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「99」 「時価会計の放り投げ、投げ捨て」への、私、副島隆彦の怒りは今も収まらない。この怒りは、やはりなんとしても組織しなければいけない。副島隆彦 2008。12.4
副島隆彦です。今日は、2008年12月4日です。

時価会計を、アメリカがまず、4月16日(3月末ごろ?)の、「SECからの手紙」の形で、放り投げ、放棄が始まっていた。
私は、そのことを、ずっと追いかけている。「恐慌前夜」にも、すでに載せた。 ここの第二ぼやきの「97」番にも、「SECからの手紙」と、その後の5月の記事を載せた。

 アメリカ合衆国では、FASB(米連邦会計基審議会)とSEC(証券取引委員会) が、極悪人の集まりであり、責任のある団体だ。ここの鉄面皮(てつめんぴ)たちが、まず、慌てふためいて、時価会計を放り投げを始めた。そうしないと全米のすべての金融機関が、すべて、債務超過、さらには、欠損会社になってしまう。2008年3月の時点で、すでに、恐るべき事態になった。それで、こいつらは、血相を変えた。

そして、形振り構わず、自分たちがあれほど、偉そうに振り回して、日本にも押し付けた、そして、日本の銀行や、大企業を絞殺した道具である、時価会計そのものを、こうやって、自分たちの手で、葬りだした。

 そのあと、ロンドンにある、会計基準の総本山であるIASB(国際会計基審議会)での、責任追及となって、責任者の理事の女の首が一つだけ飛んだ。どうやら、それで、あとは知らん顔の半兵衛らしい。恐るべき人間どもだ。この世界の会計制度のお親分(きっと、ロンバード宮廷ユダヤ人たち末裔たちだろう)の恥知らずどもには、天罰が落ちるだろう。

 やっぱり金融ユダヤ人どもというのは人類のうらみと憎しみを買うことを、やる、罪深い馬鹿野郎たちだ。救い難い人間どもだ。私の怒りは、収まらない。

日本の新聞記事は、10月から、11月にかけて、日本でも、時価会計の公然たる放棄が始まったことを、パラパラと報じるようになった。それも、自分たち自身が、金融犯罪者的なことをやってきた金融庁自身が、発表する、という形で、それらの大本営発表のような、犯罪的記事を、作った。

その中では、私が読んで記憶に残している(どこかに保存もある)中では、金融庁の幹部たちのコメントとしての、「とても信じられない」「そんなことがあるのか」、会計制度の強化会員であり、審議委員=腰巾着の、「不愉快なものが残る」というコメントが、ある限りだ。私は、今も、怒っている。だが、この怒りを、どう書いていいのか、分からないままに、この半年が過ぎた。世の中には、これほどの恥知らずたちがいる。

自分たちが、偉そうに振り回して、そして、日本の大企業(ダイエーや、ミサワホーム)をたたきつぶし、大銀行(旧三和=UFJ、東海銀行 や、りそな=旧大和銀行、協和埼玉銀行)にカッターナイフを手にして、金融庁の金融検査官どもが、襲いかかり、叩き潰した(解体処理して)、産業再生機構送り=企業の収容所、死刑執行所おくり、や、破綻処理して国家管理下(国有化)したときに使った道具である、この、血ぬられた時価会計制度を、自分たち自身が、放り投げて、そして、今や、知らん顔をしている。

時価会計制度の放り投げの新聞記事では、一様に、「時価会計制度を適用を一部修正」とか、「部分的に修正」とか、「時価会計を部分的に手直し」とか、書いている。新聞記者たちも、グルで、凶悪犯並みである。私、副島隆彦だけは、絶対に、こいつらを許さない。徹底的に書き続ける。それ以外に手がない。

時価会計と、BIS基準、で ひどい目にあった、りそな や UFJ の幹部行員たちは、旧長銀の経営陣の大野木たちも、刑事犯罪者として、裁判にかけられた。現場で心労がたたって、死んだ銀行員たちがいるだろう。その息子たちの手を握って、私は、仇討ちと弔い合戦をやりたい。 このことの重要性を理解するだけの人間は、この属国・日本には、そんなにはいないだろう。

だが、副島隆彦がいる。何があっても、あの会計制度の犯罪者どもを、私の眼の黒いうちは、追いかけ続けるだろう。私は、ブレード・ランナーとなって追跡しつづける。

それと、醜悪(しゅうあく)極まりない「J-SOX法」(サーベンス=オリーンズ法、企業に内部統制報告書を作成させる法律、2001年のエンロン破綻を機に出来た企業統制法)を日本で強制したのも、金融庁であるから、この係りの者たちを、暴きたて、追及しなければならない。

 日本の企業の経理の場面では、実際には、経理マンたちが、J-SOX法の執行に、言うことを聞かないで、あれこれと、ぐずぐずと、抵抗して、金融庁の、恥知らずのワンコロ検査官どもの、痛いところをちくちくと突いて、「どうせ、あたなたちも、こんなアメリカ製の変な法律の強制なんかできるはずかない、全部、インチキなのだと、分かっているでしょう」と、顔でいやみを言って、撃退するだろう。「こんな、変なキマリ(法律)なんか、やってられないよ、全く。国は何を考えているのか」と、生来、相当にまじめで、律儀で温厚な経理マンたちでも、怒りの声を上げているだろう。目に見えるようだ。

時価会計の実施根拠である、「企業会計原則」(法律と同じ)の該当部分を、それとなくそっと、どんどん改正して、さらに複雑にして、自分たち、金融統制官僚の、責任にならないように、アメリカからの命令に合わせて制度放棄をしながら、一方で、自分たちの統制手段を、意地汚く残しづづけるという手に出るだろう。

それが、かえって自分たち大ウソつきの。金融統制官僚の、自己矛盾となって、自分たちの首を絞めることになる、ということまで、分かっているのだが、そういうことを、まともに考える脳もなくなっているから、最後は、強権発動の、官僚統制のファッシズム並みの包括強制条文を入れて、それで、ぐちゃぐちゃの法律に改正するのだろう。 心底、馬鹿な奴らだ。 自分で、自分のいじっている間に自分の首に絡(から)まって、それが締(しま)まって死んでしまうがいいのだ。 副島隆彦記

(転載貼り付け始め)

● IASBとFASB、時価会計規則に関し横並びで行動へ」
ロイター 2008年11月18日

 国際会計基準審議会(IASB)は17日、今後、時価会計規則の変更を行う場合には 米財務会計基準審議会(FASB)と歩調を合わせ、横並びで行う方針を示した。

 トゥウィーディーIASB議長は当地で開かれた国際会議に出席した際、記者団に対し、両審議会は今後協力し合う必要があると述べた。また、会計の独立性を保つため、審議会の防御を強化しなければならないと語った。同議長は会計基準設定プロセスに対する最近の政治の介入に批判的立場を取っている。

 IASBは先月、時価会計の適用基準を一部緩和することを承認した。この修正により金融機関は保有する一部の金融資産の分類を変更し、時価会計の適用を不要にすることができる可能性がある。

 基準の緩和は、欧州基準を米国基準により近づけたいとの欧州諸国首脳らの意向に沿った形で行われたが、一方では、政治介入に敏感なIASBの体質への懸念も噴出した。両審議会は、時価会計の適用が必要な金融機関の資産の分類を中心に、時価会計基準のさらなる変更を検討している。

●(副島隆彦注記。 この者たちは、恥も外聞も無く、よくもここまで出来るものだ。自分たちの血塗られた唇を見つめてみよ。  副島隆彦注記終わり)

「IASB、時価会計の適用基準を一部緩和」

2008年 10月 13日  ロイター

  国際会計基準審議会(IASB)は13日、世界的な信用収縮を受け、時価会計の適用基準を一部緩和することを承認した。即時実施する。

 これに先立ち、米証券取引委員会(SEC)は、金融機関が保有する時価評価の難しい資産について、極端な低価格での資産評価を会計処理に反映する必要はないとの判断を示していたが、IASBは今回、これに追随することを承認した。

 IASBが設定する国際会計基準は、欧州連合(EU)加盟国を含め世界100カ国以上で利用されている。IASBが修正したのはIAS39号。今回の修正により、金融機関は、保有する一部の金融資産の分類を変更し、時価会計の適用を不要にすることができる可能性がある。


●( 副島隆彦注記。即座に、日本も追随した。この者たちの顔ぶれを、明らかにせよ。副島隆彦注記おわり)

「金融商品の時価会計適用、日本も緩和へ 欧米と協調」

2008年10月16日 朝日新聞

 日本の会計基準を決める民間組織の「企業会計基準委員会」は16日、金融商品への時価会計の適用を緩和する方針を決めた。世界的な金融危機で価格が著しく低下している商品については、決算期ごとに損失処理しないで済むようにする。

 世界的に時価会計導入を主導した米国が真っ先に緩和に転換し、日本も追随する皮肉な展開となった。国際的な会計ルールでは、金融商品は市場で売れる時価で決算処理するのが原則。

 だが、金融不安で買い手がいない状況が続いている。サブプライムローン関連などの金融商品を大量に保有する欧米の金融機関は、決算のたび多額の損失計上を迫られている。

 米証券取引委員会(SEC)は9月、市場の売り手と買い手が示す価格差が極端に大きい場合などは、時価会計の原則に従わなくてもいいとする方針を決定。時価でなくとも、金融機関が「合理的」と説明できる価格で決算処理することも認めて、負担の軽減を図った。日本の措置も米国にならったものだ。

 欧州の国際会計基準審議会(IASB)も今月、米国基準と比べて不利が生じないように基準の一部を緩和。時価ではなく、取得時の価格である簿価で会計処理ができるようにした。こうした措置も、日本は導入を検討し始めた。

●(副島隆彦注記。 この野郎ども!よくもやったな。恥を知れ! 副島隆彦記終わり)

「IASB、時価会計の適用基準を一部緩和」

2008年10月13日  ロイター

 国際会計基準審議会(IASB)は13日、世界的な信用収縮を受け、時価会計の適用基準を一部緩和することを承認した。即時実施する。 これに先立ち、米証券取引委員会(SEC)は、金融機関が保有する時価評価の難しい資産について、極端な低価格での資産評価を会計処理に反映する必要はないとの判断を示していたが、IASBは今回、これに追随することを承認した。

 IASBが設定する国際会計基準は、欧州連合(EU)加盟国を含め世界100カ国以上で利用されている。IASBが修正したのはIAS39号。今回の修正により、金融機関は、保有する一部の金融資産の分類を変更し、時価会計の適用を不要にすることができる可能性がある。


● 「振り回される東京市場、米会計基準見直しで不信感助長も」

2008年 10月 1日 東京、ロイター

 1日の東京市場は、前日と一転して株高/債券安。米金融安定化法案が修正・可決の方向で動いており、前日の巻き戻しが入った。(以下、略)

 米金融安定化法案が成立すれば、混乱する欧米金融セクターの止血役にはなる。しかし、米国発の混乱が世界景気の悪化につながっており、これに対する対応はその後だ。市場では「企業業績にどう影響が出るか、9月中間決算が気にかかる」(準大手証券)との声が上がっている。

 <米会計基準、透明性を犠牲に>
 米国の時価会計の見直しも、市場にとって不透明要因。証券取引委員会(SEC)は現地時間の30日、時価会計に関するガイドラインを発表し、価格設定が困難な資産を評価する際、金融機関は著しく低い価格で評価する必要はないとの見解をあらためて示した。米財務会計審議会(FASB)が追加のガイダンスを今週中に公表する。

 株式市場では、銀行のバランスシートにあるモーゲージ関連の損失が小さくなる可能性があるとみられることは、足元の株価には支援材料だが、市場のインフラである時価会計ルールの混乱は、長期的には投資家の信頼感を損ねそうだ、と受け止められた。

 この問題は為替市場でも話題になった。前日にドルが急反発した一因として、米国会計基準の見直しが「金融機関のデレバレッジが招くパニック的な負のスパイラル進行に歯止めをかける」(外銀)可能性を指摘する声が出ている。

 ただ、時価会計基準の見直しは決算から透明性が失われることにつながり、市場の疑念を増幅しかねないとする見方も少なくない。「現在のパニック状況を緩和する策としては有効かもしれないが、長期的には何も解決しない」(邦銀)と、本格的なドル底入れにはつながらないとする見方も出ている。

●「SECとFASB、証券の時価評価を柔軟にする指針を発表」

日経ネット 2008年10月1日  ワシントン、ウォール・ストリート・ジャーナル

 米証券取引委員会(SEC)と米財務会計基準審議会(FASB)は9月30日、凍結状態に陥った市場での証券の価値を企業が評価する際、より柔軟な方法を用いることができるようにする指針を発表した。

 これは、証券の価値を、市場で売却するときの価格で評価することを企業に義務づけた時価会計の基準を「明確化」したもの。FASBによると、今週中に追加の指針を発表する準備をしているという。

 今回の発表を受け、証券を取引できる市場が存在しない場合、あるいは資産が格安でしか売却されない場合、企業幹部は独自の財務モデルと判断基準を用いることができるようになる。

 SECとFASBに会計基準の変更を働きかけていた銀行や金融サービス各社は、今回の発表を歓迎した。この新たな指針発表に向けての動きは、米議会が金融安定化法案を起草していたここ数日の間に活発化した。

 金融業界は、「信用収縮を受け、会計処理や、監査法人による会計基準の解釈の仕方があまりにも保守的になり、金融各社の損失が本来よりも大きく出てしまっている。このような会計基準によって各企業は、市場に買い手も売り手もほとんどいないためデフォルト(債務不履行)を起こす恐れのない企業に関連した資産までも、評価損の計上を余儀なくされている」と指摘していた。

 今回の発表は、こうしたさまざまな懸念に対応したものだ。SECとFASBは、時価会計の完全な中止を求めていた一部の議員やロビイストからの圧力に屈するまでには至らなかった。

 議会指導者らは、10月1日にも議会上院で採決される新法案に、SECの新たな指針を盛り込むことを検討している。

 SECとFASBは、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長、ポールソン財務長官とともに、時価会計の中止には反対している。時価会計をしなくなれば、投資家が企業の状態を判断することが難しくなるうえ、金融各社が損失の計上を遅らせる可能性があるためだ。


● リチャード・クー氏 野村総合研究所 主席研究員

第4回「これからの日本経済が注意すべき点は」

http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/koo.cfm?i=20071206d8000d8&p=3

2007/12/07

「バランスシート不況下の税収の特徴とは」

 では、どのような条件がそろえば財政再建に踏み出せるかという問題になるが、これは、将来の経済前提の置き方次第で結論が大きく変わってくる。それを推し進めようとした小泉首相でさえ「複雑すぎて分かりにくい」というほどだ。この背景には、日本がこの15年で経験したバランスシート不況では、税収の動きが、通常の不況と全く異なることが挙げられる。

 バブル期の頂点だった1990年の税収は60兆円だったのに対して、現在の日本は16年前に比べて名目GDPが17%、企業(金融・保険を除く)の経常利益が65%も増えているのに、税収は昨年度で約52(税源移譲後では49)兆円しかない。これもバランスシート不況ならではの特徴だ。

 つまり、今回は資産価格が下がったことが企業を借金返済に走らせ、それが有効需要を減少させるという順序で景気が悪化した。ということは、バランスシート不況下の税収は、単に経済活動の減少だけではなく、資産価格の下落も反映して減少することになる。これは、バランスシート不況下の税収は経済活動の低迷が示唆する税収の水準をはるかに超えて減少してしまうことになる。

 バランスシート不況下の税収と、通常の不況下での税収の違いをイメージしたのが、下記の図である。経済活動の動向が一番上のような動きであったと仮定してみよう。それが通常の不況なら、税収の推移は経済の動きとほぼ同じ形(真中の点線)になる。ところがバランスシート不況の場合、経済活動の落ち込みに資産価格の下落が重なって、税収は一番下の曲線が示すように、経済活動が示唆する水準をはるかに超えて減少することになる。

 しかも、よせばいいのに、この資産価格が大暴落している最中に日本は時価会計制度を導入(2001年3月期)した。それ以前は、企業は保有する資産に評価損が出ても、「含み損」という形で処理し、表面に出さなくても済んだ。それが時価会計では評価損を計上しなければならなくなった。

 そこで企業側は「どうせ計上するくらいなら、実際に売却して実現損を出した方が税制上メリットが大きい」ということで、一斉に売却を始めたのだ。ここで発生した巨大な実現損が税収を直撃し、税収はGDPの動向が示唆する水準をはるかに超えて激減してしまった。これが図の(A)の局面である。

 すると今度は、資産価格の下落から発生した損失はあまりに大きく、企業はそれを繰り延べたため、景気や企業収益が回復しても税収がなかなか回復しないという状況が続いた。図の(B)の局面である。つまり、企業は利益を出していても、過去の損失で利益を相殺することで税金を払わずに済んだのだ。昨年、大手銀行が3兆円の利益をあげて史上最大の利益などといわれたが、その当時税金を払っている銀行は一つもなかった。時価会計導入の最大の被害者は国庫だったのだ。

(副島隆彦注記。上のリチャード・クー氏の「よせばいいのに」のところを中心に読んで、私は、今の時点で、思うことがある。2005年前後の小泉・買弁・売国政権の政策(「改革無ければ景気回復なし」スローガン)が、「市場原理導入、競争導入、規制緩和のよる、外資への乗っ取らせ政策であり、「官製不況」(クー氏の言うバランスシート不況)の大きな策略であったことは、ずっと分かっていた。

 それでも、日本の大企業は、バランスシートを、時価会計で、痛めつけられたので、脂身(含み益、含み損)が無くなって、筋肉体質=骨皮衛門(ほねかわすじえもん)=無借金体質 になって、何が起ころうが、手許現金しがみつき(キャッシュ・ポジションだけを信じる)経営をやって、それで生き延びている。

 だから、アメリカ発の金融恐慌=信用収縮=貸し剥がし、 が、起きても、倒産・破綻の憂き目を見ない体質に改善されている、と言える。今のこの事態を、売国奴・竹中平蔵と金融庁の幹部たちは、見越して、それで、そのように日本の企業・銀行の体質を改善して、強化したのだ、と言い訳して、自分たちの手柄だとして、居直るのではないか。そこのところを、どのように突き崩すか。

 これも、理論なるものそのものが持つ陥穽(かんせい、アポリア)、および両刃(もろは)の剣(アンビバイアレント、双方向性、相矛盾すること)の性質だ。 今、このことも、たいしたことではないのだが、考えなければならない。副島隆彦注記終わり)

(転載貼り付け終わり)

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「98」 サブプライム危機から世界恐慌へ(33) 2008年9月の記事の残りを載せます。これでこの時期のものは全部だろう。2008.12.4
副島隆彦です。今日は、2008年12月4日です。

