[1240]今日、4月1日から 預金封鎖=金融統制体制 である。皆、甘い考えを捨てなさい。

副島隆彦 投稿日:2013/04/01 08:07

副島隆彦です。

私は、3月31日の午前0時から、 弟子の N 君からのメールを読んで、相当に神経が高ぶった。日本はもうすぐ金融システムの統制の 緊急事態に突入するだろう。

 4月1日(月)の朝から、先進国3地域であるヨーロッパ、アメリカだけでなく日本でも、実質的な金融統制体制にはいる。 銀行預金がおろしにくくなる事態 ( controlled output 、銀行引出し規制、禁止、凍結)が起き始めた、と私は判断しました。

 これは実質的な「預金封鎖(よきんふうさ)」である。預金封鎖 ( financial accounts clamp down フィナンシャル・アカウント・クランプダウン)とは、1.銀行の引き出し制限 と 2.新札切替(しんさつきりかえ) である。 「クランプダウン」clamp down というコトバの恐ろしさを、これから日本人も味わうようになる。

 私、副島隆彦の言うことに耳を傾ける人は、急いで、銀行に行って預金を出来る限り多く引き下ろしなさい。まだ下(おろ)せる。支払いの自動引き落とし分以外の資金は、さっさと現金にしなさい。として肌身に持ちなさい。これは人間が生きるための食料費である。

 そのうち、おそらく、あと1か月、2か月(6月末になるとヨーロッパ諸国の年度末で決算期だ)で、本当に日本でも銀行預金引き出し凍結という事態になるだろう。

 ですから、私の弟子たちや学問道場の会員になっている貧乏な若者たちも、出来るだけ、、銀行で数十万円でもいいですから(有れば、の話ですが)現金を身近に持ちなさい。最後は自分の食料品を買うお金があるかに掛かってくる。

 現に キプロスでは、 1日、ATMで 300ユーロ( 3万6千円)しかおろせない。銀行は28日から13日ぶりに再開したが、10万ユーロ(1200万円)以上の預金は引き出し禁止のままだ。ロシアの金持ちたちが、逃がしてきた資金はほとんどが キプロス政府に没収されるだろう。「80%を強制的に徴収する」でも済まないだろう。この動きは、今後、急速にヨーロッパ全体に広がる。 いや急速に広がっている。

 キプロスよりもずっと大きいオランダの財務相が、「キプロス・モデルは、わが国でも起こり得る」と発言して問題になっている。オランダも自国のGDPの10倍以上の外国からの預金が集まっているタックスヘイブン(フリーポート国)だ。自分が預かったお金は引き下ろさせない(自分のものだ)、という恐怖の原理が働く。

 アメリカの金融通貨当局も 日本の金融通貨当局も、今の相当の世界中の深刻な事態に青ざめている。自分たちもそうなるのだ、と分かっている。だから金融統制体制に、世界は冷酷に移行を開始した。そのことに対応して、BRICS(5大新興国)が、後ろに載せる記事の通り、神経質に次の新しい世界銀行の設立を緊急に決めた(3月27日、南ア、のダーバンで)。 この2週間のおかしな動きで、私は、事態の急変を感じ取っていた。  

 今も、日本の銀行では10万円の送金にも「何への支払ですか」と聞く。100万円をおろすのも使途を聞くようになった。ということは、新年度の4月1日から、おそらく1千万円、5千万円、1億円、2億円の預金を引き下ろそうとする 資産家たちは、銀行がおろさせない、という動きに出るだろう。 

 まさしく預金封鎖の始まりである。私が、そう予見して居たら、まさしくそのアナウンスメントが、NHKから出た。

(転載貼り付け始め)

「 銀行窓口で新たな確認手続き導入へ 」

2013年3月31日  NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130331/k10013562731000.html
 銀行取り引きが犯罪に利用されるのを防ぐため4月から銀行窓口で10万円を超える現金の振り込みなどを行う際には新たに本人の職業や取り引きの目的を確認する手続きが導入されることになりました。

 政府は銀行取り引きが犯罪に利用されるのを防ぐために、平成2年から銀行窓口で本人かどうかを免許証やパスポートなどで確認することを求めています。

 さらに来月1日からは国際的な基準に合わせて確認の手続きが強化され、一定額以上の現金を銀行窓口で扱う場合などに、銀行員が本人の確認に加えて、職業や取り引きの目的を尋ねることになります。

