[2977]バートン・クレーン

渡辺隆史 投稿日:2021/02/14 11:31

もうひとつ素朴な投稿です。

戦前にジャパンアドバタイザーの記者として来日、片言の日本語で吹き込んだ「酒が呑みたい」が大ヒットし、「外国人タレントの先駆け」とも言われたバートン・クレーンというアメリカ人がいます。

数年前、NHKがやった吉田茂のドラマ「負けて、勝つ」の中で、鳩山一郎が公職追放となる流れをつくった外国人記者との記者会見を、クレーンが先導しているシーンがあり、記憶に残っていました。
この男は何者なのだろう?と調べてみると、どうやらOSS(戦略情報局)の方が本籍で、カバーとして記者もしていたというのが実際のようです。

「バートン・クレーン覚書」
http://camp.ff.tku.ac.jp/yamada-ken/y-ken/fulltext/02BC.html

(引用始め)

まだ終戦前の1945年,つまり太平洋戦争の帰趨が決し日本占領が迫りつつあった頃,クレインは戦略局極東班(the Office of Strategic Services in the Far East)の任務につき,中国の昆明へ派遣された35)。
次いで,終戦を受けて,ニューヨーク・タイムズ紙の東京特派員となった。
書簡によれば,OSSの任務で既に極東にいたクレインを,ニューヨーク・タイムズ紙の外報部が経済部から「借りる」形で終戦後の東京へ派遣したということらしい。

(引用終わり)

とすると鳩山を追いやり吉田茂にスイッチさせるということがOSSの意思としてあり、そのためにクレーンも役割を果たしたということになるかと思います。

という歴史を踏まえると、デーブ・スペクターとかパックンとか、あれだけたくさんメディアに出ている人がスパイだなんてことが本当にあるのだろうか?と素朴には思うわけですが、まぁあるのでしょうね。

日本語でしゃべれる白人というだけでうれしくなって懐に入られてしまうのだろうな。。