[982]架空ケンカ対談 最終回

田中 進二郎 投稿日:2012/06/15 04:57

架空ケンカ対談  副島隆彦氏vs 広瀬隆氏
昨日に引き続き架空対談の最終回を掲載させていただきます。
この文章があくまでも架空であることを明記しておきます。筆者田中が「副島氏と広瀬氏がもし対談したらどうなるか?」をシュミレーションしたものです。長くなりもうしわけないです。

その5 最終回  ユダヤ思想をめぐって        
                    田中進二郎

編集者Y氏『お二人のお話もいよいよ佳境に近づいてきたと思います。その4の後半あたりで問題になっている点について、中沢新一氏が『日本の大転換』という著書(集英社新書)で共通のトピックを取り上げて論じています。少しこの本の内容についてご紹介してもいいですか。」

副島氏・広瀬氏「どうぞ。」

Y氏「それでは恐縮ではありますが、ごく簡単に『日本の大転換』を要約させていただきます。
 人類最初の『原子炉』が稼働したのは1942年のことである。エンリコ・フェルミのグループがシカゴ大学内に作った実験炉で、核分裂の連鎖反応を起こすことに成功した。フェルミたちはこの成功によって、『画期的なイノベーター』として盛んに称揚され、人類は自然界になしえない驚異を現実に行いえる存在になった、と喧伝された。ところが1972年にフランス原子力庁がガボン共和国にあるウラン鉱床から17億年ほど前に天然の原子炉が存在していたことを発表した。これによって、フェルミらはイノベーターから、自然の模倣者(イミテーター)の地位に転落した。
 天然原子炉はどのようなメカニズムかといいますと、20億年前に植物が酸素を生産し始めて、鉱物ウランの塊が酸化したあと、天然水によって浸出して、ウランの鉱床が形成された。そののち水が取り除かれて、ウランは臨界に達し核分裂が連鎖反応し、原子炉となった。自然の原子炉にせよ人工の原子炉にせよメカニズムは同じである。どちらもこの地球の生物の生態圏では存在しない現象で、太陽の内部や銀河宇宙で起こっていること。このエネルギーを無媒介に取り出し利用しようというのが原子力である。原子力エネルギー以前の自然から人間が採取してきたエネルギーである、石油や石炭などの化石資源は、
太陽エネルギーが光合成活動にとって、植物に取り込まれたのち、それがバクテリアなどによって分解、炭化されたもの。つまりこれらは地球の生態圏で何重にも働いている媒介を経て、人間が活用しうる資源となっているのです。ここのところを太陽の放射線やエネルギーは生物を育み、進化させてきたというように、太陽から無媒介にエネルギーが与えられていると考える人間も多いが、それは間違っている、中沢氏はおっしゃっています。さきほどの石原氏の論説のような立場を批判されているのでしょう。」

副島氏「確かに天然原子炉と人工原子炉とはメカニズムが同じなんでしょう。それを理由に地球の生態圏と太陽圏の現象を分けなければならないというのは説得力がないね。」

広瀬氏「中沢氏が言いたいのは人間や生き物に放射能はそぐわないのだ、ということですよ。中沢氏と観点はちがいますが、私は自然放射能と人工放射能は同一のものではない、と思っている。仮に原子炉のメカニズムが同じものであったとしても、オクロの原子炉ははるか17億年も前のことです。ですからそういう地球内部の核分裂現象が終わってくれてようやく、地球上の表面に動物が登場してこれるようになったんだと考えています。
これに対して、人工放射能については、1940年にマクミランがネプツニウムを、同年12月14日にシーボーグがプルトニウムを発見します。ネプツニウム239はプルトニウム239になるんですが。これらの超ウラン元素は原子核そのものに人間が手を入れて、それによって自然界に存在しないウランの同位体元素を作り出したわけです。自然界に存在しないということは、当然我々人間の遺伝子の中にもこれらの放射能に対抗する戦略が組み込まれていないということなんです。20世紀の核物理学者が作り出してしまったこれらの放射性元素によって、われわれ人類は別の次元に入ってしまった。これらの放射能の問題を太陽が放射線を出しているなどと、自然放射線と同一視したことを言い続けるのは「原発安全ごっこ」の延長戦をやっているに過ぎないわけです。」

