[1915]地震と火山爆発は同じ5

澤田正典 投稿日:2016/04/29 05:03

 会員番号2953の澤田正典です.今日は平成28年4月29日です.

 すみません,続けさせていただきます.どうかお許しください.

 地球の中心部が強いプラスの電荷を持ちますので,そのプラスの電荷が宇宙からマイナスの電荷(電子)を集めます.すると,地表面や海面がマイナスの電荷を持ちますので,地球大気の上空50kmより高い場所に存在する電離層が静電誘導されて,電離層の内側がプラス,外側(宇宙空間側)がマイナスの電荷を持ちます.結果,地表面や海面から上空50kmにある電離層との間には,およそ30万ボルト程度の電位差が発生します.これは大気電場と呼ばれています.この大気電場に従って大気電流が流れます.地殻や海水が半導体や導体という電気を通しやすい物質で構成されているのに対して,大気は絶縁体なので,大気電流は主に大気を構成する分子やちり等に付着して,大気イオンや静電気となって移動する形で流れます.

 水分子は分極した構造を持っている特徴があり,分子自体がプラス極とマイナス極を持っているため,静電気を帯びやすい,大気中においてプラスイオンにもマイナスイオンにもなりやすい分子です.地表面や海面から大気中に放出される水蒸気は,地表面や海面と同電位の状態で放出されるため,電子を付着させた状態で,静電気を保った状態で,マイナスイオンとして大気中に放出されます.水蒸気は,電気的な力を得て地表面や海面から大気中に上昇します.もちろん,特に昼間は,太陽光によって与えられた熱力学的な力も加わって大気中を上昇します.

 このマイナスイオンとなった水蒸気は,大気中を上昇して行くうちに,プラスに偏った電気を持つちりや分子と出会います.これは地表面や海面が持つマイナスの電荷に引かれて,電離層から下降してきたプラスイオンです.これらが大気中で出会うと,プラスイオンの周りに,マイナスイオンとなった水蒸気が凝集を始めます.凝集を始めると水滴となって,次第に全体の質量が大きくなっていきます.それでもしばらくは,空中に浮いていられる程度の浮力を保ちます.これが雲です.

 大気電場を連続観測していると,上空が青空や星空であるときは,地表面がマイナスに,大気側がプラスに観測されますが,その観測地点の上空に雲が現れると,たちまち地表面がプラスに,大気側がマイナスに逆転して観測されます.地球上における,ごくローカルな1地点において,上空に雲がかかった程度のことで,地球大気全体の電気的な構造が引っ繰り返るはずもありませんから.雲が強くマイナスに偏った電荷を抱えていることがわかります.実際,雲の底面が,きれいに地表面と平行に,平らになっている様子が,よく観測されますが,雲が地表面から電気的な斥力を受けているためであると考えると納得できます.

 雲が大量にマイナスイオンを抱え込むと雷雲となり,負電雷の原因となります.夏は暑いため,地表面や海面から大気中に供給される水蒸気の量,つまりマイナスイオンの量が増えます.大気中にはマイナスイオンが蓄積されていき,熱力学的な力も伴って,上昇気流を伴いながら積乱雲を形成します.このとき,大気の絶縁を破るほど電位差が大きくなったときに,積乱雲から地上へ向けて一気に電子が移動します.これが雷(負電雷)です.この放電に伴い,積乱雲を構成していた水滴が電気的な浮力を一気に喪失しますので大雨となって地上に降り注ぎます.この雨が大気の絶縁を弱めますので,ますます放電が助長され,雨量も増していきます.発達した積乱雲は対流圏の最上部(圏界面)まで到達すると横に広がりながら圏界面にマイナスイオンを蓄積していきます.そして,その電荷が十分に蓄積されたとき,一気に電離層との間で放電が発生し,電離層へ向かって電子が移動します.これが成層圏における雷であるブルージェットです.スプライトやエルブスといった超高層雷放電現象も,この一連の電荷の流れの中で説明される現象と思われます.

 澤田正典 拝