決断した。1日当たり300億―800億ドルの資金を供給した2001年9月の米同時テロ直後に近い緊急措置をとっており、しばらくは厳戒態勢を維持する見通しだ。(07:00)
● 「米住宅公社の活用論浮上 サブプライム対策、民主党で」
【ワシントン=藤井一明】 米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付きに起因した金融不安が世界に広がり、米政府系の2つの住宅金融機関の資金供給能力を拡大する構想が浮上している。両機関が保有できる資産の規制を緩め市場に資金を流しやすくし、信用収縮を防ぐ案だ。政府系機関の積極活用にブッシュ政権は慎重だが、議会で多数を握る民主党は米国独自の危機管理策と位置づけている。(07:01)
● 「ゴールドマン、傘下ファンドに30億ドル資本注入へ」
日経新聞 2007.8.14
【ニューヨーク=杉本晶子】 米証券大手ゴールドマン・サックスは13日、傘下のヘッジファンドに30億ドル(約3500億円)の資本を注入することを決めたと発表した。サブプライムローン問題の拡大による株価の乱高下のあおりを受け、8月に入り運用成績が急速に悪化したためだという。
対象ファンドは子会社が運用するヘッジファンド「グローバル・エクイティ・オポチュニティーズ」で、現在の純資産規模は36億ドル。複数の投資家とともに出資、資本を増強する。
● 「カナダの資産担保CP17社、資金繰り困難に」
日経新聞 2007.8.15
【シカゴ=毛利靖子】カナダの格付け会社DBRSは14日、同国で資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)を発行する17社が目先の満期償還に備えた資金手当て難に直面していることを明らかにした。17社の発行残高は償還期限が到来していないものも含めると266億カナダドル(約2兆9000億円)と市場の4分の1を占める。(13:22)
● 「三菱UFJ、サブプライム関連で50億円評価損・7月末」
2007年08月14日
三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井トラスト・ホールディングス、住友信託銀行、みずほ証券の大手金融4社の米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)に関連する投資状況が14日、わかった。
三菱UFJは同日、7月末時点で約50億円の評価損が生じたと発表した。サブプライム関連の金融商品への投資は約2800億円。同社グループの米国銀行ユニオン・バンク・オブ・カリフォルニアでは住宅ローンを扱っているが、サブプライムローンの取り扱いはないという。三井トラストも同日、保有する投資信託の一部にサブプライム関連の金融商品が36億円含まれていると発表した。36億円のうちトリプルAの格付けを取得しているものは33億円だった。その投信全体の評価損益はゼロで、簿価は348億円。
●「ドイツ中堅銀、「サブプライム」投資に失敗・政府系銀が支援」
日経新聞 2007.8.2
【フランクフルト=石井一乗】ドイツ中堅銀行のIKB産業銀行が、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)に絡んだ投資で損失を出した。これを受けて筆頭株主の政府系金融機関が80億ユーロ(約1兆3000億円)規模の資金支援に乗り出すことが2日明らかになった。
IKBは中小企業向け金融を手掛ける一方、グループ会社を通じてサブプライム関連のリスクの高い資産に投資していた。具体的な投資手法や損失額などは不明だが、IKBの筆頭株主である政府系金融機関、ドイツ復興金融公庫(KfW)は同日、IKBの自己資本の5倍強にあたる約80億ユーロの流動性供給を保証する方針を明らかにした。
この問題では、民間金融機関も35億ユーロ規模の基金創設の検討に入っている。KfWによる保証額を上回る損失が発生した場合などに備えるため、監督当局である財務省と協調して対応に乗り出したとみられる。
●「野村、米サブプライムで720億円の損失・撤退を検討」
日経新聞 2007.7.26
野村ホールディングスは25日、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン市場の悪化で、1―6月で累計約720億円の損失を出したと発表した。記者会見した仲田正史執行役は米国での住宅ローン担保証券(RMBS)事業から撤退を検討していると表明。同事業の縮小を含め、赤字が続く米国事業の立て直しを急ぐ。
