「1285」 「小沢一郎・陸山会裁判」の急展開。小沢一郎側が勝利しそうである。「ぼやき・会員ページ 1284」に掲載された文章の後半部分を、こちらにも転載します。2012.2.19

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副島隆彦を囲む会の須藤です。今日は2012年2月19日です。

「今日のぼやき・会員ページ」の「1284」番、「1282」番の2本は、「小沢一郎・陸山会裁判」の本質を理解するうえでも大変重要な文章です。是非多くの方に読んでいただきたいので「1284」番の文章の後半部分だけを、こちらの「広報ページ」にも転載することになりました。

この2本の「ぼやき」の中で副島先生は、大阪地検元特捜部長・大坪弘道(おおつぼひろみち)氏の手記『勾留百二十日  特捜部長はなぜ逮捕されたか』(大坪弘道著、文藝春秋社、2011/12/16刊)を元に、日本の法曹界・権力構造の最も深い部分を暴き出しています。
この文章の全体をお読みになりたい方は、どうぞ「副島隆彦の学問道場」の会員になって下さい。

・「今日のぼやき・会員ページ 1282」
https://www.snsi.jp/tops/boyaki/1571
・「今日のぼやき・会員ページ 1284」
https://www.snsi.jp/tops/boyaki/1573

また「今日のぼやき・会員ページ 1284・後半」の前に、直近の2012年2月17日に行われた「小沢一郎・陸山会裁判」公判の模様を伝えた記事を転載します。この公判で東京地裁は、捜査段階の検察官調書の大半を却下しました。

さらにもう一つの記事も、参考資料として併せて冒頭に転載します。こちらは昨年2011年12月16日の公判の中で前田恒彦(まえだつねひこ)元検事が暴露した、田代政弘(たしろまさひろ)検事による石川知裕(いしかわともひろ)議員取り調べの異常性を伝えた記事です。

(転載はじめ)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120217-OYT1T00688.htm

「『虚偽供述に導く取り調べ』地裁、検察を批判」
読売新聞 2012年2月17日

「虚偽供述に導く危険性の高い取り調べだ」――。

小沢一郎(おざわいちろう)・民主党元代表(69)の17日の公判で、東京地裁の大善文男(だいぜんふみお)裁判長(52)は、元代表の関与を認めた元秘書らの調書を却下した理由の中で、検察の捜査を激しく批判した。

公判で明らかになった捜査報告書の虚偽記載問題にも言及。検察審査会の民意で起訴された事件の立証が、検察の“落ち度”によって困難さを増すことになり、検事に代わって被告を追及する指定弁護士は、考え込むようにして理由の朗読に聞き入った。

午前10時頃、スーツ姿の小沢元代表は、裁判官席に一礼して同地裁104号法廷に入廷。口を真一文字に結び、前を見据えて、証拠採否の決定に臨んだ。

「主文を読み上げます」。大善裁判長は一呼吸置いてから、「採用」と「却下」の調書の番号を一気に読み上げ、「却下」が多いその番号を、指定弁護士、弁護側が懸命に書き留めた。

陸山会元事務担当者・石川知裕(いしかわともひろ)衆院議員(38)が小沢元代表の関与を認めた供述調書について、大善裁判長が「任意性なし」と説明すると、弁護側の喜田村洋一(きたむらよういち)弁護士(61)が大きくうなずいた。

決定理由の朗読内容が一気に厳しさを増したのは、石川被告を担当した田代政弘(たしろまさひろ)検事(45)の取り調べ手法に対する評価に入った時だ。小沢元代表の起訴を示唆しながら供述を求めたことについて、「強力な利益誘導で、虚偽供述に導く可能性の高い取り調べ方法だ」と非難した。

田代検事が証人出廷した際に、「より真実に近い供述を維持するために行った」と釈明したことにも、「真相解明の熱意からだとしても、検察官の職責を考えれば違法性、不当性が減じるものではない」と、厳しい言葉を連ねた。

(転載終わり:読売新聞 2012年2月17日 から)

須藤です。以下は、昨年2011年12月16日の公判の様子を伝えた記事の一部抜粋です。石川議員が土下座までした、と暴露した「証人」は、前田恒彦(まえだつねひこ)元検事です。

(転載はじめ: 産経新聞 2011.12.16 から。一部抜粋)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111216/trl11121616400016-n2.htm

「「証拠隠しは言ったっけ」「石川議員が『土下座』」…止まらぬ“暴露”」
[小沢被告 第10回]

《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎(おざわいちろう)被告(69)の第10回公判は、大久保隆規元公設第1秘書=1審有罪、控訴中=の取り調べを担当した前田恒彦(まえだつねひこ)元検事=証拠改竄(かいざん)事件で実刑確定=に対する弁護側の尋問が続いている》

石川知裕議員の弁護人である喜田村洋一(きたむらよういち)弁護士が、

《 昨年1月、大久保元秘書の取り調べを行っている際に、前田元検事がすでに郵便不正事件をめぐる証拠改竄を上層部に報告していた点について経過を確認。続いて、東京地検特捜部の連絡態勢について質問するうち、多弁な前田元検事にリードされる形で、話はさまざまな方向に展開していく》
<中略>
被告側弁護人「午前中の尋問で、他の検事の取り調べにはいろいろ問題があった、と言ってましたよね。どんな問題があったんですか」

