「オリエント急行の殺人(2010年英米合作版)」について

投稿日:2012/02/20 21:21

アガサクリスティ原作の「オリエント急行殺人事件」が2012年2月9日(木)10時~NHKBSで放映されたのをみた。今回放映されたのは、2010年に米英合作でとりなおしたものだったようだ(終わりのテロップに以下の記載があった。
「制作 ITVスタジオズ/WGBHボストン アガサクリスティー・リミテッド(イギリス・アメリカ2010年)」)。

なぜか邦題は、「オリエント急行の殺人事件」と「の」が付け加えられていた。

昔見た「オリエント急行殺人事件」では、最後の場面で、ポワロは、殺人のあった客車内の12人の乗客たちの前で、殺人の手口の概要を講釈したあと、12人の乗客たちを無罪放免する。警察に引き渡すようなことはしなかった。

(ねたばれ)
12人の乗客たちが、一人1刺しずつ、12の刺し傷で殺した、者は、凶悪なヤクザ者であり、マフィア等の検察等への根回し等によって罪を免れた極悪人であり、この殺人は、その極悪人に殺された、被害者の友人、親戚、また検察側の家族等による、復讐劇であった。

2010年英米制作版では、ポワロは、12人の乗客達を救うようなことはしない。そのまま「法の手で裁かれるべきだ」として突き放し、警察に概要説明をしてその場を立ち去る。

まさに「法に基づく支配を強化するためのプロパガンダ用」として制作された版なのだな、とあからさまに思える作品であった。