野村は米国でサブプライムローンを含む住宅ローンを他の金融機関から購入。残高が積み上がった段階で証券化し、投資家に販売するRMBS事業を進めてきた。サブプライム問題の深刻化を受け、保有する住宅ローン債権の評価損を今年に入り計上。損失額は1―3月期に414億円に達し、4―6月期には312億円の追加損失が発生した。野村は証券化によって住宅ローンの在庫圧縮を急いでおり、6月末の保有残高は2660億円(うちサブプライムローンは711億円)と3月末から3918億円減った。
●「ヘッジファンドの清算相次ぐ・「サブプライム」で損失」
日経新聞 2007.8.7
【ニューヨーク=山下茂行】世界の金融市場でヘッジファンドが巨額の損失を被ったり、清算に追い込まれたりするケースが相次いでいる。信用力が低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連に投資していた金融商品の価格が急落、損失が膨らんだためだ。問題が表面化したファンドは十数件にのぼり、今後も増える可能性がある。信用システムが動揺するには至っていないが、投資家がサブプライム関連など高リスク型商品を避けるなど、信用収縮要因になっている。
米大手証券ベアー・スターンズは7月31日、傘下の二つのファンドについて破産法の適用を申請した。両ファンドはサブプライムローンを裏付けにした担保証券などの運用で失敗、投資家が出した資金のほぼ全額に当たる約15億ドル(約1770億円)を失った。ベアー・スターンズはサブプライム以外の住宅ローン関連商品に投資している別のファンドでも投資家の解約に応じないことにしたもようだ。
● 「米シティ:債権償却などが利益10億ドル押し下げか-アナリスト」
Citigroup May Lose Profit on Debt Rout, Analyst Says
2007年 8月14日 ブルームバーグ
米証券会社、サンフォード・C・バーンスティーンのアナリストによると、米銀最大手シティグループの7―9月期(第3四半期)決算は、住宅ローン市場と高利回り債市場の信用収縮が原因で、利益が最大10億ドル(約1177億円)押し下げられる可能性がある。
サンフォードのアナリスト、ハワード・メースン氏とマイケル・ハワード氏は14日付の顧客向けリポートで、最悪の場合、シティがレバレッジローン債権を15億を減価償却すると予想。住宅ローン金融会社への与信枠も5億― 10億ドルを償却し、いわゆる仕組み債の取引でも7億ドルの損失を計上する可能性があるとの見方を示した。
メースン氏らは費用や税金を差し引いた後、純利益への影響は6億5000 万ドルから10億ドルになると算出している。ただ、投資判断は「アウトパフォーム」、目標株価は65ドルで据え置いた。シティ株はニューヨーク時間午後零時38分現在、前日比47セント安の 46.07で推移している。
● サブプライム問題 2007年 8月10日
「ヘッジファンドの清算相次ぐ・「サブプライム」で損失」
【ニューヨーク=山下茂行】 世界の金融市場でヘッジファンドが巨額の損失を被ったり、清算に追い込まれたりするケースが相次いでいる。信用力が低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連に投資していた金融商品の価格が急落、損失が膨らんだためだ。問題が表面化したファンドは十数件にのぼり、今後も増える可能性がある。信用システムが動揺するには至っていないが、投資家がサブプライム関連など高リスク型商品を避けるなど、信用収縮要因になっている。
米大手証券ベアー・スターンズは7月31日、傘下の二つのファンドについて破産法の適用を申請した。両ファンドはサブプライムローンを裏付けにした担保証券などの運用で失敗、投資家が出した資金のほぼ全額に当たる約15億ドル(約1770億円)を失った。ベアー・スターンズはサブプライム以外の住宅ローン関連商品に投資している別のファンドでも投資家の解約に応じないことにしたもようだ。
「サブプライム問題」記事一覧
(8/14)三菱UFJ、サブプライム関連で50億円評価損・7月末
(8/14)住友信託、サブプライム関連で含み損2億円・7月末
(8/14)日銀、1兆円の即日吸収オペを通知――きょう2本目
(8/14)日銀が6000億円資金吸収オペ
(8/14)カナダの投資銀、資産担保CPの借り換え不能に
(8/14)日米欧、3日で42兆円供給・市場安定化狙う
(8/14)住宅ローン関連の金融商品、米で発行額が急減
(8/14)米住宅公社の活用論浮上・サブプライム対策、民主党から
(8/13)欧州中銀、3度目の資金供給・市場安定狙う
(8/13)日銀、6000億円を即日供給
(8/12)日米欧の中央銀行、資金供給に柔軟な構え・サブプライム問題
(8/10)FRBが3回の資金供給・10日、計380億ドルに
(8/10)欧米、連日の大量資金供給・サブプライム不安沈静化狙う
(8/10)米FRBも資金供給・2兆円超
