[1329]マレーシアの英語(語学)教育に、日本の希望が見える!
会員番号1654番のNです。
6月に、マレーシアの首都、「クアラ・ルンプール(KL=「ケイ・エル」という愛称、都市圏の総人口約730万人)」へ、リタリア後の移住を計画している知人と、都心部の<賃貸物件>を探しに訪れました。
そのときに、賃貸物件の紹介をしてくれた地元のマレーシア人の、不動産エージェントの女性と話をいろいろ話をしました。彼女は、日本に2年間留学したことがあるということで、きれいな日本語をしゃべりました。
その際に、「大部分のマレーシア人は英語をしゃべれるのに、日本人の大部分は、なぜか英語がしゃべれない」 という話題になりました。
その不動産エージェントの女性は、幼稚園のお子さんがいらっしゃると言われたので、「マレーシアでは、シンガポールや香港と同じように、幼稚園から英語の授業があるのでしょう」とたずねました。
すると、英語どころか、マレーシアでは何と幼稚園から「英語」「中国語」「マレー語」の3ヶ国語を、【義務教育】として教わります、と言われました。
一緒にいた知人と私は、一瞬、唖然として言葉を失いました。
「日本では、英語は、中学校に入ってからじゃないと教わらないのですよ」と伝えたところ、「それじゃ、遅すぎますね」 と、上手な日本語で、即座に切り返されました。
このマレーシアの、たくましい語学教育の実態をもうご存知の方もいらっしゃるかと思います。
しかし、私と知人は、二人で顔を見合わせて、「これじゃ、もう日本人はかなわないな・・」と、思わず考え込んでいました。
私は、私の持論として、「日本人は間違いなく、英語をしゃべれないようにするために、わざと、意図的に、おかしな英語教育を受けさせられている」と確信しています。
この事実を主張する知識人や評論家は決して少なくありません。
副島隆彦先生の著作の初期のベストセラーで、いまでも「ちくま新書」で購入できる『英文法の謎を解く』(ちくま新書、1995刊)のシリーズ全三巻を始め、日本の戦後の英語教育のおかしさや間違いを指摘する著作は、多数、書かれています。
戦後の日本は、アメリカに敗れて、占領され、ダグラス・マッカーサー(1880-1964)元帥の率いる進駐軍(GHQ、正確には「SCAP=スキャップ、連合国軍最高司令官」)によって、日本国憲法ばかりではなく、その他の法制度や各種メディア(マスコミ)の報道体制、そして、日本の教育制度まですべてを検閲(けんえつ)され、監督、指導されて作られました。
この過程を、社会学・政治学では、「社会的外科手術(ソシアル・エンジニアリング)」と呼びます。
植民地や奴隷制が制度的には廃止されている現代の世界では、政治的にも人道的にもやってはいけない【タブー】の、他国への<介入政策>とみなされています。
しかし、アメリカの占領政策では、この「禁じ手」を用いて、戦後の日本人を徹底的に「ひ弱」で「大人しい」国民へと<改造>し、二度とアメリカに歯向かって来いようにすることを目論みました。
日本の軍事力や経済力を弱体化させるだけでなく、マスコミ情報の統制(コントロール)や、教育制度への介入によって、日本人の内面にまで影響をおよぼす「洗脳」とも呼べるやり方です。
だから「日本人を英語を話せない国民にする」ということも、アメリカ側の大きな判断であったはずです。
こうした事実は、もと外務官僚で、現在は積極的にその内情や歴史的な実情を暴(あば)き続けている孫崎享(まごさきうける、1943-)氏の、最近の戦後史に関連する多数の著作でも論証されたりすることで、日本国民に浸透し始めた「真実の歴史認識」となって来ました。
日本人が、義務教育の中で、ろくな英語教育を受けさせてもらえないことや、英語を習い始める時期そのものを、わざわざ中学生になるまで遅らせているという事実を見ても、明らかに、日本人には英語を話せる教育をしないという大きな意図が、戦後アメリカの占領政策から現在まで続いていると考えるべきです。
そうでなければ、マレーシアでも、シンガポールでも、国民の大部分が英語を話せる国の英語教育制度をそのまま取り入れて、日本の英語指導のカリキュラムや教科書に応用すればいいはずです。
ついでに、英語教師まで、そのまま日本に来てもらって、英語で授業をしてもらえば済む話です。
日本人だけが特別に、人種的・民族的に、マレーシア人やシンガポール人に比べて言語能力が劣っている、などということはありえません。
あきらかに、教育制度、教育内容の問題です。
戦前の「旧制高校」の教育レベルは、はるかに世界基準に通じていて、世界に通用する英語力や幅広い教養をそなえた立派な人材が、日本の政治家や有力者の間にもたくさんいた、という歴史の事実があります。
このあたりの、明治から大正、戦前までの日本が、どれだけ優れた教育制度や生活レベルに達していたかという事実を、誰も教わっていないので、現在の日本人はこの戦前の時代の、本当の様子を何も知りません。
私は、このあたり時代のことを、今後、詳しく調べてみたいと考えています。