 具体的には、銀行窓口で口座を開設する際や10万円を超える現金を振り込む場合、200万円を 超える現金を預けたり受け取ったりする際に職業などの確認が行われます。政府は、取り引きに関わる追加の情報を得ることで、疑わしい取り引きをより把握しやすくなるとしています。

 全国銀行協会は「法律の改正によって窓口での確認事項が増えることになったが、理解のうえ、協力をお願いしたい」としています。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。このように事態は急激に緊迫している。 ここで盛んに、「政府は銀行取り引きが犯罪に利用されるのを防ぐために」という見え透いた口実を強調し、金融システム自体の世界的な変調と異変を覆い隠そうと必死である。 私たちは、この事態の緊急性を鋭く理解するべきである。

 私は、学問道場の会員たちと、私、副島隆彦の言論に注目し敬意を払ってくれる人々を守る。甘い考えで、「安倍首相のアベノミクスで、景気回復をしてくれるのを私は期待しているよ」と言う人々(主に資産家、富裕層)は、そのまま、自分の大切な預金を、そのうち下せなくなって政府に奪い取られるがいい。

 私は、全国にいるだろう富裕層500万人の少なくとも10%の50万人の、副島隆彦の本の読者を守らなくてはいけない。皆さんは、急いでご自分の預金のうちの余裕資金部分を銀行から急いで引き出して肌身に置いてください。

 10万円下すのにも「何に使うのですか」と銀行員から聞かれなければ済まない、ということの異常性をまともな脳(頭)をしている人間なら本気で考えてみるとよい。

 10万円、100万円でこれなら、1千万円、5千万円、1億円では銀行の窓口で、どういう対応をされるか、まともな脳をしているなら、さっさと決断しなさい。だから、既に預金封鎖(よきんふうさ)= 金融統制体制は、始まっているのだ。預金封鎖で1.預金を実質凍結したあと、2.新札切り替え(しんさつきりかえ) が、あと一年ぐらいの間に緊急で行われるだろう。

 このことの真実は、すでにヨーロッパ、アメリカ発の世界金融恐慌に突入しているのに、そうではありません。何も起きていません、という振りをするための金融統制官僚たちによる世界共通の統制の開始だ。世界は、今や、世界官僚同盟( WBU , World Bureaucrats Union ワールド・ビューロクラッツ・ユニオン)による、官僚たちの密かなヨコの連携での、この“顔なし君たち”による支配体制に移行した。 

 1.預金引き出し制限 の、次に襲い掛かってくる、2.の「新札切り替えの強制実施」で、富裕層が、旧札で現金でため込んできた個人資産( これを「タンス預金」と言う)が大変、困ったことになる。金融庁と国税庁が、そのあぶり出しという残忍な行動に出る。これはファッシズム政治体制である。

 私、副島隆彦は、 以上のことを重たい掲示板に、書くべきか、この2日間悩んだ。しかし、やっぱり書くと決めた。皆さんも、一刻も早く、甘い考えを捨てて自分のお金を肌身に置くようにしなさい。

 おそらく 明日から、どんどん ヒドイことになってゆくでしょう。まだあとこれからの一か月ぐらいなら間に合う。そのうち預金がおろせなくなる。「自分は貧乏だからお金が無いから関係ない」と力なく項垂(うなだ)れる若者たちは、これからの日本は、世界はどうなり、そしてその焼け野が原のあとに、どういう新しい世界に出来てゆくかをじっと真剣に見ていなさい。

 私が、以上のことを学問道場のサイトに書けば、 日本各地で、じょじょに「取り付け騒ぎ」 ( bank-run  バンクランあるいは  bank running  バンク・ラニング))が起きるだろう。言論人の私の影響力は今はそれぐらいはある。 そのことを、 私は、昨日からずっと、気にしていた。 

 それでも、やはり日本国民に 迫り来る危機を いち早く知らせる、という 自分の使命(Beruf 、天命) に従って、やると決めた。先走ったことをして、騒ぎの原因となることで攻撃されることになっても、それはそれで仕方がない。私はいつも嵐の中に身をさらして生きてきた。私は、自分が丁度、10年前(2003年)に書いて、ベストセラーになった 自著の『預金封鎖』(祥伝社刊)の時の自分に立ち戻ろうと思う。

