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「92」 「サブプライム危機から世界恐慌へ」(27) 2008年9月の前半、「9.15リーマン倒産ショック」の直前までの動きの記事を載せる。2008・10.17

副島隆彦です。 今日は、2008年10月17日です。
 一ヶ月ぶりに、ここに記事を載せます。2007年分ではなくて、今年、2008年の9月の前半分です。
「9.15 リーマン(倒産)ショック」と後世、語られるようになる事件の直前までの動きです。まるで小説を読んでいるような感じで、事態は進行しました。私が、『恐慌前夜』の原稿を書き上げたのは、その一ヶ月前の8月12日でした。発売は、9月4日でした。  副島隆彦記

(転載貼り付け始め)


●「売り注文のトレーダー、100ドル台突破と同一人物」

読売新聞 2008年9月13日

 【ニューヨーク=山本正実】 12日のニューヨーク原油先物市場で1バレル=100ドル割れにつながる注文を出したのは、1月に史上初の100ドル台乗せとなる注文を出したトレーダーと同一人物だった。米ダウ・ジョーンズ通信が報じた。

 このトレーダーはリチャード・アレンズ氏で、この日、99・99ドルで最小単位(1000バレル)の売り注文を出し、取引を成立させたという。1月2日には買い注文で相場を100ドル台に到達させた。市場関係者からは、「自分がやったと自慢するために注文した」との声も聞かれる。


●「NY外為(12日):ドル、対ユーロで大幅安-米利下げ観測も売り材料」
2008年9月12日 ブルームバーグ

 ニューヨーク外国為替市場ではドルがユーロに対して下落。2006年1月以降で最大の下げとなった。

 一方、ユーロやブラジル・レアル、ポンドは円に対して上昇した。米証券大手のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが身売り交渉を進めているため、高金利通貨の売り持ちを縮小する動きとなった。年内に米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げに踏み切るとの思惑が強まったこともドル売り・ユーロ買いを誘った。

 TDセキュリティーズのチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏(トロント在勤)は「週末が近づくにつれ、最近の持ち高の解消が起こっている。15日朝の状況がどうなっているのか不透明感は強い。この日のドル売りは週末を控えた持ち高調整が原因だ」と述べた。

 ニューヨーク時間午後4時19分現在、ドルは対ユーロで前日比1.6%安の1ユーロ=1.4222ドル。前日は1.3998ドル。この日の円はユーロに対して2.3%下落して1ユーロ=153円40銭(前日は149円98銭)。円はドルに対して0.7%安の1ドル=107円88銭(前日は107円17銭)。

 主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は1.4%安の79.011と、2006年1月以来の大幅な下落率。前日は07 年9月以来の高水準となる80.375を付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は同月から当時5.25%の水準にあったフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引き下げを開始した。

ドル高基調の終えんか
  対ユーロでのドルは7月15日に1.6038ドルと最安値を更新した後、ほぼ12%戻している。欧州の景気鈍化に加え、原油相場が最高値1バレル=147.27ドルから30%余り下げていることが背景。

BNPパリバのテクニカルアナリスト、アンドルー・シャベリア氏(ニューヨーク在勤)はドルの戻り基調が「終わった」とし、今後数週間以内に1.50ドルまで下げると予想する。前日にユーロ相場のローソク足チャートにいわゆる「トンカチ」が表れたことが理由。トンカチとは取引開始直後から大きく売られたが、その後に買いが入り、寄り付きと同水準で引けた形をいい、トレンドの反転を示唆することが多いとされる。

 シャベリア氏はドルが1ユーロ=1.3850ドルの上値抵抗線を抜けることができなかったことも「ドルの地合いを危うくしている」という。

 リーマン
  リーマンの身売り観測により、円買い・高金利通貨売りの持ち高が反転し、円に対してブラジル・レアルは1.8%高、ポンドは2.3%上昇した。日本の政策金利は0.5%。一方、ブラジルは13.75%、英国は5%。

 リーマンのリチャード・ファルド最高経営責任者(CEO)は、韓国産業銀行(KDB)からの出資交渉が決裂し、株価が70%急落したため、買い手探しを余儀なくされている。買い手候補としては、米銀大手のバンク・オブ・アメリカ(BOA)が最有力視されている。交渉に詳しい関係者が12日、明らかにした。