証人「私がそう思う、ということで事実かどうかは別ですけどね。あいつ。あいつじゃねーや、□□さん(転載者注。法廷では実名。 石川議員の取り調べを担当した特捜部副部長吉田正喜(よしだまさき)氏のこと)から聞いたのは石川さんが調べの途中で土下座した、と言っていたんですよね。(転載者注:田代政弘(たしろまさひろ)検事 は、石川議員が水谷建設から)5千万円受け取ったやろ、と言ったら、石川さんが否定して、『この通り、受け取っていない証明として土下座もできる』ということで土下座した、と言っていたが」

「私の素朴な感覚では、否認していた被疑者が次の日の朝に土下座して『嘘ついてました』というのはあり得るけど、普通はないでしょう。国会議員ですよ、当時。いかがなものかと」

(転載おわり:産経新聞 2011.12.16 から。一部抜粋)

須藤です。それでは、以下に「今日のぼやき・会員ページ 1284」の、後半部分を再掲載します。



(再掲載はじめ:「今日のぼやき・会員ページ 1284」から)
https://www.snsi.jp/tops/boyaki/1573

副島隆彦です。 「1283」番の前半(1)に 続いて 後半(2)を話します。

<東京で小沢事件、大阪で村木厚子事件(本当は石井一(いしいはじめ)議員を狙った)を仕組んだ特捜部>

最高検と同じ建物の中に東京地検特捜部がある。その東京地検特捜部長が例の小沢の秘書たちを、例の有名になったキャメルのコートで革手袋をしてさっそうと突っ込んでいった、あの佐久間達哉(さくまたつや)。もう1人、佐久間の上に大鶴基成(おおつるもとなり)という、これは東京高検の検事だったのにもう一回下(地検)におりてきて、佐久間を支える形で一番悪いことをした男だ。

この大鶴・佐久間ラインが、この大坪の本の中では、自分たちの小沢秘書たちへの捜査がうまくいかないで行き詰まっていたと書いている。だから、自分たち大阪地検特捜部が、東京までわざわざ乗り込んで来て、厚労省にまで踏み込んで、現役に本省局長である村木厚子(むらきあつこ)を逮捕した。大坪は、今こそが自分の人生の頂点と感じて、功名心で満ち溢れ、してやったりみたいな感じで書いている。

大きくは自分が、樋渡(ひわたり)検事総長たちに命令されてやらされたさたのだということの自覚かない。こいつはバカなんだ。自分たちが大きくは利用されているという事実に、この時点では気づいていないんだと思う。


樋渡利秋(ひわたりとしあき)検事総長、佐久間達哉(さくまたつや)、大鶴基成(おおつるもとなり)ほか、大坪より上の、小沢事件の検察における首謀者たち

前田恒彦(まえだつねひこ)元検事は、驚くべきことに、大阪地検特捜部からの応援検事として東京地検特捜部にも来ていた。前田は取り調べ検事としての腕前を買われて「割り屋の前田、落としの前田」とおだてられていて、その上で、「業績を出せ、出せ」と上から(大坪部長だけでなく、もっと上の最高検からも)激しく叱られたらしい。だから、功を焦って、証拠偽造をするところにまで追い詰められたわけです。


前田恒彦・元大阪地検特捜部検事

この大坪の本で大事なのは、少し上でも書きましたが、「執務日誌」の存在を大坪が最後の切り札として考えているという点です。この点について、大坪は佐賀(さが)副部長と捕まる前に話していて、自分たちは「執務日誌」というものをつけていると。執務日誌と共に、上に報告書も上げていると53ページにある。だからこの執務日誌と上への報告書を調べれば、自分たちだけが勝手にこの改ざんの事件を起こし、かつもみ消したのではないということの物証になると、言っている。大坪はこの本の中ではっきりと、次のように書いています。

(引用開始)

私と佐賀君は前田のフロッピーディスクデータ改変の問題が生じた際、佐賀君が前田から電話で直接聴取した内容を踏まえて検事正・次席に「上村宅から押収したフロッピーディスクのデータが変わっている可能性があるが、上村宅に還付しているので現状ではその内容を確認できない」旨を報告している。

この情報を私のところで握りつぶしていたのなら、もみ消しと認定されてもやむをえない。だが実際は情報を即座に上司に報告しているのであるから、我々が前田の改竄をもみ消した事にはならない。それまで意気消沈していた気持が、佐賀君からの電話で一気に戦闘モードに切り替わった。

『勾留百二十日』大坪弘道著 53ページ

(引用終わり)

副島隆彦です。問題はこの執務日誌および捜査報告書が今どうなっているかということだ。恐らくこの執務日誌と上司たちへの報告書 は、消えて無くなってしまったんじゃないか。大坪と佐賀から上にどんどん報告書が上がっていたのだ。それらの報告書を最高検まで共謀して消してしまっている、すでに処分=隠滅してしまっている可能性がある。


重要な記述がところどころにある大坪の手記

それでも、やっぱり樋渡利秋検事総長のところまで行っている この報告書と執務日誌が非常に大事なんです。もしそれを証拠隠滅で処分していたとしたら、この事実が判明したら、今からでも、樋渡以下、関与した検事たちは全部捕まってしまうわけです。

大坪たちを捕まえに行った大林宏(おおばやしひろし)系の、汚れていないほうの検察官たちとの闘いが今も検察庁、法務省内にある。政治の道具にされて、すっかり汚れてしまった検察庁全体をキレイに掃除する、綱紀の粛清すると決意した大林派の検事たちは、それでもなお、今でも恐らく検察庁全体から見たら激しい憎しみの対象になっていて、大林が すぐに辞めさせられたように、順番にやめさせられていくだろう。