続けて、まだ載せていなかった、積み残しの、2008年9月の分の記事を載せます。これで、すべてだろう。時間は、すべての人間にとって急速に過ぎ去ってゆくものであるから、知識人である自分が、こうして集めて残しておかないと、誰も、あとを振り返ることをしない。

 たいていの人間は、犬猫と同じで、目先の自分の餌(えさ)のことしか、考えていない。静かに、過ぎ去っていった、つい数か月前のことを振り返るということもしない。だから、歴史が見えない。自分にとっての近未来も見えないのだ。それで、右往左往して、「先が読めない」と騒ぐ。過ぎ去ったばかりの数か月前の過去を振り返る、ということをしなければいけないのです。このことが分からないようだと、とても、知識人=読書人階級の人間にはなれない。 副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)


●「三菱UFJ、モルガン・スタンレーに21%出資で最終合意 総額9500億円」

2008年9月30日 ロイター

 三菱UFJフィナンシャル・グループは29日夜、米大手金融機関モルガン・スタンレーに21%出資することで最終合意したと発表した。取得総額は90億ドル(約9500億円)。約30億ドル分の普通株と約60億ドル分の優先株を取得する。

 金融市場の混乱が続くなか、三菱UFJは3週間程度の予定だった財務調査を5日で終え、早期合意した。海外金融機関を対象にしたM&A(合併・買収)では過去最大。具体的な提携分野などの業務戦略については2009年6月末をメドに検討する。

●「投資家ファーバー氏:7000億ドル規模の米金融安定化策は不十分 」
Faber Says U.S. Government's $700 Bln Rescue Plan Is Not Enough

2008年9月25日 ブルームバーグ

 著名投資家のマーク・ファーバー氏は25日、米政府が提案した7000億ドル規模の金融安定化策について、金融業界を回復させるには不十分だとの考えを示した。同氏はまた、香港で開催されたCLSAインベスターズ・フォーラムで、米政府は住宅所有者の資産を買い取るべきだと述べた。

 米国の住宅不況に端を発した信用危機により、世界の金融機関は計5200億ドル超の評価損・貸倒損失を抱えており、世界経済はリセッション(景気後退)入りの脅威に直面している。

●「投資家バフェット氏、「この金融危機は、経済のパール・ハーバー」「ポールソン長官の安定化策は不可欠」

2008年9月24日

 資産投資家ウォーレン・バフェット氏は、市場の混乱を「経済のパール・ハーバー」であり、 ポールソン財務長官の7000億ドルの米国金融システムの安定化策について、「絶対に必要なもの」との見解を示した。

 またバフェット氏は「(先週のような状況が)もう1週間続いたら、市場は耐えられなかっただろう」、「ポールソン長官はこのような対策を望まなかったと思うが、これに代わる策はない」との見方を、氏が率いるバークシャー・ハザウェイ社がゴールドマン・サックス社に50億ドル出資を発表した翌日、CNBCに語った。

‘Buffett Calls Crisis an `Economic Pearl Harbor,' Backs Paulson ’By Linda Shen and Andrew Frye

 investor Warren Buffett, calling the market turmoil ``an economic Pearl Harbor,'' said Treasury Secretary Henry Paulson's $700 billion proposal to prop up the U.S. financial system is ``absolutely necessary.''

``The market could not have taken another week'' like last week, Buffett told CNBC today, a day after saying his Berkshire Hathaway Inc. will buy a $5 billion stake in Goldman Sachs Group Inc. ``I think it was the last thing Hank Paulson wanted to do, but there's no Plan B for this.''

 Paulson and Federal Reserve Chairman Ben S. Bernanke are pushing Congress to quickly approve the plan to remove illiquid assets from the banking system. Lawmakers have balked at rubber- stamping the proposal, with Democrats demanding it include support for homeowners and limits on executive pay and Republicans questioning the plan's reach and size.

``I am betting on the Congress doing the right thing for the American public and passing this bill,'' Buffett said. The economy is ``everybody's problem,'' he said, likening it to ``a bathtub -- you can't have cold water in the front and hot water in the back.''

Berkshire is buying the stake in Goldman, Paulson's former firm, after three of the investment bank's biggest competitors went bankrupt or were forced into emergency sales. He has already agreed to spend at least $25 billion this year to acquire companies, finance buyouts and purchase securities for Omaha, Nebraska-based Berkshire.

``I certainly have a vote of confidence in Goldman and vote of confidence in Congress,'' said Buffett, who is investing in the firm after it lost 40 percent of its market value in the past year.

Buffett, who last year complained that he couldn't find companies big enough to buy, said he's not a fan of cash.
``It's nice to have a lot of money, but you know, you don't want to keep it around forever,'' Buffett said. ``I prefer buying things. Otherwise, it's a little like saving sex for your old age.''


●「ドイツは米金融支援計画に参加しない-シュタインブリュック財務相」

2008年9月22日 ブルームバーグ

 ドイツのシュタインブリュック財務相は 22日、米政府が示した金融市場の安定化に向けた計画に参加しない方針を明らかにした。メルケル首相はこれより先に、市場の透明性向上を目指した同国案が支援計画の必要性を弱めていた可能性があるとの見方を示していた。

 シュタインブリュック財務相はベルリンで記者団に対し、米国の警告は「安定回復にとともに、金融市場へのすべての信頼を取り戻すために極めて重要だ」との認識を示したものの、「国内状況は米国とは比較対象にならず、ドイツは同様の計画を採用しない」と言明した。同相は「ドイツの金融システムは安定している。主要7カ国(G7)のほかの6カ国は米国と同様のプログラムを採用しない」と付け加えた。

 メルケル首相は雇用主を対象にしたベルリンでの講演で、透明性の向上促進に向けた金融市場規制に対する国際的な枠組みについて再度呼び掛け、英米がもっと早く耳を傾けなかったことに対する不満を表明した。

●(副島隆彦注記。以下の文が、リーマン・ブラザーズが破産(破産法の申請をした)15日の、ウォール街の正直な考えだ。ここで、アジア諸国に、ババ Joker をつかませるのだ、そして、「ほかの誰がばばを引いてくれるだろうか。ほかに誰がシステムを支えるというのか」と、実に率直に書いている。これはあとあとの証言として意味がある。 副島隆彦注記)

「【コラム】米投資銀行の正体にアジア投資家が気付いた日-M・ルイス」

2008年9月15日 ブルームバーグ

 ウォール街は大騒ぎをしているが、大方の米国民にとって9月15日は、大事件のあった日として記憶される日ではない。 リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破たんしても、普通の米国人の反応は「リーマンって誰?」、または「聞いたことあるけど、何の会社?」というものだろう。

 しかしながら、リーマンが破たんした日は重大な日だ。債券トレーダーが職を失うからでもリーマンのディック・ファルド最高経営責任者(CEO)の手腕を持ち上げる経済面の記事が間違っていたからでもなく、世界で最大の流動資金を抱えるアジアの投資家の目から見た米国の金融機関が、高リスクの不良資産に転落した日だからだ。

 多分、スーダンほどでなはいだろうが、チリよりは悪い。週末に取りまとめて提出された破産裁判所への資料によれば、リーマンの無担保債務の大口債権者 30社には、アジアの金融機関がずらりと名を連ねていた。あおぞら銀行、中央三井信託、三井住友フィナンシャルグループ、みずほコーポレート銀行、信金中央金庫、中国の中国銀行などなど。

 ほかの誰がばばを引いてくれるだろうか。ほかに誰がシステムを支えるというのか。米政府がベアー・スターンズを救済(誰が何と言おうとあれは「救済」だった)して以来、金融市場での政府の行動は謎としか思えなかったというのに。 なぜ?

 政府が今回リーマンの破たんを座視したことで、当然の問いが浮上した。なぜベアー・スターンズはつぶさなかったのか?リーマンの場合は、対応する時間が市場にあったというのはナンセンスだ。市場は政府がベアー・スターンズを救済したのを見て、リーマンにも同じことをするだろうと考えていたのだから。

 1つには、ベアー・スターンズ危機の当時、金融システムをコントロールしている当局者らはウォール街の大手金融機関がつぶれたときに何が起こるか想像が付かなかったということがある。彼らはその後に研究し、自分たちが抱いた最悪のシナリオへの懸念には根拠がなかったとの結論に達したわけだ。

 しかし、リーマンの債権者リストを見ると、別の答えが見えてくる。ベアー・スターンズ危機時にし米財務省と米連邦準備制度理事会(FRB)が恐れたのは市場の不安定ばかりではなかった。彼らは、米国がもはや自分では生み出さない資本を同国市場に提供してくれる人々の機嫌を損ねることを恐れたのだ。

 25 年間にわたり、アジアの金融機関は米国の投資銀行に対して信じられないほど太っ腹だった。彼らは今、米投資銀について、そして米国について、何を思っていることだろう。(マイケル・ルイス)

(マイケル・ルイス氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は、同氏自身の見解です)

●「新議長、異例の反米開幕演説=IMFは「世界支配の道具」-国連総会」

2008年9月16日、ニューヨーク、時事

 来年9月半ばまでの1年間を会期とする第63回国連総会が16日開幕し、「反米左派の闘士」として鳴らしたニカラグアのデスコト新議長が国際通貨基金(IMF)と世界銀行を米欧による「支配の道具」と名指しする異例の反米開幕演説をぶった。

 デスコト議長は、「国連の民主化」をテーマに各国高官を招いて討論会合を開くと表明。安保理に関しては、「戦争への依存心」を捨て切れない「複数の理事国」によって平和が破られていると語り、特に拒否権を持つ常任理事国を非難した。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝
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「97」 サブプライム危機から世界恐慌へ(32) 20008年4月、5月の記事をまとめて載せる。どこかにあるものの載せ残しの分である。2008.12.4
副島隆彦です。今日は、2008年12月4日です。

以下の記事は、2008年4月と5月の分である。どこかにすでに載せた分の残りである。 副島隆彦拝

●「【不動産】米住宅価格:14%下落・1―3月、過去最大…6都市の下げ幅が20%超に」

2008年5月28日 日経新聞

【ワシントン=米山雄介】米住宅市場の低迷が続いている。米格付け会社スタンダード・ アンド・プアーズ(S&P)が27日発表したS&Pケース・シラー住宅価格指数の1―3月期の全米一戸建ては前年同期比で14.1%下がった。

 一方、米商務省が同日発表した4月の新築一戸建て住宅の販売件数は季節調整済みの年率換算で52万6000戸だった。前月比3.3%増と市場予測平均(52万戸)をやや上回ったものの、低水準にとどまった。

 1―3月期のケース・シラー指数は前年同期比で5四半期連続の下落で、下げ幅は1987年の 調査開始以来で最大。前期比でも6.7%下げた。同時発表の3月の住宅価格指数は主要10都市で前年同月比15.3%、20都市で14.4%下落。ラスベガス(下落率25.9%)、マイアミ(同24.6%)など 6都市の下げ幅が20%を超えた。


● 「ジム・ロジャーズ氏:世界の金融危機はまだ最悪期に達していない」

2008年 5月8日 ブルームバーグ、 シンガポ-ル

 米投資家ジム・ロジャーズ氏は8日、米国の住宅ローン問題を震源とした世界の信用収縮の終わりはまだ遠いかもしれないと指摘した。同氏はシンガポールで行われた英銀バークレイズの記者会見で、「金融危機が半分過ぎたというのは疑わしいと思う」として、「私の見方では、状況が底を打っていないことは確かだ」と述べた。

● 「ジム・ロジャーズ氏 金(きん)相場、一段安なら買い増す-非鉄買いも検討 」

2008年5月8日 ブルームバーグ Feiwen Rong記者

 米投資家ジム・ロジャーズ氏は8日、シンガポールでの記者会見で、金や非鉄の最近の下落基調が続くようなら、買い増す考えを明らかにした。同氏は「金は今、調整局面にある。800ドルあるいは750ドルまで下落する可能性がある。売買のタイミングを計るのは得意ではないが、金がさらに下落すれば買い増すつもりだ」と述べた。

 商品相場の上昇基調は7年目に入っており、原油は7日、1バレル=123.93ドルと最高値を更新。生産不足から小麦、コメ、トウモロコシ、大豆も軒並み最高値を付けている。ただ、金は3月17日に付けた最高値から15%超下げている。ニッケルは2007年に付けた高値から45%安、亜鉛も06年に付けた高値から50%下げている。

 ロジャーズ氏は「非鉄買いを考え始めている。まだ実際に買っているわけではないが、一部の非鉄はかなり下落している。調整が続くようなら、恐らく買いを入れるだろう」と述べた。 26商品で構成するUBSブルームバーグCMCI総合指数の今年の投資収益率はほぼ20%。

 一方、S&P500種株価指数は5.2%安。メリルリンチの指数によると、米国債の投資収益率は9.2%。ロジャーズ国際商品指数は1998年以降で4倍になっている。

原油高   ロジャーズ氏は「わたしの見解では原油相場は強気相場の中で150ドルを超え、200ドルにさえ達するのは確実だ。これは短期的な見方ではない。過去40年余り、大規模な油田は世界のどこにも発見されていない」と述べた。

 さらに「農業は今後10-15年間、世界で最も成長が期待できる産業の1つになる」と指摘。ラボバンクなど保守的な農業関連銀行は「日の目を見るだろう」と語った。コメ価格については供給が増えるまで一段と上昇するとの見通しを示した。「米相場は長い間、暗黒の時代に置かれたが、それでもインフレを控除した実質ベースでは今よりも格段に高い水準にあった」という。

 ロジャーズ氏は「コメの在庫は非常に低い」とした上で「最近はコメ農家のなり手が不足している」と語った。「中国の若者は30年にわたりコメ農家になるよりも、上海の新しい証券取引所や商品取引所を目指した。それは世界のほとんどの地域でも同じことが言える」と話した。

 ロジャーズ氏はジョージ・ソロス氏と1970年代にヘッジファンド「クオンタム」を共同創設。99年に商品相場の上昇基調入りを予想し、的中させたことでも知られる。


●「イラン、原油取引での米ドル決済を完全停止 石油省」

CNNニュース、テヘラン2008年4月30日

 イランの石油省当局者は30日、原油取引での米ドル決済を全面的に停止したことを明らかにした。イランは過去1年、核開発問題やイラクへ武装勢力の干渉で厳しく対立する米国の経済制裁などを受け、リスク削減でドルへの依存を減らす方針を示していた。

 国際石油市場では米ドルが基軸通貨となっているが、ドル安などを受け、原油産出国が不満を募らせている背景もある。石油省当局者は国営テレビとの会見で「原油取引でのドル決裁はすべて中止した」と指摘、輸出国の了解も得たとしている。 今後の取引は欧州では欧州連合(EU)のユーロ、アジアでは円で実施するとしている。

 イランは、石油輸出国機構(OPEC)で2位の産出国。同国はOPEC関連会合で、原油取引でのバスケット方式通貨を提案してきたが、支持は得られなかった経緯がある。 イラン中央銀行も米国の経済制裁をにらみ、外貨準備高をドル以外の通貨に移行する動きを強めている。

●「米住宅市場は依然低迷、FOMCの政策判断に注目集まる 」

ダウ・ジョーンズ 2008年4月30日  ロンドン

 ここ最近の経済指標から、米国の住宅市場が依然として低迷していることが確認されているが、市場の注目は現在、米連邦公開市場委員会(FOMC)とその後の政策声明に集まっている。

  スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が発表した2月のケース・シラー住宅価格20都市指数は、前年同月比12.7%低下し、下落率は1月の同10.7%低下を上回った。 「底入れの兆しはまだ見られない」とS&Pは指摘している。

 著名な経済学者でケース・シラー住宅価格指数の開発者でもあるロバート・シラー氏は、現在の住宅価格下落について、「1929年の大恐慌当時以上に大幅なものとなる恐れがあると警告している。住宅価格は、大恐慌当時には30%も低下したが、今回はこれ以上の下落となる可能性もある」 と、シラー氏はみている。全米の住宅価格は、すでに2006年の高値から15%下がっている。

●「日本経済はリセッション回避の公算-輸出は多様化、企業の足腰強い 」
Japan May Escape Recession as Chinese Surge Increases Exports

2008年4月28日 ブルームバーグ

 1970年代以来、日本経済は米国がリセッション(景気後退)入りするたびに追随していた。しかし、今回は違うかもしれない。
米国のリセッションは70年以降5回。1970年には、米国向けが日本の輸出全体の30%を占めていた。今ではその割合は20%だ。

 トヨタ自動車など日本の輸出企業は以来、米国以外の輸出先を拡大した。80年代後半のバブルが崩壊してから、日本企業は生産合理化や財務強化も進めてきた。

 キャピタル・エコノミクス(ロンドン)のチーフエコノミスト、ジュリアン・ジェソップ氏は、「米国は日本の輸出先として、かつてほど大きな位置を占めていない」上に、「日本経済の体力も増している。失われた10年の後に日本経済は変身を遂げた」と指摘した。

 今月は、ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーの証券会社2社が、日本が今年リセッション入りするとの予想を撤回した。きっかけは2月の鉱工業生産指数だった。今月17日に発表された同指数確報値は、指数基準改定の結果、前月比でプラスと、速報値のマイナスから大幅に上方修正された。

 同日中に、日本銀行が年内に利下げをする確率は4%まで低下(JPモルガン・チェースの算定)。この確率は3月20日には71%だった。

リセッションではなくソフトパッチ   日本のリセッション入りを2月以来予想していたモルガン・スタンレー証券の佐藤健裕チーフエコノミストは、リセッションではなくソフトパッチ(軟調局面)に予想を変更した。日本が既に景気後退期にあると1月から論じていたゴールドマンも、今は1-3月期の成長率を約2%と見積もる。

 米国向けが減少するなかでも、輸出は過去7カ月にわたり前年同月比で増加してきた。中国向けは過去2年で45%増え、ロシア向けは倍増している。ヘッジファンド、タンタロン・リサーチ・ジャパンのディレクター、イェスパー・コール氏は「日本の製造業界はグローバル化のお手本だ」と話す。

 さらに、外部環境にかかわらず、日本企業の足腰はバブル崩壊後のどの時期よりもしっかりしている。資産に対する負債比率は平均で約65%と、1955年以来の低水準にあり、90年代半ばの80%とは様変わりだ(メリルリンチ証券の大久保琢史エコノミスト)。

 また、生産設備の余剰を測る日銀企業短期経済観測調査(短観)の生産設備判断は9四半期にわたりゼロかマイナスとなっている。ジェソップ氏は「先進経済の中で、予想外の上振れで今年、市場を驚かせるのは日本だろう」と話している。


●「中国株式市場、印紙税下げで20%上昇も 」

2008年 4月 23日 上海、ロイター

 中国政府は23日、株式取引にかかる印紙税を引き下げた。市場では、過去半年にわたる弱気相場が終了し、今後数週間で20%以上株価は値上がりする可能性があるとの見方が出ている。印紙税率は0.3%から0.1%に引き下げられた。