(8/10)10日のアジア株、下落・信用収縮の懸念が再燃
(8/10)官房長官「適切に対応」・金融市場への資金供給
(8/10)サブプライム問題「予断許さず」経財相
(8/10)あおぞら銀、サブプライムで45億円弱の評価損・4―6月
(8/10)日銀の資金供給、財務相が評価
(8/10)サブプライム問題「日本への深刻な懸念ない」・金融相
(8/10)日銀、1兆円供給し公開市場操作・サブプライム問題受け
(8/10)FRB、240億ドルの資金供給・信用不安拡大歯止め狙う
(8/10)米大統領「米経済のファンダメンタルズ強い」
(8/10)仏BNPパリバ、傘下の3ファンドを凍結
(8/10)欧州中銀、15兆円緊急供給・サブプライム沈静化狙う
(8/9)サブプライムで損失、独IKB銀CFOを解任
(8/8)社債発行、世界で急減・サブプライムで先送り相次ぐ
(8/8)米、政策金利年5.25%で据え置き「景気下振れリスクやや高まる」
(8/7)ヘッジファンドの清算相次ぐ・「サブプライム」で損失
(8/5)米住宅市場、調整長引く・底入れ、来年半ば以降
(8/4)サブプライムで仏アクサも損失
(8/3)米不動産投信大手、破産法適用申請へ・米メディア
(8/2)ドイツ中堅銀、「サブプライム」投資に失敗・政府系銀が支援
(8/2)「サブプライム」に懸念・IMF、米経済審査報告
(7/26)野村、米サブプライムで720億円の損失・撤退を検討
(7/25)サブプライム問題、影響は限定的・米CEA委員長
(7/24) サブプライム関連投融資、邦銀の残高1兆円・証券会社推計
(7/20) FRB議長、サブプライム問題「金融機関の損失12兆円も」
(7/11)サブプライム担保証券、米で大量格下げ・ヘッジファンドに打撃。
(6/24)米、サブプライム懸念再燃・ヘッジファンド運用に失敗
(6/15)米サブプライムローン、延滞率上昇13.77%・1―3月
(5/18)FRB議長「サブプライム延滞続く」・住宅市場低迷に懸念
(4/28)米銀1―3月、「サブプライム」響く・大手4行で貸倒引当金増加
(3/22)サブプライムまた破綻・業務停止20社超す
(3/3)米住宅ローンに異変・高金利型、焦げ付き増加
(私の予測がついに当たりだした。副島隆彦記)
●「FRB、240億ドルの資金供給・信用不安拡大歯止め狙う 」
日経新聞 2007.8.10
【ワシントン=小竹洋之】米連邦準備理事会(FRB)は9日、傘下のニューヨーク連銀を通じ、米金融市場に総額240億ドル(約2兆8000億円)の資金を供給した。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする信用不安の広がりに歯止めをかけるため、通常より厚めの資金供給に踏み切った。
FRBは今回の資金供給を通常の市場操作の一環と位置付けており、2001年9月の米同時テロ後のような緊急措置とは考えていない。1日当たりの供給量としては4月25日の345億ドル以来、約3カ月半ぶりの高水準となるが、7月以降も200億ドル近くの資金供給を4回(今回は除く)実施している。
欧州中央銀行(ECB)が同日、欧州金融市場に948億ユーロ(約15兆4000億円)の緊急資金を供給したため、FRBも通常操作の枠内で市場の安定に協力したとみられる。カナダ中央銀行も同日、16億4000万カナダドル(約1800億円)の資金供給を実施した。(10:40)
● 「米国株急反落、ダウ387ドル安の1万3270ドル」
日経新聞 2007.8.10
今年2番目の下げ幅に顔をしかめるトレーダー=9日、ニューヨーク証券取引所〔ロイター〕
【NQNニューヨーク=荒木朋】9日の米株式相場は四営業日ぶりに急反落。ダウ工業株30種平均は前日比387ドル18セント安の1万3270ドル68セントで終えた。下げ幅は上海株急落に端を発した世界連鎖株安が起きた2月27日以来の大きさ。信用リスクへの警戒感が再燃し金融株を中心に売りが出た。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は56.49ポイント安の2556.49で終えた。金融株安が響き、S&P500種株価指数は44.40ポイント安の1453.09となった。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約28億株(速報値)、ナスダック市場は約36億株(同)だった。
BNPパリバが9日、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を巡る米資産担保証券(ABS)の混乱を背景に傘下の三つのファンドの応募や償還を一時停止すると発表。欧州中央銀行(ECB)は信用不安の発生・拡大を防ぐため欧州金融市場に緊急の資金供給を実施したが、欧州株は大幅安となり、米国株も下げた。ゴールドマン・サックス(GS)など金融株が軒並み下げ、相場を押し下げた。(08:43)