 米金融政策
  シカゴ商品取引所(CBOT)のFF金利先物相場の動向によると、FOMCが12月までに少なくとも0.25ポイントの利下げを実施する確率は40%。前日は35%、1カ月前はゼロだった。FOMCの次回定例会合は9月16日。

 RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツ(コネティカット州グリニッチ)の北米通貨戦略責任者、アラン・ラスキン氏は「米金融政策に対する見通しがシフトしたことは重大だ。対ドルでのユーロ相場を下支える一因になり得る」と指摘した。

 8月の小売売上高(速報、季節調整済み)は前月比0.3%減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.2%増だった。8月の生産者物価指数(PPI)全完成品は前月比0.9%低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は 0.5%低下。 週間ベースではドルは対ユーロで0.3%高。円は対ユーロで0.2%上昇、対ドルではほぼ変わらずとなった。

 INGファイナンシャル・マーケッツの為替調査責任者、クリス・ターナー氏(ロンドン在勤)は調査リポートで「ドルは短期に上げ過ぎた」と指摘した。ただ、欧州への投資資金流入の「急減速」を理由に、第3四半期末の予想を1.45ドル、年末時点を1.48ドルと、従来の見通し(ともに1.55ドル)からドル高・ユーロ安方向に修正した。

● 「リーマン買収、バンカメが中国ファンドと共同で検討 英紙報道」
 日経新聞 2008年9月13日

【ニューヨーク=藤井一明】 英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は12日、経営難に陥った米証券大手リーマン・ブラザーズの買収交渉に関して、米銀大手バンク・オブ・アメリカとともに投資ファンドのJCフラワーズ、中国の政府系ファンドである中国投資有限責任公司(CIC)が共同で入札を検討していると報じた。英銀大手バークレイズも興味を示しているという。

 バンカメが率いるグループは株価が急落しているリーマンの資産内容を詳細に調べており、関係筋は同紙に「唯一の問題は(売却)価格がいくらになるのかだ」と語っている。CICはJCフラワーズに資産運用を委託するなど関係が深い。中国からの出資が決まれば、外資の参入に神経をとがらせる米議会などでも波紋を広げそうだ。


●「AIG、迅速な資産売却が必要」

日経新聞ネット  2008年9月12日 ニューヨーク、 ウォール・ストリート・ジャーナル紙

 米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は行動しなければならない。しかも迅速に。同社は、6月に最高経営責任者(CEO)に就任したロバート・ウィルムスタッド氏が9月後半に新たな戦略を発表するとしていたが、市場はそれを待てる雰囲気ではない。日を追うごとに、そして株価が下落するにつれ、同社の選択肢は狭まっている。

 同社株の11日終値は前日比0.05ドル(0.29%)高の17.55ドル。その後の時間外取引はは下げに転じ、終値比2.05%安の17.19ドルで取引された。同社の株価は1週間もたたないうちに25%下落し、同社債券のデフォルト(債務不履行)に備えたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドは、経営難に陥っているリーマン・ブラザーズ・ホールディングスを上回った。

 これは、「ウィルムスタッド氏は、AIGを解体する必要がある」とのマーケットからのメッセージだ。同氏が行動を起こさなければ、そしてAIGの株価が下落し続ければ、AIGは格下げに直面する可能性がある。この場合、同社が引き受けているCDSの追加担保として少なくとも100億ドルの差し入れを迫られる恐れがある。そうなれば、同社はさらなる増資を迫られることが考えられる。

 ウィルムスタッド氏は、同社の部門を売却して事業構成を単純化することで、そうした事態を未然に防ぐことができるかもしれない。部門売却は、同社の財産を売るようなものだが、不動産の売却より良い。

 AIGはまず、保有している再保険部門トランスアトランティック・ホールディングスの株式59%を売却すべきだ。これで約25億ドルの売却益が見込まれる。また資産運用部門AIGインベストメンツの売却で最大30億ドルを受け取ることができそうだ。厳しい競争に直面している自動車保険部門AIGダイレクトも売却すべきだ。さらに、消費者金融部門や変額年金保険部門の一部事業も売却できるかもしれない。

 リーマンが10日発表した事業再編計画に市場が厳しい反応を示したことを考えると、AIGを財務内容の良しあしに基づいて分割する方法はうまくいかない公算が大きい。もっと思い切った方法があるかもしれない。法的に難しい問題をはらんでいる可能性がある場合、AIGは、かつて同社を率いていたモーリス・グリーンバーグ氏を、資本調達アドバイザーなどの肩書きで呼び戻すことが考えられる。