 短期の値ザヤ稼ぎで活発に取引を繰り返す投資家を除けば、取引コストの低減にはほとんどつながらないが、計画経済の伝統のある中国では、政府の対策に株価が敏感に反応する傾向が強い。市場関係者は、今回の印紙税引き下げについて、株価を下支えたいという政府の意向の表れだと指摘。今後、株式市場に大量の資金が流入するとの見方を示している。

 上海総合株価指数は、昨年10月につけた過去最高値から51%急落、22日には1年2カ月ぶり安値となる2990.788まで下落していた。オリエント証券のストラテジスト、Zhang Yang氏は「中央政府の意向を反映した措置だ。政府は、株価下落が、社会不安や実体経済悪化につながることを懸念している」と指摘。

「今回の政策転換で、市場の地合いが改善し、新規資金が流入するだろう。上海総合株価指数は少なくとも4000まで上昇する見通しだ」と述べた。

 国泰ファンド・マネジメントのファンドマネジャー、Huang Yan氏も、4000が目標になると予想。その後の展開は、経済動向に左右されるとの見方を示した。同氏は「今回の減税には、3000付近を底値にしたいとの政府の意向が明確にあらわれている。

 スタグフレーションへの懸念はあるが、中国経済にそれほど大きな問題があるとは思えない。これまで市場は悲観的すぎた」と述べた。上海総合株価指数は、2005年6月─2007年10月の約2年半で約6倍となった。好調な企業業績や非流通株改革を受けて、それまで株式市場に縁のなかった個人投資家が市場に参入したことが背景だ。

 しかしその後、高値警戒感、インフレの進行、相次ぐ新規上場などを受けて、相場は大きく転換、強気相場は、昨年末に突然の終幕を迎えた。今回の印紙税引き下げでも、大きな懸念要因が消えたわけではない。インフレ率は11年ぶりの高水準、海外環境が悪化すれば、中国経済が減速する可能性もある。非流通株改革と株式公開後のロックアップ期間(株式売却禁止期間)終了で、大量の株式が売却されるとの懸念も残る。

<割安感>  ただ、これまでの弱気相場で解消された問題もある。市場関係者は、株価水準が大幅に割安になったと指摘。上海A株の香港H株に対するプレミアムは今週、平均28%と、昨年7月以来の水準に低下した。今年1月には113%に達していた。市場関係者は、人民元高の進行や中国の資本規制を考えれば、ある程度のプレミアムは正当化できるとしている。

 また上海株式市場は、印紙税引き下げの発表前に底入れの兆しが出ていた。23日の上海総合株価指数は、政府の株価対策への期待もあり、4.15%高の3278.330で終了。2005年6月─2007年10月の高値からの61.8%戻しで下値支持線となっていた2956を上回った。 1月中旬以降の下落局面の安値から38.2%戻しを達成すれば、4000台に乗る計算だ。

 平安証券のストラテジスト、Li Xianming氏は、印紙税引き下げを受けて、24日の市場では多くの銘柄が値幅制限いっぱいの10%高まで上昇するだろうと予測。上海総合株価指数は少なくとも4500ポイントまで上昇する可能性があるとの見方を示した。

 同氏は、今回の印紙税引き下げに先立ち、証券当局が、ロックアップ期間の切れる株式の大量売却を規制していたことに触れ、「政府は明らかに複数の対策を組み合わせて、慎重に3000割れを阻止しようとしている。まだ別の対策を用意しているのかもしれない」と述べた。高揚感が漂うなか、今回の措置は長期的には株式市場にとってマイナスだと懸念する声もある。

 市場原理ではなく、政府の対策で株価が決まれば、企業の安定した資金調達の場としての株式市場の発展は期待できないという指摘だ。

 中国政府は昨年5月、投機的な株式取引を抑制するため、印紙税率を0.1%から0.3%に引き上げている。今回税率を0.1%に戻したことで、新たな投機を招き、再び政府の介入が必要になるのではないかとの懸念もくすぶる。オリエント証券のZhang氏は「そうなれば、再び政策主導の相場に逆戻りすることになる」と語った。(Samuel Shen記者;翻訳 深滝壱哉)

●「金融混乱一服の背景にヘッジファンド、「逆張り」ポジションで大勝負」

2008年 4月 24日 東京 、ロイター

 4月に入ってから各国株価やドル相場が下げ止まるなど金融市場は表面上、一時の混乱から落ち着きを取り戻している。各国当局の相次ぐ利下げや資金供給策が少しずつ効果を発揮し始めたことが一因とされるが、市場混乱の中でも好成績をあげてきた一部のヘッジファンドが水面下で、大きく値下がりしている商品の反発を見込んで買いを入れる「逆張り」に動いていることも大きな要因となっている。

 多くの関係者が混乱は収束していないとの見方を示す中、大勝負に出たヘッジファンドの行方を、市場関係者は固唾(かたず)を飲んで見守っている。

 「状況が好転した訳でもなんでもない。いくつかの大手ヘッジファンドが、タダみたいな値段になった債務担保証券(CDO)などのクレジット商品を買いあさっているだけだ」。ヘッジファンドに詳しいある金融関係者は、市場混乱が一服となった背景をこう解説する。

 ヘッジファンド全般は最近の金融市場の混乱による運用成績の悪化に加え、取引相手である大手金融機関の業績不振による信用枠縮小などを背景に、戦績は苦戦している。モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)の調べでも、3月のヘッジファンド運用成績はマイナス2.86%と世界の主要な株式・債券市場のパフォーマンスを下回った。

 しかし、そうした環境でも当然、すべてのファンドが損失を抱えたわけではない。急騰する商品相場の買いや急落したクレジット商品の売り仕掛けで、好成績を挙げた敏腕ファンドも少なくないという。欧州を拠点とし「業界内で名前を知らない者はいない」(業界関係者)ある大手ヘッジファンドも、3月下旬以降は「クレジット商品に『逆張り』的に買いを入れ続けている」(先の金融関係者)。

 各国の相次ぐ利下げや資金供給策が「限定的ではあるが、市場安定に一定の効果は生み出した」(在京外銀の資金担当部長)ことで、こうした「逆張り」の動きがさらに、相場の下げ止まりにつながりやすくなったとの見方は少なくない。金融混乱の震源地ともいえるクレジット市場の値動きが落ち着き始めたことで、金融市場で強まっていた株売りや債券買い、ドル売りといった今までの流れを逆転させる動きも増幅し始めている。

 あるメガバンクの為替担当責任者も「状況をよく考えたら(株買いやドル買いが)おかしいのは理解しているが、実際にキャッシュリッチな連中から買いが入って下げ止まり、値動きが鈍ることでポジション解消に伴う(株やドルの)買い戻しが入りやすくなっている。その動きをディーラーとして見送るわけにはいかない」と、目立ち始めた「逆張り」に追随せざるを得ない実情を明かす。

 ヘッジファンド向けの監査・税務サービスなどを手掛けるロススタイン・カスが今月半ばに米国のヘッジファンドを対象に行った調査では、9割以上のファンドマネジャーが今年、業界に大量の新規資金が流入すると回答した。「ヘッジファンドは仮にひとつが清算しても『雨後のたけのこ』のように次々に出てくる。名前を変えながら生き残っているファンドもある。ヘッジファンドは業界全てがやられて厳しいというイメージが先行しているが、さすがに強気だ」(先の業界関係者)。

 逆張り勝負に出たヘッジファンドの読み通り事態が収束に向かうか、順張りで売り込んだ向きがヘッジファンドをなぎ倒すか――。「時間の経過とともに状況が好転すれば彼らの勝ちだが、そう簡単に事態は解決しないだろう。かといって売り仕掛けも機能しなくなってきた。最近の相場は久しぶりに、非常に難しい。正直に言ってまったく見通せない」。ある外銀のチーフディーラーも、こう着相場の中で試行錯誤を繰り返しつつ、ヘッジファンドの仕掛けた勝負の行方を見守っている。


●「英大手銀が損失1兆2000億円計上、株主割当増資を実施へ」

2008年4月22日  読売新聞

【ローマ=中村宏之】 英銀行大手のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)は22日、米国の低所得者向け住宅融資 「サブプライムローン」 問題に伴う金融市場混乱の影響で、2008年の1年間に59億ポンド(約1兆2000億円)の損失を計上すると発表した。

 資本増強を図るため、総額120億ポンド(約2兆4000億円)の株主割当増資を実施する。米投資銀行のゴールドマンサックスやメリルリンチなどが引き受ける。非中核事業である保険部門を売却して、約40億ポンドの資本増強も行う。RBSは、これまで増資は必要がないとの姿勢だった。しかし、金融市場の混乱が長期化していることから、「現時点での資本増強が適切と判断した」と説明している。

 RBSの2007年のサブプライム関連の損失額は約25億ポンド(約5100億円)で、08年はその2倍超に達する。市場では「RBSが損失をすべて開示し処理を断行した」との前向きな見方が出る一方で、他の金融機関でも損失が拡大していくのではないかとの懸念が消えていない。

 欧州系の銀行ではスイス金融大手のUBSが1日、2008年1~3月期決算で約190億ドル(約1兆9600億円)の損失を計上する見通しを示した。先の見えない金融機関のサブプライム関連損失の拡大が、欧州でも市場の大きな不安材料となりそうだ。

● 「 米アムバックの第1四半期は予想超える赤字、株価急落」

2008年 4月 23日  ニューヨーク、ロイター

 米金融保証大手アムバック・フィナンシャル・グループ が23日発表した第1・四半期決算は予想を超える赤字となった。 モーゲージ債に絡み10億ドル相当の引当金を計上。午前の取引で株価は30%近く急落した。第1・四半期の赤字額は16億6000万ドル(1株当たり11.69ドル)。前年同期は2億1330万ドル(同2.02ドル)の黒字だった。

 諸項目を除いた1株損失は6.93ドル。アナリストは1.82ドルの赤字を予想していた。前年同期は2ドルの黒字だった。カレン最高経営責任者(CEO)は声明で「今回の結果に失望している。しかし第1・四半期の資本増強と戦略的事業対策により、現在のクレジット状況を乗り越えることができると引き続き確信する」と述べた。

 同社の資本水準はS&Pの目標を上回っており、ムーディーズの目標も第2・四半期に上回る見込みとした。クレジット・デリバティブ商品のエクスポージャーに絡み17億ドルの評価損を計上。債務担保証券(CDO)に絡む評価減は9億4040万ドルだった。

●「米アムバックの債務保証コストが過去最高に、予想を上回る赤字で」

2008年 4月23日 ニューヨーク、 ロイター

 米クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、金融保証(モノライン)大手のアムバック・アシュアランスの債務保証コストが過去最高水準へ急上昇した。親会社のアムバック・フィナンシャル・グループの第1・四半期決算が予想を超える赤字となったことが理由。

 CMAデータビジョンによると、アムバック・アシュアランスのCDSは初めてアップフロント支払いベースでの取引となり、保証コストは5年物で11%プラス年間500ベーシスポイント(bp)。 CDS市場では、債務不履行の懸念が高まった場合にアップフロント支払いで取引される。

 CMA(シカゴ・マーカンタイル取引所) によると、22日時点では、アムバック・アシュアランスのCDSスプレッドは700bp程度だった。CDSスプレッド1bpは、債務1000万ドルに対する保証料1000ドルに相当する。モノライン大手MBIAの債務保証子会社のCDSスプレッドも約95bp拡大し805bpとなった。


● 「 米地方公務員組合連盟、シティグループ分割を要求 英FT紙」

2008年 04月 21日 ロイター

英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)によると、米国の主要労組である米地方公務員組合連盟(AFSCME)が、米シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)株主に対し、同社の分割を支持するよう求めている。連盟関係者の話として報じた。

 同連盟は、シティグループの少数株式を保有しており、投資銀行部門と商業銀行部門の分割を求めているという。シティグループに対する正式な提案は行われていないが、同社が拒否することは確実とみられている。同社が18日発表した第1・四半期決算は、信用収縮の影響で51億1000万ドルの赤字。9000人の人員削減も発表した。

● 米銀行大手シティグループは2008年4月21日、優先株発行により60億ドル(約6180億円)を調達、資本増強を行ったことを明らかにした。

 サブプライム住宅ローン関連の損失などで、2008年1-3月期は純損失が 約51億ドルと2期連続の赤字となっており、増資により損失を補う。優先株の金利は8・4%だ。これだとシティの業績が回復したとしても利払いだけでも収益を圧迫するだろう。サブプライムに手を染めてないはずのウエルズ・ファーゴ銀行(WFC Wells Fargo & Company )も経営不安が増している。


●(副島隆彦注記。以下のフリードマン追悼記念のバーナンキの発言は、この時点でさえ、聴衆の嘲笑を買っている。皮肉交じりの笑いだ。政策実行者であるバーナンキ自身は、何の余裕もないから、冗談さえ言えない。

 自分は何か気の利いた、高級な冗談でも言ったのだろうかと、自問自答するしかない。しかしこの場に居合わせた人々の反応は、すでも、冷笑である。それは、以下の文の中のこの箇所に現れている。 「 フリードマン教授の見解に触れながら、(バーナンキ議長は、) 「あなたのおかげで、われわれはもうそうした失敗を繰り返すことはないでしょう」と言うと、会議場は笑いに包まれた。」 の箇所である。副島隆彦注記終わり)

「バーナンキFRB議長:戦いの片手に権限拡大、片手に大恐慌の教訓」
Bernanke Grapples With Greenspan as Volcker Scorns Fed Bailouts

2008年4月21日 ブルームバーグ

 2002年にシカゴ大学で開かれた会議では、ノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマン名誉教授の90歳の誕生日を祝う催しがあり、当時は米連邦準備制度理事会(FRB)の理事だったベン・バーナンキ氏もあいさつに立った。

 バーナンキ氏は、1929年のニューヨーク株暴落に端を発する大恐慌が中央銀行の政策の失敗によるものだとのフリードマン教授の見解に触れながら、「あなたのおかげで、われわれはもうそうした失敗を繰り返すことはないでしょう」と言うと、会議場は笑いに包まれた。

 米経済における1929-33年のパニックを長年研究してきたバーナンキ氏は今、FRB議長として、新たな金融危機が本格的な恐慌に進展するのを阻止するという厄介な役割を担っている。米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)市場の崩壊をきっかけに、世界的な経済・金融危機が発生してしまった。

 バーナンキ議長は、連邦準備制度の95年の歴史の中でも最も積極的にその力を拡大して事態に収拾に対応した。0.75ポイントもの大幅利下げを2回実施したほか、1930年代以来初めて投資銀行に対しても連銀の窓口貸し出しを実施できるようにしたほか、資金難に陥った米投資銀行ベアー・スターンズを救済するという前代未聞の措置を講じた。

 議長の米経済に対する処方せんは強烈なものだ。だが、友人らによれば、議長自身はそうした政策の猛烈さからは程遠い人物だという。プリンストン大学でバーナンキ氏から教えを受けたデューク大学のエコノミスト、リチャード・ニューウェル氏は、議長について、「感じの良い態度と安定した気質を兼ね備え、非常にバランスが取れている」と話す。「自らの深い知識を頭ごなしに他人にぶつけることもなく、それが議長を効果的なコミュニケーターたらしめている」のだという。

金融行政改革案
 ポールソン米財務長官が3月31日に発表した米金融行政の大幅な改革案は、FRBの試みを支持する格好となった。商業・投資銀行や保険会社、ヘッジファンド、投資信託を含む金融システム全体を監督する恒久的な役割を連邦準備制度に付与するという方針が示されていたためだ。

 ただ、同長官はマイアミでの4月7日の記者会見で、米証券取引委員会(SEC)の廃止につながるこの改革案は実現に数年かかるだろうとの見方を示した。議会の主導権を握る民主党も、すぐに法整備が実現する可能性は低いとしている。

 サウスカロライナ州出身のバーナンキ氏は2006年2月にグリーンスパン前議長が率いていたFRBの理事に就任。前議長は18年の長きにわたり、その職務を勤めたが、その後を引き継いだバーナンキ氏は、史上最強のFRB議長になるための道を歩んでいる。

評価
 元FRB理事で、現在はスタンフォード・グループの上級アドバイザーを務めるライル・グラムリー氏は、「ポールソン長官の改革案についての1つの解釈は、望むことがすべてできるような権限を手渡されたということだ」との見方を示し、「システミックリスクの原因となり得るあらゆる金融機関に対する全体的な監督責任をFRBに付与するものだ」と述べる。

 元FRB副議長のアラン・ブラインダー氏は、バーナンキ議長の行動は正当化されると指摘する。ポールソン長官とブッシュ米大統領は住宅ローン危機への対応をほとんど見せておらず、「FRBは非常に創造的で、この戦いをほとんど単独で戦っている」と語る。

 しかし、1979-87年にFRB議長を務めたポール・ボルカー氏の意見は異なる。バーナンキ議長の下でFRBはすでに力を持ち過ぎたとの認識だ。ボルカー氏は4月8日のニューヨークでの講演で、FRBは「合法ぎりぎりの行動を起す必要があると判断した」と言及した。

 バーナンキ氏と共同研究の経験があるニューヨーク大学のマーク・ガートラー教授(経済学)は、現在の金融危機に対するバーナンキ議長のアプローチは、学者時代に培われたものだと語る。2000年に出版した大恐慌についての考察を記した著書では、序文に「大恐慌を理解することが、マクロ経済の究極の目標だ」と記している。

 バーナンキ議長は4月2日の議会証言で、「経済を安定的に成長させるためにわれわれは行動する」と断言した。そして議長の意図は、FRBの権限を最大限に引き出すことだ。

●(副島隆彦注記。米の新規国債の応札倍率がたったの1.77倍 というのは相当に苦境であろう。それでも、なんかと順当な値段がついて、買い手たちが見つかってよかった、ということだろう。

 この500兆円(5兆円)規模の一ヶ月ものの短期の国債を、どんどん連続的に発行して、買い手の民間銀行たち相手に、どんどん有利な条件で(すなわち、足元を見られながら)資金を調達している姿が、アメリカの金融危機を、実感させる。注記終わり)

「米FRBの500億ドルのターム物入札は落札金利2.870%、応札倍率1.77倍」

2008年 04月 22日 ロイター

 米連邦準備理事会(FRB)は、21日に実施した500億ドルのターム物資金入札(TAF、期間28日)の落札金利が2.870%になったと発表した。応札額は882億8800万ドル。応札倍率は1.77倍。応札金融機関は83社。 最低応札金利は2.05%に設定されていた。

●(副島隆彦注記。「危機は脱した」と、こういうことを言うのが、この人の立場なのだろう。本当は、そうではない。今からどうせ リーマンも潰れるのだ。副島隆彦注記終わり)