● 「日経平均大幅反落、下げ幅300円超」
日経新聞 2007.8.10
8月10日の東京株式市場で日経平均株価は大幅反落で始まった。寄り付き後に下げ幅を拡大し、その後下げ幅は300円を超えた。前日の欧米株式市場での主要指標の大幅下落を受け、幅広い銘柄に売りが先行した。外国為替市場で円相場が1ドル=117円台まで上昇し、円高・ドル安方向に振れたことも輸出関連企業の収益悪化懸念につながり、輸出株の買い手控えにつながった。東証株価指数(TOPIX)も大幅反落で始まり、1月11日に付けた年初来安値(1656.72)を下回って推移している。
前日の米株式相場は、仏銀最大手BNPパリバが傘下のファンド3つを凍結すると発表したことを受け、ダウ工業株30種平均が387ドル下落した。米市場で金融株が売られた流れを受け、東京市場でも銀行や証券など金融株の下落が目立つ。
東証寄り付き前の大口成り行き注文は売りが1億5470万枚、買いが1億6840万枚で、差し引き1370万枚の買い越しだった。〔NQN〕(09:26)
● 買収ファンドのブラックストーン、22日に米市場に上場」
2007年6月22日 日経新聞
【ニューヨーク=山下茂行】米大手買収ファンド、ブラックストーン・グループは21日、22日にニューヨーク証券取引所に上場すると発表した。買収ファンドの米市場上場は初めてで、調達額は41億3000万ドル(約5100億円)にのぼる。同業のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)も上場を検討していると報じられており、上場による資金調達をテコにファンド主導の企業買収がさらに加速しそうだ。
ブラックストーンが米市場で売り出すのは買収ファンドを運営する運用会社の株式。株数は約1億3300万株で発行済み株式の約12%。市場関係者によると売り出し株数の10倍前後の申し込みがあったという。中国政府からも30億ドルの出資を受けるため、調達額は合計71億3000万ドルにのぼる。人気の高さを反映し、売り出し価格は一株31ドルと、想定価格帯(29―31ドル)の上限で決まった。上場によりシュワルツマン会長兼最高経営責任者(CEO)は6億7000万ドル以上の収入を得る。米で浮上している買収ファンドへの「もうけすぎ批判」がさらに強まる可能性もある。
● 「金融界は警戒…「サブマリン」まで2カ月」
2007/08/05(日)
国債から株式・証券化商品へ 23年度には118兆円規模
10月の郵政民営化まで残り2カ月と迫る中、180兆円超の郵便貯金を受け継ぐ巨大金融機関「ゆうちょ銀行」の誕生に、金融界の警戒感が高まっている。
郵貯は国債などの安全資産で運用されたが、ゆうちょ発足後は運用対象を株式や証券化商品などに拡大する計画が示されたからだ。ゆうちょが運用資産 を大幅に組み替えれば、その巨額の資金量から債券相場などに波風が立つ。 巨大な「運用機関」の誕生に、市場は新たな波乱の種を抱えることになる。
郵便貯金に預けられた資金は、平成13年4月までは全額が旧大蔵省(現財務省)に預託され、同省で運用された。 だが、財政投融資改革で預託金制度が廃止されたことに伴い、同月以降は日本郵政公社(15年4月までは前身の郵政事業庁)の自主運用となっている。
ただ、日本郵政公社法で安全運用が義務付けられたため、資金の7割は国債、1割弱が地方債・社債、残りが外国債券や地方自治体への貸付金などに向けられてきた。
郵政民営化を控え、金融界が神経をとがらせるのは、民営化準備会社の日本郵政が4月末に公表した民営化後の実施計画のためだ。そこには安全資産に限っていた運用対象の自由化が盛り込まれていた。 計画によると、これまで信託銀行に委託する場合だけ認められていた
株式運用を自前でできるようにするほか、証券化商品や信託受益権なども投資対象に追加。「収益源の多様化」と「リスク分散」を狙う。 金利スワップや金利先物などデリバティブ(金融派生商品)取引も活用 し、金利リスクの回避を図る。ゆうちょは発足後、金融庁に認可申請し、 認められ次第、運用対象を広げる方針だ。
9月末まで定額貯金など定期性貯金として預け入れられた資金は、 郵便貯金・簡易生命保険管理機構に承継され、同機構からゆうちょに特 別貯金として再預託される仕組みとなっている。郵政民営化法は、この 特別貯金残高分については安全資産での運用を定めた。
● 2007/08/05(日)
先日上場したファンド界のタイタニック、 ブラックストーン株が上場するのを待っていたかのように1万4000ドルをつけていたダウの下落が始まり、この2週間の株価動向を知っている方なら 日本株式市場の場中の動きは特に異常です。
