[3147]世論誘導・情報操作の稚拙な実情の一端
連続の投稿ご容赦ください。
さて。検索エンジンで「風評被害対策」で検索すると色々な会社がヒットします。かなり前のことですが、某IT企業の社長と歓談していたときのことです。社長は「これからは風評被害対策の事業展開をしていく。これは時代が求めているサービスなんだ」と強い口調で力説します。ネットで悪い評判を書かれて困っている企業をサポートするサービスのようです。
しかし、その実態はヤフコメや掲示板やSNSにクライアント企業を擁護する書き込みを人海戦術で行うことなのです。私は心の中で、「そんなのはIT技術でも何でもない。ただのステルスやネット工作員ではないか」と呆れてしまいました。確かに生きていくためには綺麗事では済まされないので完全に否定できません。しかし今日もアルバイトを動員してネット上でクライアントの指示通りの情報を拡散させているのは社会にとって好ましくありません。
また、別のIT企業の取締役と話しをしていたときのことです。検索エンジンにキーワードを入力すると関連性の高いキーワードが表示されるサジェスト機能があります。例えば、「会社名 ブラック」「会社名 悪評」のようなネガティブなキーワードが表示されることは知られています。その会社は、Yahoo!サジェスト・虫眼鏡に表示されるネガティブキーワードを消すサービスを行っているのです。
その方法は、「会社名 ブラック」のような消したいキーワードの検索を1秒間に数百万回(正確な回数は忘れました)行うのだそうです。検索エンジンのアルゴリズムが公表されていないのですが、統計学で異常値や外れ値は中央値で置き換えるか削除するなどの対応をするのと同様に、短時間で集中的に検索されたキーワードの組み合わせは異常値として外していると推測できます。まだYahooが独自の検索エンジンだった頃の話しなので、Googleの検索エンジンを採用している現在では通用しない手法かもしれません。
眼前にいる取締役が自社のノウハウを口外しているのも呆れますが、やっている事はサイバー攻撃と本質的には同じなので空いた口が塞がりませんでした。
プロパガンダのようなスケールの大きいものとは比較になりませんが、今日も風評被害対策の会社がネット上に恣意的な情報を拡散しているかと思うと情報リテラシーの大切さがわかるというものです。