[259]被災地からの通信
私は、過去に原発関連のソフトウェアの開発に従事しておりました。ある大手企業の科学技術関係の部署でした。
副島先生のこの掲示板の5つの発言をみまして、私なりにメールで発信をしてきました。今回、私の元上司の方からメールで災害や安否情報を問い合わせがあり、それに答えました。その一部始終を、恥ずかしながら公開します。ちなみに、私は、福島県いわき市小名浜に在住しております。
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XX様
メールありがとうございました。
こちらの3月11日(金曜日)の震度は、6強だったのですが、建物か古いわりに、昭和35年に大工に100万円でたててもらったので、頑丈でした。
でも、被害は、次のとおりです。親族にメールした内容を引用します。
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1Fの3帖の和タンスが倒れ、8帖の父ちゃんのところでは、ショケースが少し傾き、縁側の正路の戸が2枚、動かなくなりました。
2Fの通路にある本棚が倒れ、私の書籍の棚も倒れ、TVも倒れ、たくらいです。
事務所では、玄関のすぐ右手の書籍が散乱し、物置ではものが落ちた程度です。
現在、断水中。ヨークベニマルで飲み物と、ミネラルウォーターが売り切れなので、氷2袋購入済。
近所では、西側2軒目の橋下さんの瓦が落ち、東側1軒目の吉田さん宅ではテレビが倒れて壊れ、2Fのタンス等が倒れて散乱とか。
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やっと、本日(3/16)、お昼前、断水が解消されました。これで、毎朝の上水道の確保に追われなくて安心しております。
また、津波の被害については、小名浜港も甚大な被害をうけまして(自転車でデジカメで写真をとりました)、その波は、銀座通りという小名浜の中心街を東西に走る道路にも達しました。 私の家は、その通りから北に約500mくらいでしたので、津波の影響は、ありませんでした。
XXさんもご存じでしょうが、私のFj生活は、主に科学技術関係のシステム開発を担当してきていました。その中で、動燃は、結構長くやりました。たしか、K課長(当時は主任)の下でしたが。その中で、「画像解析システム」(燃料のペレットの画像から損傷程度を解析するもの)、放射線モニタリングシステムの開発(ミニコンを使用した24H監視システム)、「もんじゅ文書管理システムの基本設計」をしてきました。そのなかで、放射線モニタリングシステムの時には、Fjから放射線管理の講習会に参加させてもらいました。たしか、3日間だと思うのですが。 そのときの知識が、いま、いきております。(でも、ほとんど忘れていますが・・・笑)
私の兄、弟、やFj時代の同寮、そして私の後輩等に、今回の原発に関するメールを発信しておりました。
一昨日に、「いまの福島は、世界で一番危険な箇所」として発信したメールの一部を引用します。
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怒っています。 日本国政府の説明は、ごまかしているし隠している!!。
いまの福島は、世界で一番危険な箇所になっています。
「福島原発のメルトダウン、水蒸気爆発か、再臨界か」
そのため、沢山の方にメールでお送りするために、BCCという方式で送信したいと思っております。
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そして、昨日は、後継となる若い人達を守るために、「福島から逃げて! 若い人達(最後通牒)」として、副島隆彦先生の「重たい気持ちで書く掲示板」から先生の5つの発言を参考にして、発信しました。少し、長いですが、引用します。
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福島から逃げて! 若い人達(最後通牒)
ところで、私は、若い人達(30歳以下)が、生き延びて、子孫を残し、日本民族として隆盛を保ってほしいと思います。ですから、福島から離れて、関西以南で活躍してほしいと思います。福島は、これから「極東のチェルノブイリ」になります。いまだにチェルノブイリ事故により、コンクリートで炉心を固めたのに、コンクリートのほうがボロボロになりました。100年以上、こういうことをやらないといけないでしょう。
(中略)
真実は、ポロリポロリと顔をだしますね。
計画停電(戦時でしたら灯火管制)といっておりますが、私達が計画しているわけではなく、押しつけられるので、「強制停電」でしょう。
しかし、福島原発が全部止まっても、首都圏は電力では困りませんでした。たしか、2003年でしょうか。あの東京電力の検査データ捏造事件で、当時の佐藤栄佐久知事に痛めつけられた東電は、福島の原発を全て停止したわけです。でも、強制停電をしませんでした。
それは、火力と水力、あらゆる発電を駆使して停電を守った実績がデータ捏造で発覚していたのです。
では、今回は、火力発電も少しダメージを受けたようですね。水力発電は、本気で発電をしているのでしょうか。
こんな意見もあります。
