[2516]私が信頼している医師からの報告
副島隆彦です。 私が、信頼している 大都市の大きな病院の、医療現場の部長をしていて、感染症、ウイルス学で博士号を取った医師からの 、新型コロナウイスルの感染の現状への 報告のメールをいただきましたので、載せます。
この大病院の院長(理事長、経営者 )は、自分の病院から、感染者が出ることを極度に恐れて、外来診療を全面停止にしていました。もし感染者が1人出て報道されると、その病院の責任とかを追及されて、病院経営者にとっては大変なことになるから、だそうです。ほとんどの病院がそのように判断した。
それでも、徐々に、診療を再開しているそうです。感染症指定の医療機関(公立、国立の大病院とか)が、大阪だけで、80施設あるが、それでは間に合わなくなりつつある、そうです。 それで、その他の医療機関も、受け入れを始めている。 日本の医療機関は、世界との比較で、大変、しっかりしているそうです。 副島隆彦記
(転載貼り付け始め)
副島隆彦先生 2020年4月6日
この病気が、2009年の新型インフルエンザでの対応と違って、現時点で治療薬が一般には流通してないことから、病院がまだ機能分担できていないことが、危険要因です。
医療機関での対処方法が、決まっていない。だから、患者は軽くても拡散しないよう隔離するしかありません。以前、国立国際医療研究センター臨床医のトップとされている大曲(おおまがり)医師は、「 80%は軽症、20%は入院が必要、5%は重症だ」 といいました。 初めはそうだったのでしょう。
昨夜、私が視たテレビで、小池都知事は、「 98%は軽症だ」といいました。軽症が増えています。感染者数が増えたからでしょう。それで、指定したホテルに、APAホテルとか、楽天のホテルに泊まらせる方法を昨日から発表しています。そのように政府として準備していたのでしょう。
そうすると、2% は入院です。100人のうち2人です。日本呼吸療法医学会と日本臨床工学技士会によりますと、ことし2月時点で、全国の主な医療機関に人工呼吸器は、2万2000台以上あるそうです。
ECMO(エクモ)という最重症患者に使う心肺循環器が1400台程度です。これだけしかないので、呼吸器装着の必要性がある入院患者が一気に来たら、パンクします。また、急に増えたら院内感染します。医療崩壊します。
https://www.jaam.jp/info/2020/files/info-20200306.pdf
まだ準備ができてないうちに、感染するのは危険です。また、先生がお書きになった、集団免疫(しゅうだんめんえき)は、大事な概念なのですが、これを、イギリスがいち早くやって失敗しています。
ジョンソン首相は方針をすぐ変えてロックダウン(都市封鎖)をしましたが、時すでに遅しで、死亡者をたくさん出してしまいました。
既に感染している人が相当数、日本にもいると思いますが、既感染かどうかわかる 抗体検査の精度がわるく、正確に診断できていません。つまり、誰がすでに抗体(こうたい)を持っているので安全か、誰がまだ感染してないので危険かが、わからないのです。安全が担保できない状況での感染は危険です。
現時点では、なるべく感染しないか、遅くなってから感染するに限ります。政府も、東京都も大阪府も、国民がパニックになるほどには心配させないように(経済活動の停止を回避しながら)、少しだけ心配させながら、何とかうまくやっている、と私は、思います。
それもこれも日本人の衛生意識が高いこと、そして、どうやらマスク着用が効き目がある。このウイルスが流行する以前には、アメリカの CDC も WHO もマスクにエビデンスなし、と言っていました。が、日本人がマスクをするので、先週から欧米で見倣うようになりました。
それと(これは誰も言いませんが)日本の保健所や衛生研究所等の行政の働き、感染症指定病院の力に助けられている、と思います。これらの施設に政府はお礼を言ってもいいと思います。しかし、行政府の長たちからすると、それらは自分の下部組織のスタッフになるので、言わないのでしょう。
BCGワクチン接種も日本の感染者、死亡者が少ないことに関係しているのではないかという仮説があります。しかし、まだ確たる証拠はありません。そうかもしれません。
状況に応じて、私も自分の考えも改めています。専門家といっても、たいしたことはありません。 過信は禁物です。 ****
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦拝