15日に昭恵がトランプに会った意味を、世界基準で解読する。
副島隆彦です。 今日は、2024年12月17日(火)です。
私は、今は金融本を書き上げることで忙しい。この本を何とか1月に出さないといけない。内容は、「金(きん)の値段が、少しでも下がったら買い増しなさい。どうせ今から倍(どころではない)の値段になるから。それから、これからは、銀(ぎん、シルバー)も買いなさい。じっと持っていたら10倍ぐらいになるだろう」という内容の本です。
それからシリア国の複雑な暫定政府のことの他も、すでに書いているので追々(おいおい)載せます。
ドナルド・トランプ(新年の1月20日が就任式 エノギュレイション アメリカの政治動乱の新たな始まり)と妻のメラニアが、私邸のフロリダの マール・ア・ラーゴ で、15日に、安倍昭恵に会った。夕食を共にしたそうだ。
このことへの私の考えを書いて公表しておく。ちょっと難解(なんかい)な文なので、知能(思考力 intellect インテレクト)が足りない人たちには読めない。だが副島隆彦の本の熱心な読者だったら、何とか我慢して読んで、理解するだろう。
トランプは、日本にまだ500万人いる(残存している)反共右翼勢力 に配慮した。それを束ねて代表しているのが、昭恵だということをアメリカ側は分かっている。大きな政策判断(ポリシー・ジャッジメント)というのはこういうことだ。
この日本の反共右翼(統一教会でもある)は、世界の大きな政治勢力 分類としての、アメリカの思想派閥として共和党7派の中の ⑤ の チャイナ・ロビー派 China Lobby に属する。
(ここに私の「覇権アメ」の冒頭の、アメリカ政界の思想派閥の全体像」(1995年、© 副島隆彦 )
を、あとで貼り付けてください)
副島隆彦です。上掲 ↑ の私の主著の「権アメ」を参照すること。この思想派閥の創立者は、Time誌を WWⅡ(第2次大戦)の最中(さなか)に興した ヘンリー・ルース である。戦死した米軍兵士の死体をたくさん報道写真として載せてドカーンと創刊した。米国内に反共と反ドイツ、反日本の思想をしっかりと植え付けた。蒋介石(しょうかいせき)の妻、宋美齢(そうびれい)を全米ラジオで使って「私たち中国人を助けてください。日本の侵略から守ってください」と 宣伝(プロパガンダ)させて、大きく功を奏した。これが戦後世界で台湾支援の勢力となった。
世界中と同じく、日本に「も」現存する、反共(はんきょう)右翼の勢力は、アメリカ国内の反共の政治勢力のチャイナ・ロビー派(上院議員に今も数人いる)である。このアメリカの思想派閥は、台湾国民党を支える勢力として厳然として存在する。だが、今は複雑になって、このチャイナ・ロビー派は、民進党の台湾人(タイワニーズ)の独立運動を強固に支持している。
民進党を構成する本省人(ほんしょうじん)たちは、「私たちは、中国人(チャイニーズ)ではない。台湾人(タイワニーズ)だ」と強固に唱えている。
現在の2400万人の台湾の人口のうち、民進党(密かな、しかし公然の台湾独立派)の強固な支持者は、200万人にまで減っている。やがて4年後の2028年に、台湾が、親(しん pro- プロウ)中国(チャイナ)の政権になった時に、「自分たちは、中国の一部の台湾省(たいわんしょう)になる」と、台湾国民の8割の支持で、決断してゆく。
この時に、台湾独立派は、中国共産党に支配を拒否して台湾を脱出する。そして日本やカリフォルニア、カナダに移住する。その準備が開始されている。この所為(せい)で、東京の湾岸の高層アパート(タワー・レジデンス tower residence )の価格が、一部屋(床面積で30坪、100平方メートル)が2億円以上に急騰(きゅうとう)している。台北(たいぺい)では、同じような高級高層アパートが5億円ぐらいする。
