[2944]「本当は恐ろしいアメリカの思想と歴史」書評。「誰かを信じて従う」は、地球人の原罪である。
昨年5月、私の個人ブログに「本当は恐ろしいアメリカの思想と歴史」の書評を書いたのですが、アクセスもなく、ほぼ誰も読んでないようだが、タイムリーな内容なので、道場で何らかの参考になるかと思い、転載します。
私は、「誰かを信じて従う」が、地球人の原罪である、と考えている。人は、何でもかんでも、その原因を、自分だけで考え、判断しなければならない。それで個人個人意見がバラバラになるのなら、それでいい。それで成り立たない国家や社会などという、税金を盗み、要らぬおせっかいを「やります詐欺」の「組織」と、そこで出世したがる者達こそが「余剰」であり、レシオに合わないコストであり、要らないのだ。本当の法則(LAW)は、「自分で考える」、絶対的自由しか、存在しない。万人に共通する「正義」や「平等」なんてものは、実在しない。在りもしないものは、いくら追い求めても、本音と建前の嘘吐き原理の世の中では、出世とカネ儲け目的の奴らに騙されるだけである。世の中は、原因(目的)と結果の、バタフライ効果しか存在しない。之までの、何者かにリミッターをかけられた学問(自然法論をベースとする)は、「余剰」になってしまったのである。
で、以下転載します。
副島隆彦氏の「本当は恐ろしいアメリカの思想と歴史」という本を読んだ。
政治思想史がある程度分かった人が読めば、理解出来るが、一般には、かなりとっつきにくい本なのだろう。ヨーロッパの貴族は似た名前が多い。例えばフランスのブルボン王朝の成立を説明するのに、アンリがアンリをやっつける為、アンリを利用して、アンリがアンリを殺してアンリが先に亡くなったので、利用されたアンリがフランス王になってブルボン朝を始めたとか、シャルル、カルロス、カールが全部同じ人物とか、なんとか何世の名が飛び飛びで出てきたりと、まず、国王の名前で混乱する。
この本が画期的なのは、近代500年の政治(法)思想が全て、キリスト教プロテスタントとは似て非なる、ユニテリアン(フリーメイソン)と呼ばれる者たちから出てきた事実を、解りやすく解説した事である。ユニテリアンを無理やり単純に述べれば、個人の自由を尊重し、既存の権威の意見に頼らず、「自分の理性で考える」という思想である。
この本の内容から言える事は、これより先に政治(法)思想を語る者は、ユニテリアン思想を必ず理解しなければならない。そして戦後の日本国憲法は、ユニテリアン思想である。
今の先進国の政治形態は、どれもこれもユニテリアンが作り出したものであり、ユニテリアンによって作られた思想は、ユニテリアン思想によってしか、改変出来ない。過去も現在も未来も、現行体制に基づく既得権にしがみつく連中は、いくらエリートと持ち上げられようが、政治体制の改変など、絶対に出来ないのである。
表に出ない支配層の実行部隊である彼らは、政治体制を自ら構築し、陳腐化すれば、革命騒ぎで自ら壊す、という事を繰り返してきた。例えば、京都皇統の舎人からの情報で歴史洞察をしている合莞爾氏の著作では、近代におけるその実態(吉薗周蔵手記)が述べられているが、大陸系メイソン(グラントリアン)。更に遡ると、たとえばダ・ヴィンチ・コード。カトリック教会を乗っ取った彼らは、場違いな”魔女のクソコラ画”を残した。近代では、アンチ・キリストなニーチェの執筆を支え、有能な外交官、松岡洋右の4国同盟計画を阻止し、MI6のキム・フィルビーを亡命させ、計画的に文化圏のパワー・バランスを取る、above the law な存在。ユニテリアンは、彼らが出所。
なぜ彼らは政治体制を作ったり壊したり、繰り返しているのか?彼らの立場になって、考えてみよう。実は、少数が圧倒的な多数を導くというのは大変な事なのだ。問題は、政治の始まりが、神の言葉を伝える、呪術・シャーマニズムから出ている事にある。人々は政治的な決定を、自分で考えない。何かに頼る。歴史上これまでの政治の実態は、「あんたを拝むから、助けてくれー」の、カルト宗教なのだ。生きるため、権威や権力、価値観を支持することで、頼ってしまう。結果、利用され、搾取されるのだが。
