[1427]「税金官僚から逃がせ隠せ個人資産」を読んで。

ハル(2505) 投稿日:2013/10/27 21:18

今税務調査を受けている。
もしこの本を1ヶ月前に手にしていたらと思う。

私は副島先生を最初知ったのは「預金封鎖」だったと思う。それ以降も金融本は無論「隠された歴史」や「隠されたヨーロッパの血の歴史」等も大好きです。

さて、週末東京で買って来た「税金官僚から逃がせ隠せ個人資産」を読んで、あーこの本を1ヶ月前に手にして税務調査に望んでおればよかったなと思います。

前回の税務調査から10年目。前回私は米国居住者だった。今は香港居住者。基本的に日本の会社と私の米国の会社や香港の会社での取引は同じだけど、香港に移住先を変えてからずっと税務調査が何時有るか不安の日々だった。それは前回調査の時、かなり米国との資金のやりとりに時間を掛けたけど、最後に言った事は「米国じゃどうしようもない。。。」でした。そこでじゃどこだったらどうちがうの?って聞いたら、香港とか。。。タックスヘブンの国だと。。。と言われたから今回はやばいと思ってた。

過去33年零細企業を経営してるので何度も税務調査は経験してます。でも今回程何時来るかと心配した事も無い。過去にはいつも1週間余り前に連絡が入り1人の調査官が来て2−3日の調査で終わってた。しかし今回は1ヶ月前に連絡があり2人来ると言うのでそこで少しビビった。そして来る前々日に連絡があり3人になると言う。またビビった。それで税理士に何で3人も来るんだろうと相談してみたら税理士が聞いてくれた。そしたら「国際税務専門官」が追加されたとの事だった。この本にも出てくる役職の方です。

2日の調査が終わり2週間後結果を出すと言ってたけど、結果を聞きに日本に発つ前日になって連絡があり、結果は出せない、今回調査の3年ではだめで後4年分出せと言われた。計7年分調査するとの知らせである。税理士に相談しても驚いてた。
出頭の前日は殆ど寝られなかった。色々と資料見ながらロールプレイングした。しかしどうしても理解できない事が何点か有った。そのうち疲れもうどうにでもなれと何度も思った。それで戦略を変えて望む事にした。

翌朝出頭してみると3人の調査官とその上司が同席し4人対私1人である。私はもう何年も税理士には同席してもらわない様にしている。いつも1人で対応する。今回もそうしたがとてもきつかった。それは今までよりはるかに知識を要するからです。海外法人、非居住者という状況下でどこまで日本の税務署が支配できるのか分からないからです。

税務調査はチキンゲームだ!

こちらに充分な知識があれば怖くない。しかし今回のように知識が不足すると怖くて仕方ない。
しかし、調査官も実はかなり怖い思いをしながら質問しながら顔色を読でる事がよくわかった。私の様に非常に複雑な状況を作り彼も自分の経験と知識だけでは簡単に攻められなかったのかもしれない。彼らも言葉を慎重に選び前置きを十分にしながら私に反撃をされないようにしている。じりじりと攻めながら何時私が耐えきれず失言をするか大変な努力をしてると感じた。

私も60前だし経験もかなりあるので、タイミングを見て取引を申し出た。しかし、これも昔程簡単ではない。彼らは法の下私が不利になっては行けないから自分たちの結果が法に基づく物である事を証明できる証拠が揃わない限りOKにはできないと言う。自白だけでは証拠に出来ないってことですね。過去にはこんな事は言われた事が無い。バーやキャバレーじゃないけど「ボトル1本入りましたー」って感じで明るく終わってんだけどね。

実に私に配慮した様な物言いでは有るが、かっちり証拠を持って法務との相談をして私が将来あれは間違いだったと言えない様にする事が目的らしい。
私も彼らの顔色を見ながら良くわかった。逆に言えば彼らも非常に慎重になっている事が分かった。

私は副島先生の様に税務署とは戦う気はないので、言われたままに調査に協力してしまうタイプです。
*戦うだけの知識も度胸無い。それより自分の許容範囲内の税金を払って早く解放されたい。

まあ細かい事はあまり書きたくないのでここまでにします。
ただ今回の税務調査はまさに副島先生の「税金官僚から逃がせ隠せ個人資産」に書いてある事の多くを体験したということと、もしこの本で事前に知識を得ておりさえすれば多分追徴課税は半減してたと思うのです。

それとこの本にも書いてある事ばかりですが、今本当に世界は危険な状況になって来ていると思う事です。副島先生はかなり前から早く海外へ資金を逃がせと言ってますが、多分普通の人には実感があまりないだろうと思うのです。私は95年からアメリカに移住し、2009年に香港に移住しました。2009年に永住権を放棄しようとしたらそれが大変な事だと知った。結局手続きが思う様に出来ず、2010年始めに放棄しました。
先生の本では米国市民権と書いてありますが、永住者も同じ扱いになります。簡単に放棄できません。10年は申告の義務が有り、移民法上は非居住者になれますが、税法上は条件がつきます。

面白い事も一杯あります。冗談みたいだけど、アメリカのグリーンカードは若い人には凄い人気なんです。だから私はフランスの空港でアメリカ便に搭乗する直前係官にチケットとパスポートのチェックをされて、グリーンカードを持ってた事が分かるからグリーンカードを出せと言われ、放棄したので持ってないと言うと信じてくれないのです。嘘を言うなという。彼は若い黒人の子だったからもしれない。グリーンカードを放棄する者が居る分けないと言うのです。それで信じてもらえず上司だろうけど連絡し彼が来て質問された。それでパスポートをよく見ろ、ここに放棄した記録があるだろうと言ってやっと納得して搭乗させてくれた。今でもグリーンカードは人気があるようですね。でも私の知合いには3人放棄した人がいる。皆アメリカに恐れをなした人たちですね。

この本を読んでみて、私の体験した事実も多く記載されており大変な情報量の本だと思った。タックスヘブンに関した本等も何冊か読んだけどおよそインターネットで調べればわかるようなことしか無い。この本はかなり多くの人の実際に経験した情報を元に書かれていると思える点が凄い。決してインターネットではでてこないような事が満載ですね。

それと税務調査もだんだんと厳しくなってると感じます。だから先生の本を読んでも簡単には実行できないかもしれませんね。何度も読んで自分の知識にして自分で税務署とやり取りできる自信をつけてから実行して下さい。決して税理士はあなたの代わりはできませんから。
それともっとも大切な事はこの本に何度も書いてある事だけど、決して余計な事を自分から言うな!聞かれても必要最小限答えろ!あるいはとぼけていいからいうな!これは大事な事だと思います。

税務調査はチキンゲームです。ビビったら負けます。