 預金封鎖になったので、途端に、この数日、北朝鮮との緊迫した軍事衝突の危機を煽り出した。韓国政府へのどこかからのハッカー攻撃とかの奇妙な事件を起こし始めた。これで国民を脅(おびや)かし脅迫することで、国民が生活統制を受け入れるように強制し、金融統制をやり易くする。 すべては仕組まれている。

 キプロスは、ギリシアの隣の国だ。昨年のギリシアの金融危機のつながり、連鎖なのだということに気付く人は少ない。さらにその隣はイタリアだ。キプロスには被差別民のように虐げれて暮らす北部のトルコ系の住民がいる(70年代にキプロス紛争を起こした)。おそらくこれらの地域は、ユーロ通貨が崩壊を始めたら、トルコ・リラを保持し、使い始めるだろう。

 貨幣(通貨)は、信用のあるもので、自分の手元に置いていても目減りしないものを人間は持つ。トルコは、今や、インドネシア(人口2億5千万人)と並んで、準BRICSと呼ばれるべき新興大国である。トルコ・リラがこれらの南ヨーロッパの弱体化する国々で公然と使われ出すだろう。

 イタリアは、総選挙のあとも政権(内閣)を作れないで、再選挙もできず、マリオ・モンティという、議員(国民の代表)でもない、米ゴールドマンサックスあがりの男がずるずると居座って、崩壊国家に向かっている。イタリアは自国が抱える巨大な財政負債に立ち向かう政治機能がすでに崩れ続けている。

 スペインはもっとひどい。フランスも、オランド大統領がお手上げであり、昨年(2012年)の3月にフランスの3大銀行を破たんさせるべきだったのに、それを、「ドラギ大砲」(ヨーロッパ中央銀行の総裁になったマリオ・ドラギのジャブジャブ・マネーのユーロの無制限供給によって)が助けた。その違法行為の毒と報いが全身に回りつつある。

 ドイツはオランダやデンマーク、スウエーデンなどの健全財政の北欧諸国だけで自分たちの生き残りを賭けて、貧乏な南ヨーロッパ(南欧)への救済を諦(あきら)めて、独自のドイツ・新マルク通貨圏へと撤退しつつある。先進国はどこも迫り来る預金封鎖の危機に直面している。

 ですから、私の言うことに耳を傾ける人は、今から、急いでその準備をしてください。そして、私が、『個人備蓄の時代』(光文社、2012年6月刊)で書いて示したとおりの備蓄の準備を始めてください。

副島隆彦拝

(以下は、N からの 私への 情報の 記事とかです)

—–Original Message—–
Sent: Sunday, March 31, 2013 2:37 AM
To: 副島隆彦
Subject: 【訂正】 「BRICS諸国、1000億ドルの外貨準備基金設立で合意」

副島先生へ

N です。2点訂正です。

BIRICS外貨準備基金の1000億ドルは、9.5兆円です。
それから一つ目のウォール・ストリート・ジャーナル日本版の記事の日付は
3月28日付けの記事です。以上、訂正します。

—– 元のメッセージ —–
宛先: 副島隆彦 GZE03120@nifty.ne.jp
送信済み: Sun, 31 Mar 2013 02:30:06 0900 (JST)
件名:  「BRICS諸国、1000億ドルの外貨準備基金設立で合意」

副島先生へ

 先ほどお電話でお伝えした、BRICS五か国が、3月26、27日の二日間、 南アフリカのダーバンで開催した、第5回 ブリックス(BRICS)首脳会議(サミット)で、BRICS自身が、IMF(国際通貨基金)などのこれまでの欧米の国際基金や国際金融機構に代わる「外貨準備基金」と「開発銀行」を設立するという記事です。

 取り急ぎ、四つしか見つかりませんでしたがそのまま転載します。一つ目の記事の後半にある、 キプロスの「預金封鎖」が延長され、銀行の営業再開が3月26日と言われていたのが28日になりました。