副島氏「ところで最初の箇所で、フェルミ・グループの実験成功とオクロの天然原子炉が無関係のような言い方を中沢氏はしているようだが、Y君、事実はそうではないんだよ。 
まず第一に、フェルミたちが実験炉に成功した大きな要因はアメリカが国家レベルの支援を行ったためだ。1940年フリッシュとパイエルスというドイツからイギリスに亡命した二人の科学者によって、「原爆は可能である」という結論が出された。フリッシュは細胞分裂からヒントをえて『核分裂』という言葉を作り出した人間でもある。この調書がイギリス政府にもたらされると、イギリスではMAUD委員会という原爆製造委員会が秘密裏に組織された。またアメリカでは同じ年にフランクリン・ロウズベルト大統領の命令で国防委員会のもとにウラン委員会が設置された。戦局がドイツ有利に進むにつれて、イギリスは中立を保っていたアメリカに原爆製造についての情報を提供していくことになり、フェルミ達による実験炉計画に対する金銭的、人的支援も本格化した。この原子炉は黒鉛を煉瓦のように積み重ね(pile),そこにウランを挿入していた。よって原子炉のことをかつてはpileとよんでいた。今ではreacterといっているが。この実験の成功から有名なマンハッタン計画が始まるのである。一方ナチス・ドイツのハイゼンベルクはウランの連鎖反応のときに中性子を減速させるために重水(水素や酸素の同位体でできた水で、普通の水より少し重い)を採用したが、イギリスのスパイとノルウェーの義勇兵による工作で、重水を作る施設(ノルウェーのヴェモルクにあった)が破壊されたりして、原爆製造は成功しなかった。
  (注  常石敬一著『原発とプルトニウム』、およびデイビット・ボダニス著『E=mc²』ハヤカワ文庫を参考にした)
 フェルミの実験炉は国家機密とされたので、それが称賛されるようになったのは、1954年以降のこと、つまり、原子力平和利用政策が始まるのと同時にフェルミの原子炉の理論も公開されたのである。
 ところで、われらが黒田和夫博士は1942年当時は何をされていたかというと、山梨県の増富温泉などでラジウム泉の放射能濃度と重水の比率の関係を調査研究されていた。
『17億年前の原子炉』にはこうある。、フェルミの理論が1954年に公開されて、臨界以下の核分裂という考え方が浸透していった。このことは天然の原子炉が存在するのではないか、という疑問をアメリカの科学者の間に生じさせた。しかしフェルミは天然原子炉について何も言わなかった。しかしフェルミの理論と地球内部でも核分裂が起こっているという理論を融合させて、1956年に黒田博士は、天然原子炉の可能性を証明する論文を発表したのである。
地球内部の核エネルギーというのは、1950年代までは、アメリカや日本でも異端の科学者たちが研究していて、AEC(アメリカ原子力委員会)もこの研究に金を出していた。アーカンソー州のホットスプリングス国立公園には47の熱泉があり、毎日400万ℓというとてつもない量の温泉が湧き出ているそうだ。これは核エネルギーによるものでないか、つまりウランの大鉱脈を地下水が通ってくることで温泉になるのだと考えたアメリカの科学者たちがいた。熱い原子の化学(hot atom chemistry)という分野の開拓者らであった。彼らの依頼を受けて、黒田博士は温泉の成分から放射性核分裂生成物のストロンチウム89、90が出ているかを調査したのであるが、結局検出されなかったそうだ。このようなことから現在も地球内部に核エネルギーが働いているというのは、まだ、立証されていない。けれども天然の原子炉の中で生じた「放射性廃棄物」を地球がどのようなプロセスで「処理」してきたのか、またそれを本物の放射性廃棄物の処理にも応用できないかということが現在もオクロで研究されている。」

