『ゼイリブ』
李漢栄さんへ
無産階級の会員番号4655番、佐藤裕一です。
小沢一郎氏の後援組織・陸山会に入会してご寄付なさったそうで、個人献金というものは本当にありがたくて、尊い行為なのだということを、あらためて痛感致しました。Upper middle class(アッパー・ミドル・クラス)、上層中産階級の意思力、決意というものを、まざまざと示されました。独立開業医というのは、どうしても中産階級ですね。
ルンペンプロレタリアートを代表して、李漢栄さんを称揚致します。
本当は政治的には、デモクラシー国家において、ある社会階級の代表というのは、その勢力から選ばれる代表者である政治家だけを指すのであって、勝手に個人が典型例だから代表だなどと名乗っても政治的意味はなさないのですけれども、何故か左翼団体やら圧力団体やらロビー団体やら正体不明の胡散臭い右翼市民団体やらの、単なる肩書きとしての代表ごときを、社会の代表だと思い込む風潮の害悪著しいことこの上ありません。新聞テレビが代表だなどという増長、思い上がりは今に始まったことではないのですが、最近は検察審査会なる謎の密室組織が国民の代表なのだといいます。いい加減にしてほしいものです。
まぁしかし、こういう掲示板の公開私信では余興として許されることでしょう、ルンペン代表として意見を縷々述べます。一員と言うべきですが、代表の方が意見を言った気になります。外国に洋行していった先で、勝手に国家の代表ではないけれども、自分が社会の代表だなどといってみても、観察対象の個体として丁重に扱われることでしょうけれども。
政治だけでなく、あらゆる運動や活動において、自分の命を張り危険を背負いながら動いている人は別格で誠に尊いけれども、やはり税金ではなく私有財産から、身銭を切って実際に金を出している人が、一番偉い。次の二番目に偉いのは危険性はさほどでなくとも、自分の人生時間と労力を消費して、体を使って実際に活動する人。自発的なデモ活動参加者など(労組や右翼、宗教団体などのように、半強制的に動員されているとランク落ち)。そして三番目にやっと、後ろから声をあげたり、文章を発表する人。
現在日本の言論人や出版関係、新聞記者、テレビの業界報道電波人間なんて、命張ってる人なんてほとんどいないから、ここから下に墜ちることはあっても、上にあがることはないわけですね。今やすっかりネット時代になってしまって、四番目だった声無き大衆なんてものがどんどんなくなってくると(しかし落伍者や脱落者が続出しているが)、境目が曖昧になってくるので、本来は三番目を牛耳っていたマスコミ・メディアと、簡単に意見を発信出来るようになってしまった一般大衆が、あちこちでぶつかることになります。
先生が仰るとおりで、労働者階級の貧乏人・平民・一般大衆は声はあげるし、署名も投票もするけれども、お金は出しませんし、出せません。貧乏人の唯一の武器は圧倒的な数の多さですが、なかなか団結出来ないことは、大衆運動分裂の歴史が教えてくれます。
私の場合はもちろん三番目で、今の時代らしくネットに文章を書き込んで何かしら主張はするけれども、やっぱり臆病者なので危険性を回避しようとします。所詮他の言論人や物書きどもも三番目だから、別にいいじゃん、てなもんです。危険もなく、真実も言わなくなったんなら、プロとアマの境なんて、有名と無名、生計を立てられるかどうか(これもだいぶ怪しくなってきた。経済の有り方が変化してきているからだ)くらいでしょう。阿修羅掲示板の住人の方がよっぽど真実を暴き立てます。
私も無産階級とはいえ同時に読書人階級の端くれでもありますから、とは言っても菊地研一郎さんには足下にも及ぶべくもなく、自信が揺らぎますが;。なにぶん遅読なもので、どうしても……(汗)。最近、菊地御殿が整理された模様で、その前に伺っておきたかった。私も世川行介さんばりに放浪しようかな。。。でもすぐ冬だしなぁ。というか世川さんって本当に放浪しているのでしょうか。サイト運営と投稿しながら放浪ってすごいなぁ。放浪作家というものが成立するのは本人の実力もさることながら、社会と文化の力でもありますよね。
あと、一億総中流というのは単なる国民の意識であり志向、指標のようなものなので、終身雇用制度と同じで崩壊も何もなくて、元々が幻想であり、そんなものはなかっただけのことでありますが、それでも本当の中流階級・中産階級(日本語では別段、用語として区別されない)が崩壊していっているのは間違いないのでしょう。
日本の場合は貴族(公家含め旧華族)というものが全然尊敬されなくなりましたが、貴族でなくとも中産階級こそは社会の花形であります。俳優や女優が花形かといえば、含め芸能人なんてのはそれ自体がバクチ打ちの、目立つあだ花というに過ぎません。ヤクザ稼業の一種ですね。中産階級が没落する、没落させられる国家は没落国家であり、衰退国家です。逆に中産階級が成長し勃興していく国家は、これから隆盛になっていく国家ということです。