国家というフィクションの運営のため、組織形態が出来、その中で多数決で物事を決めるが、世の中は本音と建前を使い分ける故、結果として、生来の嘘つきで、世渡りが上手い、コッソリと悪さをする管理職がのさばってしまう。
まさに、今のメインストリーマーは、本音と建前を使い分ける、世渡りが上手い、生来の嘘つきだらけ。そもそも今の政治体制、社会秩序の下では、嘘つきにならずに生活は出来ないのだ。嘘つきが上手な者程、権力を持って税金を集めているのだから、「福祉のため」と言って集めた税金を、何らかの予算に振り分け、自分のポケットに入れても、何ら不思議はない。森友とか隣の公園とか、クールジャパンとか、オリンピックとか、全部そういう類。
故に、いつかは極度の非効率化が起こる。壊さなければならなくなる。放っとけば、非効率なサル山だらけになる。サル山どうしが恐怖の武器で他国を脅し、勝手に戦争する。無茶苦茶になる。それをどう対処してゆくかという問題である。
答えは、扱いやすいサル山を、先に提供してしまうのだ。で、行き詰まれば、もっとソフィスティケートされたサル山を提供する。これを繰り返す。サルを教育する。
具体的には、カトリック教会によって作られたのが、聖書のパウロの言葉起源の自然法論。国家というフィクション団体の下で、自然法を、時代に合わせ微分解釈させ、権利を説明させる。しかしその権利というのは、何の科学的根拠も無いのである。
今の法律は、自然法論から出てきたものだから、依然として同じ問題を抱えている。自然界には善や、悪や、権利や、義務などというものは、存在しない。自然と言いながら、実態は不自然法論というのが、今の法学が抱える最大問題。いつかは人定法論(自力救済)に切り替えなければならない。もう、その段階まで来てしまった。
では、これからどうするか?
下は文明の発達を単純化し、8つのステージで説明するモデルで、ヒトの発達理論を参考に、ユングとケン・ウィルバーだったか、情報をミックスしたものなのだけれど。
ステージ1:赤ちゃん(本能・生命・原始的、自己中心)ダーウィニズムの、幻想としての自然人
↓ジレンマ?放っといても勝手に発達
ステージ2:部族(戒律・伝統・呪術的、自己犠牲)大日本帝国
↓ジレンマ(親や先コーに従ってらんねー)
ステージ3:チンピラ(反抗・不良伝説・呪術的~神話的、自己中心)騎馬民族・テロリスト
↓ジレンマ(生活のため就職しなきゃ)
ステージ4:従業員(協調・法律・神話的、自己犠牲)戦後日本
↓ジレンマ(アホな上司に従ってらんねー)
ステージ5:自営業(自立・自由主義・合理的、自己中心)アメリカ
↓ジレンマ(カネ儲けだけじゃダメだ)
ステージ6:ボランティア(理想・スピリチュアル・多元的、自己犠牲)国際団体
↓ジレンマ(組織運営の仕組みを変えないとダメだ)
ステージ7:経営者(仕組み・フロー・統合的、自己中心)組織運営
↓ジレンマ(世の中の思想を変えないとダメだ)
ステージ8:思想家(法則原理・俯瞰・全体的、自己犠牲)文明の設計
法則性として、数字の大きいステージの者は、ステージの数字の小さい者にジレンマを与える事が出来る。また、ステージの数字の小さい者は、ステージの数字の大きい者の思考を認識出来ない。その際、むしろ自分より下位のステージだと勘違いしてまう。「あんた、何訳の解らない事言ってんの?」となる。勿論、同じ国家で皆が同じステージに居る訳ではない。テクノロジーの進歩と情報化が進めば、より数字の大きいステージの者が多数派になることで、経済の(価値の)乗数効果が発揮される。それでも個人思想の多様性を許容しなければならない。つまり、政治の指導的立場は、ステージ8まで次元上昇した、思想家属性の者たちでないと、やって行けなくなる。