 あるいは、同社の保険部門を、著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイに売却するという手もある。こうした受け入れ難い選択肢を考えてみるだけで、ウィルムスタッド氏は行動に駆り立てられるはずだ。


● 「米住宅差し押さえ:8月は過去最大の30万3879戸-前月比12%増加」
2008年 9月12日 ブルームバーグ

 米住宅差し押さえに関するデータを集計する米リアルティトラックが12日に発表したところによると、8月の差し押さえ手続き件数は前月比で12%増加し、過去最大を記録した。住宅の値下がりで売却やローン借り換えが難しく、差し押さえが増えた。

 リアルティトラックによると、デフォルト(債務不履行)通告、競売通知、所有権移転を合わせた8月の差し押さえ手続き物件は30万3879戸で、2005年1月の集計開始以来で最大となった。米国の住宅416戸に1戸の割合で差し押さえの手続きに入った計算になる。今までの最高は5月の27万3001件だった。8月は前年同月比では27%増えた。前年の8月も高い数字だったため、前年比の増加率は7月に比べ半分程度に抑制された。

 差し押さえ手続きの最終段階である債権者への所有権移転は前年同月比で倍以上に増え9万893件。デフォルトは10%増、競売は7%増加した。8月の件数は前年比で07年2月以来の低い伸びだった。リアルティのジェームズ・サッカチオ最高経営責任者(CEO)は発表資料で、差し押さえ抑止に向けた新法が貢献しているのかもしれないとする一方で、「本当に差し押さえが減るのか、一時的なものなのかはまだ分からない」と述べた。


●「米リーマン株40%以上急落、15日に売却発表か」
2008年09月12日 AFP、発信地:ニューヨーク

 資金調達をめぐる懸念が生じている米証券大手リーマン・ブラザーズ Lehman Brothersの株価は、11日も大幅続落し、終値で前日比41.7%安の4.22ドルまで急落した。ウォールストリートでは、今年3月にベアー・スターンズBear Stearnsが事実上の倒産に至った事件との類似性を指摘し、会社存続を疑問視する声も出始めている。

 米紙ワシントン・ポストWashington Postは同日、米財務省と米連邦準備制度理事会FRB がリーマン売却について調整中だと報じた。詳細は不明ながら、関係者の話として、週明け15日のアジア市場が開く前に発表されるとの見通しを伝えている。

● 「米シティのサムライ債、初日申し込みが数百億円以上 」

日経新聞 2008年9月11日

  米シティグループは10日から国内の個人投資家向けに総額3150億円の円建て外債(サムライ債)の募集を始めた。 日興コーディアル証券などの取扱店舗には問い合わせの電話が相次ぎ、初日で数百億円以上の申し込みがあったもようだ。

 利回りは年3.22%(税引き後2.576%)と比較的高水準。 株安や新興国通貨などの下落で運用先に悩む個人投資家の関心を集めている。「知名度の高いシティがこの条件で債券を発行すれば運用難に陥った個人投資家にとって魅力的に映るのでは」。

(ここからはネット上にあった意見。これが真実だろう。この時期にまでサムライ債を売って回った野村證券と三菱UFJ証券(旧国際証券)の 責任は大きい。副島隆彦注記)

 「「サムライ債」という騙しの構造 」

 海外の国や企業が日本で発行する円建て外債(サムライ債)の発行額が今年度に入り急増している。約9000億円で前年比の2.7倍。この「サムライ債」は円建てで日本の投資家にサブプライムの焦げ付きの穴埋めのための資金調達をさせている以外に考えられない。

 そこに飛びつく投資家は、借金の肩代わりをさせられているのと同じだ。こんな騙しがなぜ通ると思っているのか?  ドル不信より、日本の低金利に着目した手法だが、運用先のない日本の個人投資家の運用先とサブプライムの焦げ付きで資金調達したい海外の銀行の思惑が合致しているのだろうと思われるが、こんな危険な市場はない。経済危機の際に外債がデフォルト(債務不履行)になる可能性もあり、なかりハイリスクであることは間違いない。

● 「リーマンめぐる報道でマーケット乱高下、高まる先行き懸念」
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-33686420080910