広瀬氏「そんな研究が実用化されるまでに何十年待たなくてはいけないのだろうか?これまでも60年近く待たされてきたのに。」

編集者Y氏「中沢新一氏の論をつづけさせてもらいます。
人間を含めて全ての生物が生きている生態圏ではさまざまな化学反応や電気反応が起こることによって、生物の活動が行われる。植物は光合成を行って、化学的に太陽エネルギーを変換し続ける。もっとも古い生物といわれる原核生物は細胞膜の色素に光が当たると、陽子が放出される。陽子は+の電荷をもっているから、これが細胞膜の外に出ると電位差が生じる。光に当たるたびに電位差が生じて光エネルギーが電気・化学エネルギーに変換される。あとは酵素と電気・化学エネルギーを使って、ATP(アデノシン三リン酸)という生物が活動する上で必要な物質が作られるわけです。
また動物の場合、目が獲物をとらえたとき、視神経に発生する光エネルギーの変化が動物に攻撃態勢をとらせる。人間が悦びを感じるとき、脳では化学物質であるエンドルフィンがさかんに分泌される。幻影も思考も脳内に起こる電子の活動と一体である。
要するに、生態圏に生きる私たちの実存の全ては安定した原子核の外側を運動する電子によって支えられている。生態圏も中には原子核の融合(これは太陽の内部で起こっている)や核分裂(原子炉がそれを実現する)は組み込まれていなかった。原子力の利用によって生態圏の内部に本来そこにあるはずのない外部が持ち込まれることになった。

本来生態圏に属さない「外部」を「内部」に取り込む思想のシステム、それはほかならぬ一神教(monoteizm)であると、中沢氏は言っています。さらに原子力の技術はユダヤ思想的な技術で日本人の科学者の思考には一神教的な思考がセットされていない。福島原発事故の対応でも、ホウ酸や海水を注入するような付け焼き刃的な事故処理に明け暮れたのもそのあらわれである、と指摘しています。この点について副島さん、広瀬さんどのようにお考えですか。」

広瀬氏「私はユダヤ教と原子力エネルギーの技術との類縁性ということはいえないと思いますが、天皇制にかわるプルトニウム一神教ということなら言えるんじゃないかと思いますよ。『プルトニウムの恐怖』(高木仁三郎著、岩波新書)で述べられていることですけれど、プルトニウムというのは通称「地獄の王の元素」です。現行の許容量が重量にして4,000万分の1グラム、放射線量にして0.0016マイクロキュリーです。1グラムのラジウムが1キュリーですから、いかに毒性が強いかおわかりいただけると思います。(約一億倍)このように大きな毒性が生じる最大の原因は、今紹介された中沢氏の考えと同じことなんですが、プルトニウムの放出するアルファ線です。アルファ線はその通路に沿って電子をたたき出しますが、これが生体に悪影響を与えます。この作用は電離作用といいます。
 
プルトニウムの場合、体外被曝より、呼吸や飲食を通して体内にとりこまれる体内被曝のほうが問題です。いったん取り込まれるときわめて排出されにくく、長く体内にとどまり続けて、肺がんや骨のがん(白血病)を引き起こすと考えられています。同じベクレルの放射性物質でも、アルファ線を出す物質は非常に危険が高く、同じシーベルトの被曝でもアルファ線は影響が大きい。

同位体であるプルトニウム238、239、240、241はそれぞれ異なる特徴がありますが、241を除いては、半永久的なアルファ線による生体の損壊が問題になる。またプルトニウムは福島原発事故の場合でいえば、3号機の使用済み核燃料プールで水素爆発が発生しましたが、(昨年3/15)酸化プルトニウムや硝酸プルトニウムとして大気中に放出されたと考えられます。これらは大気を浮遊する放射性塵といいますが粒子がきわめて小さいので(1ミクロンから0.1ミクロン)鼻から気管支を通り肺に到達すると考えられます。しかも、プルトニウムは検出することがきわめて困難です。この一年でもプルトニウムを検出したというニュースは数が少ないですよね。だからといって大気に存在していないと考えるのは大甘なんですよ。

ICRP(国際放射線防護委員会)はアルファ線について、線質係数(放射線を被曝したときに、それと同じガンマ線を吸収した時に比べて何倍の影響があるかを示す)を20としましたが、ガンマ線の20倍の危険性というのも妥当性を欠いている。こんなものは経験に基づく推量であって、科学的に正しいとは言えないのです。

私自身はもうプルトニウムの閾値(いきち、しきいち)がどれくらいの量かなどということは議論したいとは思いません。
しかし現在、世界の肺がんの主たる原因は、喫煙、自動車の排ガスが気道を傷つけ、そこに核実験でまきちらされたプルトニウムが沈着しやすくなることであると指摘している方もおられます。真鍋攝氏という内科の医師です。(www14.ocn.ne.jp/~manabe.s 検診と放射線)こちらをごらんになり、さらに研究生活の中で早世された中川保雄氏の『放射線被曝の歴史』を(技術と人間社)をじっくりお読みになれば、ICRPがどれほど原子力産業と
放射線医学とが結託してできている委員会であるのかが納得いかれるでしょう。