「米リーマン会長「最悪期は過ぎた」 連銀融資全額返済を表明 」
日経新聞 2008年4月16日  ニューヨーク、松浦肇

 米大手証券リーマン・ブラザーズのリチャード・ファルド会長兼最高経営責任者(CEO)は15日に開催した年次株主総会で、ニューヨーク連銀が新設した証券会社向け直接融資を全額返済したと明らかにした。「米国経済が元に戻るのにはしばらくかかるが、当社の最悪期は去った」と強調した。

 同会長は、LBO(借り入れで資金量を増やした買収)向け融資を減らすなどの今後の財務戦略を紹介。「リスク管理を考えると夜も眠れない」としつつも、「自己資本は十分にある」と強調した。現在350億ドルの手元流動性を抱えているという。


● FRB当局者、米経済は極めて軟調との見方示す

2008年 4月16日アラメダ、米カリフォルニア州、ロイター

 米連邦準備理事会(FRB)当局者2人は16日、米経済について、リセッション(景気後退)かどうかにかかわらず、極めて軟調だとの見解を示した。一方で、インフレが懸念材料だとした。

 米サンフランシスコ地区連銀のイエレン総裁は会合で、米経済見通しは「非常に不透明」で、よくても鈍い成長になるとの見方を示し、「米経済はほぼ失速しており、2008年上期には縮小する可能性がある」と述べた。その後記者団に「リセッションの可能性を排除しない」と語った。

 米フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁は講演で、リセッションと呼ぶかどうかにかかわらず、経済は十分悪いと感じられるほど減速したと述べた。同総裁は講演後、記者団に、成長見通しは弱く、成長鈍化は雇用から生産に及ぶすべてに影響を与えると語った。

 また、FRBがこの日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、経済状況が全米の大部分で悪化し、同時に食品・燃料・原材料の物価が上昇していることが指摘された。同報告では、ボストン地区が小売業者にとって「リセッションが12月に始まったようだ」と述べ、ここ数年で初めて「リセッション」の表現が使われた。

 FRBのミシュキン理事は、金融市場の混乱が続くなか、小規模な企業の資金調達は、今後一層困難でコストがかかるものになるとの見方を示した。プロッサー総裁とイエレン総裁はそれぞれ、インフレへの懸念をあらためて示した。ミシュキン理事は、必要なら金利を引き下げる余地があるとの見方を示した。

 同理事は「明らかに、金利水準をゼロ以下にすることはできない。ただ現在の金利は2.25%で、必要であればそれを引き下げる余地はある」とした。一方、プロッサー総裁は「インフレは懸念材料だ。かなり前からそう言い続けてきた」と述べた。

 イエレン総裁は、景気低迷が今後のインフレ上昇にブレーキをかける役目を果たすとしたうえで、消費者物価指数(CPI)のコア指数は今後数年で前年比2%の水準に低下するとの見方を示した。ただ、「インフレは問題だ」とし、FRBは現在の緩和サイクルにおいて必要以上に金利を引き下げないよう注意すべきだと述べた。

● (副島隆彦注記始め。時価会計の放棄が、アメリカ国内で始まった。恥も外聞もない馬鹿野郎たちの所業だ。この記念碑的な記事は、何度でも貼り付ける。『恐慌前夜』の中にも当然入れた。私の怨(うら)みも籠る。 副島隆彦注記おわり)

「SECからの手紙 」

2008年4月17日 日本経済新聞

 米国の全上場企業の最高財務責任者(CFO)たちに米証券取引委員会(SEC)から手紙が届いた。信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が深刻になるなか、盛られていたのは実質的な時価評価の後退だった。

 手紙が取り上げているのは米財務会計基準審議会(FASB)が二〇〇七年十一月に導入した新会計基準「FAS157」。企業がこれに基づくSEC提出書類(フォーム10-K)を作る際の考え方を示している。 FAS157は有価証券を性質に応じて三つに分類。

流動性が高く時価が測れる レベル1、
参照できる指標がある レベル2、
取引が薄く時価がない レベル3

だ。手紙は「広範な有価証券をレベル3に分類できる」 としている。 本来レベル2に入るものでも今は市場がゆがんでいるとの解釈だ。そのうえでレベル3について、どういう方法で評価したかのモデルを開示するように求めている。

 例えばサブプライムローンを組み込んだ証券化商品などレベル2の参照価格は、トリプルA格でもとの価格の五〇%程度。それをレベル3と見なし、開示モデルによる評価を公正価格(フェアバリュー)として構わないというわけだ。開示モデルさえしっかりしていれば七〇%と評価することも可能になる。

 これによって金融機関のサブプライム関連損失の抑制効果が見込める。レベル2には債務担保証券(CDO)やLBO(借り入れで資金量を増やした買収)融資などかなりの資産が入る。一部の会計士はレベル2を市場の参照価格を使って厳格評価する姿勢だった。

 その場合、債務超過に陥る金融機関が出て、連鎖破綻が起きかねなかった。SECは会計士へのけん制も狙ったもようだ。


● 「新会計基準で「損失」が「利益」に 」

2008年5月19日 ダウ・ジョーンズ、ウォール・ストリート・ジャーナル

 米住宅ローン保証会社ラディアン・グループにとって1-3月期は同業他社と同様に厳しかった。だが驚くことに、同四半期決算では純利益が72%増の1億9500万ドルとなった。これは投資家にとって大きな警鐘を含んでいる。ラディアンが黒字だったのは、同社の厳しい財務状態のため、負債の一部に起因する特別損益が約20億ドル上向いたためだった。

 この利益は、時価会計を含む新たな会計基準の副産物で、議論を呼んでいる。この副産物の効果がなければ、ラディアンは約2億1500万ドルの赤字になっていた。会計基準の基本の1つは、負債の価値の縮小が通常、利益を押し上げる要因となる特別利益につながることだ。

 新たな基準では、企業がある負債の市場価値を加味する場合、財務の健全性について市場からどのように見られるかを考慮しなければならない。ある企業の財務状態が脆弱(ぜいじゃく)な場合、負債の価値の縮小につながる可能性がある。

 ラディアンは誤ったことをしたわけではない。適切に新基準を適用し、その影響を明確に示した。同社以外は、これほど正直に決算に反映させてはいないかもしれない。つまり、信用収縮が続いているうちは、投資家はより一層、洞察力を働かせる必要がある。皮肉なのは、新基準が義務づけている通りにある資産を値洗いすることによって、企業の財務が弱くなるほど見た目の数字が強くなることだ。

 米労働総同盟産別会議(AFL-CIO)の副法律顧問で長年時価会計に批判的なデイモン・シルバーズ氏は「新基準の最も奇妙な点は、私が破産しそうだと仮定すると、市場が判断する私の信用度が低下するにつれて私の利益が押し上げられるということだ」と指摘した。

 こうしたねじれ現象がもう1つある。ラディアンの財務状態が良好だという見方が今後数四半期に強まった場合、同社は今回計上した特別利益を返還する可能性がある。つまり、一部の資産について評価損を計上することになる可能性がある。

 ラディアンのロバート・クイント最高財務責任者(CFO)は、時価会計の全般的な概念には異論がないものの、同社が今回計上した特別利益のような点については「問題を引き起こす可能性がある」との考えを示した。「投資家にとって、数字の裏で何が起きているかを正確に理解することがますます困難になる」と指摘している。

 大手の銀行や証券会社を中心に、ほかの企業でもここ数カ月、負債の評価額の縮小によって同様の利益が発生しており、これは負債の減少や利益の増加につながる。だがこうした影響は、ラディアンやその他の金融保証会社でより顕著だ。少なくともデリバティブ(金融派生商品)を含む場合、中核事業である保証業務からこうした利益が発生しているためだ。ラディアンなどでこうした利益が大きく膨らんだのは、新基準の初めての適用でほぼ全額を調整することになったためだ。

 ある企業が債券を保有し、この債券のデフォルト(債務不履行)に備えた保険の目的で、ある金融保証会社からクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のプロテクション(保護)を購入したと仮定する。債券価格が10%下落した場合、CDSの価値は上昇し、その上昇率は同じ変化率の10%になるかもしれない。この債券はリスクが高くなったと判断され、その債券の保険の価値も上昇する。

 従来、債券保有者は、債券価格の下落と保険の価値の上昇を相殺したものを計上していた。だが新基準では、時価を反映させるために、企業は債券を今売ると幾らで売れるかも考慮しなければならない。

 CDSを設定した金融保証会社の財務状態を市場が疑問視すれば、そのCDSの価値の上昇は10%に満たない可能性がある。保証対象の債券のリスクが高まれば、その債券を保証した会社のリスクも高まる。

 プロテクションを売っても利益は5%にとどまるかもしれない。この場合、債券価格の下落とCDSの価値の上昇は完全には相殺されず、債券保有者は5%の損失を計上することになる。

 CDSを設定した金融保証会社にとっては逆方向に作用する。ラディアンが保証した債券の価値が低下すれば、CDSの価値すなわち負債が増加し、特別費用として計上することになる。新基準では、CDSの価値を変動させる要因が保証対象の債券だけであるとの前提がなくなる。金融保証会社自身の信用度や、それがCDSのプロテクションを売る場合の金額にどのように影響するかを考慮する必要がある。

 ラディアンが保証した数十億ドル相当の住宅ローン債権の価値が低下したため、1-3月期に市場が認識したラディアンの信用度は急落した。同社の信用度が疑問視されたことで、同社が設定したCDSの価値も下落した。同社が保証した債券の価値がしばらくの間下落し続けたため、その間にCDSの価値は上昇し、過去数四半期にわたって特別費用を発生させていたことになる。

 1-3月期にはその大部分が返還された。このため損失が利益に変わった。理論上、新たな会計基準には説得力がある。だが新基準を採用しても、投資家にとって、現実の世界は思い通りにならないという事実は変わらない。


(ここから下には、もう何もない。ここから上は、2008年4月からの文だ。副島隆彦注記)


● (以下の森永ミルクの文は、非常によく分かる。私も同感だ。 副島隆彦注記)

第116回 「「日本は没落した」はハゲタカの言葉」
経済アナリスト 森永 卓郎氏 2008年1月21日

 日本株の下落が止まらない。1月18日の日経平均株価の終値は1万3861円29銭。前日比77円84銭(0.56%)高となったとはいえ、昨年末に比べると1446円も下げてしまった。21日はさらに落ち、午前終値は1万3395円28銭である。

 株下落の原因は、米国の失業率が予想以上となり景気後退懸念があること。そして、サブプライムローン問題が米国の金融機関に予想以上の赤字をもたらしたことが挙げられる。さらに、そのなかで円高が進行しているために、日本にとってダブルパンチとなったわけだ。このままでは日本経済はダメになるという連想が働いたのは、確かに間違いではない。

 しかし、納得できないこともある。本家の米国のダウが、この間に8.8%の下落率であったのに対して、日本株はそれを上回る10%以上の下落率となっていることだ。

 まさに日本経済への悲観が極まった形といえよう。現に、メディアに登場する評論家たちは口を揃えて「日本は没落した」「日本に未来はない」という。だが、それは本当なのだろうか。
 結論から言えば、いま株式市場で起こっている事態はオーバーシュート、つまり、相場が行き過ぎた展開であるとわたしは見ている。数字を一つ一つ検討していけば、現在が異常な状態であることが理解できるだろう。異常な状態は、いつか必ず正常な状態に戻ることは疑いがない。

 日本経済が没落していると言う評論家たちは、表層的な現象だけを見て言っているに過ぎない。さもなければ、何か魂胆があってそう言っているではないかと、わたしには思えるのだ。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝
「この「第2ぼやき」記事を印刷する」

「96」 「世界恐慌へ」(31) 以下のヌリエル・ルビニ(あるいは、ルンビニ、ルービニ)教授の論文を伝える記事は、きっとのちのちの試金石となる重要な内容だ。この米二流大学の教授が、日本の副島隆彦に相当するだろう。2008.12.4
副島隆彦です。今日は、2008年12月4日です。

 以下の記事だけは、別個に扱って、のちのちの記念碑的な、後々(のちのち)に検証されるべき金融予測論文である。ヌリエル・ルンビニ、あるいは、ルービニというNY大学の教授の論文をインタヴュー記事の形で要約したものだ。 私は、ずっと注目していた。彼は、日本の副島隆彦に相当する学者だろう。副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

●「米経済、前代未聞メルトダウンの危険が――フィナンシャル・タイムズ紙」

フィナンシャル・タイムズ 2008年2月19日
マーティン・ウルフ

 「私は聴衆を前に、われわれが直面しているのはバブル(泡)というほどのものでない、『フロス(小さな泡立ち)』だと説明した。それはたくさんの小さな局地的バブルで、経済全体の健康を脅かすほどの規模には決して育たないと話した」
―アラン・グリーンスパン「波乱の時代」

 米住宅バブルについて、これがグリーンスパン氏の見解だった。残念ながら、彼は間違っていたわけだ。とすると、今のこの転落はどこまで悪化するのだろうか? 答えを見つけるには、本物の悲観論者に聞くべきだ。私のお気に入りは、RGEモニターの創設者でニューヨーク大学スターンビジネススクールのヌリエル・ルビニ氏だ。

 ルビニ教授のシナリオはこのところ、怖気がするほど陰々滅々としている。しかし彼の言うことは真剣に受けとめるべきだ。ルビニ氏はまず2006年7月の時点で米景気後退を予測していた。その当時、彼の予測はずいぶん物議をかもしたが、今となっては議論の余地はない。

 そしてルビニ氏は今、「金融・経済にとって『破局的』な結果がもたらされる可能性が、高まりつつある」と指摘している。この悲惨なシナリオの特徴となるのは、同氏いわく「ひどい景気後退によって金融市場での損失がさらに悪化し、拡大する大きな金融損失と金融市場のメルトダウンによって不景気がさらにひどくなるという、ひどい悪循環」だという。

 ルビニ教授は私に輪をかけてリストが好きな人だ。金融破局へと至る12のステップ(そう、実に12もあるのだ)は、教授によると以下の通り。

 ステップその1は、米市場最悪の住宅不況。教授によると住宅価格はピーク時から20~30%も下落し、よって世帯資産4兆~6兆ドル相当が消えてしまう。1000万もの世帯が債務超過に陥るため、家のカギを郵便箱に入れてどこか別の新天地を求める方がいいと考える家族が増えるだろう。すると住宅メーカーが次々と破綻することになる。

 ステップその2は、サブプライム・ローンの損失拡大。今予測されている2500億~3000億ドルをさらに超える規模の損失だ。2005~2007年に組まれたローンの約6割が「無謀あるいは悪質な側面」をもつものだったとルビニ教授は言う。ゴールドマン・サックスは、ローン損失を4000億ドルと推計。しかし住宅価格が2割以上も下落すれば、損失はさらに増える。そうなれば金融機関の融資能力が損なわれる。

 ステップその3では、証券化されていない消費者負債(クレジットカード、自動車ローン、学生ローンなど)が巨額損失を出す。すると「信用収縮」は住宅ローンから、さらに多種多様な消費者信用に広がって行く。

 ステップその4は、モノライン保険会社(金融保証専門の保険会社)の格付け引き下げ。モノライン事業者の経営には「AAA」格付けが必須だが、この段階で多くのモノライン保険が「AAA」を失う。そこから転じて、1500億ドル分の資産担保証券(ABS)が切り下げられることになる。

 ステップその5は、商業不動産市場の融解(メルトダウン)だ。そしてステップその6は、大手地方銀行あるいは全国銀行の破綻。

 ステップその7では、無謀なレバレッジド・バイアウト(LBO)が次々と巨額損失を出す。こうしたローンが今では何千億ドル分も、金融機関の帳簿上にたまっているのだ。

 ステップその8は、企業による債務不払いの連続。平均的にみると、米企業の状態はまともだが、いわゆる「ファットテール」の分厚い分布部分にあてはまる多くの企業が、低い収益性と大きな債務を抱えている。

 こうした企業の債務不払いが立て続けば、こうした企業の債務を保証するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS、貸付債権の信用リスクを保証してもらうオプション取引)の損失が広がる。損失額は2500億ドルに上る恐れがあり、債務保証会社のいくつかが破綻するかもしれない。

 ステップその9は、「影の金融システム」のメルトダウン。ヘッジファンドや投資ビークル(SIV)などが中央銀行からの貸し付けを直接受けられないだけに、その苦境に対応するのはいっそう困難になる。

 ステップその10は、株価のさらなる下落。ヘッジファンド、マージンコール、空売りの破綻が次々と連鎖する株価下落を引き起こしかねない。

 ステップその11は、金融市場のあちこちで流動性が枯渇。これには銀行間も為替市場も含む。支払い能力についての懸念悪化がこの背景となる。

 そしてステップその12では、「損失、減資、信用収縮、強制破産、資産の投げ売りなどによる、ひどい悪循環」がおきるという。

 以上が市場メルトダウンへ至る12ステップだ。ルビニ教授は「金融システムにおける総損失額は計1兆ドルを超え、不況はさらに悪化し長引くだろう」と言う。そしてまさにこの「悪夢のシナリオ」が、ベン・バーナンキ議長をはじめ米連邦準備理事会(FRB)の幹部を不眠に追い込んでいるのだと。

 もう何年にもわたって危機感を十分に抱いてこなかったFRBが今年になって、金利を200ベーシスポイントも引き下げた理由が、まさにこれで説明できるというものだ。これは金融メルトダウンに備えた保険なのだ。

 ルビニ教授によるこのシナリオは、わずかでもあり得ることなのだろうか? それはあり得る。さらに、もしこのシナリオが実現したら、これまで取りざたされて来た「デカップリング」話がそこで終わりになるのは確実だ。ルビニ教授が警告するようにこの状態が6四半期も続くようなら、米国以外が金融政策で不況の影響を相殺しようとしても、それは手遅れだし、効果のほどは不十分のままだろう。

 FRBはこの危険を未然に防げるのだろうか? ルビニ教授は別の記事で無理だと主張し、その理由を8つ挙げている(本当にリスト作りが好きな人だ)。8つの理由を手短に説明すると、

(1) 米国の金融緩和は、ドルやインフレの危険を伴う
(2) 積極的な金融緩和が対応できるのは非流動性のみで、破産を救済はできない
(3) モノライン保険会社は信用格付けを下げられ、それがひどい結果につながるだろう
(4) 全体の損失は大きすぎて、政府系ファンド(SWF)には対応しきれない
(5) 住宅市場の損失を埋めるには公的介入は規模が小さ過ぎる
(6) FRBは影の金融システムの問題には対応できない
(7) 損失額公開についての透明性は必要で、同時に規制しすぎないことも必要だが、金融規制当局が適度なバランスをみつけるのは難しいだろう
(8) 取引中心の金融システムそのものが、深刻な危機にある