第一生命経済研究所・主席エコノミストの嶌峰義清氏 は 「(米国では)金融システム不安から金融危機に発展する恐れが出てきたとの印象を受ける」と指摘。具体的な現象として「急速にマネーが滞ってきた。資金調達コストの上昇に加え、サブプライムローン問題など、損失発生源の解決が見出せない状況下で、優良資産がどんどん不良資産に変わっていく」 と分析した。


● 「バーテンダーは見た、リーマン社員、平静装うも目には涙、増える酒量 」
2008年9月11日 ブルームバーグ

 米証券会社リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの株価が急落し、マスコミの注目を浴びるなか、マンハッタンの同社に近い「ボビー・バンズ・グリル」は11日もにぎわっていた。 同飲食店には夕方になると、リーマンの社員が集まってくる。同社株はこの日、42%下落したが、業務は通常と変わらないと社員らは語る。

 緑色のリーマンの野球帽をかぶり、仕事は資本市場関係だとして名乗らなかった社員一人は、「みんな冷静だよ。浮き沈みは付き物で、人間は適応するものだ。誰もパニックに陥っていない」と語った。さらに、同業ベアー・スターンズが3月に破格で米銀JPモルガン・チェースに買収されたことで、社会の流れに身を任せる考え方が浸透したのだと話した。

 リーマンは米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連損失が響き、今年5月末までの2四半期で計67億ドルの赤字を計上し、6-8月(第3四半期)も39億ドルの赤字を見込んでいる。株価は今週だけで74%下落した。 ボビー・バンズのバーテンダーは実際、そうした様子を今週目の当たりにしたという。集まってくるリーマンの社員は長居をし、ビールなどの飲酒代が倍に増え、「いつもと様子が違う」という。

 泣いている者もいて「お通夜みたいだ」と証言したこの匿名のバーテンダーは、顧客であるリーマンの社員が解雇されてしまったら「彼らは一体どこに行くのだろうか。ベアー・スターンズかい?」と話した。

● 「米リーマンへの出資交渉が事実上決裂 韓国産業銀行」

2008年9月10日 日経新聞

 米投資銀行大手リーマン・ブラザーズへの出資を検討していた韓国の政府系金融機関、韓国産業銀行(産銀)は10日、「(リーマンとの)交渉を中断した」と発表した。産銀は今後の交渉予定はないと説明しており、事実上の決裂となる。

 産銀は「現時点でリーマンと取引条件の意見が異なり、国内外の金融市場の状況を考慮した」と説明。引き受け価格が折り合わず、サブプライム問題で不安定な動きが続く米市場や韓国の景気
減速などを踏まえて出資見送りを決めた。

 産銀の閔裕聖(ミン・ユソン)頭取は2日、「他の民間金融機関と共同での(増資)引き受けのために協議をしている」と述べ、リーマンへの出資検討を明らかにしていた。(10日 18:33)


●(副島隆彦注記。いよいよ個人用住宅(レジデンシャル)金融の危機(RMBSの流通危機)から、商業用の不動産の証券化市場である、CMBS(コマーシャル・モーゲッジ・バックド・セキュリティーズ)の債券暴落が始まった。副島隆彦注記終わり)

「信用状況悪化が商業用ローンに波及、住宅建設業者中心に-米BOA」

2008年 9月10日 ブルームバーグ

 米銀大手バンク・オブ・アメリカ(BOA)によると、 信用状況の悪化が住宅ローンの借り手から商業用ローンの借り手に広がりつつあり、貸倒損失は2008年7-9月(第3四半期)に大きく悪化する可能性が高い。

 世界法人・投資銀行部門責任者のブライアン・モイニハン氏は10日、ニューヨークでの会議で、融資を返済できない住宅建設業者を中心に、商業用ローンの借り手の信用状況が悪化していると指摘。 同行の建設業者向け融資134億ドルの半分強で返済に問題が起きているとみられ、 19%は利払いが実施されていない。損失は大幅に膨らむ公算が大きいと説明した。


●「ソロス氏:リーマン株で1.1億ドル以上の損失-4-6月に買い増し」

2008年9月10日 ブルームバーグ

 著名投資家ジョージ・ソロス氏のヘッジファンドは、今年4-6月期に買い増した米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングス株を中心に、同社への株式投資で少なくとも1億1000万ドル(約118 億円)の損失を被った。リーマンが10日発表した08年6-8月(第3四半期)決算は同社創設以来最大の赤字となった。