日本を核の大国にするための大政翼賛体制が1955年の保保合同からスタートしています。それ以来、日本は裏でプルトニウムをせっせと集め続けてきた。これは戦前の軍国主義の進みかたと共通性がありますね。国民が気付いたときにはすでに手遅れになっているという風なところがです。今わたしが連想するのは、リヒャルト・ワーグナーの楽劇の『ニーベルングの指輪』の最後のように、指輪をめぐった争いの果てに神々が滅び、人間の代の幕が上がるという、そんな景色です。けれどもまだ終わりのはじまりかもしれないし、原子力村一族とともに日本は滅んでしまうのかもしれない。」

編集者Y氏「副島さんはどうですか。」

副島氏「原子力がユダヤ思想の一神教的な技術であるということについてだが、ユダヤ思想は二元論であるということに注目しなければいけない。ユダヤ教も二元論にもとづく一神教である。日本は多神教であるから一神教とは風土が違う、とかいってる人間たちもいるが、論理学でいえばこれは一と多という二項対立なわけだ。

戦後の日本人はユダヤ二元論と無縁ではない、どころかこれに洗脳されている。それも劣悪な二元論によってである。戦後日本の教育の根幹をなしている○×式思考法がまさしくそれだ。ユダヤ人が中核だった、ニューディーラーたちが、日本の天皇制を破壊する目的で導入したものである。
(筆者田中注 以下の文章は「日本人に謝りたい」(あるユダヤ長老の懺悔)という本を紹介したサイトを読んで参考にしました。グーグルでユダヤ思想と検索したらでてきます。モルデカ・イ・モーゼ著 1979年出版、日新報道)
ニューディーラーの親分のフランクリン・ロウズベルトがユダヤ人であったということは、
アメリカの歴史の秘密である。ロックフェラー一族が自分たちがユダヤ人の血を引いているということを隠しているのと同じだ。そしてロウズベルト政府のブレイン・トラストもかなりの数が亡命ユダヤ人だった。今われわれ日本国民を奈落の底に沈めようとしている官僚どもは戦後ニューディラーによって日本に導入された○×式の思考法に長けているだけで、自分が頭がいいとうぬぼれているどうしようもない人間たちである。戦前までの日本の秀才というのは本を読む能力に加えて、さまざまな環境の中で見聞を広めていくという能力も持っていた。

アメリカのニューディーラーたちはそういう日本人の特質を徹底的に破壊する目的を持って、戦後民主教育というものを導入したのである。また戦後の焼け野原に解き放たれた、合法化された共産党の、徳田球一や宮本顕治らはこれまでの日本に「封建的、帝国主義」の汚名を着せ、「民主的、科学的」の名の下に共産主義を吹聴した。これも単純な二元論が党員に吹き込まれた結果だよ。マッカーサーは1945年10月4日に日本政府にすべての政治犯の即時釈放を命令した。三木清が9月26日に獄中で餓死に近い病死をしたことが、GHQの命令につながったとされているが、とんでもない作り話デタラメだ。だいたい終戦直後のドサクサで人間がばたばた死んでいっているのに、マッカーサーが獄中にいる、一学者の死をどうして特別視したりするものか。あらかじめ牢獄のなかで共産党員は、GHQの指示に従って、天皇制を批判罵倒せよと命令されていたのだ。これに従わない本物の反体制の人間は飯も与えられず死んでいったのだ。これは出獄した共産党の指導者は絶対に言えないことだっただろう。そんなことを言ったら、共産党の同志に裏切り者扱いで殴り殺されてしまっただろう。

(以下学問道場「重たい掲示板」1263 副島先生の文章を参考に一部変えさせていただきました。(2009年6/26付)

白土三平(しらとさんぺい)作の「カムイ伝」で、一揆のリーダーの正助が拷問の果てに舌を抜かれたあと出獄する。村に帰ると、村民が正助を取り囲み「なぜお前だけ出てこれたのだ?」とたずねるが、舌を抜かれた正助は口がきけないので、仲間を裏切ったということでリンチされて死ぬ。また一方権力の犬として雇われた「公儀の隠密」も抜け忍は許されない。カムイや赤目のように地獄の底まで追いかけられて消し去られてしまう。広瀬さん、言っていることがよく分かるでしょう。だってあなたはCIAの手先なんだから。情報将校セリッグ・ハリソンを知らないとはいわせないぞ。

