[26]国民の政治

近江太郎(おうみ たろう) 投稿日:2010/06/25 00:57

滋賀県在住の60歳の会員です。副島先生の本は20数冊読んでおります。

印象に深く残っている2冊は「属国・日本論」と「人類の月面着陸はなかったろう論」です。この2冊を読んでからなんでもかなり疑い深く考えるようになった気がします。

過日30年ぶりに宇治の平等院を訪れた時のことです。平等院を見ての帰り道、宇治川の中之島にかかる橋を渡り、対岸の堤を川沿いに散策していて見つけた喫茶店に入りました。
隣のテーブルには90歳近くの高齢の女性と付き添いの女性が、宇治川の豊かな水の流れを見ながらお茶を飲んでいました。
私と会釈を交わしたのがきっかけで、その方たちと会話がはずみ、平等院の話をしている時、平等院の近くに花やしきという大きな料亭があり、そこが山宣(やません=山本宣治 1889~1929)の生家なのですよ と教えてくれました。

ところが、不勉強の私は山宣の名前も初めて聞く名前であり、どういう人なのかも全く知りません。(山本宣治は京都府選出の国会議員であり、1929年治安維持法の反対演説を唯一人国会で行い、その後テロリストにより刺殺された政治家であるということをその後知る事となりました。)

その二人の方はそれはそれは丁寧に山宣のことを教えて下さり、まるで身内の敬愛する人を紹介するようにお話しになったのが、大変印象に残りました。
お二人は親子であることも話しているうちに分かりましたが、娘さんのほうは生前の山宣を知っている年齢ではないので、お母様から伝え聞いた山宣の話からの影響により、郷土の立派な政治家として敬う気持ちを持たれているのだなと思い、また、本物の政治家とはこのように世代を超えて愛されていくものだなと感銘を受けました。

貧しい小作農を守るために生物学者になる道を諦め政治家に転じ、特高警察の弾圧にも負けず、治安維持法反対の最前列に立った民衆政治家山本宣冶は1929年にテロに斃れました。

さて、2010年の日本です。参議院選挙が始まりました。
私たち国民は国民を守るために行動する本物の政治家と自分の利益のためなら、魂さえ悪魔に売ってしまう政治屋を厳しく見分けなければなりません。
そして、自分の周りにいる人で、政治に余り関心のない人に対して、優しく根気強く日本の政治状況を話合っていくという行動を実践したいと思います。

50年後100年後にも国民から愛されるような本物の国民政治家をあまたの国会議員の中から、厳しい目利きの目をもって選別しなければなりません。

さらに今、そのような立派な国民政治家の命を真面目な国民である私たちが守らなければならない時が来ているのかもしれません。