 米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、200億ドル相当の資産を運用するソロス・ファンド・マネジメントは4-6月期にリーマンの発行済み株式の約1.4%に相当する947万株を購入した。同株による損失は最大で3億7500万ドルになる公算。

 そのほか、アライアンス・バーンスタイン、ウェリントン・マネジメント、ジャナス・キャピタル・グループも4-6月期にリーマン株を取得した。

 リーマンは第3四半期決算が39億ドルの赤字となったと発表。また同社は資産運用部門の過半数株を売却するとともに商業用不動産資産を切り離す計画と減配も明らかにした。


●「信用状況悪化が商業用ローンに波及、住宅建設業者中心に-米BOA 」

2008年9月10日 ブルームバーグ

 米銀大手バンク・オブ・アメリカ(BOA)によると、信用状況の悪化が住宅ローンの借り手から商業用ローンの借り手に広がりつつあり、貸倒損失は2008年7-9月(第3四半期)に大きく悪化する可能性が高い。

 世界法人・投資銀行部門責任者のブライアン・モイニハン氏は10日、ニューヨークでの会議で、融資を返済できない住宅建設業者を中心に、商業用ローンの借り手の信用状況が悪化していると指摘。同行の建設業者向け融資134億ドルの半分強で返済に問題が起きているとみられ、19%は利払いが実施されていない。損失は大幅に膨らむ公算が大きいと説明した。

●「米GSE政府管理で見込まれる勝者と敗者 」

2008年9月9日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/
idJPnTK823857220080909

潜在的敗者   ソブリン・バンコープ、ミッドウェスト・バンク・ホールディングス 、・フィナンシャル・ホールディングスなど、ファニーメイとフレディマックの優先株を大量に保有している米商業銀行。

 ファニーメイとフレディマックの普通株、ゲートウェイ保有者:どちらかもしくは両方の大量保有者には、米資産運用大手レッグ・メイソン、ドレマン・バリュー・マネジメントLLC、 プゼナ・インベストメント・マネジメントなどが含まれていた。

 GSE2社であれば、オンバランス$1.7兆 (資産保有としてAlt-Aが700bnくらいある)。延滞残高は1.3%で、損失は年0.2%程度。債務超過は、Alt-AをMTM して生じることになるが、それとてキャッシュ不足になる要因ではない。$3.6兆のMBS/PCは保証業務だけで、オフバランスゆえ、開示がないが、保有モーゲージよりもかなり良質。

 コンフォーミングの譲渡適格モーゲージは、1.所得証明を要する。2.月支払い総額÷所得 が 35%以内が目安、3. LTV<80%で頭金2割が通常、4.Ficoスコア >700 目安。

 すなわち住宅価格が下がろうが、支払い余裕のある範囲で返済できる相手を選んでおり、実際に延滞と損失はoriginator pool によるが、自己保有より小さいという  none knows the truth, though $3.6兆 は、5%ヘアカットすれば、GNMAとでも交換できる価値があるのではないか。証券が値下がりすることが発行GSEの損失を意味しない。

 この状況で債務超過を認定し救済する。まず状態についての事実を正しく理解できた上でないと判断は誤解に基づけば誤る。債務超過の原因がBSの資産のMTMであれば、その毀損が今後も継続して続かない限り、保証は意味をもつ。評価損を埋めれば保有資産は限定されているから続かない。他方収益悪化の損益状況からも足を引っ張っていれば、どれだけ資金を入れても足りなくなる。

 

● 「米ファニーメイとフレディマック、上場廃止の可能性が浮上 」

2008年9月8日 ロイター

 米政府系住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は、政府による公的管理決定を受けて株価がさらに下落した。 これにより、両社が最終的に上場廃止となる可能性が浮上している。

 8日の両社の株価はついに1ドルを割り込み、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の監督部門の警戒リストに入った。今回の公的管理策の一環として、財務省は発行済み株式の79.9%に相当する普通株の購入権を得た。配当の支払いは停止された。

