[1821]真相はこちらです・・・

相田英男 投稿日:2015/09/30 00:25

相田です。

下の投稿では怒りのあまり、うろ覚えの記憶で書いた箇所がありました。
元資料をあたった処、以下の文章を見つけました。本件の私の記述は全て下記の引用文に依るものです。以下の内容が正確です。

-引用始め-

サン・オノフレ原発は、全米でも特殊な原発で、Combustion Engineering(CE社)と言う会社が建設したもの。その蒸気発生器は、ウェスチングハウスが作った加圧水型原子炉では通常4つ付いている蒸気発生器が2個しかなく、同じ発電出力を得るために、ウェスチングハウスの加圧水型原子炉のものと比べて50%程度大きさが大きくなっている。だから、多分、三菱重工にこの手の蒸気発生器を造った経験はなかったはず。Combustion Engineeringの原子力部門はウェスチングハウスに2000年に買収されている。

米国内にある104基の原子炉の内、たったの14基がCE社の原子炉であり、なぜ、三菱重工にこの仕事が発注されたのか、それがまず疑問だ。次に、蒸気発生器にかなりの設計変更がされているという。当然、それは、発注側の注文であり、三菱重工はそれに従っただけだ。更に、発注側であるエジソン社はNRCに対して、蒸気発生器の設計変更を正確には伝えず、もともとあった蒸気発生器とほぼ同等のものを新たに据え付けると主張し、検査期間の短縮を図った様子だ。

この事件、かなりいろいろな事情が入り混じったもののように思える。

-引用終り-

上の文章を書いたのは、私がむかついた爺さんとの対談相手を務めていた、堀潤氏というライターの方である。堀氏は三菱の問題を下記に詳しくまとめている。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36079?page=4

実は堀氏の記事の最後には、本来は上の引用文があったのだ。しかし、堀氏のブログから現代ビジネスに内容が転載される際には、最後の追記文は何故か削除されてしまっている。元のブログ記事は読めなくなった。私がコピーしておいたテキストを上には載せた。

私は(もう読めなくなった)、上での追記文が、今回の一件での最も重要な記載をしていると思う。三菱の設計ミスと大騒ぎされているものの、相当にきわどい改造工事であったことを、エジソン社も重々承知だったのだ。さらには発注側(エジソン社)の依頼で、蒸気発生器にかなりの設計変更がなされたという。作った実績のない三菱に対して、エジソン社はさらに追加設計をさせたのだ。

最後の「発注側であるエジソン社はNRCに対して、蒸気発生器の設計変更を正確には伝えず、もともとあった蒸気発生器とほぼ同等のものを新たに据え付けると主張し、検査期間の短縮を図った様子だ」という記述については、もはや説明は不要だろう。

三菱は、記録しているエジソン社との打ち合わせ議事録を全て公開すれば、おそらく裁判に勝つだろう。筋が通っているのはどう見ても三菱の方だ。但し、裁判はアウェー開催なので、彼(か)の地のルールでやられる可能性もあるだろうが・・・

爺さんの発言にあった「川内原発を再稼働した九州電力と、サンオノフレ原発を廃炉にしたアメリカの電力会社サザン・カリフォルニア・エジソン社の、危険性を防止する思想の違いが、これほど明確に出ている。日本の電力会社は、大事故が起こる可能性を承知で、原発を運転している。もはや、狂気としか言いようがない」というのは、一体何をいっているのだろうか?

 原子力規制委員会に虚偽の書類を申請するアメリカの電力会社の方が、日本の電力会社よりも素晴らしい会社なのだ、というのが爺さんの主張なのだ。流石になんとも立派な、見上げた「モノの見方」ではある。

たいがいにせいよ、全く・・・・

爺さんの思考能力の基準を見極めるのに、今回の一件は大変参考になった。やっぱりこの程度の洞察力の人なのだ。

相田英男 拝