検察庁では重要な案件は必ず最高検に報告することになっている、仕組み上そうなっている。しかし、大坪が一言も書かないのは、彼ら中央大学や地方国立大法学部出程度の下っ端たちだからわからない政治問題があるからだ。

全くこの同じ時期に小沢一郎の外堀を埋めているのに、そういうことには大坪は気づいていない。あるいは佐藤優(さとうまさる)氏が使い始めて有名になった“階段(かいだん)”という言葉があって、佐藤優は、「自分は実質の外務大臣( 実際は副大臣で、当時は外務省政務官)という立場にあった鈴木宗男と一緒に動いたので、宗雄議員を捕まえる“階段”としてまず自分が捕まった。階段にされた。実際に検事がそう言った」としている。

だから「外堀を埋める」とか、「証拠を固める」と言われるが、検察は、そのためにまず小沢一郎の秘書たちをどんどん逮捕するという動きに出た。 今でも日本国民の3割、4割の支持をしっかり持っている小沢一郎の大久保秘書を捕まえたのが、2009年3月3日です。西松建設献金問題で大久保隆規(おおくぼたかのり)秘書を逮捕した。このときは、歴史的な日となる、2009年8月30日の総選挙に大勝利で民主党鳩山政権ができる6ヶ月前です。この時から、検察・裁判所・法務省を使った 小沢弾圧、小沢攻撃が始まった。

鳩山政権ができた2009年の8月末から、たった5ヶ月しかならない翌年の1月15、16日に小沢一郎への弾圧がさらに激しくなって、再度、大久保もあわせて、石川知裕(現職の衆議院議員、かつては秘書だった)と池田秘書の3人を捕まえるという動きになった。

この2010年1月15、16日に3人が「小沢陸山会事件」で逮捕されたその10日後が、村木厚子の第1回公判だった。これで検察の証拠偽造がバレてしまって、大騒ぎになった。

だから、やはりこの2010年の1月27日からが大騒ぎになって、検察が崩れ始めた。公然と崩れ始めたのだ。内部でダムをつくって必死で封じ込めていたけれども、もう逃げられなくなった。

テレビ、新聞のカメラマンたちに追いかけ回されるようになって、それから1月30日に塚部貴子(つかべたかこ)検事たちが検察内部でも公然と大騒ぎし出して、もう最高検も止められなくなった。「自分たち検事までまで捕まってしまう」という恐怖感を彼ら自身が持ったが、まだなんとか抑え込めると思っていた。2009年の間も、ずっと内部ではぐだぐだが続いていた。それでもまだまだ検察内部での話だった。やはり2010年の1月27日の第1回公判で、明るみに出たということが一番の大爆発だ。

この第1回公判から大坪の逮捕の10月1日まで、何と8カ月あります。これが大変なドラマになる。大坪の逮捕の直接のきっかけは、2010年の9月21日に『朝日新聞』のスクープ記事「検事が証拠を改ざんしている」と出たからだ。検察庁内部が激しい混乱状況に陥って、「もう、こんな内部での隠蔽(いんぺい)はやっていられない、となって10日後、10月1日に大坪と佐賀を、最高検の検事たちが関西まで急行して逮捕した。検察内部のゴタゴタは今も続いている。検察庁は、日本の恐ろしい国民弾圧機関であり、全体はやっぱり三宝会(さんぽうかい)系が今も抑えているということです。

だから、私もつき合いがありますが、石川知裕現職衆議院議員、丁度、10年間小沢一郎の秘書をやった人ですが、この3人まで逮捕して、この石川知裕には有罪判決まで出している。昨年(2011年)9月です。むちゃくちゃな、「推認(すいにん)判決」と呼ばれて、証拠も何もないのに、無理やり登石郁朗(といしいくお)裁判官が地裁レベルの判決を出してしまった。どうしても小沢たちを弾圧するんだという構えに、裁判官、検察官、法務省が一体でグルでやっているのです。


”ミスター推認” こと登石郁朗・東京地裁判事

ここで言っておかなければならないのは、法務省は行政部に入るから内閣の一部です。法務大臣が指揮をしています。三権分立(さんけんぶんりゅう)という考え方で日本国憲法はできているはずなのに、実際は三権が分立していない。

検察庁というのはこの法務省(行政)の一部に入り、準司法機能(じゅんしほうきかん)と言われているが、司法部には入らないのです。ところが裁判所と裁判官というのは明らかに司法官といって、同じ公務員、官僚でも昔から司法官と言われている。行政部であるところの内閣から独立している形になっています。ところが実際は全く独立していなくて、法務省の一部門みたいに扱われている。今では法務省の家来、出先のようになっている。

最高裁・事務総長という役職がある。事務総局というのが最高裁にある。彼らは、「司法官僚」と言われる法務省の役人とツーカーというか、人事でも行ったり来たりする。とんでもなことに、「判検交流(はんけんこうりゅう)」と言って、判事(=裁判官)をしたあと検事になって、また法務省に戻ってくる、というようなことを平気で、慣例としてやっている。そういうヒドイ状態になっているのです。三権分立など消えてしまっている。日本の司法腐敗が頂点に達している。