 ちょうどその前日までのタイミングで、BRICS独自の、1000億ドル(約9.5兆円)規模の「外貨準備基金」と、「BRICS全体で4.5兆ドル(427兆円)規模あるインフラ・ニーズに対応するためのBRICS主導の (今の世界銀行に取って替わる?)新らしい国際銀行」を創設する」という話し合いをしています。

 このあたりは、本当に、欧米の金融崩壊がいまにも起こるという事態を想定して、BIRCSだけの金融防衛網を急いで構築しているのだ、という感じが伝わってきます。

(転載貼り付け始め)

「BRICS諸国、1000億ドルの外貨準備基金設立で合意」

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年3月28日
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324500504578387221313967876.html

【ダーバン(南アフリカ)】 BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)諸国は27日、将来の経済危機に備え、外貨準備を共同で積み立てる
1000億ドル規模の基金を設立する方針を明らかにした。独自のメカニズムを
新たに構築することで、世界的な金融機関の改革をさらに推進する狙いとみられる。

 当地で首脳会議を開いたBRICS首脳は、共同外貨準備基金は、BRICS諸国
の国際収支が危機に陥った場合、国際通貨基金(IMF)などの既存の貸し手に
代わる選択肢となると説明した。

 南アフリカのズマ大統領は記者団に対し、「(共同外貨準備基金は)国際金融の安全網を強化し、現行の防衛線としての国際取り決めを補完するうえでも役立つだろう」と述べた。

 BRICSの財務相や中銀関係者らは、基金の開設時期について話し合いを続けているという。27日に閉幕した2日間の首脳会議では、為替取引の円滑化によって関係を強化することが主要議題の1つだった。

 さらに、南アフリカ準備銀行(中央銀行)から、中国国債を15億ドル(同中銀の外貨準備の約3%に相当)購入する計画が明らかにされた。 ブラジルと中国は26日、ブラジルレアルと人民元を米ドルへの転換を 通さずに、今後3年間、最大300億ドルまで交換する協定に署名した。これにより、人民元の国際決済機能の向上を目指す中国の動きが加速する。

 ブラジルのルセフ大統領は、「一般的に世界の経済ガバナンス(統治)がより民主的なものとなれるよう、先進国と同様、BRICS諸国の相対的な影響力についても明確に反映される必要がある」 と述べた。

 中国の習近平(しゅうきんぺい)国家主席は、「あらゆる国の繁栄のため、われわれは開発銀行創設を積極的に推進する必要がある。1本の木では森にはならない。BRICS 各国も自国の発展だけを求めるのではなく、あらゆる国の発展に向けて取り組むべきだ」と述べた。

(転載貼り付け終わり)

(転載貼り付け始め)

●「BRICSが1000億ドルの基金設立へー資金拠出では合意できず」

ブルームバーグ 2013年3月28日
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MKBSPE6S972V01.html

 ブラジルとロシア、インド、中国、南アフリカ(BRICS)の5大新興国は、通貨危機が発生した場合に備え1000億ドル(約9.5兆円)規模の基金設立を承認した。一方、開発銀行設立のための資金拠出では合意に至らなかった。

 ロシアのシルアノフ財務相は27日、南アフリカのダーバンでブルームバーグのインタビューに応じ、基金への拠出金のうちかなりの部分を中国が提供する見通しだと述べた。同財務相によると、中国が410億ドルを拠出し、ブラジルとロシア、インドがいずれも180億ドル、さらに南アフリカが50億ドルを拠出する方向で交渉が進められている。

 南アフリカのズマ大統領はダーバンで行われたBRICS首脳会議(サミット)後に、「自己管理型の緊急準備金を設けることで、建設的な予防効果が見込まれ、BRICS諸国が短期流動性のひっ迫を未然に防ぐ一助になるととともに、相互支援や金融の一段の安定化をもたらすだろう」と述べた。世界の人口の43%を抱え、4兆4000億ドルの外貨準備高を持つBRICS5カ国は、台頭する経済力に見合う発言力を求めている。

 BRICS首脳らは開発銀行の設立は「実現可能かつ存続可能」との意見で一致したが、設立に向けた資金拠出での詳細を決定するには至らなかった。BRICSは開発銀行の実現性を1年にわたって検討している。

