ブレイク:天皇相続(皇位継承)問題は、男系・女系ではなくて、直系・傍系で考えるべきである。

伊藤 投稿日:2024/12/28 07:58

 伊藤睦月です。本日は2024年12月29日5時58分です。あくまでも私のファンタジーです。

(1)この問題を考える大前提がある。当たり前すぎて、誰もいわないようだ。それは、憲法上に定める、天皇制の存続、内容は、国民が決めること、ということだ。このことを、言論人で、明言しているのは、私の知る限り、副島隆彦先生だけ、である。(たしか、『属国日本論』だったと思う。これ以降はすべて私の記憶による)

(2)これは、憲法学者がずっと前から、当たり前のこと、と明記しており、法曹関係者(裁判官、検事、弁護士、その他)、国・地方公務員全員が知っていて、頭に刷り込んでいる。そして、忘れている。試験に出ないからだ。実務上は必要のない余計な知識だから、忘れても何ら仕事にさしつかえがない。弁護士業界では、「裁判で、憲法と信義則を持ち出したら、(その裁判は)負け筋」ともいうそうだ。でも、「刷り込まれている」ことが重要で、何かのキーで、本人もそうとわからないまま、刷り込み通りに考え、行動してしまう。考えようによっては恐ろしいことだ。

(3)(引用はじめ)明治憲法においては、天皇の地位は天照大神の意思、つまり神勅に基づくとされていたのに対して、日本国憲法においては、天皇の地位は「主権の存する日本国民の総意に基づく」(第1条)ものとされる。したしたがって、天皇制は絶対的なもの、不可変なものでなく、国民の総意により、可変的なものになった。(引用終わり)(芦部信喜著高橋和之補訂『憲法第8版』44頁岩波書店)

(4)伊藤睦月です。この「可変的なものになった」というフレーズが、死活的に重要。これで、天皇制、天皇家は、「国民の総意(憲法改正)」があれば、いつでも、廃止、消滅させることとができるようになった。これを「共和主義」という。戦前なら、「国体変更を企てる反逆者」として、治安維持法の対象となる大罪だ。このことの「恐ろしさ」を日本で一番、身に染みてわかっているのが、今の天皇家の人々だろう。天皇家の人々の「国民目線にたった」言動の根っこは、ここにある、上皇夫妻や天皇・皇后夫妻の、お人柄だけの問題ではない、と私、伊藤は考える。恐れ多いことではあるが。

(5)この、芦部信喜(あしべ のぶよし)は、東大法学部憲法学教室教授の職を、「宮沢俊儀(みやざわとしよし)」から、引き継いだ、憲法学者だ。両者とも既に故人である。宮沢は、敗戦直後、GHQから、憲法草案(英語)を受け取って、実際に日本語に翻訳・翻案した学者。芦部は彼の助手として、翻訳作業チームの一員だった。朝ドラ「虎に翼」にも、出ていたかもしれない。

(6)したがって、宮沢、芦部の憲法解釈は、戦後長い間、1990年くらいまでは、学会の「通説」とされてきた。戦後の憲法判例の蓄積や海外の憲法理論研究の進展により、昔ほどの支持者はいないが、宮沢、芦部の注釈書(コメンタール)や教科書は、長らく、司法試験や、公務員試験の必読書だった。先に引用した「憲法」は、たぶん50歳以上の関係者なら、必ず、一度は手に取ったであろう。大学受験参考書の『試験に出る英単語』のように。(ちなみに私は両方とも、挫折しました・・・涙)

(7)というわけで、いわゆる「皇位継承」は、愛子天皇を支持する、副島先生の論に全面的に賛成。これは、さきにあげた、日本国憲法の理念にもかなうし、皇室伝統にもかなっている、と考える。

(8)天皇は、我々国民の統合の象徴(憲法第1条)だ。だから、「人間としてのふるまい」の最たるものである、家族、相続のありかたは、我々国民のそれと乖離すべきではない。

(9)相続法(民法)の大原則は「直系血族」(民法887条、889条)である。その起算点は、「被相続人」であるから、この場合は、徳仁天皇、雅子皇后だ。このお二人で決めればよい。お二人の直系血族は、愛子内親王だけだ。だから次期天皇は、愛子様で決まり。男系・女系、男女は関係ない。初代神武天皇以来の伝統にもかなう。「傍系の」悠仁親王が天皇になれば、それ以降は、悠仁天皇の血統が「直系」になるだけだけど、やはり、現直系の愛子内親王が、良いな、と私は素朴に考える。その方が万事うまくいく。ごちゃごちゃ説明や言い訳する必要がない。すっきり解決。

(10)上皇夫妻にとっての直系血族は、浩宮と秋篠宮だ。だから二人が候補になった。平成天皇夫妻は浩宮を選び、譲位した。今度は、徳仁天皇・雅子夫妻が決めたらよい。男子でも女子でも構わない。でも愛子内親王でよい、それが一番おさまりが良い、と考える。

(10)男系・女系を言い出したのは、おそらくは、1889年大日本帝国憲法発布と同時に制定された「皇室典範(戦後のそれと区別して旧典範ともいう)」からで、「皇統の男系の男子」と歴史上初めて、明記された。それまでは、明記されていないが、「直系皇族の年齢順、できれば男子」だった。天皇システムは、中国の律令制度がベース。中国人は、人類学的に男系社会であるから、その影響を受けたシステムになっているが、「男系社会でもあり、女系社会でもある(小室直樹)」日本人は、そこまでこだわらなくてもよい、と思う。

(11)騎馬民族の王なら、末子相続だ。だから、「天皇家は騎馬民族」という考えは、天皇家みずから否定した、と考える。だから、天皇家、そして我々日本人は、大多数が「農耕民族」だ。そもそも「民族」なんて概念はその程度のいい加減なものだ。だから、以前の投稿で、古代日本に渡来してきたのは、「騎馬民族」ではなく、「騎馬難民」だろうと主張した。

(12)伊藤睦月です。本当はこの投稿は、正月になってからにしようと思ったが、年寄りの通例で、早朝に起きたら、なんか、ムズムズしたので、投稿した。まだ寝ぼけているのかもしれない。夢かもしれない、ので、悪しからず。今から2度寝する。

伊藤睦月拝