最高裁の15人いる判事の1人が事務総長であり、実際上、法曹(ほうそう)全体に大きな権限を持っている。この事務総長が裁判官たちの人事権をすべて握っている。何と、全国で2万人ぐらいいる弁護士たちの動きまでも監督して、上から抑えつけて恫喝するようなことをやっています。現に私の友人のY弁護士なんかも、私と法律学の本を出したばかりにずっと、いじめられ続けている。所属する弁護士会での懲戒請求という仕組まれた、繰り返しのひどい圧力を受けた。

だから、弁護士なんていうのは、裁判所の出入りの業者に落ちていて、ヘコヘコしている。刑事事件であれば検察官や裁判官に、民事では裁判官にヘコヘコしていて、ほとんど”出入りの業者”みたいで卑屈な人間たちに転落しています。昔は、日本共産党系の弁護士たちなんかでも、少しはまだ権力と闘うみたいなことを言ったけども、今は全く言わなくなった。今の日本共産党の弁護士たちも、腐れ集団です。闘う気が全くない。
彼らまでも脅(おど)されている。

だから、今度の小沢一郎への政治弾圧の裁判であり、検察、法務省の腐敗の限りを尽くしている陸山会裁判の異様さに対して、これは、司法全体の大変な危機であり、自分たち、法曹(判事、検事、弁護士の三者)のすべての真価と、国民からの信頼がかかっている重要な事態だと、はっきりと抗議の声をあげる弁護士たちが、全く居ない。 ただ、弁護士たちは全員、今の異常事態をよく知っている。自分たちだけで、ヒソヒソと、
「検察も法務省も、政治にからんで、ヒドイことをしているなあ」と 卑屈に話し合っている。だが、誰も声を上げない。

テレビに出てエラそうなことをほざく(コメントする)タレント弁護士どもでも、有名人になりたいだけの 腰抜け野郎ばっかりだから、卑屈に成り果てて、ものごとのまっとうな、正義の主張と、自分たちの腐敗、堕落を正直に語る弁護士が、たったのひとりもいない。郷原氏だけが、唯一の例外だ。彼は、ヤメ検の弁護士であるが、小沢一郎裁判の非を訴えて、言論で闘っている。

これだけ、検察と法務省の悪事(それから、このさきは、最高裁が動かしている 最高裁に所属する職員=公務員=たちからなる検察審査会という、悪事の謀略の組織の悪が、徹底的に暴かれてゆくだろう)が、満天下に明らかになったのは、それは、一重(ひとえ)に、小沢一郎という国民政治家(民族指導者)の、力と能力の高さの故である。小沢に、ドスコイ勝負で、喰らいついていった検察の犬たちは、小沢という国民政治家の大きな力に、敵(かな)うわけがなかったのだ。

小沢一郎の後ろには、私たち少なくとも4千万人の日本国民の支持者(多くは貧困層と労働者階級と本当の知識階級 )がついているからだ。私たちが本当の愛国者だ。 検察・法務省という官僚どもという国家組織をあげて、小沢にぶつかっていっても勝てはしないのだ。このことを、皆よーく分かるべきだ。

しようがないので、少数のまじめな弁護士たちが小沢裁判を支えるという形になる。本当の事実と証拠と、一切汚れたことをしない、まじめな弁護士活動だけで自分たちの身をなんとか守っているというのが現状の弁護士たちの姿だ。弘中惇一郎(ひろなかじゅんいちろう)、安田好弘(やすだよしひろ) 弁護士が最先頭だ。

三権分立なんかなくなっている今の日本の恐ろしい司法腐敗をたたき壊さないことには、もうどうにもならない状況まで来ている。

だから私も今から検察庁を徹底的に攻撃するという、言論人としてのひとりの闘いをする。その詳細はすぐに明らかにします。 私は「バイ菌がうつる。毒が全身に回る」という言葉を使いますが、なかなか理解してもらえない。自分にまでバイ菌がうつったら本当に大変なことになる。自分も悪事を知っていた、仲間だったとなって、悪事に加担したということになると、やっぱり言論人としては生きていけない。私は、内閣官房機密費から一円ももらっていない、汚れていない言論人だ。本当によかったと、ほっとしている。テレビに出ているような他の連中は、大半が汚れている。

それでも、私は、世の中の多くの企業経営者や金持ちたちは、たくさんの小さな違法行為をやるに決まっていると思っている。そうしないとお金もうけはできない。世の中は元々そのように出来ている。だから、そういう一般国民である、大金持ち、経営者、資産家たちのやや汚れた行動は称賛すべきことだと私はいつも思っている。ある程度の貧富の差は、世の中に有って当たり前のものである。その人の運命や能力の差、それからずる賢さ、ワル賢さの差で貧富の差は必ず生まれる。この世から貧富の差を廃絶することは出来ない。富における平等社会は実現しない。資産家、経営者たちの生来の能力こそは社会が大事にすべきものだ。

そのように徹底的に諦観(ていかん)した上で、その上で、徹底的な社会改革、政治改革をすべきだ。資産家や経営者たちの活力有る些細な違法な金儲けの行動が、警察や検察から厳しく取り調べられるようになっていくと、恐ろしい社会になっていく。

検察官たちは、こんなに犯罪者集団のように成り果てても、それでもなお、「自分たちが日本国民の最後の守り手だ」みたいな理屈を一生懸命に唱える。確かにどこの国の歴史でも、検察や警察はなくならない。犯罪者というのがたくさんいて、恐ろしい暴力団やヤクザ者みたいな者もいるから、それらから一般の国民を守る活動というのは当然あります。

