[575]ついに 山下俊一長崎大教授・放射線医学への 解任要求 という 攻撃が公然と掛かってきました。私たちは山下教授と共に闘い抜きます。

副島隆彦 投稿日:2011/06/15 07:06

副島隆彦です。 以下の記事は、J-CAST (ジェイキャスト)ニュースという、独立系のネット通信社が 発信しているものです。 一般紙が、どのように報道しているか、分かりません。

 私は、このJ-CASTニュース も 偏向している団体だと思っています。以下の記事の中で、 山下俊一教授(やましたしゅんいち。福島県の放射線健康リスクアドヴァイザー)への解任要求をした、と書かれている

 「 FoE Japanやグリーンピース・ジャパンなどの環境NGO 」というアメリカの息のかかった、おかしな 日本国民扇動(せんどう)のための、団体のひとつだということだ。 ついに お前たちの正体を顕(あら)わしたな、と私は考えます。 これらの 環境NGO(エヌ・ジー・オウ 非営利、非政府の公共利害の追求団体)が、実は、アメリカの巨大石油会社である、エクソン・モービルからの資金援助で動いて、たとえば、日本の捕鯨活動(調査捕鯨というやや品のないやり方での捕鯨)への激しい実力行動などで知られる。

 まず、この J-CASTの記事の書き方の中で、山下教授の5月3日の二本松市での発言からの 引用で、「100ミリシーベルトで、5人くらいがんのリスクが上がることが、長年の調査結果で分かっている・・・」と書いている。

 しかし、この「100ミリシーベルト」が、24時間×365日=8760 という、一時間当たり(パー・アワー)の 放射線量の、大雑把で、実にいい加減な、バカげた、8760倍という単純積算による 一年間の年間被曝総量であることを書いていない。 

 少なくとも、「年間総量(パー・イヤー per year )の100ミリシーベルト」のごく微量(びりょう)であることを、常に書かなければならない。 原発の現場の作業員たちの積算計による 放射線総量の250ミリシーベルトなどとは、比較にならないぐらいの 超微量(ちょうびりょう)である。 この厳格な事実の、国民的な議論を抜きにして、現在の、「放射能こわい、こわい」派の 扇動言論のすべて が行われている。

 そのうえで、「100ミリシーベルトで5人くらいのがんのリスク」というのは、「一万人で5人」のがんが、5年後、10年後に、その放射線事故による放射線の影響で生じる 確率論的なリスクが、「200ミリシーベルト年間総量(こっちは厳格な積算での)」で 出現する、という 放射線医学上の 放射線医学者たちによる、世界的に認められている(当然、日本の放射線医学者たちの圧倒的に認めている)科学的な事実(サイエンティフィック・ファクト scientific fact )である。

 10000人(一万人)で5人ということは、1000人で0.5人だから、2000人に1人ということだ。しかもこれは、200ミリシーベルト年間総量の放射線被ばくの場合の症例だ。 がん患者の発病は、若い人も含まれるが、ほとんどのがん患者は、老人だから、2000人にひとりが、5年後、10年後に出る、という事実を、私たち 日本国民が、「どうやって、事故を起こした放射能のせいで、その老人ががんになったと証明できるのか」という健全な疑問を持つべきだ。

 放射能は、天然痘やこれらのような病原菌ではない。 放射能(レイディオウ・アクテヴェイティ radio activity )あるいは放射性物質(レイディエイション、radiation )というのは、最終的には熱量(ねつりょう、ジュールという単位で測定する)である。 ばっ と 核爆発(=再臨界)の放射線の光を浴びたり、高熱の爆風を浴びれば、5から6シーベルトを瞬間で浴びたら、200日ぐらいで死亡する。 

 しかし、それに対して、放射性物質のガス(気体状)や酸化物などの 微小の塵(ちり)のようなものをが降って、それが、地上に1000ミリシーベルト(=1シーベルト)の単純積算の年間総量ぐらいのちっぽけな量を浴びても、人間は、赤ちゃんを含めて、元気のままだ。全く問題はない。
 呼吸や、食物で、体内に取り込んでも、すべて体外排出される。

 ばっと核爆発の光を浴びたり熱風を浴びなければ、人間は、みな、微量の放射能などでは全く被害はない。85歳まで元気で生きて行ける。遺伝子を壊されることと、小腸(消化器官の造血機能)を毀損しなければ、みな、大丈夫だ。 爆風や光を核爆発で浴びなければ人間は、なんともない。

 現に、爆心の5キロ圏の外の、広島、長崎の被爆者たちは、被爆者手帳を握りしめたまま85歳までみんな元気で生きている。

 がん患者で、放射線治療を受けたことのある人なら、その周囲の人も含めて、すべて知っている事実がある。それは、一回当たりの 照射される放射線は、なんと 2シーベルト毎時(パーアワー)である。それを、2か月ぐらいで、合計60シーベルトぐらい浴びるのだ。それでがんの治療をしている。 