私は12年前に、台湾に調査に行ってこのことを調べて来た。香港でも、北京、上海の四環路(よんかんろ、中心部)でも同じく5億円である。
台湾華僑(かきょう)の娘である櫻井よしこ(母親は台湾に渡った日本人)とそれから、台湾人の金美齢(きんびれい)がいる。金美齢は、日本に逃げて来た台湾人である。
蒋介石の直属の派遣将軍による、台湾人2万人の大虐殺があった。1947年の「2.28事件」である。この台湾で起きた悲惨な大事件は、今の台湾人すべてにとっても最大級の歴史事実である。これを知らなければ、現在もなお台湾を論じることができない。この民族的悲劇は、のちに 映画「悲情城市(ひじょうじょうし。1989年に台湾で制作された)」で世界中に明らかとなった。金美齢は、この事件の時、日本に逃げてきた女性だ。だから彼女と安倍昭恵のふたりが、日本で、反共右翼の日本の表(おもて)の顔である。
あ、他にもバカ女があと2人いる。小池百合子と高市早苗だ。誰でも知っている通りだ。
あ、みんな女じゃないか。もう、日本の反(はん)共産主義右翼には、大物の男はいないのか。情けない国だなあ。
1947年(日本の敗戦の2年後)、この時、上海からボロボロの敗軍の姿で移動して来ていた国民党軍によって、「台湾人1.8万から2・8万人が死亡(殺害)された」と、1992年に台湾人(タイワニーズ)の大統領である李登輝(りとうき リートンホイ)の政権ができた時に発表した。私、副島隆彦は、これらの事実を、自分の台湾調査で、現地で細かく調べて来た。
この時台湾で殺された2万人の台湾人たちは、日本統治時代の豊かであった台湾で日本贔屓(びいき)に育てられた上品な人々だった。彼らは、捕まって、残虐に両手のひらに穴を開けられて針金を通され、ぞろぞと繋がれて行った。そのあと○○広場で、集団で全員銃殺されて埋められた。
前年の1946年6月から、国民党と共産党の全面戦争となった。国共内戦(こっきょうないせん)が始まり、蒋介石の国民党軍は、翌年、延安まで侵攻、占領したが、毛沢東の共産党軍はうまくそれを回避(かいひ)して、大きな反撃を開始した。武器と兵員では、国民党軍が数十倍、優位だった。
毛沢東の共産軍は、世界中のどこからも支援してもらえず、貧弱な武器だった。このあと、アメリカ(ジョージ・マーシャル大将)が意図的に、降伏した日本軍の武器弾薬を、共産軍に渡した。ここに、ひとつ隠された歴史がある。
ジョージ・マーシャル大将は、毛沢東たちのいた延安(えんあん)に行って、国共内戦を、休戦、調停するためとしながら、真実は、降参した日本軍からソビエト軍に渡っていた武器を、毛沢東の共産軍に与えた。 ジョージ・マーシャルは、国務長官になって、あのマーシャル・プラン(飢えていてドイツや日本に貧しい食糧を供給した。ガリオア・エロア基金)で有名だ。
このマーシャル(ローズベルト大統領。その背後にいたデイヴィッド・ロックフェラーに引き上げられた将軍)とトルーマン大統領たちの、この奇妙な動きを、ジョゼフ・マッカーシー(その後、赤狩りで有名)上院議員が、議会で糾弾した。
世界史では、この1946年の3月のチャーチル英首相のアメリカでの「鉄のカーテン(が敷かれた)」演説と、10月のトルーマン大統領の「ヨム・キプール声明」(「米国は、ユダヤ国家の建国(ベングリオンらの英国の植民地からの独立)を支持する」)宣言があった。このあと1950年6月から朝鮮戦争が勃発して、1年後に膠着(こうちゃく)、停戦(シース・ファイア cease fire ) して、このあと、世界は、米ソ2大国が対立する世界冷戦(れいせん)構造 the Cold War になってゆく。
それから、丁度50年目の 1991年12月のソビエトの崩壊で、アメリカおよび西側同盟(ザ・ウエスト the West)の勝ち となる。