しかし検察や警察が、国民の代表である政治家たちにまで簡単に襲いかかっていけるなどという、現在の体制を許してはいけない。自分たちが政治の道具にされているんだということを、今の検察官や裁判官たちが自覚しなければいけない。しかし自覚している人たちは組織の中で激しく抑え込まれて、鬱屈(うっくつ)状態で生きているだろう。

「司法の独立を」と言っても、裁判所全体が、法務省の家来になって、法務省の予算からお金をもらって生きている面がどうしてもある。自分にお金(生活費)をくれる者に逆らうことはできない。お金を払う方が、もらう方よりも常に上である。だから東大出のいわゆる”赤レンガ組み”の法務省が、裁判官たちまでもあやつっている。

あと大事なのは、犯罪の捜査権(そうさけん)というのは警察にある。検察官というのは、これは捜査機関である警察から上がってきた捜査資料に基づいて、その人物が行ったことは犯罪であるということの証拠を固めて、公判請求、起訴とも言いますが、裁判所に訴えるのが仕事です。これが世界中での良識(コモンセンス、共通感覚)だ。

国家の代理人として犯罪者の裁判の提起(起訴、裁判所への訴え)行うのが検察官なんです。捜査機関じゃない。

それなのに、日本の国ではいつの間にか検察官が、捜査機関でもあるようなフリまでするようになった。国家にとっての巨大な悪事、つまり政治家たちの腐敗、あるいは巨大企業の動きに関しては自分たちがやる、自分たちこそは、正義(justice ジャスティス)の判断者だ、思いあがり、威張り腐って、国民の代表(議員、政治家)たちに、自分たちの方が国家体制上も、上の頭脳なのだから、と大きな勘違いをしている。汚れた政治家たちには、自分たちが「法律の刃(やいば)で」平気で襲いかかっていいと感覚麻痺してしまった。そのために作られたのが特捜部だ。この特別捜査部というのを大阪と東京につくってしまった。

これはGHQが戦後に、隠匿・退蔵物資摘発(いんとく・たいぞうぶっしてきはつ)の係の捜査権を検察庁に与えてしまってできた機関だ。だから、この暴走する特捜部を解体するという動きに今の日本国家体制上は徐々になっています。あくまで犯罪の捜査機関は警察である。だから、検察の取り調べを透明化、可視化(かしか)する方向になっています。

取り調べの可視化という動きを、民主党の若手の政治家たちが一生懸命に言っている。そうすべきだ。録画して、取り調べの中身が、検察官が容疑者を脅迫したり、ウソの調書をとったりすることがないように可視化せよという動きに今なっています。これを必死で食いとめようと、法務省側は闘っている。

だから捜査権が検察庁にもあるという、近代国家(モダン)であるなら否定すべき、日本だけで通用する大理屈を否定しないと、日本の国が、少なくともヨーロッパやアメリカ型の近代国家にはなれません。このことも大事なことです。

「いま検察の信頼が地に落ちている」と自分たちが言っているだけだ。検察内部で動揺が広がっている。したがって、東大法学部を出て法務省とも行ったりきたりする赤レンガ組と、地方国立大学や私立大学出の者たちが下のほうで踏みつぶされそうになりながら、下っ端の家来になりながら生きている。この法曹の世界の階層構造(ハイアラーキー、ヒエラルヒー)は、誰も否定し得ない真実だ。学歴差別で、検察庁や裁判所の世界が出来ている。本当だ。

この事実を国民がはっきりと知ったほうがいいし、学歴差別社会こそが役人の世界なのです。いくら司法試験に受かっても中大法学部程度では威張れないのだ。

私がこういう書き方をすると、ものすごく激しい反発がある。「おまえ(副島)だって、早稲田の法学部程度じゃないか」と言われる、それも事実だ。だけど、こういう話(学歴差別のこと)を、公然と、全部表にしっかり出してみんなで確認しなきゃだめなんだ。このことはもう公務員をやっている人はみんな知っていて、その家族から周りもみんな知っていることだ。「東大法学部出の赤レンガ組を解体するべきだ」と、わーわー公然と議論が起こるべきだ。

お勉強秀才のなれの果てたちが、国民から選ばれた代表(議員、政治家)でもないくせに国家体制を動かすということを許してはいけない。官僚支配は、本当に、徹底的に打ち壊さなければいけない。「官僚主導から政治主導(政治家たちの政治)へ」という小沢革命の火を消しては、絶対にならない。

官僚あがりたちよりも、世の中を食べさせることを体で知っている、優れた立派な能力のある経営者たちをもっとどんどん政治家(議員)にしなければいけない。経営者たちは、その生来の優れた能力によって、人の使い方とお金の動かし方(使い方、利益の生み出し方)をよく知っている。官僚たちは何も知らない。彼らには経営は出来ない。国家経営(国家の運営)も出来ない。バカなんだ。

松下幸之助は本当に偉かった。彼は、1972年に、大学で暴れる学生運動の学生たちの姿をテレビで見ていて、相当に本気で語った(本に書いた)。彼は、「東大と国税庁を廃止すべきだ。それが日本国のために一番、いいことだ」「無税国家に出来る」と言いはなった。本当にそうだ。国税庁などなくても、自分たち経営者がしっかり、内部留保すれば、一億人の日本国民を無税でも食べさることが出来る、と、松下幸之助は、本当に言ったのだ。私、副島隆彦は、この松下幸之助の遺志を、言論人としてしっかりと受け継ぎたい。

