[3023]ワクチンについて他

北関東勤務医 投稿日:2021/03/01 11:36

一会員さん紹介のビデオを試聴しての感想です。このビデオの一部の医師の言っていることは、同意できることもありますが、いまだにCOVID19は存在しないとの海外医療関係者の意見は、毎日患者を診て、重症者の治療を行っている現場の医師としては、まあ、今となっては呆れるほかありません。
それ以外のここの投稿を見れば、やはりいまだにCOVID19をただのインフルエンザ、風邪症候群と同じあるいはそれ以下のウイルスだという認識の方が多いので、ブーイングをされるのは承知の上で再度書き込みさせていただきます。副島隆彦先生にはいろんなことを教えていただいたので、道場の皆様へのリスペクトを込めて、私の様な現場の医師の考えも知っておいていただきたいと思います。

医療現場でインフルエンザや風邪で亡くなるのは、本当に弱った高齢者で、周りの家族もあまり無理して延命しても・・というような患者さんです。
若い人はもちろん、合併症などがあってもまだまだ生きていける高齢者が、インフルエンザや風邪で重症化し、ICUで人工呼吸を行うことは稀ですし、ECMO治療に至っては行うことはほとんどありません。インフルエンザにはタミフル、リレンザなどの効果的な薬があることも大きなポイントです。

しかし新型コロナは、40代の健常者でも重症化し、適切な治療をしなければ死亡します。ましてや高齢者、糖尿病などの合併症のある患者さんは感染すると重症化しやすく、人工呼吸を必要とすることが多いです。症状が改善し、退院した後にも、心、血管系や、神経系の合併症を起こすことも多いようです。詳しいことは言えませんが、当院でも複数経験しています。このことに関しては巷で噂の、人工ウイルス説も、私個人としてはあり得ると考えています。関われば関わるほど、不思議なウイルスです。

COVID19感染症は、インフルエンザやただの風邪ではありません。
 
ワクチンについては、私見ですが、長期の臨床試験が行われていないので、5年、10年後に何が起きるかわかりません。それは確かだと思います。ですから、現在の医療システム、政治状況を信じられない方々(ここの会員の大多数はそうかも知れませんが)は、接種しないほうが良いかと思います。
ちなみに私は、現在の医療システムで給料をもらっている身であり、身近にCOVID患者がいて常に感染の危機に晒されていることから、長期的な影響はこの際無視し、接種することにしております。学問道場の皆様には決して無理にお勧めは致しません。
 
 余談になりますが、日本でのCOVID政策に関しての皆さんのご意見を見ていて、医師としてご理解いただきたいのは、先ず、重症者の対応ありきなのだということです。緊急事態宣言などは、基本的にICUで重症患者がこれ以上診られない状況を目安として発令されています。
ICUは専門知識のある医師と看護師、その他医療関係者に支えられており、専門スタッフは適当に連れてくるわけに行かず、急に育成することもできません。新型コロナ専用病棟は、比較的早く整備できるのですが、ICUはそうはいきません。
新型コロナ患者は軽症がほとんどというのはその通りです。しかし、たまに重症になる人の数だけで、日本のICU体制では対応できない事態になります。
 
 日本のCOVID死亡者には、人工呼吸を行っても助からないと判断された状態の悪い高齢者が多く含まれているはずです。こういう患者さんは人工呼吸せずに一般のコロナ病棟で看取ります。普通の病棟では、周りの人が感染してしまうので、隔離できるコロナ病棟が絶対に必要です。COVID19にインフルエンザのように効果的な薬剤があれば、重傷者、死亡者はだいぶ減らせると考えられますが、残念ながら今のところありません。重症化するかしないかは、正に予定説の世界です。
人工呼吸を行うのは、基本的に助かる見込みのある患者さんです。実際この様な患者さんを救命できる可能性は、日本は世界でも高いレベルだと思います。生きられる患者さんを救命するため、ICU病床が足りなくなると、緊急事態宣言が出る訳です。

 しかし、それでは経済が回らないから、ちょっと感染者が減れば緊急事態宣言を解除し、またICUが一杯になると緊急事態宣言を出す。この繰り返しが現在の状況です。
多くの人にワクチンを接種させ、感染者を少なくして、経済を回すのが、現在のところもっとも良い方法と多くの国の政府が考えている訳です。

私は、早い段階で中国並みの厳しい規制を1ヶ月すれば、世間のCOVID19感染者はいなくなるので、みんなマスクをせずに普通に生活できたかもと思っています。まあ、日本では絶対無理でしょう。

最後にまた繰り返します。60歳以上の方も多いであろう学問道場の皆様は、感染しませんよう、くれぐれもご注意ください。