ところが、それから更(さら)に33年が経(た)って、今度は、アメリカ帝国の方が内部がガタガタ、支配階級の恐るべき腐敗(ふはい corruption)、就中(なかんづく) pedophillia ペド。異常小児性愛症の大量の幼児虐と待儀式殺人 と 麻薬の蔓延(中国の清朝=大清(だいしん)帝国 を滅ぼしたイギリスが持ち込んだ阿片 オピアムへの逆襲である)で、衰退に向かっている。トランプがこれからどんなに頑張っても、このアメリカ帝国の衰亡史(デクライン・アンド・フォール decline and fall )は、避けられない。
私、副島隆彦の先生の 稀有(けう)の天才学者 小室直樹(こむろなおき)先生は、1992年〇月に、私の目の前で「今こそ、マルクスの研究をする。ソビエト崩壊の次は、アメリカ資本主義が崩壊する」と叫んだ。そして、ドイツから新メガ版のマルクス全集(ドイツ語原文)を直ちに取り寄せた。
台湾での、この1947年の「2.28(台湾人の大虐殺)事件」の時に、金美齢(きんびれい)たちが、殺害を逃れて、命からがらCIAの船で、台湾から日本に脱出して来た。そして早稲田大学留学生になった。この金美齢が、安倍晋三の育ての親のひとりである。
蒋介石自身は、(ワイカイ会戦のあとの)1949年3月の毛沢東共産党との和平交渉(ピース・トークス)に失敗して、上海に共産党軍が侵攻(占領する)直前に、米海軍の駆逐艦数隻で、紫禁城(故宮)の美術品、国家財宝(これが今の台北の故宮博物館) と共に上海を脱出して、台湾に到着した。そして同3月、台北(タイペイ)を、中華民国(国民党政府)の臨時首都 とした。
安倍晋三が、2022年7月8日に、アメリカの国務省の中のキッシンジャー勢力(アメリカの共和党の7大思想派閥では、大きくは 前記の表の中の ③ 現実保守=保守本流 YAF のビル(ウイリアム)・バックレ―派である。バーキアン Burkean エドマンド・バーク主義者)によって、殺害、抹殺された。安倍晋三が、密かに日本の核保有を始めたからだ。アメリカの最高意思決定によって、それは絶対に許されない。
だから、もう日本人の政治家で、岸信介 中曽根康弘(この男はキッシンジャー直系。ナベツネ渡辺恒雄と共に、育てられた)のような、アメリカのチャイナ・ロビー派 にもつながる 大物の男の指導者(アメリカの手先代表)は、いなくなった。
日本の反共右翼(はんきょううよく)勢力が、500万人の残党(remains リメインズ)として、産経(さんけい)右翼 と笹川財団(まさしく 統一教会、勝共連合、原理研である)として、今後も頑強に抵抗する。だから、トランプは、今後、中国を厳しい交渉相手とするために、まず昭恵を呼び付けることで、日本の反共右翼の勢力、500万人を自分の掌中(しょうちゅう、手の平の中)に収めた。
この日本の反共右翼は、ロシア、中国に対する 反共の防波堤 bullwork against communism 「ブルワーク・アゲインスト・コミュニズム」として作られ、育てられたものである。トランプは、これを自分の手駒(てごま)として、中国に嗾(けしか)けるための道具として使うということだ。そのための昭恵のトランプ面接である。食事会など30分で終わりだったろう。メラニアは、モデル笑いをしたあと、さっさと自分の部屋に帰る女だ。
それでも 中国とロシアの ユーラシア同盟(これにインドとブラジルとサウジの貧乏大国たちがじわじわと加わる)が、今後、勢力伸長することで、アメリカの世界覇権は終わってゆく。
このアメリカ帝国(世界覇権国 the world hegemonic state )の歴史的な衰退は、トランプがこれからの4年間、どんなに頑張っても起きる。この大きな世界史(人類史)理解 を、私、副島隆彦は、絶対に手離(てばな)さない。