 中国の習近平国家主席はサミット閉会にあたって、「広範にわたってコンセンサスが得られた」と述べ、BRICS銀行設立や通貨準備金 の合意は「協力の可能性を広げるだろう。BRICSの協力は世界の経済ガバナンスの安定化に寄与する」と述べた。

原題:BRICS Approve $100 Billion Currency Fund as Bank Start-UpStalls 

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●「BRICS首脳会議、開発銀行の正式交渉開始で合意 具体的な成果乏しく」

ロイター  2013年 03月 28日
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK831822420130327

 南アフリカのダーバンで26─27日開かれた新興5カ国(BRICS)首脳会議は、「BRICS開発銀行」の設立に向け、正式な交渉を開始することで合意した。会議は大部分が非公開で行われたが、具体的な成果に乏しかったとみられる。

 開発銀行の設立構想は1年前の首脳会議で議論しており、各国の状況が異なることを踏まえても、実現に向けた歩みは遅いといえる。議長国・南アフリカのズマ大統領は「BRICS主導の新開発銀行を設立するため、正式交渉に入ることが決まった。われわれのインフラニーズは多大であり、今後5年間で4兆5000億ドル前後に達する」と表明した。

 ズマ大統領によると、開発銀行は、将来的には他の新興国・途上国との協力も目指す方針。BRICS開発銀行は、国際通貨基金(IMF)や世銀を補う存在になり得るともされているが、具体的な内容はほとんど明らかになっていない。

(転載貼り付け終わり)

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 「BRICS諸国の外貨準備庫 は真に迫っている」

新華社(しんかしゃ)北京  2013年3月28日
http://jp.xinhuanet.com/2013-03/28/c_132267966.htm

 注目を受けていた第5回ブリックス(BRICS)サミットが南アフリカで開幕した。

 外貨準備庫 の設立は、今回のサミットの重要な議題であり、実質的な進展を取得する望みが持てるとのことだ。アナリストは、BRICS外貨準備庫の設立は、その意図はBRICS諸国自身の金融セーフティネットを織り出し、共同で資本運営のリスクと金融分野での動揺に対応することにあるとみなしている。

 中国商務部研究院の梅新育(ばいしんいく)研究員は、BRICS外貨準備庫の設立は、中国以外のBRICS諸国の通貨安定の助けになる見込みだと考えている。 

「新興市場経済のリスクが急速に蓄積して、1994年の メキシコ危機、1997年の東アジア危機、1998年のロシア危機 に類した通貨金融危機が発生するリスクが上昇した点を考えて、この立案中の機構が設立されまた正常な運営が可能なら、その際にはリスクを防ぎ止めることに対しては有利です。」

(新華網日本語)

(転載貼り付け終わり)

最後にもうひとつ、キプロスの銀行営業再開の様子と、キプロスの銀行から海外への資金逃避を取り締まろうとするキプロス政府との攻防が書かれた記事を転載します。

(転載貼り付け始め)

「キプロス、銀行再開準備に大わらわ―資金流出規制など」

By MATINA STEVIS  
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2013年3月28日
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324500504578387190287405554.html

【ニコシア】 キプロス政府は、28日にほぼ2週間ぶりに同国銀行の営業を再開させるため大わらわで準備を進めている。政府は、取り付けが起きキプロスから資金が逃避するのを回避するため、一時的に厳しい資本規制を導入する。資本規制は少なくとも1週間、おそらくそれ以上続く見通しだ。中央銀行は銀行再開に備えユーロを積み上げている。

 同国政府が100億ユーロ(約1兆2100億円)に上る国際金融支援の見返りに、銀行預金への全面課税を決めた16日以降、同国の銀行は休業を続けてきた。 当初の課税案が議会で否決され、今週初めに合意した新たな見返り策は、多くの預金者にはより大きな打撃となった。

 政府の推定によると、預金保険 対象外の大口預金は、同国最大手のキプロス
銀行の場合は最大40%、 第2位のキプロス・ポピュラー銀行では最大で 5分の4(8割)が 削減される見通し。

 一方キプロス政府当局者によると、資本規制に関する政令は同国銀行のすべての預金者に適用され、オンラインショッピングによる送金などキプロスから外国への電子決済は停止される。また、国外への現金持ち出しについても1人当たり1回の渡航で外国通貨を含め3000ユーロ(36万円)相当 の上限が課せられる。カード決済は1カ月5000ユーロ(60万円)が上限となる。