それにひきかえ、松下政経塾から出て来た、今の野田ブタ総理や、前原誠二や、原口一博や、玄葉光一郎外務大臣らは、アメリカの手先にしかなれない、バカやろうどもだ。 松下幸之助が泣いているぞ。

優れた立派な経営者たちに政治もやらせろという意見は当然たくさん出ている。必ずしもこの人たちは、お勉強はできない。学校時代の成績が良くない人が立派な中小企業の経営者にたくさんなっている。経営の才能は学校で学ぶものではない、生来のものだ。 学校の勉強の点数で、試験(国家試験や資格試験)の合格で、人の能力を決めていってしまう体制を、根本から変えなければならない。

本当は、裁判官という職は、立派な人格のじいさんにやらせるべきだ。立派な人格のじいさんというのは、本当に、実社会にはたくさんいて、「このじいさんの言うことなら自分は絶対に聞く」と、かつ立派な人だと周りが認めている人だ。その人のところに争いをやっている当事者2人が行って、何を言われようと、とにかくこのじいさんの判断に従うと予め言って、争い当事者たちが事情を全部説明して、それでこのじいさんが決裁、判断を下すのだ。これが、本当の裁判官です。

東大法学部を出て、試験に受かったからといって、裁判官なんかになる必要はない。立派な人物でまわりがを評価する、みんなが認めてその人の判断に従うという社会体制に変えなければいけないのです。

最後に、塚部貴子(つかべたかこ)さんが、わーわー大阪地検特捜部内で騒ぎ出したので、これで事態が発覚してしまった。この事実が何と言っても大きい。塚部検事(今も大阪地検特捜部検事)は、国民栄誉賞だ。救国の立派な検事だ。「自分は悪事には加担しない」と決意して、検察庁内で、泣きじゃくって、騒いだ。「自分は、辞職して新聞記者たちに真実を語る」と泣きわめいた。だから最高検まで含めてもう誰も止めることができなくなったのだ。

だから、やっぱり女の頑張りみたいなものが日本国を救ったのだ。融通(ゆうずう)が効かない、長いものには巻かれろ、とか、職場の雰囲気(空気)を読めない女が、時として大事だ。国家を救うことをする。

私は、塚部貴子さんを写真つきで一番褒めるべきだと思う。ずっとそのように書いてきた。恐らく彼女ももうすぐ大阪地検から追い出されるだろう。「私は辞めない」と言って検察官を続ける限りはクビにすることはできない。が、検察庁と法務省としては、冷や飯食い(ひやめしぐい)の状態に徐々に置いていくだろうと思います。この塚部貴子さんの名前すら、みんなが知らないまま、現状が進んでいる。このことが、現下の国民の言論としてものすごく重大なことなのです。


塚部貴子検事「美人じゃないですよぉー」と彼女は言った

私は、大坪と佐賀に対しても「頑張れ」、「徹底的に暴き続けろ」、「裁判をやり続けろ」「屈服するな」と応援します。そうなると、自分のお仲間だった検事たちが非常に困るからです。だからこの大坪の『勾留百二十日』が非常に内輪や、同じく汚れまくっている新聞記者たちに非情に評判が悪いというのは当然だ。もっともっと本当のことを、この二人にしゃべられたら困る者たちがたくさんいる。樋渡利明や、漆間巌(うるまいわお)元警察庁長官。それから、その上にいる、「三宝会」のナベツネや日経新聞の会長の杉田亮毅(すぎたりょうき)たちだ。さらにその上でいる、全体の構図を作った、マイケル・グリーンやリチャード・アーミテージたちの謀略・人殺し人間たちだ。 だからこの本は、すぐれた本だ。大坪、頑張れ、絶対に屈服するな。自分たちだけトカゲの尻尾き切りにされて断罪されてゆくな。汚れた裁判官や法務省まで地獄の道づれにせよ、と私は応援する。

大坪は、自分だけがひどい目に遭って、名誉を剥奪(はくだつ)されて、晒(さらし)者にされて、犯罪者にされていくというのは堪(たま)らないことだと、この『勾留百二十日』で、最初から何回も何回も泣いている。バカだった自分が利用されて、ひどい目に遭ったと。拘禁ノイローゼや拘禁症状というのが出て、激しく頭が狂いそうになるような苦しみを味わったと書いている。

これは普通の犯罪や汚職で捕まった程度の政治家たちの苦しみよりも、もっとひどいものだろう。効きもしない体に悪い抗生物質をいっぱい患者に与え続けた医者が、自分自身が抗生物質の激しい害毒に曝(さら)されてのたうち回る苦しみと一緒だと私は思う。

自分がたくさんの犯罪人を拘置所で取り調べて、刑務所に入れた、ひどい目に遭わせた。そのときの激しい苦しみが、自分自身に襲いかかってきたわけだ。禁断症状の厳しさというか、自分が身をもって牢獄の地獄を味わったのだ、と。ようやく最後の方で、村木厚子さんに、実に済まないことをした、と謝罪している。大坪はこういうことを正直に書いているので、この本はすばらしい本だと私は思います。

大坪弘道の『勾留百二十日』についての私の文の追加、最後です。村木事件で証拠偽造をやった取り調べ担当だった前田恒彦(まえだつねひこ)元検事は、2011年の年末の小沢一郎の公判にも弁護側の証人として出廷した。 当時、小沢の陸山会事件の捜査に、前田は大阪地検から東京地検に応援検事として来ていた。