BRICs(ブリックス)の中ではロシアがオリガルヒ(新興財閥)だのマフィアだので、中産階級の育成にいまいち成功しておらず、だから勢いもそれほどなのですね。人口頭打ち、逓減が見込まれる(増えるとしてもイスラム教徒か流入中国人)という問題もありますから仕方ないといえばそうですが。まぁロシアなんてどうなろうと構わないのですが、言いたいのは日本も似たような道を辿っているということです。しかも日本は既存エネルギーの観点からすると資源が乏しいので、産業政策論の復活と、地味ながらその重要性が再認識されることになるが……これが国家の統制経済、保護産業の温床となるからリバータリアンとしては警戒すべきであって……ちょっと書いていったらキリがないので、この辺でこの話題を切り上げますね(汗)。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて李さんのブログ、2010年11月11日の記事において紹介されているジョン・カーペンター監督作品のB級映画『ゼイリブ』They Live (1988)を、私は子供の頃にテレビで観ていた記憶が僅かにあります。主人公がサングラスを強引にかけさせようとして、友人と殴り合いするシーンを覚えています。
また視聴したいのでDVDショップに立ち寄る際は、先生の『ハリウッド映画で読む世界覇権国アメリカ(上)(下)』(副島隆彦著、講談+α文庫、2004年4月20日第1刷発行)を基本に自分で作成した映画リスト片手にずっと探してるんですが、見かけた試しがありません。
この入手困難さは、何者かが周到に仕組んだ陰謀ではないかと疑っています(笑)。私は管理情報流出を警戒して、レンタルとか注文はしたくない派なので、某ネット通販最大手で欲しいのが取り扱っていても、意固地に我慢しています。まぁ私には漏洩して困るような、たいした個人情報無いんですけれども。
『ゼイリブ』はブラックコメディですが、もっとシリアス路線なのでいうと、連続テレビドラマでクリス・カーターの『Xファイル』The X-Files (1993-2002)も延長線上にあるというか、同系統に含まれるかと思います。『Xファイル』も子供の頃、何だかわけも分からずに、何シリーズか観ていました。よくトラウマにならなかったものだと思い返しています。あのエレベーターの下に住んでるやつとか、人間から脂身を吸収するやつとか、妙な宗教団体が住んでいた洞窟が謎の白い物質で埋まるやつとか、何だったんだろう(汗)。
『ゼイリブ』は(They Live)で、ゼイ・リヴ(発声は形容詞のライヴではない?)ですから、直訳すると「彼らは生きる・彼らは住む」ということですが、「彼らは(既に)住んでいる、住み着いている(棲んでいる、生息・棲息している)」とも解釈出来ますか。
ウィキペディアによれば「 THEY LIVE AND WE SLEEP (奴らは生き、我々は眠っている)」ということで、きっと英語の語感では「彼ら」というような上品さではない「奴ら」という感の、生きた英語の俗っぽさがあるのでしょうね。俺達を搾取して生きているのは一体誰だ、眠らされるように気付かないうちに奴隷にされているのは誰だ、ということですね。
ただしこういう映画に拍手喝采する文化がありながら、同時に幸福追求の権利とアメリカン・ドリームもあるから、自分の実力を信じている人達は、そう簡単には共感しないし流されないのでしょう。
それであまり良くない言葉ですが陰謀系統を題材にするSFというか、ディストピア映画でもっと時代が進んで90年代後半から2000年代になると、代表的なのはウォシャウスキー兄弟やジョエル・シルバーらの三部作である、映画『マトリックス』THE MATRIX (1999)、『マトリックス・リローデッド』THE MATRIX RELOADED (2003)、『マトリックス・レボリューションズ』THE MATRIX REVOLUTIONS (2003)に繋がりますね。敵が宇宙人ではなく機械になっていますけれども、「騙されるな」「操られるな」「真実を暴け」という、大きい主題はやはり通底するものがありますね。
ネット検索をかけてみると『ゼイリブ』にはリメイクの話があるということで、もう撮影しているのでしょうか。リメイクが公開される際には前作をテレビで放送してもいいと思うのですが、日本のテレビ局よ! どうでもいい映画を何回も繰り返し流すくらいなら、再度『ゼイリブ』を金曜夜9時に流してみせなさい!! THEY LIVE AND WE SLEEP!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ところで李さんブログに夢と睡眠に関する素晴らしい投稿記事がありました。だいぶ下の方にさがってきているので、勝手に転載貼り付けさせて頂きます!