 なぜ、 福島の現地で、10キロ圏でも、たったの 5から10マイクロシーベルト毎時(一時間当たり、パー・アワー 5~10μSv/hour )ぐらいの超微量に、バカげた、単純積算の、 冒頭で書いた、8760倍をかけて、それで、10×8760= 87.6ミリシーベルト年間総量(パー・イヤー) だ、と言って、「高濃度(こうのうど)だ」と、騒ぐのか。

 この「放射能こわい、こわい派の、低能の、集団ヒステリーを扇動する者たち」との、闘いを、私たち学問道場は、徹底的にやります。

 頑強に学問的真実を掲げて、ひとりで誠実に闘い続ける山下俊一教授を、私たちは、強く強く応援します。山下教授を守りぬこうとする福島県人たちとともに、私たちは、この 現下(げんか)の焦眉(しょうび)の、国論を二分する言論戦 を、闘い抜かなければならないと思います。  

副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

 「「福島原発のリスクを軽視している」 「安全説」山下教授に解任要求署名 」

J-CASTニュース 2011年6月14日(火) 20時22分 配信

 福島第1原発から放射性物質が放出されて続けている問題で、一貫して「安全・安心説」を唱えていると受け止められている識者が、福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの山下俊一・長崎大学教授だ。

 1年間に許容される被曝量として「20ミリシーベルト」という数字が議論になるなか、山下氏は「100ミリシーベルト以下のリスクは分からない」との立場を崩していない。これが「リスクを軽視している」と批判を浴びており、NGOは、解任を呼びかける署名活動を始めている。

 山下氏は、長崎市生まれの被曝二世。1991年から約20年間にわたって、チェルノブイリやセミパラチンスクでの被曝者治療に携わっている。05年から2年間は、世界保健機関(WHO)のジュネーブ本部で放射線プログラム専門科学官を務めている。福島県の放射線リスク管理アドバイザーには3月19日に就任し、県内の講演会で「放射能を『正しく恐れる』ことが大事」などと説いている。

■「年間100ミリシーベルト」の評価

 山下氏に対して解任要求をしているのは、FoE Japanやグリーンピース・ジャパンなどの環境NGO。6月10日に菅首相や佐藤雄平福島県知事に宛てた要請文の中で、(1)特に放射線量が高い地域において、避難・疎開・夏休みの前倒しを促進すること(2)子どもを含む県民の内部被ばく検査の実施、など4項目を要求。そのなかの一つに、山下氏の解任が入っている。要請文では、

  「低線量被ばくのリスクを軽視し、『100ミリシーベルトまでは、妊婦も含めて安全』との言動を福島県内で繰り返しています」

と山下氏を批判。署名活動を7月6日まで展開するという。

 山下氏の発言で主に批判が集中しているのは、「100ミリシーベルト」の評価と、住民を避難させる範囲についてだ。

 例えば、5月3日に、福島第1原発から50キロ以上離れた福島県二本松市で行われた講演会では、山下氏は

  「100ミリシーベルトで、5人くらいがんのリスクが上がることが、長年の調査結果で分かっている。100ミリシーベルト以下は分からない。明らかな発がんリスクは観察されていないし、これからも、それを証明することは非常に困難」

と発言。

 「二本松は危険だから逃げろ」という声があることについては、

  「とんでもないこと」

と反論。

  「皆さん、現実、ここに住んでいるし、住み続けなければならない。広島、長崎もそうだったし、チェルノブイリもそういう状況。そういう中で、明らかな病気は、事故直後のヨウ素による子どもの甲状腺がんのみ。このような現実をもって話している。国の指針が出た段階では、国の指針に従うのが国民の義務だと思うので、そのような内容でしか答えられない」

と発言し、「国の指針に従うのが国民の義務」という発言が、さらに地域住民の反感を読んだ模様だ。

■「30キロ圏外でも必要ならば避難させなきゃだめ」

 その後も、山下氏は「100ミリシーベルト以下のリスクは確認出来ていない」との立場を崩しておらず、5月24日発売の「週刊朝日増刊 朝日ジャーナル 原発と人間」の中では、

  「1回、100ミリシーベルト浴びると、例えば細胞に傷が100個できます。1ミリシーベルト受けると細胞に傷が1個できます。100個の傷にはときどきエラーが起きますが、1個の傷は体がすぐ治します。遺伝子は傷がついても治るという生物学的な生命現象が大前提としてあるので、僕は、微量の被曝には過敏になるな、と言っているんです」

と主張。「潮」11年6月号では、

  「原発の放射性物質によってがんにかかりうるといっても、がんは日本人の3人に1人がかかる病気だ。確率論的に誰にでも起こりうる病気なのに、『放射線のせいでがんにかかる』と心配して生活を台無しにしても仕方がない」

とも述べている。

 ただし、住民を避難させる範囲については、前出の朝日ジャーナルの中で

  「僕は飯舘や浪江、川俣の一部の数値が高いのを見て、自主避難ではだめだ、きちんと命令してあげないといけないと言ってきたんです。国に対しても、30キロ圏外でも必要ならば避難させなきゃだめだとも言ってきました」

と述べており、講演会での発言との整合性を問われる可能性もある。

 6月13日に行われた福島県議会の特別委員会でも、山下氏のアドバイザー解任を求める声があがっており、今後も波紋は広がりそうだ。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