先物に振り回され為替も激しく動いています。ブラックストーン株は2007年6月22日に上場して以来既に22%以上下落していますし、中国政府が外貨準備のうち30億ドルをブラックストーンに投資しており、既に5億ドル以上の含み損になっています。ブラックストーンの株主には議決権もないので、全ては嵌めこみの上場だった
● 2007/08/14(火)
日米欧の中央銀行は42兆円もの資金を市場に投入したが、NY市場はほぼ横ばいで引けており、 日本もほぼ横ばいとなり、東証株価指数は続落となり、年初来安値を更新するという有様だ。
これだけ膨大な資金を市場に供給しながら、一向に株価が反発しないのはなぜか。
そしてなぜこれだけの資金を市場に供給しなくてはいけなかっのか。
世界の金融市場は今、ある『噂』におののいている。 その『噂』が本当であれば、世界の金融機関はことごとく破綻することになる。 誰も無傷なままでは済まないことになる。
社会問題や政治問題としてのサブプラは、まだまだ続く。それが株式相場にどこまで影響するかは分からない。ヒラリーが議会で主張してるような弱者救済策(焦げ付き債権の政府機関買い取り。ブッシュに蹴られた) や 利下げは必要だろう。
特に利下げはマクロが好調な内は切れないカードだから、一旦景気を減速させる方策を採るかもしれない。今は実体経済の流れるままにしか事態が進まない。目一杯レバレッジを膨らませて運用されるデリバティブの世界の 歯車が狂い始めると今回のような事態になる。アメリカは何度もやっている。その経験が、各国中央銀行の対処が早かった本当の理由だろう。
● 「サブプライム担保証券、米で大量格下げ・ヘッジファンドに打撃」
2007.7.11日経新聞
【ニューヨーク=山下茂行】米格付け大手は10日、信用力の低い個人(サブプライム)向け高金利型住宅ローンを担保にした証券の大量格下げに動き始めた。サブプライムローンの延滞や差し押さえが急増しているためで、同証券に投資するヘッジファンドの経営悪化や米住宅市場の一段の減速を招く可能性もある。
格下げ対象はサブプライムローンの元利金を投資家に支払う証券化商品で「住宅ローン担保証券(RMBS)」の一種。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは当初発行額で52億ドル相当の格付けを引き下げた。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も120億ドル相当を格下げする方向で見直す。
ムーディーズが格下げしたのは2006年発行の証券399件。これとは別に32件も格下げ方向で見直す。S&Pが格下げを検討しているのは05年10月から06年末に発行した612件。この期間に同社が格付けしたRMBSの2.13%に当たる。
●「米ブラックストーン、ヒルトンホテル買収へ・3兆1800億円」
2007年7月3日
【ニューヨーク=杉本晶子】米ヒルトン・ホテルズは3日、米大手ファンドのブラックストーン・グループに約260億ドル(約3兆1800億円)で会社を売却すると発表した。ブラックストーンは欧米でホテル投資を加速しており、米ホテル3強の一角を占めるヒルトンの買収で傘下チェーンの客室数を約六倍に増やす。
ヒルトンは3日開いた取締役会で会社売却を決めた。価格は1株あたり47.5ドルで、2日終値に40%を上乗せした金額。ブラックストーンは10―12月中に現金で払い込みを終える。ヒルトンのスティーブン・ボーレンバック最高経営責任者(CEO)は「(買収提案は)極めて大きな上乗せを株主に提供するもの」との談話を発表、株主価値を最大化するために売却を決めたことを強調した。
ブラックストーンは2004年以降、ホテル買収を本格化している。すでに欧米で「ラ・キンタ・インズ・アンド・スイーツ」「LXRラグジュアリー・リゾーツ・アンド・ホテルズ」など中価格帯から超高級まで幅広いチェーンを傘下に収めている。
●海外M&Aニュース
「米サブプライム住宅ローンのアクレディテッド、身売りで合意」
日経新聞 2007年6月6日
【ニューヨーク=伴百江】米サブプライム(信用度の低い個人向け高金利)住宅ローン会社大手アクレディテッド・ホーム・レンダーズは4日、買収ファンドのローンスターに身売りすることで合意した。ローンスターによる買収額は現金で約4億ドル。アクレディテッドはサブプライムローン市場の低迷で業績が悪化、今年1―3月期には1300人の従業員を解雇するなどリストラを進めてきたが、身売りが最善策と判断した。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝
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