現在の日本国憲法は、アメリカから導入した、ステージ5に位置する内容だが、実態はサラリーマンが多数派であるから、ステージ4。しかし刑法、民法は戦前の内容を踏襲していることから、ステージ2.。日本の憲法と法律は、思想において矛盾するのである。
かつて、三島由紀夫は、この矛盾を「反吐が出るほど」嫌い、解消しようと憲法改正を訴えたが、自衛隊員たちに拒否された。彼は戦前の人であり、そうでなければ自刃する覚悟を持っていた。結果は、三島が結論を出してしまった。憲法は変えれない。憲法を戦前に戻そうとするなら、自決の覚悟が必要だ。自決覚悟でやれ。もはや、法律を憲法に合わすべきである。更に、憲法の義務規定(教育・勤労・納税)は、主権者から国家への命令でなく、行政に都合が良いだけのものである。憲法の趣旨そのものに反する。原始的に無効であり、削除すべき。そもそも「義務」などというものは、自然界に実在しない。どうせ官僚が混ぜ込んだのだ。
安倍首相は緊急事態のドサクサで改憲論議を持ち出したが、自民党が作った改正憲法草案は、天皇を国家元首にした、戦前回帰そのもの。先の大戦で、「欲しがりません勝つまでは」、カミカゼ特攻や集団自決までしても、コーラをグビグビ飲んでガムをくちゃくちゃ噛みながら戦う、自営業者の国、ステージ5のアメリカには、まるで勝てなかったのである。靖国神社は「ステージ2卒業の碑」だ。今更逆戻りして、バカじゃないの?なぜ勝者がアメリカだったのか?私からすれば、「お前ら、国家全体をステージ2の、お子ちゃま時代に戻してーのか?勘弁しろよ」である。今の政府は、戦前に暴走した、軍部及び内務官僚を受け継ぐ者たち。法律を操るキャリア官僚は、大日本帝国の残滓。
なんで昭和天皇が自ら”聖母昇天の日”に玉音放送し、米国から自由主義憲法を迎え入れ、人間宣言したのか?歴史に偶然など無いのである。キャリア官僚や代議士は、よーく考えろや。
今の世界は、政治を混乱させるパンデミックと経済危機が同時に起き、米ドルの裏付けであった原油がマイナス価格を付け、ステージ2から7までのジレンマが、一気に来ている状況なのである。
思うに最近の欧米でのコロナ大騒ぎは、トランプが中国に対して無理難題の賠償請求を出すことで、習近平とのクロスカウンター合戦となり、気が付けば米中共にウィルスで共同謀議した、汚泥たちの顔面をヒットし合うという、おもろい展開になるに違いないのである。ヒラリーやバイデンは、”本音と建前”を使い分けるのが上手い、世渡り上手な、生来の嘘つき。対し、喋れば本音が見え透いてしまう強烈なエゴイストの悪徳不動産王トランプは、そういう連中の扱いが上手い。トランプは、米国内ゴミ掃除ミッションの、最高責任者。
もはや政治は、「どうすれば我々は本音だけを語って生きてゆけるのか?」を、真剣に考えなければならない時期に来ているのではないか。本音を語って組織で人間関係が上手くいかないなら、この世のあらゆる階級制の組織は、無い方が良いのである。国連もWHOもIAEAもIMFも、どんな崇高な理念で組織を作っても、ニンゲンが集り、階級が出来れば、サル山になる。サルがボスザルに忖度し、サルがサルと足を引っ張りあう。ヒト未満、見かけだけヒトの振りをした、サルのルールが支配する。
コロナに続く経済危機で、正直者がバカを見る、今の狂った法制と金融経済は、粉々にスクラップされなければならない。日本では未だ、欧米が通過した”republicの儀式”が起こっていないから、何が起こっても仕方がないのだろう。対象は勿論、先の大戦の後、自ら退いてしまった王様ではないが。
結論は、今は国民が主権者であるから、既得権メインストリーマー達の権力の源泉である、金融・経済・財政を、ぜーんぶ、ぶっ壊し、国民を、五感で感じる悲劇的状況まで追い込み、目覚めさせる=怒らせ、立ち上がらせるしか、ないのである。困ったもんだ。