——というのだ。
 リスクは確かに高いし、当局の対応能力は多くの人が期待するよりもずっと限られている。とはいっても、だからといって解決策が全くないというわけではない。ただ残念ながら、考えられる解決策はどれも毒性の強いものばかりなのだ。

 究極的には、政府は金融危機を解消する。それは鉄則だ。不良債権を政府が過剰に肩代わりするとか、インフレを容認するとか、あるいはその両方によって。日本は、財務省の反対を押し切って前者を選んだ。しかし日本は債権国であって、救済者は日本政府の支払い能力を完全に信頼している。

 一方で米国は、債務国なのだ。外国の信頼を維持しなくてはならない。それができなくなれば、インフレによる解決策の可能性が高まる。なぜ金にオンス920_ドルもの高値がついているか、これだけで説明できる。

 住宅バブルの崩壊と金融システムの脆弱性が互いに結びついていたという事実は、米国と世界全体にひどい危険をもたらした。FRBを筆頭に米国の公的部門が救済にかけつけている。そして最終的には、彼らは成功する。しかしそこにたどりつくまでの旅路は、ひどく居心地の悪いものになるだろう。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝
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「95」 サブプラム危機から世界恐慌へ(30)2008.12.3

副島隆彦です。2008年12月3日です。 続けて載せます。

載せるのは、昨年2007年9月、10月、11月の記事の残りです。ここの「78」番が、2007年10月分の記事なのですが、その積み残しと、それと9月と12月のものです。副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

● 「 米FRB、0.25%利下げ=FF金利誘導目標は4.25%に 」

ワシントン、2007年12月11日 時事通信

 米連邦準備制度理事会(FRB)は11日、年内最後となる定例金融決定会合の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、短期金利の指標となるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25%引き下げて年4.25%とすることを決めた。

 決定は投票権を持つFOMC委員10人のうち9人が支持、1人は0.5%の大幅利下げを主張して反対票を投じた。今年8月に、低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き多発をきっかけにした金融市場の信用不安が表面化して以来、FRBは金融緩和に転じているが、これでFOMCでの利下げは3回連続、下げ幅は計1%となった。次回のFOMCは1月29~30日に開催される。

 

● 「ヒラリー・クリントン上院議員、サブプライムで「金利、最低5年凍結を」」

日経新聞 2007年12月4日

【ワシントン=藤井一明】 米民主党の大統領候補者選びで先頭を走るヒラリー・クリントン上院議員は3日、ポールソン財務長官に書簡を送り、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の返済負担を緩和する対策を求めた。金利を最低でも5年間凍結し、差し押さえについては90日間、執行を停止するよう訴えた。

 クリントン氏は金利の据え置きなどで「住宅市場が安定し、住宅の保有者が資産を形成できる時間を稼げる」と説明。一方「対策に失敗すれば、経済へのコストは計り知れない」と警告した。


●「米地区連銀総裁が講演、追加利下げの可能性示唆」

日経新聞 2007年12月4日

 【ワシントン=小竹洋之】米サンフランシスコ連銀のイエレン総裁は3日、シアトルで講演し「10月末に開いた前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)以来、金融市場の状態が悪化し、予想以上に弱い経済指標もみられる」と述べた。米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長やコーン副議長に続き、11日に開く次回のFOMCで追加利下げに踏み切る可能性を示唆した。

 同総裁は10―12月期の米実質経済成長率が「かなりの低水準にとどまりそうだ」と指摘。サブプライム問題を発端とする金融不安の打撃に懸念を表明し「経済成長の下振れリスクが高まった」との認識を示した。米ボストン連銀のローゼングレン総裁も3日の講演で、サブプライム問題が一段と悪化し、景気を下押ししかねないとの懸念を表明した。


● 「 米FRB、0.25%利下げ=FF金利誘導目標は4.25%に 」

ワシントン 2007年12月11日  時事通信

 米連邦準備制度理事会(FRB)は11日、年内最後となる定例金融決定会合の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、短期金利の指標となるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25%引き下げて年4.25%とすることを決めた。決定は投票権を持つFOMC委員10人のうち9人が支持、1人は0.5%の大幅利下げを主張して反対票を投じた。

 今年8月に、低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き多発をきっかけにした金融市場の信用不安が表面化して以来、FRBは金融緩和に転じているが、これでFOMCでの利下げは3回連続、下げ幅は計1%となった。次回のFOMCは1月29~30日に開催される。

●「米地区連銀総裁が講演、追加利下げの可能性示唆」

日経新聞 2007年12月4日

【ワシントン=小竹洋之】 米サンフランシスコ連銀のイエレン総裁は3日、シアトルで講演し「10月末に開いた前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)以来、金融市場の状態が悪化し、予想以上に弱い経済指標もみられる」と述べた。米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長やコーン副議長に続き、11日に開く次回のFOMCで追加利下げに踏み切る可能性を示唆した。

 同総裁は10―12月期の米実質経済成長率が「かなりの低水準にとどまりそうだ」と指摘。サブプライム問題を発端とする金融不安の打撃に懸念を表明し「経済成長の下振れリスクが高まった」との認識を示した。米ボストン連銀のローゼングレン総裁も3日の講演で、サブプライム問題が一段と悪化し、景気を下押ししかねないとの懸念を表明した。

● 「米MBIA、08年第2四半期にも破たんの可能性=パーシングのアックマン氏」http://jp.reuters.com/article/companyNews/
idJPnJS805959020071129

2007年11月28日 ロイター 、ニューヨーク

 アクティビスト投資家のウィリアム・アックマン氏は28日、米金融保証会社のMBIAは、追加資本を調達できなければ2008年第2・四半期にも破たんする可能性があるとの見方を示した。

 同氏が率いるヘッジファンド、パーシング・スクエア・キャピタルは、MBIAとアンバック・フィナンシャル・グループ の株式を売り持ちにしている。同氏は、MBIAは第4・四半期に22億ドルの、アンバックは42億ドルの損失を出すと予想している。

 MBIAのスポークスマンは「08年第2・四半期に当社が破たんするというアックマン氏の発言に強く異議を唱える。同氏は02年にも同様の発言を複数行ったが、どれもはずれに終わっている」と述べた。

 金融保証会社はサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン) 関連のストラクチャード・ファイナンス証券に多額の保証を提供しており、アックマン氏によると、サブプライム関連で巨額の評価損を計上したメリルリンチやシティグループと同規模のエクスポージャーがある。

 金融保証会社は資本が比較的少ないため、保証した債券で少数でも大規模なデフォルト(債務不履行)が起これば、深刻な状況に陥る可能性があるという。MBIA株は年初来ほぼ60%、アンバック株は同75%近く、それぞれ下落している。 モノラインの総額は2.4兆ドル(254兆円!!!)と見積もられている。


●「シティなど銀行にさらなる損失リスク、今度は「導管」で -フォーチュン」

2007年11月26日 ブルームバーグ

 米誌フォーチュン(オンライン版)は11月26 日までに、大手銀行はコンデュイット(導管)と呼ばれる資金調達の仕組みに関連して、投資家に開示されていない巨額のリスクを抱えている可能性があると指摘した。

 同誌によると、コンデュイットが発行する証券の多くは住宅ローンなどの資産を担保としている。銀行は資金調達のためにコンデュイットを設立する。コンデュイットは通常、銀行のバランスシートに連結されてはいないが、コンデュイットが証券を発行できなくなった場合は、債務担保証券(CDO)の場合と同様のプロセスでリスクが銀行のバランスシートに移ると同誌は説明している。多くの大手銀行は「コンデュイットに関する大きなリスクを抱えている」という。

 フォーチュン誌によると、9月30日の時点で米銀シティグループには、コンデュイット関連で730億ドル(約7兆8400億円)の簿外資産があった。また、メリルリンチは50億ドル相当のコンデュイット資産を買い取った結果、2007年7-9月(第3四半期)に5億ドル余りの税引き前損失を出したという。

● http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-29028120071123

オスロ 2007年11月23日 ロイター

 グリーンスパン前米連邦準備理事会(FRB)議長は23日、 市場は住宅価格が依然下落していることを認識している、との見方を示した。 前議長は当地での講演で「市場は、米住宅価格が下げ止まっていないことを認識しつつある。これは過去50年間で前例のない状況だ」と語った。 一方、米企業セクターは「際立ってうまく」やっている、との見方を示した。

●「各国通貨のドル連動見直し協議、主要湾岸産油国」

日経新聞 2007年11月21日

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071121
AT2M2002K20112007.html

【ドバイ=加賀谷和樹】 サウジアラビアなどペルシャ湾岸の主要産油国は12月上旬にカタールで首脳会議を開き、各国通貨のドル連動(ペッグ)を維持するかどうか協議する。ドル安による通貨下落でインフレが進行し、米国に追随して利下げを続けることが困難になってきたため。

 湾岸6産油国でつくる湾岸協力会議(GCC)事務局のウワイセグ研究・経済統合部長は20日の サウジ紙アルリヤドで、「サウジ当局は通貨制度変更を検討し始めたようで、これは明確な変化だ」 と語った。サウジがドルペッグを見直せば21年ぶり。

●「イラン大統領がベネズエラ大統領と会談、「反米共闘」確認

2007年11月20日 読売新聞

【テヘラン=工藤武人】 イランのアフマディネジャド大統領は19日、テヘランでベネズエラのチャベス大統領と会談した。「反米の盟友」でもあるチャベス大統領は会談後の記者会見で、「我々は今、『ドル帝国』の崩壊を目撃している。神の恵みと人民の闘争により、米帝国も崩壊するだろう」と述べ、気勢を上げた。

 イラン学生通信によると、チャベス大統領は核問題に関し、「イランは平和目的の核技術を獲得する権利があり、我々は常にイランの側にいる」と、核開発を続けるイランへの支持を表明。アフマディネジャド大統領はこれに対し、チャベス大統領を繰り返し「兄弟」と呼び、親密な関係をアピール。

 さらに、「権利と理想への挑戦に対し、両国は最後まで互いに協力する」と語り、ベネズエラとの「反米共闘」を誓った。チャベス大統領のイラン訪問は今年7月以来。9月にはアフマディネジャド大統領がベネズエラを訪れた。

● 「 米シティを「セル」に格下げ、評価損150億ドルの可能性=ゴールドマン 」

2007年11月19日  ロイター

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/
idJPnJT806935320071119

 ゴールドマン・サックスは19日、米シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)の投資評価を「セル」に引き下げた。今後2四半期で150億ドルの評価損を計上する可能性があるとして「アメリカス・セル・リスト」に追加した。

 シティは11月4日、サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅融資)関連の債務担保証券(CDO)エクスポージャー430億ドルの評価損として、今四半期に80─110億ドルを計上する可能性がある、との見通しを示した。

 ゴールドマンは、シティの1株当たり利益予想について、08年はこれまでの4.65ドルから3.80ドルに、09年はこれまでの5.20ドルから4.60ドルに引き下げた。今後1年の目標株価は33ドルとした。

 ゴールドマンのアナリスト、ウィリアム・タノナ氏は「消費および住宅関連指標が悪化するなか、シティグループは多くの業務部門でさらなる困難に直面している」と指摘。ティア1の中核自己資本比率も収益悪化要因で、これにより同社は資本注入や減配を迫られるかもしれないと述べた。プリンスCEOの退任で正規のCEOが不在となっていることも業績回復に影を落とす可能性があるとしている。

 シティのティア1の自己資本比率は7.32%で、監督当局が十分な資本とする6%を上回っている。年間配当は2.16ドルで、配当利回りは6.4%。

●「米ゴールドマンのヘッジファンド:運用資産、年末時点で60%減も」
Goldman's Global Alpha May End 2007 Down $6 Billion

2007年11月19日 ブルームバーグ

 米ゴールドマン・サックス・グループのヘッジファンド「グローバル・アルファ」は今年、約60億ドル(約6600 億円)の資産を失い、運用規模が前年比で60%減少する可能性がある。同社顧客の投資家2人が匿名を条件に明らかにした。取引失敗による損失や顧客の資産引き揚げが影響した。

 グローバル・アルファの年初の運用資産は計100億ドルを上回っていたが、低調な運用成績から11月14日までに37%減少した。特に8月の金融動乱で大規模な損失が発生した。同社は年初からの資産引き揚げのほか、9-11 月期に約20億ドルの償還請求を受けている。

 グローバル・アルファは数学的モデルを用いて運用するクオンティタティブファンドで、マーク・カーハート氏とレーモンド・イワノースキ氏が運用している。2006年の手数料収入は7億ドル、05年のリターンは約40%だった。

●「原油価格は08年に最大30%の大幅下落へ、燃料需要減少で-CGES 」
Oil Price May Drop `Sharply' on Lower Demand in 2008, CGES Says

2007年11月19日 ブルームバーグ

 英コンサルタント会社センター・フォー・グローバル・エナジー・スタディーズ(CGES)は19日、原油価格が来年、燃料需要の鈍化を受けて急落する可能性があるとの見通しを示した。

 CGESのアナリスト、ジュリアン・リー氏は19日にロンドンから電話取材に答え、世界最大の原油消費国である米国でのエネルギー需要鈍化などから、来年は原油価格が最大30%下落する可能性があると予想。下落の幅は石油輸出国機構(OPEC)の対応に左右されるとの見方を示した。

 OPECは今月から日量50万バレルの増産を実施することに合意している。 11月13日には、国際エネルギー機関(IEA)が今年10-12月(第4四半期)と2008年の世界の石油需要見通しを下方修正した。

 CGESは19日公表した月次リポートで、「原油市場は冬季を通してタイトな状況が続く可能性が高い。増産分はゆっくりと供給されている」とした上で、「世界経済が減速する兆候を受け、長期的な石油需要見通しは弱まっている」と分析した。

 リポートはまた、米エネルギー省の速報値では米国の過去4週間の石油需要は前年同期比で0.7%減となったと指摘し、「北半球が特に厳しい冬にならない限り、来年1-3月(第1四半期)の石油消費見通しはさらに下方修正されよう」と予測した。

●「ノーザン・ロックが41%超下落、一時取引停止=ロンドン株式市場」

2007年 11月 20日  ロンドン、 ロイター

 英ロンドン証券取引所(LSE)によると、英中堅銀行ノーザン・ロック株は41%超下落し、取引が一時停止された。ロイターのデータによると、

 下落率は1997年10月1日にFT100種株価指数 に採用されて以来の大きさに迫っている。ノーザン・ロックはその後取引が再開されたが、引き続き売りが優勢で、現時点では37.6%下落している。

 ノーザン・ロックは前日、これまでに複数の投資家から買収提案を受けたが、同行株1株当たりの提示額は、前週末終値を「大幅に下回っている」と表明した。


●「外資マネー、日本の不動産市場に流入-サブプライムで良質資産へ逃避 」

2007年11月20日 ブルームバーグ

 米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンに端を発した金融市場の混乱が続くなか、外国資本による日本の不動産市場への投資が続いている。サブプライム問題に揺れる欧米と比べて、日本の不動産市場は安定性が高いと判断しているためだ。

 ドイツ証券の不動産投資銀行部のマネージング・ディレクターの中島健氏は20 日都内で講演し、日本の不動産市場について、サブプライム問題に関しては「特に大きな影響はない」とし、「今年の夏以降、1000億円以上の取引が6、7件あった。日本の不動産はまだ魅力的ととらえているからこそ、資金が流入している」と語った。

 さらに中島氏は「もともと証券化はリスクの分散が目的だったが、証券化されたことで世界中にリスクが広がってしまった」と指摘。サブプライム問題は今年の年末が大きなヤマ場になるだろうとの見方を示した。

 その中で海外の投資資金が流入するのは、日本の不動産市場がリスクの低い有望な市場であるためだ。サブプライム問題の影響で「リスクの高いアセットから良質なアセットへの逃避が起きている」(中島氏)といい、投資家がリスク調整で欧米での資金の再配分を行っている。

●「サブプライム「生き残り会議」の憂うつ-危機は長引き、さらに悪化へ 」
At Subprime Conference It's Too Early to Tell Who'll Survive

2007年11月20日 ブルームバーグ

 その会議は「生き残り組会議」と名付けられた。11月の初め、資産担保証券で生計を立てる2000人が、米フロリダ州オーランドのJWマリオット・ホテルに集まった。発言者らは次々と、なぜ2008年が過去最悪の年になるかを説明し続けた。

 それどころか、大手金融機関のトップを辞任に追い込み450億ドル(約4兆9400億円)超の評価損を発生させた米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン危機は09年まで続く恐れもある。 ドイツ銀行のアナリスト、マイケル・マヨ氏は「この手の危機は、大方の当初の予想よりも長引くものだ」として、「今回のは特に動きが遅い」と話す。

 米住宅急減速の悪影響は広がり続ける。住宅ローン担保証券とそれを裏付けにした債務担保証券(CDO)の価値下落が近い将来に止まる気配はない。インスティチューショナル・リスク・アナリストリティクスのクリストファー・ウェーレン氏によれば、8000億ドル規模の証券の裏付けとなっている住宅ローンの多くがデフォルト(債務不履行)に陥るのはこれからだからだ。

 ウェーレン氏はデフォルトが急増すると予想し、当初低く設定されていた変動金利型のサブプライムローンの金利はこれから上昇するからだと説明した。クレディ・スイス・グループによると、8月末時点でデフォルトに陥っていたサブプライムローンは460億ドル相当。

 住宅物件数にして22万5000戸になる。 09年にはこれが3倍強の1430億ドル規模となり、最終的には10年またはそれ以降に約2700億ドル、152万戸分のローンがデフォルトすると試算されている。

 アルパイン・ウッズ・インベストメントで運用に携わるピーター・コバルスキ氏は「住宅価格が下げ止まるまでは」、金融機関の「評価損は終わらないだろう」と予想する。ドイツ銀のマヨ氏は12日に、全世界でのサブプライム関連の損失額は最終的に4000億ドルに達する可能性があると指摘した。

 評価損は金融機関の利益を押し下げる。07年上期のCDO発行額2位の米銀シティグループの07年10-12月(第4四半期)は赤字となる見込みだ。巨額評価損はチャールズ・プリンス最高経営責任者(CEO、当時)の辞任につながったが、職を失うのはCEOばかりではない。大手金融機関は07年1-10 月に2万4000人超の削減を発表している。

 サブプライム危機はインターネット株バブルと同様に、何年にもわたって消費や成長に影を落とすかもしれない。オーランドでの会議で、次のリセッション(景気後退)を恐れる参加者らは例年のようなお祭り気分ではなかったようだ。ベアー・スターンズ主催のパーティーでは、午後9時にわずか10人が残ってカリプソ
(西インド諸島のトリニダードで黒人の間に生まれた民族音楽)を聴きながら身の不運を嘆き合っていた。

