[1180]植草一秀著「消費増税亡国論」より
こんにちは。 ↓にある鈴木さんの投稿とNHKの『日本国債暴落』の画像を見ました。この番組が、財務省がNHKに作らせたやらせ番組であるということを、副島先生が広報ぼやきで言っておられます。
このことに関連して、副島先生の盟友ともいうべき植草一秀(うえくさかずひで)氏の『消費増税亡国論』(飛鳥新社)に重要と思われる記述がありましたので、引用します。(すでにお読みの方も多いと思いますが。)
(引用開始)p186~
第五章「増税の前にやるべきことがある」
-TPRという名の巨大な言論統制プロジェクト-
「中日新聞=東京新聞は、権力に隷従する御用報道機関ばかりが跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する中で、社説で『シロアリ退治なき消費増税』を批判する論評を掲載するなどマスメディア界の異端児的存在である。
その中日新聞=東京新聞に対して、財務省が国税庁を動員して、異様ともいえる長期税務調査を実施していることが伝えられた。財務省による国税調査権をちらつかせての言論統制活動は常套(じょうとう)手段といってもよいものだ。
こうした動きの背後に財務省の秘密情報統制活動が存在することを知っておかなければならない。「TPR」と呼ばれる言論統制活動である。TAXのPRの意味で「TPR」と命名された。1985年に発足した。中曽根政権が「売上税」という名の大型間接税導入を検討した時期に、世論操作活動が重要との認識の下で活動が指導された秘密プロジェクトである。
1985年当初、「売上税」という名称が決まっていなかった。決まっていたのは、「課税(kazei)ベース(base)の広い間接税(kansetuzei)」を導入するということだけだった。TPRとともに用いられた符牒(ふちょう)がKBKである。
このTPRが脈々と引き継がれて現在に至っている。発足当初、TPR事務所は財政金融研究所研究部に置かれた。私(植草氏)はこの研究部に所属していた。その後、TPR事務局は主税局に移管され、その実務責任者を主税局企画官が担うことになった。
1985年当時のTPR活動は、三つの柱によって成り立っていた。
第一は、政界・財界・学界3000人リストを作成し、その全員を説得すること。
第二は、あらゆるメディア情報を検閲し、問題意見を封殺すること。
第三は、メディアに対して高額接待などを用いながら、大政翼賛体制を構築すること、であった。(中略)
-TPR言論統制に風穴を開ける草の根ネットからの情報発信-(p189~192)
検閲においてはテレビ番組が録音され、すべての問題発言がチェックされた。テレビ、新聞、週刊誌、月刊誌の内容が検閲の対象になり、毎週「TPRウィークリー」と題する報告書がまとめられた。問題発言とその発言者が厳重にチェックされる。このなかで、問題発言者がピックアップされて、いわゆるブラックリストが作成されることになる。
さらに、NHKや全国紙の最高幹部を集め、大蔵省からは事務次官などが出席して、築地の吉兆などで高額接待などが行われることもあった。(中略)
TPRという名の言論統制、検閲活動がきわめて大規模に行われているという現実、知られざる真実をすべての国民が認知しなければならない。
(p200から)
NHK政治部の幹部職員になる人物の大半がワシントン勤務組である。そして、ワシントン勤務の時代に、米国のエージェントと化す洗脳を受けるのである。これは、警察、検察、財務省、外務省に共通するプロセスであり、このようなプロセスを通じて、米国、官僚、大資本が支配する日本政治の基本構造が随時補強されているのだ。
一般の国民は、NHKの報道を中立・公正と勘違いしていることが多いが、真実はその反対である。現代版の大本営といって差し支えないだろう。この事実を頭に入れてNHK情報に接するのと、入れずに接するのでは、情報量に天と地の格差が生まれる。この格差を認識することが、メディア・リテラシーを高めるということなのだ。」(引用おわり)
田中進二郎です。売上税導入を中曽根政権や財務省(当時は大蔵省)が画策しだしたのと同時に、マスメディアの報道統制が本格的になった、という歴史的事実はやっぱり重い。
昨年のお盆休みに、副島先生が「夏の終わりに書いておきたいこと」(重たい掲示板)でずばり書いておられたが、「消費税の本質は売上税だ。」ということ。消費税という、あたかも消費者だけに課税がなされているかのような国民を愚弄(ぐろう)した名称自体に腹が立つ。
生産・流通・サーヴィス・消費のすべての過程でかすめととっていく、未曾有の悪税だ。これがバブル経済の浮かれているさなかに計画されたのだ。
大企業で働くサラリーマン諸君、生活の足元をもっとよく見たまえ。
田中進二郎拝