[796]自己紹介と意見

ゲップ 投稿日:2011/11/26 17:15

ゲップです。副島隆彦の学問道場の正会員です。
本来であれば、正しく自分の氏名を名乗らなければいけないのですが、もしそれを名乗ってしまうと、生活にいろいろ支障をきたしかねないため、それを避けています。そのことをご了解いただければ幸いです。
副島隆彦氏の著書については、その全体の80%くらいを読みました。
 一番印象に残っているのは、”属国・日本論”です。同書により日本の無残な現状を知り、大いに驚きました。その次が、”次の超大国は中国だとロックフェラーが決めた”という翻訳本です。この本は、私がマスコミの情報操作により抱かされていた、アメリカに対する幻想をすっかり打ち砕いてくれました。エコノ・グローバリストシリーズも読みましたが、同シリーズによりアメリカの金融戦略のスケールの大きさに目を見張りました。

次に、日頃より考えていたことについて、書きます。

1.一般に、欧州人は執念深いといわれているが・・・
 欧米の政治や歴史の本を読んでいると、ときまたに欧州人は執念深いという意見が書いてあることがあります。しかし、私が確認した限りにおいて、どの著書にも、その著者がその理由について書いたのを読んだことがあったという記憶はなかったと思います。
 そこで、筆者は欧州人の執念深さというのは、どういう起源があってのことなのかについて考察しました。その結果、これは先祖ゆずりの遺伝とか気質ではなく、次のような事情から、欧州人の間で定着していったのではないかと思うようになりました。

欧州では、昔から頻繁に戦争が起きていましたが、戦争起こすたびに戦争に勝つための戦略が立てられていた。そして、戦略を起案しそれを遂行する人は、戦略遂行にかかる資金を出資した人との人間関係から、何としてでも戦略計画を遂行してやるという執念に駆られていた。 
 戦略のどこに、欧州人の執念深さを引き起こしていたのかについて、以下に書く。
 ①戦略起案者が戦略を立てるとき、必ずその目的を立てている。
 ②戦略を遂行するとき、多くの場合資金がいるので、戦略遂行者は資金出資者に頼る。
 ③戦略を遂行する人は、戦略目的を遂行したら、その成果を資金出資者に報告する義務がある。
 ④もし、戦略遂行者が戦略目的を達成することに失敗すると、資金出資者から“さては、ペテ
ン師であったか”と疑われ罰せられるか、“そなたは無能者じゃ”と左遷させられていた。
 だから、戦略起案者・遂行者は、戦略に従って任務を遂行していく過程において、もし戦略目的を遂行するのに邪魔な要因が現れた場合、最初に立てた戦略プランを見直すことで対処していこうと必死になる。これが戦略目的を達成するまで、しつこく繰り返される。そう、敵に殺され、戦略起案者・遂行者の命が尽きるまで、しつこく続く。
 これが、欧州人の執念深さの源泉だったのではないかと思われる。

だから、物事を合理的に考える軍のトップは、多くの場合戦争で打ち負かした敵国兵士を生かしたまま放免することはせず、皆殺しにしていた。中国の歴史を調べると、同じような事例が出てきますね。また、欧州は慢性的な食糧不足にあったので、戦勝国はその事情を考慮し口減らしのために、戦争に勝ったことをこれ幸いとして、敗戦国の兵士を皆殺しにしていたのかもしれません。

戦略に関わる欧米人の姿勢について理解できる著書に、“ハゲタカが嗤った日”浜田和幸 著 というのがあります。長銀を乗っ取り、新生銀行に改変するという戦略を遂行したティモシー・コリンズ氏に対する、アメリカ政界上層部の人たちの応対姿勢に注意しながら読んでいくといいです。

2.自民党は、アメリカに見捨てられたそうだが、その理由について
 副島さんの新著“「金・ドル体制」の終わり”を読みました。読んで、気になったところがありました。以下に、それを書き出します。
同書のP.248のところに、自民党が政権を握っていた時代、自民党は新首相になる人からのご祝儀は自分に賛成票を投じた議員一人当り1億円を配ることが決まっていた。だから首相の座を目指す者は、300億円の資金を作らないといけないと周囲からせき立てられていた。その資金源として東京電力などの電力会社や農協が必要だった。ところがその東電や農協がダメになった。ということは、自民党にはもう政権は戻らない、ということだ。アメリカも見捨てている、といったことが書いてありました。
気になったのは、アメリカも見捨てている、というところです。アメリカは、ホントは自民党を使って郵政改革を行わせ、郵便の簡保資金を略奪しようとして失敗したから、自民党を見捨てたんじゃないでしょうか。
どうしてそういえるのか、その理由を書きます。
①小泉政権時代以降、簡保資金がどうなったかのニュースは聞いたことがないように思う。
②自民党議員は、未だに郵政改革の見直しについて反対の声明を出している。(もし、簡保資金を略奪済みであれば、自民党からそういう声は、もう聞こえてこないはずだが・・・)
このことから、もしかするとアメリカの簡保資金の略奪作戦は失敗していたのではないかとい
う推測をしました。

3.フランス革命を起こした、当時の資本階級の人たちの視点
 モンテスキュー著“法の精神 中巻” 岩波文庫 P.204のところに 第4章 種々の政体における商業について というくだりがあります。このところを読むと、フランス革命を起こした当時の資本階級の人たちの考えていたことがよく分かると思います。

4.第二次世界大戦時、米軍の空襲により日本本土が焦土化された理由
 米軍が、日本本土を空襲した理由として、これまでに
 ①敵国だから
 ②人種差別があってのことか
 ③日中戦争時、日本の戦闘機が中国の重慶を無差別爆撃をしたから、その報復として
という理由が挙げられています。
 筆者は、それ以外に、戦前の日本は満州国を建国し、そこに人口増加により食糧不足の事態を招いていた、日本本土の日本人に満州は王道楽土だと言いくるめ、移住させていたことも、日本本土空襲の遠因として挙げることができると考えています。
 要するに、米軍が日本の食糧不足の事情を見て、”口減らしのために、余分な日本人を殺戮してやった”というわけです。