 これらの措置は28日からまず1週間実施されるが、期間は預金流出状況をみながら毎週見直される。政府当局者は延長は必至とみている。 サリス財務相は26日記者団に対し、資本規制は一時的なものだとしながらも、どの程度継続されるかについては具体的に示さなかった。

 ある欧州連合(EU)当局者は、資本規制は何らかに形で「数カ月間」実施されると予想している。一方、キプロス議会の委員会のシロウリス副委員長は、キプロス中央銀行に書簡を送り、金融支援の交渉が始まる前に同国から大量に資金を流出させた銀行預金口座保有者に対する調査を行うよう要請したことを明らかにした。

 同副委員長によれば、海外への資金移動は違法ではないが、一部の預金者は金融支援交渉で預金の削減が実施されるとの警告を受けていた可能性がある。

 ユーロ圏の高官によると、キプロス中央銀行は、当初の国際金融支援策を受け入れる方向になった15日から、特に認められたものを除き、海外への資金移動の全面禁止を開始した。例外は、医薬品など人道目的のものや、金融破綻を回避するための決済など。

 ある政府当局者によれば、キプロスからの資金流出は1月から増加し始め、先週には急増した。銀行が休業していたにもかかわらず、数億ユーロが国外に流出したという。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 人口100万人の小国キプロスの金融崩壊は、UEのヨーロッパ各国にすでに広がりを見せている。スペインでもイタリアでもフランスでも金持ち(富裕層)は、どんどん銀行預金をおろしている。いや、もう下(おろ)せなくなっている。銀行預金の引き出し規制が始まっている。それは、アメリカでも、そして日本でもすでに始まっているのである。 これは世界の金融統制体制へ突入である。

 預金封鎖(よきんふうさ)である。「預金封鎖」とは、銀行引き出し凍結と 新札切り替えである。 金持ち(富裕層)は、一億円、2億円の預金を下ろせなくなる。なぜなら、銀行の窓口で、「何に使うのですか。使途を教えてください。預金者の本人確認をします。送金相手の確認もします」と、日本の銀行でも厳しい預金・送金統制がじわじわと始まっていた。 

 それが奇しくも4月1日、年度替わりの日にはっきりと開始される。日本でも、現在でさえ、ATMで下せるのはサラリーマンならひとり一日一回10万円である。これがやがて一日5万円となるだろう。キプロスが300ユーロ(3万6千円)なのだから。

 そして、10万ユーロ(1200万円)のペイオフ(政府のよる預金保証)も怪しくなっている。なぜなら個々の民間銀行の破たんで預金の返還補償を政府がする、というのがペイオフだが、政府と中央銀行自身が破たんすると、国民全員(預金者全部)に払うということは出来なくなくなる。だからペイオフも無くなる。

(転載貼り付け始め) 

「 キプロス、銀行が再開…13日ぶり、引き出せる現金制限 」

毎日新聞 2013年3月28日(木)

銀行の外で入店を待つ人々=キプロス・ニコシアで2013年3月28日、AP

【モスクワ大前仁】 財政危機に陥り、欧州連合(EU)などからの金融支援が決まったキプロスで28日正午(日本時間同日午後7時)、休業していた国内の全銀行が13日ぶりに営業を再開した。現地からの報道によると、長い行列を作った預金者は開店後に次々と入店し、預金を引き出した。

 キプロス政府・中央銀行は取り付け騒ぎを警戒し、口座から引き出せる現金を1日最大300ユーロ(約3万6000円)に制限。また、預金の一部が削られる10万ユーロ以上の口座については、預金の強制削減の手続きが終わるまで、引き出しを禁じている。営業再開直後は目立った混乱が起きていない模様だ。

 キプロス政府はEUから支援を取り付ける狙いで、今月16日に全ての預金に課税する方針を決めたが、国民の反対を背景に議会で否決された。そのためキプロスとEUは25日、大手2行を整理・再編し、両行の高額預金の一部を削減し、破綻処理などの費用に充てる修正案で合意。EUは4月中に支援を正式決定し、100億ユーロを融資する方針。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