[2650]『秀吉はキリシタン大名に毒殺された』の感想と関連記事
9月28日に発売された田中進二郎著『秀吉はキリシタン大名に毒殺された』を早速購入して、大変面白く読ませていただきました。
本書は副島先生の代表作『属国・日本論』の理論を16世紀後半から17世紀初期に至る識豊政権の成立から徳川政権の初期までの時代に当てはめて見るとどのような歴史が展開されていたのかを従来の日本史では説明されていなかった「秘密」の解明によって組み立てた新しい日本史といえます。
副島史観の新たな分野への展開であり、さらに深く掘り下げて考察を加えたものであると思いました。
大航海時代以降の地球上で展開された、西洋人による非西洋世界の植民地化の歴史を見ると、植民地主義者の常套手段として以下のような事が行われました。
①まずキリスト教の宣教師を送り込み、原住民の一部をキリスト教の信者にする。
②キリスト教徒となった原住民社会を橋頭保にして、商人を送り込み、交易を行い、現地の権力者である王や貴族に貢物を贈り取り入る。
③ところが、現地社会の保守層からは異物(宣教師、貿易商人、キリスト教)の侵入に対するきわめて正常な反応として、排斥運動が起こり宣教師や貿易商人の殺害事件が必ず起こる(幕末の生麦事件のように)。
④結果、自国民(宣教師や貿易商人)の安全を守るという口実を設けて、軍隊の駐留を認めさせる。(生麦事件ではその後、各港の居留地に外国の軍隊の駐留が行われ、その駐留は明治8年まで続いた)
本書によって多くの人は16世紀後半の日本で行われたキリスト教の宣教師の布教活動の実態を知り、日本史の見方を大きく変えることになるだろう。
この時代に行われたキリスト教の布教を純粋な信仰と伝道の情熱の発露であり、遠い海を乗り越えてはるばる日本までやってきたと漠然と思いこんでいた人は、実はローマ・カトリック教会の隠された日本占領、支配の計画があり、本能寺の変や秀吉暗殺の計画もその裏で画策したのはイエズス会の宣教師だったということを知って驚愕するだろう。
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著者である田中進二郎さんへのインタビュー動画と本書『秀吉はキリシタン大名に毒殺された』をめぐっての雑談動画がYouTubeの尾崎全紀チャンネルにアップロードされています。(4時間27分の内前半1/3が著者へのインタビューです)
尾崎全紀(おざきまさのり)さんは出版プロデューサーで重たい掲示板5400-5402で紹介されている『バブビ』本(*)のプロデュースをした人です。
(*)藤本かよこ著『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』
YouTube尾崎全紀チャンネル
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https://www.youtube.com/watch?v=6Ctfbytj7Jo
(2020年10月23日投稿)