日本の英語教育が、他のアジア諸国と比べてこれほど劣っているという明確な実態を、ほったらかしにしている日本の文部省、政府、日本の政治家、官僚たちは、つまり、「意図的に無視している」ということです。
日本人を「英語力ゼロ」の国民のままにして、世界からの重要な情報も、政治的な交渉力も、事業・ビジネスの機会や可能性からも、「蚊帳(かや)の外」に置いておこうと画策しているとしか考えられません。
この考えは、マレーシアやタイ、シンガポール、香港など、一定の教育を受けた国民が、当たり前に英語を話すアジア諸国を訪れるたび、ますます強くなり、今では確信になりました。
若いお子さんがいる方々には、目の前の現実問題として、日本の現在の学校教育の堕落した現状に、強い不満・不安を抱いている方がたくさんいらっしゃいます。
かつてマレーシアは、「反米・反ユダヤ」であり「親日派」であったマハティール首相(1925- )が、1970年代、80年代に、<ルック・イースト(日本に見習え)政策>で、日本から一生懸命、色々な技術や社会システムを学ぶことで、現在の繁栄を築きました。
今度は日本が、マレーシアから、有効な英語(外国語)教育のノウハウを謙虚に教わって、私たちの教育カリキュラムに取り入れるべきです。
日本の江戸時代の「識字率」は5割以上あり、当時の世界でもかなり高い方だったという報告があります。当時の日本人の二人に一人が、読み書きができました。都市の住人については、8割近い識字率だったようです。
国民の基本的な実務教育レベルの高さが、その後に続く明治維新と、日本の近代化の原動力になったという歴史の事実があります。
現代世界の「識字」とは、明らかに【英語】です。
もし日本人の二人に一人が、英語の読み書きが当たり前にできれば、平成のあとに続く日本の新しい時代を切り開く、大きな原動力になります。
日本政府も官僚制度も、教育制度の改革もできないほど硬直し、腐敗しています。日本国民は自力で、自分の子息を積極的にアジアの新興諸国へ留学に送り出すべきです。
幸いアジアの新興国では、日本の経済レベルと比べて、授業料や生活費が安くて済みます。
教育レベルは、かつての植民地時代の宗主国であるイギリスから直接導入しているため、世界基準で、質の高いカリキュラムの授業を行っています。
イギリスの一流大学や一流高校の教育の「質」をそのまま持ち込んだ、欧米の一流教育機関のマレーシア分校が多数あります。
しかし、「授業料」はイギリス本土の本校のおよそ半分だということです。
それから、学生の家賃や食費などの生活費も、日本の3分の1から半分ほどの予算で、留学生活が送れます。
イギリスやアメリカに留学させるよりも、距離的にも日本からはるかに近く、留学中に家族が遊びに行く、ということもより簡単にできます。
もっとも重要なことは、東南アジアの新興の経済圏のど真ん中に開校した、これらの名門大学には、アジア各国の王族(ロイアル・ファミリー)や有力者、政治家、一流企業の創業者ファミリーなど、アジアの権力者たちの子息が留学して来るという事実です。
アメリカのハーバード大学やプリンストン大学やイェール大学などのいわゆる「アイビー・リーグ」の米私立名門8大学が、なぜこれほど世界中の留学生を集めるのか。
それは、大学のブランドや教育の質などももちろんありますが、その大学に通うことで、世界の「権力者・有力者(エスタブリッシュメント)」の子息たちと<学友>となり、一生続くビジネスや政治的な<人脈>を築けるということが、最大の目的です。
だから、これからの日本を担(にな)う若い日本人に、世界的な有力者たちとの人脈を築けるような留学先を考えるのならば、衰退が始まったアメリカでも、イギリスでも、ヨーロッパでもなく、アジアの重要拠点に開校される名門大学にするべきです。
アジア人の留学生の多い大学では、華僑系の学生どうしは「中国語」を話します。
「英語」はアジアの共通語であり、授業もすべて英語で行われます。
「英語」と「中国語」と、アジアへ進出する強力な「人脈(コネクション)」を学生時代に獲得した留学生たちこそ、日本がこれからの「アジアの時代」「ユーラシア大陸の時代」生き残るために必須の、重要な人材となって行きます。
海外(とくにアジア地域)にも、英語や中国語などにも抵抗が無く、国外へ当たり前に出て行けるように育てられた日本の若い人材であれば、「中国」と「インド」と「東南アジア(ASEAN)」だけで35億人もの人口が、まさに成長を続けているアジアに進出することで、あらゆる仕事に就けるでしょう。
日本のマスコミは、「就職難だ」「不況だ」などと、どこを見て話しているのか。
日本のマスメディアの目は、インターネット上の情報も含めて、みな節穴(ふしあな)です。
若い日本人は、いまからどんどん、マレーシアを始めとする、アジアの一流大学にこそ、積極的に「留学」に出て行くべきである。
今後の日本にとって重要な【国家戦略】として、私はここに主張します。
会員番号1654番 N拝