(佐藤裕一による転載貼り付け始め)
2010年10月31日
☆☆ 「睡眠と夢」の機能
夢は謎めいている。古代社会では、夢は未来を予言する方法、あるいは祖先を訪問する手段であった。20世紀初頭、夢は願望達成の課程、願望の表現、そして意識下への王道と考えられていた。
1953年、REM睡眠が発見され、また、ほとんどの哺乳動物は夢を見ることが分かり、睡眠と夢の機能に科学のメスが入れられた。REMとは、睡眠中にみられる早い眼球運動(Rapid Eye Movement)で、この時期に夢を見る。
睡眠と夢の機能に関し主な仮説は、①不必要な記憶断片を消去するため、②日中の記憶や感情を長期記憶に統合するため(記憶地固め)、③学習効果を高めるためとされてきた。しかしながら、サイエンス誌*が研究結果を詳細に検討してみたところ、実験結果の解釈に誤りがあったり、研究法、主に「プラットホーム法**」、が不適切なため、これらすべての仮説は否定された。睡眠と夢の機能は今だ謎である。
ちなみに哺乳類で最も長く夢を見るのは、卵から孵る知能が低い(いやな言葉だけど)と考えられる「カモノ・ハシ」で、知能が高いと考えられている「鯨やイルカ」は殆どか全く夢を見ない、人間はその中間くらい。
*Sweet Dream are Made of This Science 294:1047 2001
**水槽の上に、小さなプラットホームを設け、ラット(大きなネズミ)を起き、ラットが眠ると、水中に転げ落ちる。要はストレスが学習におよぼす影響をみたもので、この方法から得られる研究成果は、睡眠や夢との関連において科学性がない。
リー湘南クリニック(2007年1月の記事、校正)
(佐藤裕一による転載貼り付け終わり)
夢(眠ってみる方の)というのは、私の大敵であり克服テーマである睡眠に関することなので、とても興味深く読ませていただきました。私が子供の頃から仮説①②③を、さも現象の全てが解明されたことのように、まことしやかに聞かされてきましたが、「仮説」であるに過ぎないのですね。睡眠と夢は未だかなりの部分が謎である、と。真の研究・学問における態度のとり方、サイエンティストの姿勢はかくあるべきという見本であり手本です。
しかし、専門分野になればなるほど、かえって曇らされていきます。学問業績のこと、業界仲間のこと、生活のこと……。研究者・学者には潔さ、誠実さだけでなく、覚悟が必要なのだなと思いました。李さんは異端派・異端者ということで、本当に何かと大変だと思いますが、今は正統派の白い巨塔自体が傾き、ぐらつく時代ということですから、李さんのようなかたが求められるのでしょう。
どうせなら白い巨塔だけでなく、象牙の塔もさっさとぶっ倒れて崩れ去ればいいんですけどね~。文部科学省、廃止して役人のクビを切れ。東大以下、国公立大学を一旦全部私営化して競争、淘汰させろ。教授どもを全員放り出せ。税金を使うな。仕分ける必要すら無い。
異端医師の独り言
http://blog.livedoor.jp/leeshounann/
■小沢一郎ウェブサイト■ 後援情報 陸山会
https://www.ozawa-ichiro.jp/support/rikuzankai.htm
ゼイリブ – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/ゼイリブ
Xファイル – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Xファイル
マトリックス (映画) – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/マトリックス_(映画)
マトリックス・リローデッド – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/マトリックス・リローデッド
マトリックス・レボリューションズ – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/マトリックス・レボリューションズ