 今回初めて会議に参加したキーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズのアナリスト、ボーズ・ジョージ氏は米経済に暗い見通しを抱いている。「与信は成長の原動力だった。今回の問題が景気に影響しないはずがない。事態はこれからさらに悪くなるだろう」と同氏は話す。同氏にとって唯一の明るい要素は、調査にたっぷり時間をかけられることだ。

 同氏が担当していた15社のうち、アメリカン・ホーム・モーゲージ・インベストメントやニュー・センチュリー・ファインシャルなど6社は、もう生き残っていない。

●「バフェット氏やグリーンスパン氏が正しければ中国市場関連株は失速 」Buffett, Greenspan Concern May Spell End of China Finance Rally

2007年11月21日 ブルームバーグ

 資産家ウォーレン・バフェット氏やグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長、香港の富豪、李嘉誠氏の中国株市場についての見方が正しければ、中国のオンライン金融情報サービス会社チャイナ・ファイナンス・オンライン(北京)は米国上場の外国企業株でパフォーマンス最高という地位を失うことになるだろう。

 同社の米国預託証券(ADR)は今月、15%下落した。中国株の指標であるCS1300指数は11%安。

 グリーンスパン氏と李氏は、中国株相場がいつ弾けてもおかしくない「バブル」との見方を示している。バフェット氏は先月、中国株への「慎重」な投資を呼び掛けた。 IGインベストメント(香港)で運用に携わるティム・レオン氏は、「中国株市場が減速すれば、業績が市場と密接に関連している企業への投資のリスクは高まるだろう」として、「株価が落ち込む時には投資家は売買を手控えるものだ」と話した。

 チャイナ・ファイナンス・オンライン株の上昇率は今年、バンク・オブ・ニューヨークのADR指数の6倍強となり、米市場のペトロチャイナ株を上回る。 CS1300 指数は今年148%上昇し、世界で最高のリターンを上げている。

●「米フレディマック:7-9月期は創業来最大の赤字-資本調達も」
Freddie Posts Loss, May Cut Dividend, Raise Capital

2007年11月20日 ブルームバーグ

 米住宅金融のフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が20日発表した2007年7-9月(第3四半期)決算は、四半期決算で創業以来最大の純損失を計上した。同社は住宅市場の「深刻な低迷」を乗り切るために減配および資本調達の可能性を明らかにした。株価は一時、35%安まで売り込まれた。

 発表資料によると当期の純損失は20億2000万ドル(1株当たり3.29 ドル)だった。貸倒引当金として12億ドルを計上したほか、資産価値を36 億ドル引き下げたのが影響した。前年同期の純損失は7億1500万ドル(同 1.17ドル)だった。アンソニー・ピッツェル最高財務責任者(CFO)は、「10-12月期の業績について楽観できる材料は今のところなにもない」と述べた。

 ニューヨーク株式市場で午前9時38分現在、フレディマックの株価は前日比9.53ドル(25%)安い27.97ドル。一時は24.31ドルまで下げた。 フレディマックは10-12月期の配当金の半減を「真剣に検討している」と述べ、資本増強策の助言役として米ゴールドマン・サックス・グループとリーマン・ブラザーズ・ホールディングスを起用したと発表した。

●「シティ、日本が“国有化”!?アノ人が来日し根回しか 」

産経新聞 2007年11月7日

 米国の低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)問題で巨額損失をこうむった米シティグループ。その先行きを不安視する市場関係者が増えており、「サブプライム問題は端的にいえば、シティの巨額損失をいかに穴埋めするかということに帰結する」(在米金融機関幹部)とまで言われている。金融界では今、日本の金融機関がシティの支援に乗り出すのではとの観測も出ている。

 シティは2007年7~9月期決算で、サブプライム関連の損失が約65億ドル(約7500億円)発生。さらに11月には、最大110億ドル(約1兆2600億円)もの追加損失が発生する見通しであることを発表、損失は合わせて2兆円規模に達する見込みだ。

 こうした状況を受けてシティの株価は急落し、10月初旬まで40ドル台後半で推移していたものが30ドル台半ば近辺まで下げている。

 「シティの株価が低迷から抜け出すには時間がかかるだろう。というのも、シティのサブプライム関連の損失は現時点で2兆円規模と見込まれているが、米国の金融関係者の間には『実際はその5~10倍、10兆~20兆円はあるのではないか』とみる向きもあるからだ。最終的な損失額はいくらなのか。そのあたりがクリアにならなければ、シティへの不安は払拭(ふっしょく)されないだろう」(在米金融機関幹部)

 そんななかで浮上しているのが、日本の金融機関がシティへの資本支援などに乗り出すのではないかという観測である。引責辞任したチャールズ・プリンス前会長兼CEOの表情が同社の実情を物語る。

 こうした観測が浮上してきた背景の1つが、ロックフェラー財閥のデビッド・ロックフェラー氏(92)が11月上旬に来日したこと。表向きは著書「ロックフェラー回顧録」(新潮社)を10月に出版したことを受けての来日とされるが、額面通りに受け取る金融関係者はいない。

「デビッド・ロックフェラー氏は親日家として知られるが、それでも世界的な財閥の重鎮が本の出版くらいでわざわざ日本まで来たりはしない。シティはロックフェラーとつながりがあるとされている。来日の目的は、シティ支援の感触を確かめることだったのではないかとみる金融関係者は多い」(大手銀幹部)

 その支援について、先の在米金融機関幹部が次のように指摘する。「万が一、シティがサブプライム問題で重大なダメージを被るようなことになれば、信用崩壊から世界恐慌に発展する恐れすらある。最悪の事態を回避するため、米国側が日本にシティ支援を求めることは十分ありえる話だ」

 気の早い日本の金融界では、支援策をめぐっていろいろな観測が飛び交っている。「政府のコントロールが利きやすい『ゆうちょ銀行』などが、シティの優先株を大量に引き受けるのでは」  「りそなホールディングスの“きれいな部分”だけをシティに譲渡するというやり方もある。りそなには約2兆円の公的資金が入っており、日本政府のコントロール下にある」

 くしくも、ロックフェラー氏が来日中の11月5日、シティのチャールズ・プリンス会長兼最高経営責任者が巨額損失の責任をとって辞任。後任の会長には、シティグループの経営委員会会長を務めるロバート・ルービン元財務長官が就いた。

 「元財務長官のもとで経営を立て直すということは、シティの事実上の“国有化”ともとれる。それほど、シティはダメージを受けているということなのだろう」(在米金融機関幹部)。今後の成り行きが注目される。


● 第104回  「 郵政民営化の先にある恐怖のシナリオ 」
経済アナリスト 森永 卓郎氏

2007年10月22日 日経BP  の 第4ページの分
「構造改革をどう生きるか 成果主義・拝金主義を疑え」

 新会社のリスク管理はどうなっているのか
 ここまでは、まだまだ序の口である。民営化の先には、さらに恐ろしいシナリオが待っている。

 現在、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の資金は、その3分の2以上が国債(財投債を含む)で運用されている。そこで、外資系の株主が次のように提案してきたらどうするか。
 「なぜ低金利の日本国債で運用するのか。金利の高い米国債を買うべきだ」

 現在、日本国債の金利は1.5%に過ぎないが、米国債の金利は4.5%と圧倒的に高い。しかも、ムーディーズ格付けは日本国債がシングルAであるのに対して、米国債はトリプルAである。「金利が3倍もつき、信用度ははるかに高い。なぜ買わないのか」と理詰めで迫られたとき、経営陣がそれを排除するのは極めて難しいのではないか。

 もちろん、現時点での金利と信用度を見れば米国債を買ったほうが得だろう。しかし、わたしのみならず、現在の米ドルをバブルだと見ている人は少なくない。このバブルが崩壊したら、どうなるだろうか。米国債の価格は大幅に下落し、同時にドルも暴落するから、米国債の価値は劇的に低下する。短期間で3割以上低下する可能性は十分にある。

 そのとき、もし、ゆうちょ銀行やかんぽ生命が、資金の大半を米国債で運用していたらどうなるか。その影響は半端ではない。
 預金保険機構によれば、もしゆうちょ銀行が破綻しても、他の銀行と同じく1000万円とその利子は保護すると明言している。もともと郵便貯金は1000万円までしか預けられなかったのだから、その点では問題ない。

 しかし、ゆうちょ銀行の預金高というのは、3大メガバンクを足したよりも多いことを忘れてはならない。本当に万が一、ゆうちょ銀行が経営破綻したら、預金保険機構が支払いに耐えられるかどうか、わたしは疑問に思わざるを得ない。

 かんぽ生命が破綻したときの影響はもっと大きい。生命保険会社が破綻すると、過去にさかのぼって予定利率が引き下げられるからだ。となると、年金をもらえると期待して積み立ててきた人が、実際に手にできる金額は、予測の3分の2から半分程度に減ってしまう恐れが十分にあるのだ。実際に、これまでの生保の破綻では、そうした事態が発生している。

 ドルが暴落する可能性は、長期でみれば100%だとわたしは思っている。新しい経営者がどれだけ米国債の運用を認めるかは分からないが、そうしたリスクを念頭に置いているかどうか、わたしは心配なのである。

 そして、ゆうちょ銀行やかんぼ生命の株を売却することは、国民の大切な資産をそうしたリスクにさらすことになるのだが、政府はこれまで国民に対してそのことを一言も説明していないのだ。

●「インドの財閥会長、株高で世界一の富豪に・通信社が試算」

日経新聞 2007年10月30日

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071030
AT2M2902B30102007.html

 インド大手財閥リライアンスのムケシュ・アンバニ会長が世界一の富豪に躍り出たとする独自の試算を伝えた。 グループの上場企業の株価高騰で資産額が632億ドル(約7兆2000億円)に達したとはじき、 米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長(623億ドル)らを上回ったとしている。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


「この「第2ぼやき」記事を印刷する」
「94」 サブプライム危機から世界恐慌へ (29) 2008年11月の分の記事を載せます。副島隆彦 2008。12.3

副島隆彦です。 今日は、2008年12月3日です。

2008年の11月の記事を載せます。以下の文の、あと倍ぐらいの記事がまだありますが、それは、後日追って載せます。
一体、この金融危機は、どこまで拡大するのか、日本で一番、厳しいことを書いてきた私でも、もう把握しきれなくなりつつあります。それでも私は、物事(ものごと)の全体像(ぜんたいぞう)を掴(つか)み取るべく、果敢に喰らいついてゆきます。
副島隆彦拝

(転載貼り付け始め)

● 「金(きん)輸入が急増、3.5倍の230億円にー成田空港10月 千葉」

2008年11月30日 毎日新聞

 成田国際空港で金=写真=の輸入が急増している。東京税関が発表した08年10月分の貿易概況によると、空港全体の総輸入額は前月比で約307億円減少した一方、金の輸入額は3・5倍の約230億円に達した。

 金売買大手の田中貴金属工業は、「9月14日のリーマンブラザーズ破綻(はたん)で株式市場から資金が引き揚げられ、安全資産とされる金が注目を集めている」と分析している。

 同社によると、金地金の平均小売価格は01年の1グラム1105円から年々上昇し、08年1~9月は3076円に。7月に3339円と25年ぶりの高値をつけてからは下落に転じ、10月は2668円となっている。同社は円高進行で割安感も出ていることから、今後も輸入量は増加するとみている。


● 「ヘッジファンドの大量解約が続き7万人近い人材が漂流 」
東洋経済 2008年11月26日

http://www.toyokeizai.net/business/industrial/
detail/AC/7729dc66e537dc54f2b7ddd0d8a557aa/

「ヘッジファンド業界は淘汰の時代に入った。現在の半分から3分の1に規模が縮小するだろう」。10月28日、米マサチューセッツ州の講演会で飛び出した“予言”だ。ヘッジファンドの草分け的存在で「帝王」の異名を取るジョージ・ソロス氏の言葉である。

9月のリーマンショック後にヘッジファンドの大量解約が起きていることからヘッジファンドを 廃業する運用会社が後を絶たないだろう、というのがソロス氏の見立てだ。

 米調査会社ヘッジファンド・リサーチによれば、6月末に1・93兆ドルあったヘッジファンドの運用総額が、大量解約と運用難でわずか3カ月後の9月末には1・72兆ドルまで落ち込んでいる。

●「ヘッジファンド、総運用資産約10兆円減る 10月の1ヶ月間で」

共同通信 2008年11月26日

 投機筋の代表格であるヘッジファンドの総運用資産が金融危機による運用損失などで、今年10月の1カ月間で1003億ドル(約9兆5000億円)、前月比で約5・7%減ったこと が26日、世界の金融動向に詳しい調査会社ユーリカヘッジ(シンガポール)の調べで分かった。トヨタ自動車の時価総額に当たる資産が消え、市場低迷に大きな影響を与えた。

 株式などの短期売買で高利益を狙うヘッジファンドが運用悪化に加え、顧客からの解約やファンド閉鎖に伴う資産売却に追い込まれていることが鮮明になった。資産処分が続けば、日本株の下落につながる恐れがある。

 調査によると、米証券大手リーマン・ブラザーズが破たんした9月からの2カ月で、総運用 資産の約11・1%に当たる2074億ドル(約20兆円)が吹き飛んだ。10月末残高は1兆 6674億ドル(約158兆円)で、さらなる処分売りや大手ヘッジファンドの破たんで「来年半ばまでに、残高はあと4割減る」(外資系金融機関)との指摘もある。

 業界全体の運用成績状況を示すユーリカヘッジの総合指数(1999年12月が100)は、今年9月、10月とも前月比4%を超える落ち込みとなり、過去最長となる5カ月連続で低下。各国当局の株式空売り規制もヘッジファンドの手を縛り、打撃となった。

●「アリコジャパン、純損失1410億円 上期、追加で資本注入」

日経新聞 2008年11月27日

 経営危機に陥った米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)傘下のアリコジャパンの2008年度上半期の純損失が、1410億円に達した。保有するAIG株の大幅な下落が響いた。財務基盤の安定化に向け、経営母体の米アリコは26日付でアリコジャパンに、526億円の資本注入を実施した。

 アリコジャパンは今上期、有価証券含み損3061億円を計上。このうち2235億円を日本の法律上、資本金の代わりに持っていたAIG株が占めた。アリコジャパンへの資本注入は9月末に続き2度目。総額1434億円に達した。

 AIG関連ではAIGスター生命保険との合併を目指すAIGエジソン生命保険も同日、605億円の資本増強を発表した。アリコ、スター、エジソンの3社はAIGのリストラで売却対象となっている。「10月以降も銀行窓販で販売に大きな影響が出ている」(AIG広報部)としており、資本増強で資産の劣化を防ぎたい考えだ。

●「米の金融機関、延滞債権が倍増の18兆円」

200811月26日 朝日新聞

 【ワシントン=西崎香】 米連邦預金保険公社(FDIC)は11月25日、7~9月期の米商業銀行と貯蓄金融機関の経営状況を発表した。焦げつく恐れがある延滞債権は前年同期の2.2倍の約1843億ドル(約18兆円)に急増。

 破綻(はたん)の可能性などが懸念される金融機関も171行と13年ぶりの高水準に達した。

 調査は8384行の金融機関が対象。9月末にローン支払いが90日以上滞っていた延滞債権の割合は3カ月前と比べて0.27ポイント高い2.31%になり、93年以来の高水準を記録した。不良債権処理を見越した貸し倒れ引当額も3.0倍の505億ドルに急増した。

 その結果、純利益の総額は94.0%減の17億ドルに急減。7~9月期が減益だった金融機関の割合は58%を占め、赤字計上も24%と90年以来の最高水準となった。住宅差し押さえに伴う不動産の売却損などが急増している。

● 「オバマ次期政権、経済回復諮問委を新設 委員長はボルカー氏」
日経新聞 2008年11月27日

 【ワシントン支局】オバマ米次期大統領は26日、シカゴ市内の記者会見で経済回復のための諮問委員会を新設し、委員長に連邦準備理事会(FRB)の元議長であるポール・ボルカー氏を起用すると発表した。

 オバマ氏の経済顧問であるオースタン・グールズビー・シカゴ大学教授も新委員会のスタッフ・ディレクターに加え、大統領経済諮問委員会(CEA)の委員に起用することを明らかにした。(

●「オバマ政権経済チーム、サマーズ氏の調整力焦点」

日経新聞 2008年11月25日

 【シカゴ=毛利靖子、大隅隆】 オバマ次期米大統領が財務長官にガイトナー氏、国家経済会議(NEC)委員長にサマーズ氏を中心とする経済チームを指名した。両氏はいずれも、市場を尊重し自由貿易維持を訴えてきたルービン元財務長官に連なる人脈。

 労働組合の流れをくみ、保護主義に流れがちな民主党内勢力と一線を画している。オバマ新政権の経済政策は両者のバランスの上に立つ現実路線を模索することになりそうだ。

 24日正式発表した経済チームでオバマ氏が真っ先に名前を読み上げたのは、ガイトナー氏だった。オバマ氏はガイトナー氏を「チーフ・エコノミック・スポークスマン」と表現。ガイトナー氏を前面に据えることで、金融の危機管理を優先する考えを鮮明にした。

 一方のサマーズ氏は、ホワイトハウスで各省が打ち出す経済政策を総合調整する立場。企業で言えば、最大規模の支店のトップがガイトナー氏、本社トップの側近として全体を見るのがサマーズ氏という役割分担になる。

●「オバマ次期米大統領、大型景気策を集中実施」

日経新聞 2008年11月25日

 【シカゴ=大隅隆】オバマ次期米大統領は24日シカゴで記者会見し、ガイトナー・ニューヨーク連銀総裁を財務長官に、サマーズ元財務長官は国家経済会議(NEC)委員長に起用すると発表した。オバマ氏は「歴史的な経済危機にある」と指摘。ガイトナー次期財務長官らと「相当な規模の景気対策」をまとめ、2年間で集中実施する考えを打ち出した。

 次期政権の経済チームにはこのほか、大統領経済諮問委員会(CEA)委員長にローマー・カリフォルニア大バークレー校教授、社会保障政策などを手掛ける国内政策会議の委員長にバーンズ元米国進歩センター副所長が就く。 オバマ氏はガイトナー氏について「経済に関しては私の政権の首席スポークスマン」と言明。起用の理由について「現在の経済危機の深さや複雑さ、緊急性について誰よりも理解している」と語った。

●「FRB、最大8000億ドルの新金融対策発表 」

日経新聞 2008年11月26日

【ニューヨーク=藤井一明】 米連邦準備理事会(FRB)は25日、個人向けの信用収縮を和らげるのを目的に、最大で8000億ドル(約80兆円)に上る新たな金融対策を発表した。

