[1569]韓国の貨客船 SEWOL の沈没事件について、更に「怪」は深まってきた。

楊航嘉 投稿日:2014/04/18 11:37

韓国の貨客船 SEWOL の沈没事件で、行方不明者の家族に対して、遭難者から「生きている」「船内にとじこめられている」という内容のメールが多数送りつけられている。しかも、16日正午以降のメールは全て偽物だったと韓国警察庁が発表した。

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韓国客船沈没:生存装い偽メール多数
毎日新聞 2014年04月18日 01時14分(最終更新 04月18日 09時32分)

 【ソウル澤田克己】韓国警察庁サイバーテロ対応センターは17日、旅客船「セウォル号」沈没事故で行方不明者の家族らに「船内で生きている」などという文字メッセージが送られていることについて、「全て偽メッセージのようだ」という調査結果を明らかにした。行方不明者の携帯電話の利用記録を照会した結果、船が沈没した後の16日正午以降にメッセージが発信された記録はなかったという。

警察当局は、偽メッセージが流された経緯や作成者の目的について調べる方針だ。

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<韓国旅客船沈没>「船内にいる」…行方不明者SNSは「事実でない」
2014年04月18日08時28分
[Ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

セウォル号の行方不明者を詐称した出所不明のコメントがカカオトークなどSNSを通じて広がり、悲嘆する行方不明者の家族の怒りを買っている。17日、警察庁が「生徒の救助要請メッセージは事実でないようだ」と発表し、行方不明の生徒の名前で送られたコメントは虚偽である可能性が高まった。
16日、珍島沖に夜が訪れたが、珍島体育館とペンモク港に集まった保護者は誰も自分の子どもの生存を疑わなかった。夜が明けて救助作業が始まった17日、安山檀園高2年3組のパク・ジユンさん(17)の父パクさんに、カカオトークのメッセージ2件が相次いで入った。

「17日午前1時1分の状況。バッテリーがなくなりそう。空気があるところに生存者が集まっている。食堂にたくさん集まっている。2年2組のイ・ヘギョンは船尾の方で動けない状況」。

「1時17分の状況。廊下側では34人ほどエアポケットに閉じ込められているという。2階に人が多い」

メッセージに登場した名前(ヘギョン)は娘の隣の組の友人だった。描写された状況も具体的だった。保護者の携帯電話に生存者が作成したとみられるメッセージが次々と到着した。珍島体育館に突然、希望の光が差した。しかし半日も過ぎず、このメッセージは偽りであることが分かった。

警察庁サイバーテロ対応センターはこの日午後、「生存者が旅客船から救助を要請しているというメッセージはすべて事実ではないようだ」とし「行方不明の生徒全員の携帯電話発信内訳を確認した結果、完全沈没(16日正午)以降、通話・文字・カカオトーク発信内訳は全くない。フェイスブックも使っていないとみられる」と明らかにした。

これに先立ち16日午後11時ごろ発送されたメッセージは、11歳の小学生が出したことが明らかになった。メッセージには「今ここは船内だが、人がいる。何も見えないが、数人の男子と女子が泣いている。私はまだ死んでいない」という内容があった。警察は同じ年頃の生徒同士がいたずらで広めたと見ている。こうした虚偽メッセージに傷ついた家族の胸はもう一度引き裂かれた。

今回のセウォル号事件ではスミッシング(SNSを利用したフィッシング)まで登場している。韓国インターネット振興院は旅客船救助現場の動画を装ったスミッシング詐欺が発生したと発表した。メッセージに含まれたインターネットアドレスをクリックすれば、スマートフォンに悪性アプリケーション「救助現況.apk」が設置され、これを通じて個人情報を盗み出す手法だ。

悪質コメントの弊害は昨今のことではない。タレントのチェ・ジンシル、チョン・ダビン、歌手ユニの自殺は悪質なコメントが決定的だったというのが、捜査機関の結論だった。国民大のチェ・ハンソプ教授は「自分が望む方向に事件を誘導することに対する快感と群衆心理、SNSの波及力などが結びつき、こういうことが繰り返されている」と話した。

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報道によれば、16日の昼の時点あたりから、すでに偽メールが飛び交い始めている。逆さになった船の開口部のない船底から、携帯の電波が届かないことは、電波の知識があればすぐにわかる。

事故発生から24時間もたたないうちに、スミッシング(SNSを利用したフィッシング)が発生している。黒社会が早い時点から事故の情報をつかんで準備をしていたから出来た事だろう。

韓国国内では、当初「全員救助」という情報が流れた。あとから状況はどんどん悪化し、マスコミは遭難者の家族に接近して悲しみの声を伝えていく。これは、日本では戦後初の旅客航空機事故である「もく星号墜落事故 (1952年) 」の展開に類似している。このような展開は国民の関心を引き付け、感情を沸騰させる結果をもっている。

この事件は、プロパガンダ的要素を持っている。韓国国民は、きっと、日本で言えば1985年8月12日、日航123便墜落事故の起こった週のような気分であろう。仕事そっちのけで救助の展開をTVで見つめ、わがことのように悲しんだり、怒ったり、救出劇に涙したりしているだろう。事故そのものが意図的にひき起こされたかどうかは断定できない。しかし、最も効果的な集団心理操作が行われていることは確実だ。

あの事故の後、日本国民全体はなにか虚脱したような気分になった。社会騒擾は人々の注目を集め、一種の「非日常」を作りだす。作られた「非日常」の中で、関係ない人たちもTVを通じて「非日常」の気分を味わい、自分が直面していた不満(仕事がきついとか、給料が安いとか)を忘れる。安全を軽視した政府を非難し、もっと体制を強化するように願う。それは国家の体制を強固にし、軍事力や警察力を高める方向に進む。

123便事故のあと、日本国民の興味は国際競争に勝ち抜くことから、泡沫のバブル景気の中で個人個人が享楽的に生きることに移っていった。政治問題、国際情勢、経済問題からはますます関心が薄れた。「プラザ合意」と言われても、何が起こっているのか一般の日本人は全く理解ができないくらい、脳がふやけてしまった。

韓国でもこれから同様な変化が現れるだろうと、私は冷徹に予測する。