[705]たかじんの武田先生の発言について

本多俊一 投稿日:2011/09/09 21:21

会員の掲示板に掲載しようかと考えて、文章をつくりましたが、重掲に同じ内容がでていたものですから、追加で発言をいたします。

 今回の問題の動画、及び苦情の岩手県一関市長のメール内容、そして、中部大学教授 武田邦彦氏の返事の内容がわかるブログがあります。また、9月4日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」の動画も参照できます。

「晴 天 と ら 日 和」さんのブログ
http://blog.livedoor.jp/hanatora53bann/archives/51942172.html

 動画では、最初の質問に対して、武田教授は、
(ブログから引用開始)
9月4日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」で東北の野菜とか牛肉を食べたら僕らはどうなるの?(小4男子)という質問に対して、「もちろん健康を害しますから出来るだけ捨ててもらいたい。それは決まってます 仕方がないです。ええ。今生産するのが間違ってる 綺麗になってから生産しないと畑に青酸カリが撒かれたと青酸カリをのけてから植えて下さい これは順序。仕方ないですよ。ね。撒かれたのは撒かれたこんなことはいくら言っても仕方がない。 もう、そんな事をぐずぐず言わない方がいい。」
(引用終了)
と発言しています。

 ところが、岩手県一関市長宛てのメールでは、LD50という確率的致死率をだしてきています。

(引用開始)
1. 「畑に青酸カリがまかれた」について

テレビで発言するにあたり、できるだけわかりやすく、しかも科学的に間違いの無いように配慮しました。放射性セシウム137の{成人、経口}での50%致死量は0.1ミリグラム程度です。これに対して青酸カリは{成人、経口}で50%致死量が200ミリグラム程度ですから、青酸カリの方が約2000倍ほど毒性が低いという関係にあります。

「放射性物質は目に見えない」と言われますが、科学的には「あまりに毒性が強いので、目に見えないほど微量でも死に至るもの」と言えます。従って、青酸カリは一般的に猛毒であることが知られており、かつ単離しうる化合物であることから青酸カリを例に出しました。

つまり、放射性セシウムの方が青酸カリより約2000倍の猛毒であり、それが一般的に知られていないので驚いた方もおられると思いますが、このようなことこそ政府などが国民に知らせ、除染しないまま作物を生産するのに慎重にならないいけないと思います。
(引用終了)

 武田先生は、LD50の単位を正確に表記しておりません。たしか、副島先生との対談でも、副島先生は、単位表記の正確性を指摘していたと記憶しておりますが。セシウム137のLD50(LD50:Lethal dose 50%,半数致死量、 このLD50というのは、その量を与えると対象とした動物の半数が死んでしまうと予想される値だそうです。例えば、LD50が10mg/kgという化合物があった場合、それは体重1kgあたり10mgの投与で半数が死ぬことを表しています。)は、武田先生が,0.1mg/kgと市長に報告しています。(本当かどうかは確認できていません。)

 また、青酸カリについては、(LD50は)「成人、経口}で50%致死量が200ミリグラム程度」と述べています。やはり、単位が正確ではありません。200mg/kgというのが正確だと思うのです。

 さて、ここに一冊の本があります。
「へんな毒すごい毒 こっそり打ち明ける毒学入門」(田中真知著、株式会社技術評論社発行、平成18年10月初版)です。

 ようするに、薬と毒は表裏一体なんです。

(引用開始)
中部大学教授 武田邦彦様

あなたが、9月4日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」に出演中、一関市の名前を出しながら、今生産するのが間違っているとか、畑に青酸カリが撒かれた、青酸カリをのけてから植えてくれ、東北の野菜とか牛肉を食べたら健康を壊す、などと発言したことに対して、地元自治体の首長として強く抗議します。

あなたは、発言を取り消すつもりはないとも語っていましたが、本当に取り消す考えはないんですか。それを確認の上、今後の対応を考えていきます。    岩手県一関市長 勝部 修

岩手県一関市 勝部 修市長殿

メールでお問い合わせをいただいた件、内容ごとにご返事を差し上げます。

1. 「畑に青酸カリがまかれた」について

テレビで発言するにあたり、できるだけわかりやすく、しかも科学的に間違いの無いように配慮しました。放射性セシウム137の{成人、経口}での50%致死量は0.1ミリグラム程度です。これに対して青酸カリは{成人、経口}で50%致死量が200ミリグラム程度ですから、青酸カリの方が約2000倍ほど毒性が低いという関係にあります。

「放射性物質は目に見えない」と言われますが、科学的には「あまりに毒性が強いので、目に見えないほど微量でも死に至るもの」と言えます。従って、青酸カリは一般的に猛毒であることが知られており、かつ単離しうる化合物であることから青酸カリを例に出しました。

つまり、放射性セシウムの方が青酸カリより約2000倍の猛毒であり、それが一般的に知られていないので驚いた方もおられると思いますが、このようなことこそ政府などが国民に知らせ、除染しないまま作物を生産するのに慎重にならないいけないと思います。
(引用終了)

読書感想文を見つけたので、リンクします。
「へんな毒すごい毒」
http://ameblo.jp/sakae2/entry-10021397252.html

 この本の著者である田中真知氏によると、青酸カリのLD50は、7.0mg/kgとしていますので、武田教授の200mg/kgとは、格段に相違しています。

そして、肝心なのは、武田先生が言論の自由を訴えた点が腑に落ちないのです。私達国民が権力者でないのですから、それは、場違いに当たるのではないか、敷いては、権力の笠の下に入りこもうとしているのか、わかりません。(長文、失礼しました。)