 ローンを裏付けに発行した証券化商品を買い入れるのが柱。住宅ローン関連で6000億ドル、自動車、クレジットカード、学資などの消費者ローンで2000億ドルの資金枠をそれぞれ設定した。金融危機の影響で資金が出にくくなっている個人向けの金融市場をてこ入れする。

 FRBが住宅ローンの関連で買い入れる対象は、9月に政府の管理下に置かれた米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が保有する債権や保証をつけた住宅ローン担保証券(MBS)が中心だ。住宅ローンなどの債権は1000億ドル、MBSは5000億ドルの規模で買い入れる方針。


● 「米シティ株、終値4ドル割れ 個人向け証券部門、CEOが売却否定」

日経新聞 2008年11月22日

【ニューヨーク=財満大介】 大規模な部門売却や身売り観測が浮上した大手銀シティグループの株価が、21日の米株式市場でも続落。一時、前日比35%安の3ドル5セントを付けた。終値でも同20%安の3.77ドルと4ドルを下回った。朝方は5ドル超の水準で始まったが、ヴィクラム・パンディット最高経営責任者(CEO)が主要事業の売却を否定したと伝わり、下落して終えた。

 ロイター通信によると、パンディットCEOは同日、シティ社員に対し、個人向け証券部門のスミスバーニーを「売却しない」と述べた。また、シティの財務基盤は強固で「株価下落を気にしすぎるべきではない」とも語ったという

 経営不振が続くシティグループは他の大手銀行とともに、米政府から250億ドルの資本注入を受けた。17日には全従業員の15%に相当する約5万2000人の削減も表明している。それにもかかわらず株価下落に歯止めがかからないことから、21日時点のシティの株式時価総額は約205億ドル(約1兆9600億円)と、政府からの注入額を下回る水準まで落ち込み、大規模な再編観測が浮上した。


●「ジム・ロジャーズ氏「米ドルは欠陥通貨、適宜売却する」

サーチナ(サーチ・チャイナ)2008/11/18(火)

 米著名投資家のジム・ロジャーズ氏は最近のインタビューでこのほど、「米ドルは欠陥通貨だ」と発言した。しかし足元、米ドルが短期的に上昇する見込みから、完全には手放さない方針であることも付け加えた。理財が18日付で伝えた。

 同氏は「現在のドルの反発上昇は、単純に空売りの影響を受けているだけ。ドル高の歓迎ムードが現れれば、“米ドルの売り時”を意識するべき。なぜなら米ドルには欠陥があるから」と述べ、米ドルの長期所有に対する注意喚起を促した。

 コモディティについて、「商品市況の周期は需給関係に影響を受けやすいため、現在の市場にも恐慌的な投げ売り現象が存在している。しかし経済が永続的に低調であることはなく、商品の価格は必ず正常な水準に戻す」と発言、商品市場への明るい見解を語った。(編集担当:金田知子)


● 「【経済コラム】ヘッジファンドが投資家に謝罪すべき理由-マシュー・リン」

2008年11月18日 ブルームバーグ

 ヘッジファンドへの投資家らは、利益の20%に相当する成功報酬を支払い、相場に打ち勝つことを期待していた。 それは過度の期待だったとしても、「ヘッジ」という言葉が、景気が低迷した際に資金保護と何らかの関係があると考えても良いはずだった。 すべてが失敗に終わった今、投資家らはせめて、きちんとした理由の説明を期待するべきだ。

 残念ながら、これら3つの期待がすべて裏切られたことに投資家らは落胆している。3番目の期待が裏切られたことに最も失望している。GLGパートナーズやマン・グループなどのヘッジファンドの業績は悲惨な結果となったが、その言い訳は恥ずべきものだった。

 説得力がなく、あいまいで、想像力に乏しい。家庭用ゲーム機のプレイステーションで遊ぶのに忙し過ぎて、数学の宿題が終わらなかった生徒のほうが、ロンドンやニューヨークで巨額の資産を運用するヘッジファンドの幹部よりましな言い訳をするだろう。

 GLGのノーム・ゴッテスマン会長 兼 共同最高経営責任者(CEO)は、今月発表した業績報告書で、「まさに歴史的な出来事」を経験しているとの見方を示した。恐らく、これらの出来事が、昨年は1株当たり14ドルを超えていたGLGの株価を、3ドルを割り込むまでに押し下げたのだろう。

 マン・グループのピーター・クラークCEOは、2008年上期(4-9月)決算で25%の減益を発表する際、市場は「前例にないほどの混乱」に直面していると語った。同社の株価は現在、1株当たり約210ペンス。過去1年間に626ペンスまで上昇していた。

「困難な時期」  RABスペシャル・シチュエーションズのマネジャーらは、同社の株価の「わずかな」下落はすべて他人の責任だと考えているようだ。ディレクターの1人、クエンティン・スパイサー氏は業績報告の際、「わが社と経済市場全般にとっていまは困難な時期にある」と述べた。同社の株価は1株当たり25ペンスを割り、5月時点の111ペンスから下落した。

 ファンドのパフォーマンスの低さに関する説明が非常に不十分だと考えられる理由は3つある。 第一に、われわれが既に知っていることを説明されても何の意味もない。過去数カ月間、市場が混乱していることなどだれでも気付いているはずだ。ヘッジファンドに投資する賢明な投資家たちも確実にそのことは分かっている。確かに市場は混乱している。それは観察結果であって説明ではない。

「買いの好機」    第二に、いまが「チャンス」であることについては触れないでほしい。一部の相場は80%下落しており、そのような場合、買いの好機であることが多いのは重々承知している。資産家ウォーレン・バフェット氏らの全集は皆読んでいるのだ。ヘッジファンドマネジャーらに資金を託すよりも自分で資金を保有しているほうが、その「チャンス」はプラスに働く可能性があることにも気付いている。

 第三に、これらの出来事が「歴史的」であるとか、「前例がない」とか言うのはやめてほしい。これまでのところ、過去10年で最悪の弱気相場だとは見なされていない。S&P500種株価指数は2000-02年に50%以上低下した。同指数のことしの年初来低下率は約40%にとどまっている。  責任を回避しようとするのではなく、誠実さを示したらどうだろう。何事も修正の第一歩は何が問題だったかを認識することだ。

「謝罪方法」  ファンドマネジャーらは、どの市場に、なぜ投資したのかを明らかにするべきだ。例えば、1バレル当たり120ドルの原油相場に足を取られてしまったのなら、なぜ相場高騰をバブルとは思わず、はじけるのを待っていたのか。

  同じ過ちを繰り返さないために何を計画しているかを説明することが、ヘッジファンドにとって最も重要だ。相場のボラティリティー(変動性)について肩をすくめたり不平を言ったりしてもあまり意味はない。相場は常に変動するものだ。重要なのは、変動性が自分に有利に働くよう利用することだ。

 ヘッジファンドは、清算や投資家への資金償還さえも検討するべきだ。結局、自らが作り出した混乱を収拾し、静かにその場を立ち去ることが最良の謝罪方法だ。相場の上昇局面でいくらか利益を上げ、下落局面で損失を出すことを上回る運用ができないのなら、20%の成功報酬を受け取る資格はない。それくらいのことならだれでもできるし、うまくいかないときに謝罪する礼儀をわきまえている人もいる。

(マシュー・リン氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。コラムの内容は同氏自身の見解です)

●「米財務省、新たに21の銀行に約3.25兆円注入

2008年 11月 17日 ロイター

 米財務省は17日、7000億ドル規模の金融安定化法の下で、新たに21の銀行に対して335億6000万ドル(約3兆2500億円)を注入したことを明らかにした。これにより同法に基づく銀行セクターへの公的資金注入額は、合計1486億ドルとなった。

 財務省は、資本注入の見返りに優先株を取得する。今回の資本注入で注入額が最大だったのはUSバンコープの66億ドルだった。

●「南部州選出の議員、米自動車メーカー救済に反対-外国勢で繁栄可能」

ブルームバーグ 2008年11月18日

 日本や欧州、韓国の自動車メーカーが現地生産を展開する米南部諸州選出の共和党上院議員は、 ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーター、クライスラーなしでも繁栄できると述べ、 民主党議員が中心になって進めている米自動車メーカーに対する救済策に反対している。

 チャード・シェルビー(アラバマ州)、ジェフ・セッションズ(アラバマ州)、ジム・デミント(サウスカロライナ州)の共和党上院議員は米自動車メーカー3社に対する米政府融資案の阻止に動いている。

 民主党議員は米自動車メーカーに対し少なくとも250億ドル(約2兆 4180億円)の融資を求めている。 アラバマ州ではホンダ、韓国の現代自動車がそれぞれ現地生産を実施。ドイツのダイムラー・ベンツは2つの工場を持つ。

●「駒沢大、デリバティブで154億円損失 金融危機が直撃」

日経新聞 2008年11月19日

 駒沢大学(東京・世田谷)が昨年度から始めたデリバティブ(金融派生商品)による資産運用で、約154億円の損失を出していたことが19日、分かった。損失を埋めるため大学キャンパスの一部などを担保に融資を受けるとともに、取引の経緯を調べるための委員会を17日に設置した。世界的な金融危機が大学経営を直撃した格好だ。

 大学側は「今回の損失発生で、学生サービスや教育・研究活動に影響が出ることはない」(総務部)としている。 大学側によると、昨年7月、外資系金融機関と契約。「金利スワップ」と「通貨スワップ」の計4商品の運用を開始。こうしたデリバティブでの運用は理事会も了承していた。

●「デリバティブで損失のクウェート銀が1300億円増資へ」

日経新聞 2008年11月18日

 【ドバイ=太田順尚】 クウェート2位の大手銀行ガルフバンクは17日、株主割り当てで新株を発行し、資本増強すると明らかにした。約14億ドル(約1350億円)を調達する。既存株主が新株を引き受けない分については、政府系ファンドのクウェート投資庁が出資する。

 金融危機後、中東の湾岸産油国で損失を被った商業銀行が資本増強する額としては最大になる。増資完了後、経営陣は全員退陣するという。

 ガルフバンクは先月、デリバティブ(金融派生商品)取引で損失が生じていたことが発覚。経営破綻の懸念から顧客による取り付け騒ぎも起きており、政府が預金の全額保護方針を打ち出すとともに、資本注入に乗り出す姿勢を示していた。


●「エラー! ハイパーリンクの参照に誤りがあります。米国債保有、中国が首位に 9月末、日本は2位転落」

日経新聞 2008年11月18日

 米財務省が18日発表した9月の国際資本統計によると、中国が日本を抜いて世界最大の米国債の保有国になった。国・地域別の米国債保有残高は、9月末時点で中国が5850億ドル(約56兆8800億円、香港は含まず)。日本は5732億ドルにとどまった。

  米国発の金融危機にもかかわらず、中国は米国債への投資を拡大。米財政赤字が膨らむ中、米中の経済的な相互依存関係の深まりを示した。

●「日本のドル買い介入、米に歓迎論 米国債の受け皿期待も」

日経新聞 2008年11月18日

 米国の金融関係者の間で、日本の通貨当局がドル買い介入に出れば「歓迎する」という議論が登場している。円の急騰が国際金融不安を増幅させかねないとの危機感からだ。介入マネーを米国債の受け皿として期待する声もある。

 「通貨危機の今こそ、協調介入すべきだ」と言い切るのは米ステート・ストリート銀行。円急騰の反対側で、英、豪、ニュージーランドが通貨危機と呼ぶような状況に陥っていると指摘し、介入の必要性を強調する。

●「エラー! ハイパーリンクの参照に誤りがあります。10月のウィーン金貨の販売量、4.2倍に 田中貴金属工業 」

日経新聞 2008年11月17日

 田中貴金属工業は17日、オーストリア造幣局が発行する「ウィーン金貨ハーモニー」の10月の販売量が2万3930トロイオンスと前年同月比で4.2倍になったと発表した。経済不安や割安感を背景に、個人投資家の需要が拡大した。

 1―10月の販売量は8万5161トロイオンスで、昨年1年間(4万1663トロイオンス)の2倍超に達した。リーマン・ブラザーズが経営破綻した9月以降、現物商品で無価値にならない金の人気が再燃。海外相場の下落や円高・ドル安で国内小売価格が急落し、割安感が生じたこともあって、販売量が急増している。

 金貨は現在の相場水準で1万円以下と少額から購入できるため、金投資の初心者や投資単位を小口化したい富裕層などの人気が高い。田中貴金属工業の一部の店舗では、1トロイオンス物のウィーン金貨が一時品切れになった。

●「10月のプラチナ販売量が最高、価格急落で個人動く 田中貴金属」

日経新聞 2008年11月13日

 田中貴金属工業は12日、10月の個人向けの投資用プラチナ地金の販売量が前年同月に比べて約17.6倍に膨らみ、過去最高になったと発表した。2001年1月を100とした指数でみると08年10月は2412で、わずか1カ月間で2007年の年間販売量の1.3倍を記録した。

 ニューヨーク市場の先物取引などをもとに算出した1グラムあたりの価格は、10月の月間平均で3058円(税別)と、前月より約1300円下落。2005年5月以来の低水準となったため、割安とみた国内の個人投資家が購入を増やしたとみられる。

 プラチナの月間平均価格は、08年6月には1グラム7000円台まで上昇したが、世界景気の減速で自動車触媒用の需要が落ち込むとの見方などから、7月以降急落している。

●「1000万、2000万円値引き 首都圏マンション大暴落始まる」

JCASTニュース 2008年11月17日

首都圏のマンション価格に、大暴落の兆しが出ている。背景には、在庫を抱えている中小の建設・不動産業者の資金繰りが逼迫、持ちこたえられなくなったことがあるようだ。

 それに消費者がまだ下がると見て、様子見しているのが追い討ちをかけている。マンション販売の現場ではハデな値引き合戦が起こっていて、「売り出し価格は、まったくあてにならなくなっている」(地場の不動産業者)。

 実際の引渡し価格から1000万、2000万円値引きしたマンションもあるという。折込チラシに「クルマのローンよりも安いアウトレットセール」

不動産経済研究所が2008年11月13日に発表した10月の首都圏マンションの市場動向によると、新築マンションの販売戸数は4240戸。前年同月に比べて26.0%供給が減ったが、1戸あたりの平均価格は4848万円(売り出し価格ベース)と、前年同月比で3.3%アップしていた。

同研究所は、「埼玉県や千葉県の物件が不調のなかで、価格帯の高い東京都区部や神奈川県の物件が売れたことが平均価格を押し上げただけ。価格をみると、都区部を中心に下落傾向にあります」と説明する。

世界的な金融危機の影響でマンション市況も悪化の一途。そのなかで、政府が示した経済対策に住宅ローン控除が盛られる予定なことから、「買い手が手控え始めている」。売り急ぐ業者は価格を下げるしかなくなっている。

値下がり物件は、中古だけでなく、新築後1年を経過した「新古」物件にも広がっている。東京まで約1時間半、埼玉県内のある新築マンションは2LDKで998万円。最初の売り出し価格は2200万円だった。折込チラシには、「新価格のマンション アウトレットセール」の文字に、月々支払う住宅ローンが「クルマより安い」と謳っている。

まもなく竣工後1年を迎え、「1年をすぎると販売価格が大きく下げざるを得なくなるので、その前に売ってしまいたいんでしょう」(ネット系の不動産業者)とみている。
「販売価格はあってないようなもの」

高級住宅街で知られる世田谷区成城の築15年・3LDKのマンションは3000万円台を割った。築5年、売り出し当時は「億ション」だった物件も、郵便ポストへの投げ込みチラシには9800万円に下がった。周辺にはまだ新築工事中のマンションや予定地があり、「中古マンションの空きを減らしたいんです」(大手不動産販売の担当者)という。

中古物件の販売を手がける地元の不動産会社は、「駅から徒歩10分をすぎると、それだけで500万円違ってきます。実際に、物件を見に来てくれるお客さんには(値下げ価格を)提示します。買ってもらえれば、資金的にも助かりますから」と、厳しい事情を明かす。前出の大手不動産販売の担当者も「販売価格など、あってないようなもの」と、とにかく売るのに懸命だ。

大幅値下げのウラには、「外資系企業をはじめとした企業の借り上げ社宅の減少もある」(外資系証券の幹部)と指摘する。成城界隈の高級マンションや、中央区などの都心に近い超高層マンションなどに影響が出ているという。

それを裏づけるように、「リーマンの破たん以後、(契約解除が)増えてきました。おそらく住んでいた社員は退社したのでしょう。すでに空室になっています」(前出のネット系不動産業者)との証言もある。空室が目立ちはじめて、それがまた「値下げ」を呼んでいる。

● 9月末の中国の米国債保有残高は前月に比べ436億ドル増加。日本は128億ドル減った。3位は英国で3384億ドル。海外全体では前月に比べ1106億ドル増え、2兆8605億ドルとなった。

● 「東証でも空売り規制の措置を発表」

日経新聞 2008年11月12日

 東京証券取引所は11日からホームページ上で、「空売りをした指定有価証券にかかる残高情報」の公表を開始した。 空売り規制の強化に伴う金融商品取引法施行令の一部改正が行われたためで、その初日分である7日分がきょう午後3時15分と同5時に掲載された。

 発行済株式数の0.25%かつ50単位の空売りの委託申し込みを行った「投資者」は、 金融商品取引所の会員である「取引参加者」に対し、空売りをした指定有価証券にかかる残高情報と商号・名称・氏名および住所・所在地を提供し、取引参加者は東証にこれらの情報を提供することになっている。公表は、計算年月日の2営業日後で、夕方をめどに開示するという。

 今回開示されたのは機関投資家や証券会社の自己売買部門、個人など延べ 33の投資者となっている。1投資者が最も多い銘柄数を届け出たのはNomura Internationalの25銘柄。全体の対象銘柄は延べ140銘柄に達しており、発行済株式数に対して最も高い空売り残高比率となったケースは、ドイツ証券と Nomura International、Hachiman Capitalによる合算で10.82%に達したアイフルだった。

  第一生命経済研究所の島峰義清主席エコノミストは、「空売りを行っている主体だけでなく、 その対象までがつまびらかになっており、予想以上にインパクトがある」と指摘。今後は細かな手口が明らかになることで、「空売りの抑止力になるのではないか」との認識を示した。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=aBGytkkpC4bg&refer=jp_home


●「政府がIMFに10兆円融資 金融サミットで麻生首相が表明予定」

毎日新聞 2008年11月12日

 政府は12日、金融危機で財政難に陥った新興国に向けたIMF(国際通貨基金)緊急融資制度を支えるため、新たに日本の外貨準備から1000億ドル(約10兆円)規模の融資をする方針を固めた。

 14日から米ワシントンで開催される第1回緊急首脳会議(金融サミット)で麻生太郎首相が表明する方向で調整しており、世界に広がる金融危機への日本の貢献をアピールしたい考えだ。

