[1649]「学問道場」の会員は『小室直樹の学問と思想』を再度読み直そう

清野 眞一 投稿日:2014/08/29 14:36

会員番号1020番の清野 眞一です。

一寸思いついた事があったので、投稿いたします。

それは、「学問道場」の会員は先学に深く学ぶ必要があるという事です。「学問道場」の会員にとって学ぶべき先学とは、小室直樹博士です。

橋爪さんと副島先生の「小室百学」に関する対談本の『小室直樹の学問と思想』に、「小室直樹の学問を学び継ぐ上での、さらに若い世代にとっての入門書になってほしい」(あとがき 新装・増補版に寄せて)と副島先生は書いています。

この本こそ、何回も読むことによって、自分の問題意識を鋭くし自分のやるべき事を見極めさせる本だと言えます。

今話題になっている韓国・中国について、小室博士は『韓国の悲劇』(1985)、『韓国の呪い』(1986)、『韓国の崩壊』(1988)、『資本主義中国の挑戦』(1982)そして『中国共産党帝国の崩壊』(1989)のカッパブックス著作群があります。

勿論今からほぼ三十年も前の著作ですから、当然の事として時代の限界を感じさせる部分もありますが、今でも充分に学ぶべき内容を持つ著作群です。

これらの著作についての二人の対談本は、「学問道場」の会員ならぜひとも知っておくべき重要なものだと私は考えます。

重要な箇所を引用します。時間の関係で最小限にとどめます。

(引用開始)

橋爪 ヨーロッパの社会科学が中国と韓国と日本を区別していない以上、
その着眼点から、中国、韓国、日本を本気で区別して分析しようという発想が希薄だったとしてもやむを得ない。

副島 ほんとですねえ。

橋爪 しかし小室さんはそこをはっきり分析すべきだと考えて、現にそれを実行した。人類学の助けを借りたという点はありますが、これは重要な業績です。

副島 小室さんの『韓国の悲劇』という本は一九八五年に出されていて、『田中角栄の呪い』の二年後です。私もこの本は小室さんのたいへん優れた
業績であろうと思います。

(引用終了)

こうした高い評価を与えた上で、お二人は6ぺージにわたって、重要な議論を展開していますが、ここでは時間の関係から紹介を省略いたします。

小室博士の論点は多彩かつあまりにも的確なので、現に『韓国の悲劇』と『韓国の崩壊』の二冊については、韓国版も出ているのです。

この事について、副島先生自らも「韓国人が自らの社会を反省する材料として使われています。小室直樹の慧眼には、まったく脱帽します」と極めて高い評価をしています。

私もこの二冊については、韓国学原論、韓国現状分析論として今でも読む内容があると高く評価しています。

会員皆様にも、「小室学の入門書」と韓国学の基本書二冊の読書を勧めたいと考えて投稿させていただきました。

                                以上

                      2014/8/29 清野 眞一拝