[2273]【特集:GEと東芝は一連托生(笑)】今度は年金が足りない

相田英男 投稿日:2018/02/08 21:10

相田です。

天下のGEのグズグズさが、さらに度合いを深めて来た。先月末は、保険事業の損失から1兆円(!?)の赤字を17年度3Qに計上しものの、4Qでは何とか黒字に持ち直す見込みだ、と報道された。ところが、これで一安心とはいかないのが、今のGEの情け無いところだ。今度は、年金の積立が3兆円(??!!)も足りないときた。

(引用始め)

米GEの復活阻む3兆円超の壁、見落とされていた年金不足の巨大な穴
ブルームバーグ 2/8(木) 2:05配信

126年前に創業した米資本主義を象徴する製造業大手、ゼネラル・エレクトリック(GE)では、ジョン・フラナリー最高経営責任者(CEO)が深刻な頭痛の種を抱えている。会社分割を検討し、なんとか巻き返しを図る同氏の努力に、310億ドル(約3兆3900億円)という年金積み立て不足という壁が立ちはだかる。

61万9000人を超える社員に年金給付の責務を果たすのは容易ではない。昨年8月にジェフリー・イメルト氏からCEOが交代して以来、GEの株価は40%下落。本来ならば、ここまで大きく手を広げたコングロマリットを分割すれば、弱い部門が強い部門の足を引っ張ることがなくなり、それぞれの事業の財務的自立が促され、埋もれていた株主価値を高めることが可能になるはずだ。

しかしGEの場合、年金不足の規模があまりにも大きく、一歩間違えれば分離後の事業部門は最終的に履行不能になるような責任を背負わされかねない状況だ。

「GEの積み立て不足は突出しており、対応は困難かつやっかいになりかねない」と、ベイカーホステトラーのパートナー、ジョージャン・ピーターズ氏は語る。「積立額が十分であれば、誰も騒ぎたてはしない。著しい積み立て不足と著しい潜在債務は、事業再編において大きな要素になるだろう」と述べた。

GEはブルームバーグに電子メールで、「戦略の選択肢を評価するにあたり、当社は常に相乗効果と非相乗効果を検討し、株主に有意な価値を生み出す選択肢のみを追求する」とコメントした。GEは1月、長期介護保険事業の古いポートフォリオに関連して、予想を上回る62億ドルの費用を計上すると発表。その後、フラナリーCEOはアナリストとの電話会議で、GEの主要事業である航空、発電、ヘルスケア部門をそれぞれ分離・上場させる案などを検討すると言明した。

原題:As GE Breakup Talk Heats Up, a $31 Billion Problem Is Overlooked(抜粋)

(引用終わり)

相田です。名門企業のGEともなれば、年金の支払いも、合わせれば相当の金額にならざるを得まい。フラナリー新社長は、低迷する株価を上げるために、ついに事業の分割に踏み出した。しかし、電力プラント、ヘルスケア、輸送機器などの、事業毎の別会社に分割した場合に難題が持ち上がった。年金支払い負担の各会社への振り分けが、どうやっても、上手く行かないようだ。分社したどこかの事業で、年金の原資が不足し、退職者達との間で訴訟に至るのが避けられないらしい。

GEは、新たな資金を急いで調達しなければならない。が、近々GEはダウ銘柄から外される事が必至だ。すると、会社の格付けがまた下がるため、資金調達も次第に困難となる。泥沼は深まるばかりだ。さすがは、東芝の親会社だけのことはある。グズグズさのスケールがケタ違いだ。

GEともあろう会社が、この状況を予想出来ないなど、おそらくあり得ない。イメルトの時代から、今の凋落を想定して、その対策として、最初に東芝を潰したのだ。半導体事業を売って儲けた2兆円を、そのままGEの年金の穴埋めにつぎ込めば、丁度辻褄が合う。

2兆円が東芝に入った後で、東芝とGEの両方の事業を適当に分割して、くっつけ合えば、2兆円はG Eに丸々わたるではないか。

まさか、というなかれ。東芝の新たな株主には、ゴールドマンサックスの息がかかった「物言う株主」達が首を連ねている。彼等が強硬に出れば、東芝はGEとの事業合併を拒否できない。メインバンクの三井住友も、JP モルガンから直々に命令されれば、従わざるを得ない筈だ。というか、最初からその筋書きだったんだよな?

ロデリックも志賀元会長も、その筋書きに沿って、アメリカで色々やったんだよな。
まあ、せいぜい悪逆の限りを尽くせや。俺は騙されんぞ。

相田英男 拝