 1兆ドル(約100兆円)に上る日本の外貨準備の中から、必要に応じてIMFに資金を貸し付ける方式で調整しており、今後、IMFの緊急融資が急増した場合は、さらに日本の融資枠を拡大することも検討する。

 米国発の金融危機は欧州や新興国にも拡大し、アイスランドのように国家規模を上回る資産規模を持つ金融機関の救済を迫られたケースでは、一国だけでは対応できず、国家破綻(はたん)を回避するにはIMFによる緊急融資発動が不可欠だ。

 IMFはアイスランドのほかハンガリー、ウクライナなどへの支援を決定。トルコやパキスタンも今後、支援要請する意向で、支援対象国が急増する可能性があり、IMFは「支援融資向けの資金枠(総額2000億ドル=約20兆円)を早急に拡大させる必要がある」(幹部)とみている。

●「変革実行へ「癒着」断つ=米次期政権、ロビイストを排除 」

時事通信、2008年11月11日 ワシントン

 オバマ次期米大統領の政権移行チームは11日、業界の利益のために影響力を行使しているロビイストからの献金受け取り禁止を柱とする倫理規定を発表した。

 オバマ氏が旗印に掲げる「変革」の 実行のため、既成政治の象徴的存在とも言えるロビイストを排除し、業界との「癒着」を断ち切る強い意志を示した。 倫理規定は具体的に、
(
1)ロビイストからの献金、贈与を禁止する
(2)過去1年間にロビー活動に従事した人物が関連分野の政策決定に関与することを禁止する
(3)政権移行業務に従事した後、新政権に対して関連分野のロビー活動を行うことを1年間禁止する

-などと定めている。同チームのポデスタ共同議長は「これまでの政権移行組織の中で最も厳しい内容だ」と胸を張った。

●【自動車】米GM株価、3ドル台に急落、62年ぶりの安値水準に」

2008年11月11日 日経新聞

 経営不安が高まっている米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の株価が10日、一時前週末比31%安の3ドル2セントまで急落した。米メディアによると、1946年以来、62年ぶりの安値水準。GMが来年前半に資金不足に陥る見通しを公表したことを受け、先行きを不安視する株式アナリストが目標株価を「1ドル」や「0ドル」に下げ、売りが膨らんだ。

 GMは先週7日、政府による金融支援などがなければ、来年1―6月に運転資金が不足する見通しを公表した。バークレイズ・キャピタルはGMの手元資金が「来年1―3月にも必要最低限の水準を下回る可能性がある」と予想、目標株価を4ドルから1ドルに下げた。

 0ドルに引き下げたドイツ銀行は、政府介入があったとしても、GMは「破綻に近い状態」になると指摘した。10日のGM株の終値は約23%安の3ドル36セント。時価総額は約19億ドル(約1900億円)に減少した。

●「ペロシ米下院議長:自動車業界への追加支援、年内法制化を呼び掛け 」

ブルームバーグ 2008年11月11日

 ペロシ米下院議長は11日、自動車業界への追加支援に向けた「迅速な行動」を望んでおり、新議会がスタートする来年1月より早く、年内に法制化させたい考えを明らかにした。

 ペロシ議長は、電子メールで記者団に配布した声明で 「1社またはそれ以上の主要米自動車メーカー」の破たんがあれば「国内経済に甚大な影響」をもたらすことになると指摘した。議長はその上で、自動車業界への支援措置には必ず条件が付けられると言明。

「自動車業界への緊急支援措置は、経営幹部報酬の制限、ゴールデンパラシュート(被買収企業の役員が受け取る割増退職金)の禁止、第三者による厳格な監視のほか、この措置の恩恵を受ける企業がすべての返済義務を負うよう徹底し納税者の保護を図ることが条件になる」と指摘した。


●「中国の景気対策に伴う資金需要、短期的に米国債市場に打撃も」

2008年 11月 11日、ニューヨーク、ロイター

 中国政府が今週5860億ドルに上る景気対策を発表したことについて、市場関係者の間では、米国債市場にとって新たな悪材料になりかねないとの懸念が広がっている。その理由は、中国が景気対策に必要な資金を確保するため、保有する巨額の米国債を売却するか、あるいは米国債の購入ペースを落とす必要が生じる可能性があるためだ。

 それに加え、米国政府が国債を増発し、来年は発行額が2兆ドル程度に達するとみられていることも、市場の圧迫要因になると懸念されている。

 パトナム・インベストメンツのマネジングディレクター、ビル・コーリ氏は「(中国の景気対策に対して)米国債市場が真っ先に示した反応は、中国がインフラ投資の資金を捻出するために米国債を売却せざるを得なくなるとの見方に基づくショックだったようだ」と指摘する。

 だが今のところは、米国経済の急激な悪化や商品市況の下落を背景としたインフレ圧力の鈍化により、米国債価格は堅調に推移している。中国の景気対策が発表された直後の10日は米国債市場が一時的に下落したが、コーリ氏によると、すぐに「リスク回避や景気減速懸念という圧倒的な波」に飲み込まれ、安全な資金の逃避先とされる米国債市場に資金が流入した。

 しかし、このような市場の動きは、世界各国の政府が経済成長促進策のために債券発行を拡大する中で、長期債の供給増加に伴うリスクを覆い隠しがちだ。コーリ氏は「長期的に見れば、財政問題や国債の増発が長期債にとって圧迫要因となる」と指摘している。

 タバックのチーフ債券ストラテジスト、トニー・クレセンツィ氏は、リサーチノートの中で、中国は景気対策に必要な資金を手当てするため「保有する米国債あるいはエージェンシー債を売却するか、それらの買い入れペースを落とさざるを得なくなる」との見方を示した。

 米国債市場が下落し、長期金利が上昇すれば、回復の兆しが見られない米国の住宅市場にも打撃となる。米国の住宅市場を安定させるには住宅ローン金利を引き下げる必要があるが、10年債利回りが上昇すれば住宅市場の回復も遠のきかねない。

 アナリストの推測によると、米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ) と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が発行した債券を加えれば、中国は総額1兆―1兆5000億ドルに上る米国の債券を保有している。

 ブラックロックのロバート・カピト社長はロイターサミットで 「彼らが国債を売る必要が生じるとは思えない。ほかに売却できる資産がある」 と述べ、ファニーメイやフレディマックなどのエージェンシー債を売却する可能性があるとの見方を示した。

 ユーロ・パシフィック・キャピタルのチーフ・グローバルストラテジスト、ピーター・シフ氏は、中国がインフラ投資を中心とする景気刺激策を講じる上で必要な資金は、2兆ドル近くに上る外貨準備でまかなわれる可能性が高い。

 その多くは米国の国債やエージェンシー債で構成される」と指摘、「中国がこのキャッシュに手をつければ、米国が過去最大規模の国債発行に動く中、中国はネットで売り手となるだろう。買い手は連邦準備理事会(FRB)しかいなくなる」と警告している。

 もっとも、長期的にみれば、中国の景気対策に伴う資金需要が米国債利回りを大幅に押し上げる可能性は低いとの見方もある。 カリフォルニア州立大学の経済学教授、スン・ウォン・ソン氏は、中国は現在年間2500億ドル程度の貿易黒字を計上しており、世界の景気減速が黒字を圧迫したとしてもなお1500億ドル程度の黒字となる見通しで、これは景気対策に充当するのに十分な金額だと指摘している。

 同氏は「過去にも中国が外貨準備を使おうとした話を聞いたことがあるが、その時も影響は一時的なものにすぎなかった」と語っている。ただ、それでも短期的には、例えば200億ドル程度の「比較的少額の」米国債の売却でも、利回りにかなりの影響を及ぼす可能性があるという。

●「米政府が資金支援を拒否 GM・クライスラー合併で」

2008年11月3日、ニューヨーク、共同通信

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は3日、自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)が大手クライスラーとの合併交渉に関し米政府に求めていた最大100億ドル(約1兆円)の資金支援について、財務省が10月31日、GMに拒否することを伝えたと報じた。

 政府による支援は、金融危機対策のための緊急経済安定化法に基づく最大7000億ドルの公的資金枠の利用を想定していたが、対象を金融機関から事業会社へ拡大することや、大規模な人員削減を伴う合併への活用に慎重論が強まったとしている。

 政府は既に自動車業界向けにエネルギー省を通じた250億ドル規模の低金利融資を決めており、この中からGMへの50億ドル程度の融資実施を急ぐ考えという。

 大詰めを迎えた合併交渉の結論は、4日の大統領選後に持ち越される見通し。合併実現には資金面での政府支援が不可欠とされており、鍵は次期大統領が握るとの見方が強まっている。


● 「金融法案で民主対決姿勢 / 「農林中金」 そ上に」

日本農業新聞 2008年10月24日

 政府が24日の閣議決定を予定する金融機能強化法改正案で、地域経済の活性化に向け、農林中央金庫にも公的資金を注入できる新たな枠組みを想定していることについて、民主党内で慎重な検討を求める意見が強まっている。

 同党は23日午前、金融対策チームの会合を開き、同法案の検討のポイントをまとめた。地域経済の活性化を図るという法案の目的やその実効性、既存法制との整合性、モラルハザード(倫理感の欠如)を防ぐための経営責任を問う基準の明確化などを指摘。

 その上で、「特に、中小企業融資とは直接的にはあまり関係がなく、かつ過大なCDO(債務担保証券)などの証券化商品投資をしてきた農林中金への公的資金注入の在り方については検討を要する」と強調した。

● 「日本郵政 とうとう投信販売からの「撤収」が始まった」

日刊ゲンダイ2008年10月23日

 あまりの苦情に耐えられなくなったのか、日本郵政グループが、民営化のシンボルともいえる「投資信託」の販売を大幅に縮小し、事実上の撤収に入った。

 郵便局に出向くと最近まで、「投資信託」の文字がやたらと目についていた。緑の地に「投資信託」と白く抜かれた文字ののぼりが郵便局の入り口付近に置かれ、局内には垂れ幕やポスターが所狭しと張られた。棚には商品ごとにチラシが並び、ティッシュも配られていた。

 ところが、今や、郵便局の様子は一変。投信の文字が消えているところが増えているのだ。「本社からの指示で、投信販売を積極的に勧奨しない方針に変わったのです。早いところでは、9月末頃から投信に関するものを店頭から撤去しています」(郵政グループ関係者)

 実際、複数の局をのぞいたが、ド派手に宣伝していた1年前の活況は伝わってこなかった。事情をゆうちょ銀行に聞いてみると――。「投信を販売しているのは、全国に約2万4000カ所ある中でほぼ1500カ所で、投信販売をやめていません。とくに直営の233カ所すべてで投信を取り扱っています」(ゆうちょ銀行広報担当者)

 たしかに、投信販売を中止しているわけではない。「どうしても買いたい人には売る」という姿勢なのだ。約53万口座も集めたのに、ここで“自粛”とはどういうことか。「日を追うごとに増える顧客からの苦情が原因です」日本郵政に詳しいジャーナリストが言う。郵政が売った投信の基準価額はこの1年間ですべて下がり、中には半分以下になったものもある。

「郵政の顧客は、証券の投資家と違いおよそ3割が初めて投資する人たちといわれている。安全と思っていたら、あっという間に大損した。クレームは当然です。コールセンターやお客様相談室などに文句が殺到しています。電話対応でラチがあかないと“上を出せ”と大変な剣幕で怒り出す顧客がひきもきらないと聞いています」(前出のジャーナリスト)

 さしもの日本郵政の西川善文社長ら経営陣もこれ以上、投信に関わったら得策ではないと判断したのだろう。まさに強引な営業のツケ。身から出たサビだ。民営化からわずか1年で顧客の信頼を裏切った日本郵政。このままでは目指す早期の上場も夢のまた夢だ。

●「米住宅公社対象の信用デリバティブ、前倒し清算で巨額損失も」

日経新聞 2008年11月13日

【ニューヨーク=山下茂行】米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を対象にした信用デリバティブ(金融派生商品)の前倒し清算に絡んで、世界の金融機関に巨額の損失が発生する可能性が出てきた。損失は数百億ドル規模にのぼるとの見方も浮上している。一部の日本の金融機関も取引しているとみられるが、実態は把握しきれず、実際の影響は不透明だ。

 業界団体の国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA)は8日、公的管理の決定を受けた住宅公社の債券を対象とするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などを前倒しで清算すると決めた。


● 「CDSなどデリバティブの規制求める=米下院金融委員長」

2008年 10月 13日 ワシントン、ロイター

  米下院金融委員会のフランク委員長(マサチューセッツ州、民主党)は13日、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)など金融派生商品(デリバティブ)に関する新たな規制の導入を求めていく考えを明らかにした。委員長は記者会見で、金融危機を防ぐために規制が必要だと指摘。「経済を適切に規制できなかったことが、この混乱を引き起こした根源だ」と述べた。

●「米アメックス:銀行持ち株会社に業態転換 カード事業低迷」

共同通信 2008年11月11日

 米連邦準備制度理事会(FRB)は10日、米金融・旅行大手アメリカン・エキスプレス(アメックス)に銀行持ち株会社の免許を付与することを承認した。アメックスは金融危機の影響でクレジットカード事業が低迷。業態転換で金融危機対策のための緊急経済安定化法に基づく公的資金やFRBからの低利融資が受けやすくなる利点がある。

 証券大手ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーが銀行持ち株会社に転換。米自動車大手の関連金融会社も金融当局と同様の交渉を進めており、公的資金投入の対象が一層幅広い業種に広がる可能性が出てきた。アメックスは、金融危機拡大による個人消費停滞で業績が悪化。利用者の代金未回収などに備えた貸し倒れ引当金も膨らみ、今年7~9月期決算で、純利益が前年同期比24%減となっていた。

●「目標株価“ゼロ”でGM株急落 ― まるでタイタニック号の乗客になった気分だ」
GM's Shares Hit by Analyst Downgrades  by David Kiley 、

BusinessWeek誌、デトロイト支局上級記者 2008年11月10日

 「まるでタイタニック号の乗客になった気分だ。目前に迫る氷山 を確認していながら、避けることができない。先日、部下が泣いている場面に何度か遭遇した。断腸の思いだ」と、あるGM幹部は匿名を条件に語った。

 米ゼネラル・モーターズ(GM)の株主は、当のGM以上に会社の先行きを悲観しているようだ。 11月7日、GMは手元資金が年内にも経営に必要な最低限度額に達する恐れがあると認めた

(BusinessWeek.comの記事を参照:2008年11月7日「GM's Crippling Burn Rate」)。これを受けて週明け10日の米株式市場では、同社株は一時62年ぶりの安値水準まで下落した後、23%安の3.36ドルで取引を終えた。

 ウォール街の一部アナリストは、米政府が支援に動いたとしても、GMの株価は回復までには数年を要する可能性もあると指摘する。新たに背負う巨額の債務が、今後長年にわたり株価回復の足かせとなると予想されるためだ。

 GMよりは多少ましな経営状態にあり、来年の景気後退局面をなんとか乗り切ると見られている米フォード・モーター(F)も、楽観できる状況には程遠く、10日の株価は4.5%安の1.93ドルで引けた。

注目を集めるレームダック議会の行方 米民主党のナンシー・ペロシ下院議長とハリー・リード上院院内総務の両首脳は11月7日、ジョージ・W・ブッシュ米大統領およびヘンリー・ポールソン米財務長官に書簡を送り、10月に成立した金融安定化法の公的資金枠7000億ドル(約70兆円)の支援対象に自動車メーカーを加えるよう再考を求めた。

 だが米議会の消息筋が11月10日に語ったところによれば、米政府は、金融安定化法の救済対象に自動車メーカーを含めることはできない、との解釈に“固執”しているという。「現在の大勢は、自動車メーカーを救済対象に含めることを明記した金融安定化法の修正法案の成立を目指す方向にある」と、交渉に詳しいある議会職員は言う。

 これらの修正法案は、来週(11月第4週)から始まるレームダック議会(11月の選挙で落選した議員が残りの任期中に出席する議会)会期中にも可決される可能性がある。そのほか、同議会に向け民主党指導部が起草している景気刺激策法案に自動車メーカー救済が盛り込まれる可能性も考えられる。

 バラク・オバマ次期米大統領は、何としても自動車メーカーを支援する意向を表明している。これを受け、支援をためらっていた共和党議員の多くが一転して賛成票を投じるようになる可能性もある。「共和党議員の中には、数カ月前まで自動車メーカー支援に反対していたのに、今はオバマ氏と同じ見解に傾いている議員もいるようだ」と前出の議会職員は語る。

目標株価は“ゼロ”  政府支援の有無に関係なく、GMの将来に対するウォール街の見方は悲観的だ。英バークレイズ・キャピタル(BCS)はGMの目標株価を1ドルに、独ドイツ銀行(DB)は“ゼロ”に引き下げた。「政府支援の拡大によってGM破綻の可能性は低くなるものの、GM株値は大幅に低落するだろう」と、バークレイズ・キャピタルのアナリストは指摘する。

  一方、GMの目標株価をゼロと見るドイツ銀行のアナリスト、ロッド・ラーシュ氏は投資家向けリポートで、「政府支援がなければ、GMの破綻は避けられないと考えている。そうなれば、自動車メーカー、部品製造業者、小売業者、さらには米国経済の各分野にとって克服困難なシステミックリスク(危機の連鎖)を引き起こすだろう」と述べている。

 米自動車メーカーは、最低250億ドル(約2兆5000億円)の緊急融資を求めている。GMとミシガン州選出の代議員との間で進められている協議の中では、役員報酬の制限や株主配当の支払い、雇用の保障など、支援の見返りとしてGMが受け入れる余地のある条件についても検討されている。 GMは、11月7日に公表した3600人の人員削減に続き、10日にも工場労働者1900人の解雇を発表した。

●「住宅公社CDS、元本割れ清算決まる 多額の損失確実に」

日経新聞 2008年10月7日

【ニューヨーク=山下茂行】 国際スワップ・デリバティブス協会(ISDA)は6日、米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)を対象にした信用デリバティブ(金融派生商品)の清算価格を決めたと発表した。それぞれ元本を下回る価格に決まったため、世界の金融機関などに多額の損失が出ることがほぼ確実になった。

 清算価格が決まったのは住宅公社の債券を対象とするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)。優先債務を対象にするCDSで、ファニーメイは元本の91.51%、フレディマックは同94%で清算する。劣後債務を対象とするCDSの清算価格はそれぞれ元本の99.9、98%。

 市場推計では住宅公社債を対象とするCDSなどの信用デリバティブは最大で5000億ドル。清算価格が元本を1%下回るだけでも50億ドル(5000億円強)の損失が出る計算だ。大手金融機関や一部の債務担保証券(CDO)が引き受けているとみられるが、CDSは比較的新しい金融商品で詳しい統計などが存在しないため実態は見えにくい。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


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