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先週末から線量計を入手しようと奔走しています。ここは原発から100kmです。 週明け、各販売店が一斉に在庫なしの表示を出した理由が、わかりました。 政府がメーカーに、出荷停止命令を出したのです。個人、組織問わず、出荷させない通達のようです。
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どうです、いまの行政=悪代官なら、やりそうなことです。いまだに福島原発に事務官や政務官、大臣がいきません。
強制停電に隠れて、天皇陛下を京都にこっそりと避難するということをやります。
いまの若い人達が、天皇と同じくらい大事な人達です。日本民族の継続をしてくれる人達ですから。ですから、そうですね、1週間~10日くらい、福島から離れて、西の方、京都以西に避難させたいものです。
そのくらいの時間で、福島原発の結論がでると思うのです。
(中略)
私は、今年、56歳。数えで83歳の両親をおいて西に逃げるわけにはいかないので、30歳以下の人達は自由に動いてくださいませ。強制停電も意図的な感じをうけます。 多分、放射能の半減期(そうとう長い)は、福島の地、観光、農水産物はダメでしょう。明日に掛けて雨です。
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このメールを受信した、兵庫県のFj社員(私よりたしか1年先輩)は、次のように返信してきました。引用します。
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> さかえさんも早く逃げてといいたいところですが、両親を抱えて逃げるのは大変難しいと思います。しかし被爆してから政府に訴えたとえ保証金をもらっても体は元に戻らない。
> 出来たらさかえさんも福島から離れてほしい。
> さかえさんの家は原発からの距離は幾らなんですか?
> もう最悪の事態です。
> 日本沈没も小説でなくなりました。
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このメールに対して、さきほど、次のように返信しました。引用します。
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XXXさん、メールありがとうございます。
XXXさん、被爆の保証金は、法的な方法でない手続きて頂いております。
(個人事業者として、ここのところ赤字申告継続中)
私も離れたいが、両親をおいてはいけないと思っております。
父は、平成9年に胃ガンで胃を全部摘出しているし、母は、一昨年の9月、大腸ガンの末期で余命半年から一年と宣告されていますが、もう、1年半も長生きしています。認知症がちょっとひどくなってきています。
私の家は、原発からの距離は、計ったことがないのですが、30kmでいわき市北部(大久町、久之浜町、四倉町の一部)ですから、約45km前後でしょうか。でも、私が意識しているのは、風向です。今日は、午前中、北西の風、午後は西にかわりました。この午前の時間、近くのスーパーで3時間半も並びました。
午後の県内ニュースをTVでみたら、福島県知事がア管総理に、「緊急要望書」をだしたと報道しておりました。その内容は、外出自粛以外(30km以上離れている地区)への物流が滞っている として、2つの具体的事例を開けていました。
1.福島市へのガソリンスタンドに向かったタンク車が、途中で引き返した。
2.ほとんど影響がない、いわき市への物流は、茨城県日立市(いわきから自動車で1時間半の距離)で止まって、誰(民間)も輸送してくれない。
よって、市内の大手スーパー(ヨークベニマル)は、今日で3日閉店です。地元スーパーのマルトは、頑張っていますが、今日は、14時で商品がなくなり閉店です。
「日本沈没」(小松左京氏)は、読みましたし、映画もみました。でも、現在は沈没するわけではありません。物理的に土地や汚染された原発が残るのです。
そして、どんな最悪の事態になっても、それを乗り越えられる英知を人類はもっています。私の代は、終わりかもしれませんが、若い人達が、生き残り、今回のことを教訓にして、原発政策を見直して、新しいエネルギーの開発をしてほしいものです。
(追伸)今日17;00でのいわき市平の放射能は、約1.9ミリシーベルト/H でした。
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私は、まだあきらめません。今年は、「週刊現代」のパズルに当選し、5000円頂き、年賀状ではだしていないものが、2等に当たったり(商品はホテル利用券をもらいました。弟の要望をうけて。そして、弟にあげました。)していますから。そして、totoBIGの6億円が当たるまでは、しぶとく生きていきます。(でも、なぜ、涙がでてくるのだろう)
明日は、また、笑顔で両親に「おはよう」と言わないと。
長文、失礼いたしました。
> さかえさま
>
> 東北、関東大地震、未曾有の災害が日本を襲いました。
> 心配しています。大丈夫だと良いのですが・・・
> 人災ともいうべき福島第一原発の緊急事態・・・
> その昔、貴君からの啓発でいろいろ読んだ本のことが
> 思い出されました。
> Lプロジェクトもたいへんでしたが、今回の人のそして
> 自分の命に直接影響するプロジェクトに関わる、現場の
> かたがたのたいへんさ、想像に余りあるものです。
> 事態が少しでも良くなるよう、お祈りしています。
>
> XX