[728]福島県南相馬市の近況

西槙 投稿日:2011/09/25 20:56

福島県の南相馬市在住の西槙です。

緊急時避難区域となっている、南相馬の近況をお伝えします。
こちらは日差しも和らぎ、大分涼しくなってきました。

現在、市内の話題は、「除染処理の進め方」が中心となっています。
既に、役所や市民により、高圧洗浄機などによる、学校や公園など、公共施設の除染は行われています。

近所の公園の除染の様子。
http://goo.gl/GTBqV(9月11日)
こうなりました。 http://goo.gl/vBFqY(9月24日)
自治体レベルでは、コストのかからない土の上下入れ替え式で除染が進められています。

9月3日には、東大の児玉龍彦博士らによる「放射能と除染に関するシンポジウム」が開催され、私も行ってきました。
http://goo.gl/TizLd
Youtubeに上がっていた動画⇒http://youtu.be/3TvT1j3DuI4

児玉博士は、始めに内部被爆の恐ろしさについて、
「熱い炭に手をかざす(外部被爆)のと、それを口に入れる(内部被爆)の違い」という表現で煽っていました。
放射性セシウム137の人体への影響についても、
「セシウム137が尿中に6ベクレル/Lとなる土壌汚染地区に住み続けると、膀胱がんになる可能性が増す」と説明していました。しかし、南相馬や福島第一原発周辺の汚染度に、それが当てはまるあるのか?への言及がなく、よく分りませんでした。

この日の中心テーマである、土壌の除染方法については、
「市内70平方kmの地表面を削り、ドラム缶のようなタンクに入れ、海岸に巨大な貯蔵施設にを建設し貯蔵する」といった案を説明していました。
この施設は、概算で六ヶ所村にある貯蔵設備の5倍ほどの規模になる見込みだそうで、とてつもないモノになりそうです。聞いていて馬鹿らしくなりました。

どの程度の汚染度まで、民間の居住地の本格的な除染が必要かの線引きは、これからの市民をまじえた学者や役所との話し合いで決まるので、この決定により、除染作業の規模が大きく変わってきます。

その他、除染と並行で、市の復興案も進められています。
大まかなプランは、東京の大手コンサル会社(南相馬では、当初、大和総研と進めてましたが、市長とソリが合わず日本総研に変更となったとか。一線級の社員は、被災規模の大きい、宮城や岩手に配属されているらしい。)が市から依頼を受け、進めているようです。

復興プランの内容は、住居の高台への移動、更地になった海端へのクリーンエネルギー発電所の建設、といった基本骨子、これは隣の相馬市も同じで、それに各市町村毎の地域の特色や市民の要望が付け加えられるといった感じです。
http://www.city.minamisoma.lg.jp/shinsai2/zigyouzireinokenkyu.jsp

また、双葉郡の8町村では、今後、原発交付金がなくなるのを見越し、合併話が進んでいます。
放射能ガレキの中間貯蔵施設の建設場所は、新聞によると、
原発立地地域の大熊町にある産廃処理施設(クリーンセンターふたば。第一原発の南西にある)になるだろうと出ていました。

以下町の様子です。

http://goo.gl/KWDrP
休耕となった田んぼには、雑草が生い茂り、セイタカアワダチソウなどが生い茂っています。

http://goo.gl/T98FT
http://goo.gl/8kFff
http://goo.gl/22iNH
海岸の津波被災地では、瓦礫が素材ごとに洗浄され、分別され、積み上げられています。
更地となった場所には、ススキなどが生い茂っています。
木材はバイオ燃料として再利用すると復興案には書いてありました。

東北電力の火力発電所(1,2号機)の復旧も少しずつですが、進んでいます。
1,2号機が修復された後、太陽光発電所が新設されるらしいです。(ただし、この計画は2010年度からありました。)
http://goo.gl/aHQQG(7月17日)
http://goo.gl/5xHdv(8月27日)

他に、お盆には、除染と休耕地の有効利用を兼ねて植えられたひまわりが咲いていました。
http://goo.gl/GKa20
http://goo.gl/s7AAB

以下の動画は、最近Youtubeにアップされた、相馬市原釜卸売市場の津波被災時のものです。
津波はじわじわとゆっくり迫ってくるようですが、10分間で状況が一気に変わります。
大きな地震の後は、海から遠くの高台に一気に逃げるのが一番です。
http://youtu.be/S0K8xpCzO7s

以上