自白を得る事ができる「割り屋」としての実績を買われたのでしょうが、この前田が小沢の公判で、ぶちまけるように、検察の内情を激しく暴露している。ここは見ものだ。ものすごい政治ドラマだと私は判定する。内情を内部にいた者から激白されて、体制側は慌てふためいたろう。 検察全体から自分は捨てられたんだというようなことまで激しく証言しています。以下の記事は、産経新聞が陸山会事件の裁判を克明に報告している記事です。前田恒彦証言部分に関する内容です。

(記事の引用始め)

「 陸山会事件(下) 「事件は妄想だ!」 報告書の“作文”に「証拠隠し」… 検事から爆弾証言で新局面」

産経新聞 2011.12.31
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111231/trl11123107000001-n1.htm

「厭戦ムード」「妄想」と古巣を批判

さらに、大久保隆規元公設第1秘書(50)の取り調べを担当した前田恒彦元検事(44)=証拠改竄事件で有罪確定=は、第10回公判で、舌鋒鋭く捜査批判を展開した。服役中の前田元検事は青いジャージの上下に鮮やかなオレンジ色のフリースをはおって入廷。証言の冒頭で、「特捜部の捜査には問題があった。検察の有利不利を問わず証言する」と宣言した。

前田元検事は、「私は任意性に問題のある取り調べはやっていない」と断った上で、「私の取り調べに大久保さんは色々言われているが、かなりデタラメ。私は社会的に死んだ身で死人に口なしだが、あまりに違う」と証人尋問に応じた理由を述べた。

「この件は特捜部と小沢の全面戦争だ。小沢を挙げられなければ、特捜部は負けだ」。

昨年1月、大阪地検特捜部から陸山会事件の応援要員として呼ばれた前田元検事は、主任検事からこう言われたという。しかし、企業からの裏献金に主眼を置いた東京地検の「見立て」を、前田元検事は冷ややかに振り返った。

「裏献金で小沢先生を立件しようと積極的なのは、特捜部長や主任検事など一部で、現場は厭戦ムードだった」「もっと小沢先生周辺や奥様の資金周りを調べるべきだと思ったが、できていなかった。4億円が企業からの献金と『妄想』する人もいたが、正直ついて行けなかった」

証人出廷を依頼しに来た指定弁護士と面会した際、「私は小沢さんは無罪だと思いますよ。指定弁護士も職責上、大変ですね」と述べたことも明かした。

「証拠隠し」を法廷で暴露

前田元検事は検察批判にとどまらず、証拠の取り扱いをめぐる検察の内情も暴露した。「証拠隠し」として前田元検事が指摘したのは、「取り調べメモ」と呼ばれるパソコン打ちのメモ書きだ。捜査の見立てに合わない供述は調書にせず、メモとして捜査員同士で共有していたという。

当時、東京地検は小沢被告側への裏献金を立件するため、ゼネコンなど企業関係者の聴取に捜査員の大部分を投入したが、「何もいい話がでなかった」 といい、こうした内容はメモとして処理された、と証言。「検審にそれが示されれば、水谷建設からの裏献金の信用性も減殺されていた」と、検察審査会の議決 への影響に言及した。

また、石川議員の弁護人が取り調べに抗議した文書が検審に送付されていなかったことも明らかにした。「検審の判断の時に、クレームがあるとする と、そこ(取り調べの任意性)に疑いを差し挟む余地がでてくる。でも、それがない訳ですよ」と、これについても、議決に影響を与えた可能性があったとした。

(引用終わり)

副島隆彦です。 もう1人、田代政弘(たしろまさひろ)検事という人がいる。陸山会事件で石川議員を取り調べた検察官です。石川議員が述べていない内容を捜査報告書に記載していたことがわかった。石川議員が取り調べの様子をICレコーダーで録音していたため、その時の調書が実際と違うことが書かれていたことが証明できた。これが本当の“虚偽記載”です。このことも、非常に問題になってきています。

(記事の貼り付け始め)

●「陸山会事件公判:供述しない内容記載…石川議員の担当検事」
2011年12月16日 毎日新聞

資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)で強制起訴された 民主党元代表、小沢一郎被告(69)の東京地裁(大善文男裁判長)での第9回公判は、 15日午後も東京地検特捜部検事として元秘書の衆院議員、石川知裕被告(38)=1審有罪、 控訴中=を取り調べた田代政弘・新潟地検検事(44)への証人尋問が続いた。

石川議員の保釈後の再聴取状況をまとめた捜査報告書に、 実際には存在しない供述が記載されていると弁護側に追及され、説明に窮する場面があった。

弁護側が追及したのは、石川議員が元代表の関与を認めた捜査段階の供述を維持した理由について 述べたとされる部分。「『選挙民は小沢元代表の秘書だから投票したわけではない』という検事の言葉が効いた」との内容で、 元代表を起訴すべきだとした東京第5検察審査会の2回目の議決も重視した部分だが、 石川議員による5時間超の「隠し録音」には存在しない。

田代検事は「一言一句記載したわけではない。思い出しつつ作成した。 勾留中に話したことと記憶が混同していた」と釈明したが、裁判官も報告書作成の経緯を疑問視。 「取り調べメモは一切とっていなかった」との田代検事の説明に、 裁判官が「記憶喚起をする物もなく捜査報告書を作ったのか」とただすと、 田代検事は「はい」と認めた。

