[3248]不公平な選挙制度に『風穴』を明ける立花孝志の衝撃の戦略(5)

片岡裕晴 投稿日:2021/09/12 10:16

(2021年9月12日投稿)

この文章は[3204]不公平な選挙制度に『風穴』を明ける立花孝志の衝撃の戦略(4)の続きです。

さて、今回の文章では『諸派党構想』と『NHK党』を前回までの説明とは別の角度から話してみたいと思います。

◆人生は生まれてから死ぬまでの暇つぶし◆

 2019年7月、(当時の)『N国党』の参議院選挙のポスターを貼るボランティアに応募し、党本部からポスター50枚が宅急便で送られてきました。

早速、市の選挙管理委員会に電話をして、ポスター掲示板の設置場所の地図を求めたところ、地図は用意していないとの返事だったので、とりあえず10ヶ所ほどの場所と、掲示板の多くは小中学校と小公園のある場所に設置していると教えてもらいました。

掲示板を探し求めて行くと割と簡単に見つかるものの、すでに公示日から5日ほど過ぎていることもあり、その多くはすでに貼られていて、この地区にも『N国党』を支持する人が居るのだと嬉しい気持ちになると同時に、先を越されて貼られてしまったことにガッカリするという複雑な思いでした。 

それにしても選管のいう様に住宅街の中の小公園の横や小中学校の(正門付近ではなく)学校敷地の側面など人通りのあまりない所を選んで掲示板が設置されていることに、疑問を持ちながら、掲示板を探し回りました。

普通に考えれば、駅前広場とか商業施設の入り口付近とか人通りの沢山あるところに設置されるはずですが、そういったところはほとんどありません。

選挙ポスターをなるべく人目に晒(さら)したくないのだなと思いました。本当は、選挙があることも隠したいのだ。投票率が低い方が有利な政党、組織票に支えられている政党にとっては、いわゆる浮動票や投票に行かない50%の有権者にはポスターさえ見せたくはない、中立であるはずの選挙管理委員会に圧力をかけ、ポスター掲示板を駅前など人通りの多い所に設置させないようになっているのでしょう。

そのようなことを考えながら50枚のポスターを5日間かけて貼って回りました。掲示板にポスターを貼っていると、何人かの人から話しかけられ、『N国党』の事や『立花孝志』について質問されました。私は『伝道者』のごとく、情熱をこめて『NHK問題』について語りました。

 もう30年も以前のこと、1989年、アップル社のMacintosh IIcxという中級機を大枚をはたいて購入し、OKIのレーザープリンターとアルザス社のページメーカーというD.T.Pソフトを使って企画書を作っていたころ、世の中はマイクロソフト社のMS-DOS(まだWindowsは存在しない頃です)とインパクトドットプリンターが主流で日本ではNECのPC9800シリーズがパソコンの大半を占めて居ました。

D.T.P(Desk Top Publishing 机上出版)という言葉が流行り、Macintoshはデザイナーが使うツールとして日本では紹介され、東京・渋谷にある大きな画材店がアップル社の代理店の一つとしてMacを『画材』として販売していました。

パソコンの打ち出す文字と言えばジャギー(階段状のギザギザ)のある独特の文字が当たり前でしたが、Macintoshとレーザープリンターが作る(ギザギザのない)美しいアウトラインフォントで作成された企画書は内容以前に外観で評価され、採用されたこともありました。

全パソコンユーザーに占めるMacintoshユーザーの比率はまだ3%以下という頃でしたが、(使い勝手の悪い)MS-DOSのようにキーボードからコマンドを打ち込んでコンピュータを動かすのではなく、画面上のアイコンをマウスで操作して、コンピュータをオペレーティングするその革新的な、ユーザインタフェースの新しい思想に魅了されました。

それは、今日わたしたちが使っているiPhoneの画面へと進化し、MacintoshのアイコンはiPhoneのアプリに、Macintoshのマウスはスマホの画面を動く指先となったのです。

当時、全世界で何百万というMacユーザーはその素晴らしさを広めるためにEvangelist(伝道師)としてアイコンに依るコンピューティングの素晴らしさ、WYSWYGの概念(What you see is what you get.)の先進性を『伝道者』のごとく、周りの人々に伝えたのです。

私もまた友人や仕事仲間や取引先にMacintoshの素晴らしさを『伝道』して歩きました。

そんなことを反芻(はんすう)して思い出しながらポスターを貼り、そしてTwitterやYouTubeで飛び交う情報を見ると全国で恐らく数千人ものポスター貼りのボランティアが私と同じように、50枚とか100枚のポスターを貼っていることを確信し、実感していました。

日本全国に(たぶん)50万ヶ所以上あるポスター掲示板のうち(当てずっぽうですが)10万ヶ所に『N国党』のポスターが貼られたのではないでしょうか。兎も角、日本全国に小さな火種がばら撒かれ、小さな火が灯ったのです。

参議院選挙の結果は、比例区では987,885票(得票率1.97%)で立花孝志は46位(定数50)で当選しました。選挙区は得票数1,521,344票(得票率3.02%)で国政政党の要件である『有効投票数の2%以上かつ一名以上の国会議員を有すること』という条件をクリアーして『NHKから国民を守る党』は政治団体から国政政党に飛躍しました。

◆元始、女性は太陽であった◆

 『NHK党』は毎週金曜日の13時から定例会見を参議院会館で行っています。この定例会見は誰でも参加でき、自由に質問をすることも、またスマホなどでの同時配信を行うことが出来る自由な空間が用意されています。毎回、複数のYouTuberがやって来てネット中継をしています。

公党の定例会見であるにもかかわらず、その場を仕切るのは会見に参加しているジャーナリストであることに注目してください。定例会見の司会は当初は党側がやっていましたが、いつの間にか自然に質問者側が司会をするようになりました。(立花孝志の発するオーラがそのような場の雰囲気を作り、自然に質問者側が司会をするという様な形が生まれたのだと思います)

9月3日の定例会見では、11月に行われる衆議院議員選挙の岩手二区から出馬予定の女性候補者(専業主婦)の紹介がありました。ネット中継で見ていて、この方こそまさに『諸派党構想』の求めている候補者像を体現している一人ではないかと思いました。

まず話が明るい。天真爛漫に話されるこの方の話を聞いていると自然と微笑(ほほえ)みがこみ上げ、気が付くと笑っている自分がいる。思わず、平塚らいてうの『元始、女性は太陽であった』という言葉を思い出した。自ら生き、自ら輝く、このような女性がそこに居るだけで、場の空気は和み、物事はうまく運ぶ。

出馬動機を聞かれて、「暇だから」、「こんな時だからこそ、自分が選挙に出て明るい日本にしたい」、「日本人のDNAを目覚めさせて素晴らしい日本にしたい」とおっしゃっています。

衆議院議員選挙の立候補者と聞いてイメージする人物像の『対極』に居る方です。

岩手二区から立候補予定の女性の紹介動画(約12分)。
      ↓↓↓↓
 https://www.youtube.com/watch?v=RLjSYiC37I4&t=633s
 
(次回に続く)