30年来あなたはセリッグ・ハリソンという人間から反原発活動についていろいろと指導されてきただろう。CIAは日本の反戦運動や反原発運動も裏で操ってきた。彼は東アジアの国々をアメリカのいいなりにさせるために謀略工作を行う専門の人間だ。ロックフェラーの世界支配から民衆の目をそらし、国内のアメリカのいいなりにならない政治家(ポピュリスト)を葬っていく道具としてあなたみたいなひとに資金や情報を与えて育ててきたのだ。北朝鮮問題もこんなにこじれていているのは、CIAがさかんに尖閣や北朝鮮の問題を都合のいいように捏造したり、潤色したりしてメディアで垂れ流し続けさせているからだ。

あんたの書いた『赤い盾』だってロックフェラー一族が自分の出自に対する劣等感を消し去るために、ロスチャイルドを悪者にしたてあげる目的で書かされたんだろう。 いずれ私がこんなものをはるかに超えるものを書いて、あんたなんかの本がロックフェラー=ナチス=CIAの礼賛のために書かれたことを誰の目にも明らかにしてやるからな。こんな程度のことはアメリカを研究している人間にとっては常識なんだ。日本人がいつまでもお前らにだまされていると思ったら大間違いだぞ。

話しを戻します。ビキニ島の水爆実験と、アイゼンハワー大統領の原子力の平和利用演説。
  日本の 原水禁世界大会と保保合同による原発推進体制の成立。
      スリーマイル島原発事故後の(1979年)アメリカの原発プラントの建設の中止と、日本の原発建設ラッシュ。原発をめぐっては正反対のちぐはぐのものが同時に並んで進んでいっていることがわかります。「放射能のタブー」でも書きましたけどね。
いろいろあるので探してみるといいでしょう。これはユダヤの二元論(両建て思考)ですよ。ニューディーラーに限らず、ロスチャイルド財閥もロックフェラー財閥も、ネオコンンも、現在のグローバリストもこの両建て作戦を使っていると。

戦後教育で育った日本人は善か悪か、安全か危険か、正しいか正しくないかの二択に答えるよう仕込まれてきているから、手もなく世界の権力者に思考が操られてしまうのだ。
『ターミネーターに滅ぼされかかっている、人類の生き残りの戦闘隊を一番上から操っているのはターミネーターだ』ということ、このことの恐ろしさを原発問題でもよく知っておくべきだ。マルクスが言った「すべてを疑え」という言葉をよくかみしめたほうがいい。そしてニーチェのいうように善悪の彼岸に立った本当の大人にならなくてはならない。」     
(架空対談 了)

 執筆者後記  架空対談をお楽しみいただけましたか。自分としては書きたいテーマが今の力では及ばなかったところもいくつもあります。書き出してからやっぱり難しいなと放り出してしまったところとしては、「東電はどうやって裁くのか」「東電のみならず、IAEA      
やGEの製造物責任をどう考えるのか」「ショックドクトリン戦術をしかける略奪資本主義の勢力の戦略を世界規模でとらえることはできるか」「政府は福島原発周辺の土地を国有化しようとしているが、福島県民はこれと対抗しうるのか?」など主に国際経済と法の関連でまだまだわからないことが多かった。これについては、今後少しずつ自分で取り組んでみたい。
 本当のケンカ対談を計画された編集者Yさんのたたき台を半分は無視した形になりました。ご宥恕いただきたい。(Yさんには中沢新一氏の『日本の大転換』を薦めていただきました。ありがとうございます。あとこの原稿も喜んで頂いたので私としては成功だ。)ただ書いてみて自分の書けることと書けないことの区別が自然とあらわれたので、それにしたがって書いていったらこうなりました。副島先生の懐の深さを知ることができた。
私としては感謝してもしきれない。副島先生の「他人がどう思うかを気にせず、自分に向かって書け!」という言葉を肝に銘じていきたいと思う。
見てのとおり、尻切れトンボに終わっているので、この続きをほかの学問道場の会員の有志が書いていただくのは、私としては大歓迎です。(ただし副島氏、広瀬氏の霊魂にとりつかれても、責任は負いません。)
なおこの文章に関する批評、感想をお待ちしております。

次は話題をガラッと変えていきたいと思います。「重たい掲示板」でまたお会いしましょう。
                  田中進二郎 拝