(貼り付け終わり)


田代政弘検事

副島隆彦です。このように小沢裁判でも検察のほころびが見えている。しかし、大きな流れとしては、検察の無理筋のほころびが見えたのは、2010年1月の村木厚子元局長の第1回公判での「大爆発」が最初です。それでも小沢叩き潰しの謀略をやった「三宝会」の面々は報道でそのことを必死に覆い隠そうとしてきました。

それから、海の向こうのアメリカでも日本叩きがこのころ起きている。それが例のトヨタ自動車のプリウスの誤作動をめぐる追及です。2月24日にトヨタ自動車社長の豊田章男(とよだあきお)がアメリカの下院の公聴会に呼びつけられて、プリウスが欠陥自動車だという攻撃を受けた。ところが、後になってアメリカのメディアも一斉にトヨタ車には電子制御の欠陥などは存在しないということを書くようになった。電子制御の欠陥なんて全部ウソだったわけです。

そして、その月の前半には、アメリカのカート・キャンベルとジョン・ルース大使が国会内で小沢一郎と幹事長室で会談している。このときはまだ鳩山政権で小沢一郎が幹事長でした。会談決裂のようにして、この幹事長室から、小沢は先にたったっと外に出てきた。威風堂々と出てきて、このジョン・ルース大使とカート・キャンベル次官補を後ろに従えていた写真が報道された。ということは交渉決裂です。

後から佐藤優氏がはっきり証言しました。私、副島隆彦は佐藤優から直接聞きました。小沢はこの、2010年の2月2日の重要な会談で、「私を検察に逮捕させるなら逮捕しなさい。私は覚悟している」とはっきり言ったそうだ。 しかしカート・キャンベル国務次官補(アメリカ政府の日本管理の最高責任者)のほうが引いた。だから、小沢が堂々と先に出て、あとからキャンベルと、ルース大使が、「小沢は、私たちに屈服しないのか。しょうがない強情者だなあ。やっぱり小沢は日本最大の大物だ」と納得しながら、会談決裂で、出ていったはずだ。

そして、何とその2日後の2月4日に、検察庁は涙ながらに小沢不起訴の決定を発表した。樋渡の女房役の伊藤鉄男(いとうてつお)最高検の次長検事(中央大学出)が会見した。
検察庁と法務省はあきらめない。いや、検察・法務省は、崩れ果てて、「もう、オレたちにはできないよ。勘弁してよ」と諦めたのだ。が、上部の三宝会が許してくれない。それと、秘密創価学会員である裁判官や法務省官僚どもが、小沢一郎憎しで、攻撃を続ける。もうひとつ奇っ怪な特殊な宗教団体に所属する検察官共が小沢攻撃を続ける。 さらにズルズルと小沢攻撃を続けて、引き伸ばされて、今度は検察審査会なるものを使って小沢を強制起訴していくわけです。

ここでつまり2月4日の段階で、アメリカとしては操るのを一端は停止させて「撃ち方やめ」の形にしたことはした、ということでしょう。しかし、国内の反小沢勢力としては、そういう訳にはいかない。鉾を下ろせば今度は小沢派の勢力から、行政改革・司法制度改革という形で自分たちが八つ裂きに遭うからです。

だから、この後も、陸山会土地購入事件で激しく小沢いじめを検察側やそれと結託したマスコミとしては続けていきます。しかし、大坪の手記を読めばわかるように、すでに自分たち内部に毒が回っているわけですから、毒あるいはバイ菌が回って、激しく体内を侵(おか)している。この事実が非常に重要であり、これが日本国の国家体制の現在のところの闘いの最前線であります。

そして、つい最近になって、陸山会事件では、前田恒彦が法廷で証言した、「取り調べメモ」の問題で一つの新展開がありました。

(記事貼り付け始め)

「指定弁護士が弁護側に証拠リスト開示」

産経新聞 2012.2.9
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120209/trl12020913590001-n1.htm

政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、検察官役の指定弁護士は9日、東京地検が検察審査会に提出した証拠リストを弁護側に開示した。

関係者によると、証拠リストには元秘書、石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=を取り調べた検事が作成した捜査報告書も含まれていた。また、昨年12月の公判で証人出廷した前田恒彦元検事(44)=証拠改竄(かいざん)事件で実刑確定=が「証拠隠し」と指摘した、建設業者の取り調べメモについて指定弁護士は「70点ある」と回答したという。

弁護側は、この捜査報告書に虚偽の内容があったとして、「報告書などを根拠にした検審の起訴議決は無効」と主張。公訴棄却を求めるとともに、報告書が議決に与えた影響を明らかにするため、地裁を通じて地検にリストの開示を請求していた。これに対し、地検は「検審に提出した資料は指定弁護士に説明しており、地検からは開示できない」と回答し、メモの開示にも応じていなかった。

(張り付け終わり)

副島隆彦です。前田恒彦は、FD改ざん事件が発覚する前に「自分はフロッピーに時限爆弾を仕掛けた」と不思議な発言をしていましたが、本人自ら小沢の目の前で更に爆弾を爆発させていったことになります。

小沢一郎の陸山会事件の次回公判は今月の17日に予定されているようです。

副島隆彦 拝

(副島隆彦が、再掲載にあたり、2012年2月19日に加筆しました。)

(再掲載おわり:「今日のぼやき・会員ページ 1284」から)
https://www.snsi.jp/tops/boyaki/1573

須藤よしなお拝

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