[1236]中国、商品先物を拡充 価格変動リスク避けやすく

松尾雄治 投稿日:2013/03/28 20:10

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中国、商品先物を拡充 価格変動リスク避けやすく

2013/3/26 1:46

 【大連=進藤英樹】中国の3つの商品先物取引所が上場品目を増やしている。大連では22日に鋼材生産に使う原料炭先物の取引を開始。上海では道路の舗装が主な用途の石油ピッチの上場を準備している。中国企業の間では価格変動リスクを回避しやすくするための先物市場の整備を求める声が強まっていた。中国は石炭やコメなど数多くの商品で消費量が世界最大。国際価格の形成にも影響を与えそうだ。

 原料炭先物の上場は世界で初めて。原料炭はコークスに加工した後、鉄鉱石とともに高炉に投入して鋼材の材料である銑鉄にする。大連商品取引所(遼寧省)は2011年4月に世界で初めてコークス先物を上場した。原料炭とコークスをともに扱うことで、石炭・鉄鋼関連企業による先物取引の拡大を促す。

 上場初日は、取引の中心である9月物が取引開始直後から値を下げた。終値は1トンあたり1267元(約1万9000円)で、基準値の1340元に比べ5.4%下落。「先行きの需要が鈍るとの見方が広がった」(中国の魯証先物のトウ莉アナリスト)。大連商取は鶏卵、木材、鉄鉱石の上場も申請している。

 鄭州商品取引所(河南省)は昨年12月にガラス、菜種油、菜種油ミールの3品目を上場。今年はコメの品目拡大が見込まれている。すでに上場済みの長粒米の早生(わせ)に加え長粒米の晩生(おくて)と、短粒米の承認を待っている。昨年5月に銀先物を上場した上海先物取引所は、今年は石油ピッチの上場を目指している。

 上場品目拡大の背景にあるのは08年の金融危機後に拡大した現物市場の価格変動だ。

 例えば中国山西省の原料炭の1トンあたりの現物価格は11年から12年にかけて500元超下落したあと今年2月にかけて200元上昇した。「変動リスクを回避したい企業の要望が増えている」と陳偉・大連商品取引所工業品事業部総監は指摘する。

 中国は、現物取引の規模を反映し、先物市場も世界有数の売買高を誇る。12年の世界の商品取引所の売買高ランキングで、大連商取は前年比2.8倍の5億2100万枚で1位となった。前年の7位から、中国勢として2年ぶりに首位に返り咲いた。主力の大豆関連を中心に取引が活発化したためだ。

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