私が、このように頑強にこのように書き続ける限り、日本国内の言論は、私が、最高度の管制高地(かんせいこうち。commanding height コマンディグ・ハイト)を握りしめる。
昭恵が、トランプに会えた、実際上の手蔓(てづる)は、韓国の統一教会の最高指導者の韓鶴子(かんつるこ、ハン・ハクチャ 亡き文鮮明=ぶんせんめい、Moon Sun Myonn ムーン・サンミョン。岸信介と同格)である。今から丁度8年前の、2016年11月に、安倍晋三が、当選したばかりのトランプにが会えたのも、トランプの娘婿(じょせい)のジャレット・クシュナー(今やニューヨークユダヤ人の大親分。reformed リフォームド。 ユダヤ教改革派、穏健派)が、韓鶴子からの頼みで安部をトランプに合わせたのだ。
あの時も、今も、「小判(こばん。日本の金貨のこと)、小判」とニューヨークで噂が立った。安倍晋三は、トランプに20億円分のドルの紙幣を積むことで、トランプに会えた。今度はそれの倍ぐらいだろう。麻生太郎が、〇月にトランプに、いかにも卑屈(ひくつ)そうに、畏(かしこ)まって、あのボルサリーノのマフィア帽子を脱いで頭を下げて会った。このときにも、このルートを使っている。これが真実だ。
こういう穢(きたな)いカネをアメリカ側に絶対に払わない、石破茂首相は偉い。これが日本人の矜持(きょうじ)だ。民間人の昭恵が会って食事をしてポーズを取って、それで産経右翼たち500万人を喜ばせた、からと言って、何になる。日本政府は、1月になってから、正式に日米首脳会談のトランプ・石破会談をやればいい。 副島隆彦記
(転載貼り付け始め)
〇 「 トランプ夫妻、安倍昭恵さんと面会 フロリダ州の私邸で 」
2024年12月16日 日経新聞
(ここに記事の画像を貼る。これは公式発表のものだろう)
トランプ次期米大統領(左)、妻メラニアさん(右)と面会した安倍昭恵さん(15日、米フロリダ州、メラニアさんのXから)=共同
【パームビーチ=共同】トランプ次期米大統領の妻メラニアさんは12月15日、故安倍晋三元首相の妻昭恵さんが米南部フロリダ州を訪れ、トランプ氏の私邸で夫妻と面会したと明らかにした。X(旧ツイッター)に投稿した。夕食会を共にしたとみられる。石破茂首相とトランプ氏の会談予定が立たない中、昭恵さんの動きが注目されていた。
メラニアさんは「安倍元首相をしのび、素晴らしいレガシー(政治的遺産)をたたえた」と書き込んだ。
CNNテレビによると、安倍氏が2022年7月に銃撃され死亡した後も、トランプ氏は昭恵さんに電話して近況を尋ねることがあった。今回は両政府を通じてではなく私的な関係で夕食会が決まったという。
安倍氏は16年大統領選でトランプ氏が勝利した後、他国の首脳に先駆けてトランプ氏とニューヨークで会談した。トランプ氏の1期目に、同氏とゴルフを楽しむなどして親密な関係を築いたことで知られる。
石破氏は今年11月に南米を訪問した際、帰国途中にトランプ氏との会談を模索したが、トランプ氏側から法律上の制約で就任前はどの国の首脳とも面会しないと説明され、実現しなかった。
日経の滝田洋一 3人とも実に和やかな表情。しみじみと話し合ったのでしょう。メラニア夫人の投稿が、その雰囲気を伝えます。「安倍元首相をしのび、素晴らしいレガシー(政治的遺産)をたたえた」。原文は、
We fondly remembered her late husband, former Prime Minister Abe, and honored his remarkable legacy.(https://x.com/melaniatrump?lang=ja )。情感がこもっている・・・・。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