 8日の終値は、ファニーメイが89.63%安の0.73ドル、フレディマックは82.75%安の0.88ドル。


● 「GSE政府管理 で株高・債券安、負の連鎖断ち切れずとの声」

2008年 09月 8日 東京、ロイター

 米政府が7日に政府系住宅金融機関(GSE)2社を公的管理下に置くと発表したことを受けて、週明けの東京市場は「質への逃避」を巻き戻す動きが出て株高/債券安となった。一方で、8月米雇用統計は失業率が6%台に上昇して5年ぶりの水準に上昇するなど雇用環境が一段と厳しさを増している。実体経済の悪化と信用不安という負の連鎖を断ち切れないまま、本格的な相場反転に懐疑的な見方が出ている。

 <GSE救済で金融株に買い戻し、債券はロングポジションを解消>
 ポールソン米財務長官は7日、緊急会見で連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ) と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック) を政府管理下に置くと発表。 2社で総額2000億ドルに上る優先株の政府購入枠を設定し、経営状況に応じて段階的に購入していく方針を示した。

 マーケットでは米GSEHEへの公的資金注入が次期米政権に持ち越される可能性もあるとみられていただけに「タイミング的にはサプライズだ」(大和証券SMBCグローバル・プロダクト企画部部長の高橋和宏氏)と受け止められ、8日の東京株式市場では、朝方から銀行、証券、不動産などを中心に買い戻しが先行。日経平均の上昇幅は一時450円を超えた。

 大和住銀投信投資顧問上席参事の小川耕一氏は「国内大手銀行が連想買いされるなど株価がリバウンドするきっかけになった。国内銀行株については前週、安値を更新する銘柄も出るなど売られ過ぎの側面もあり、ショートカバーが加速している」と説明する。

 円債市場は先物主導で急反落。国債先物には海外ファンド勢の売りや9日の5年債入札に備えた業者などの調整売りが出た。国債先物中心限月9月限は、限月交代に絡んだテクニカル的な売り要因が加わり、一時前週末比1円74銭安の136円94銭に急落。10年最長期国債利回り(長期金利)は同9ベーシスポイント(bp)高い1.550%と約1カ月ぶりの水準に上昇した。

 BNPパリバ証券・シニア債券ストラテジストの山脇貴史氏は、GSE救済策を「公的資金による資本注入で金融危機回避に向けてまず一歩踏み出した」とした上で「少なくとも投機的なロングを閉じる格好の材料となりそうだ」と指摘する。為替市場でも、朝方にドル/円が一時109.05円に上昇、クロス円でも円売りが進んだ。

<米投資銀行のへ公的資金注入は早計>

 米GSE救済策に敏感に反応した東京市場だが「中長期的に株売り/債券買いの流れは変わらない」(国内証券の債券ストラテジスト)との声が出ている。その背景にあるのは実体経済の悪化と金融システム不安という負の連鎖が意識されているためだ。

 「9月・10月に予定されている欧米金融機関の決算で損失拡大、資本増強に関してネガティブな材料が出れば、米信用不安がいつ増幅しても不思議ではない」(同ストラテジスト)という。
東海東京証券・チーフエコノミストの斉藤満氏は「米民間金融機関にも近い将来、米公的資金が注入されるとみるのは早計だろう。

 GSEは政府の関与が大きく、これを根拠に米政府は公的資金の注入を決断した」との見方を示す。さらに「米金融市場の機能不全は全く改善の兆しがなく、健全な企業への信用供与もおぼつかなくなってきている。金融システムを起点にした米経済の失速スパイラルは、米民間金融機関への公的資金の注入があるまでは、予断を許さない」としている。

 バークレイズ銀行・チーフストラテジストの梅本徹氏も「救済策は急場しのぎの策であり、抜本的な不良債権処理には全く触れておらず、不良債権の処理は次の政権に任せるというメッセージがうかがえる。これでは住宅価格の下落と、不良債権の増加という負の連鎖は断ち切れない」と予想。

 「最終的には、現在はGDP(国内総生産)比で2.5%程度となっている連邦政府の赤字が、大幅に拡大することになるだろう。この結果、米株安・米債券安・ドル安というトリプル安が現実化する可能性が高い。現在の株高、米ドル高/円安は短期的なものに終わるだろう」 との見通しを示した。


● 「米住宅市場は危機を脱していない-ノーベル経済学賞受賞のスペンス氏」

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=a8wSsOHAsyz8&refer=jp_home

向こう1年で、米国や欧州、日本では「多くの人がリセッション(景気後退)と感じるような景気の減速に見舞われるだろう」 「欧州では考えられているよりも景気の減速ペースが速まりつつある。欧州の一部や日本では、米国よりも減速が深刻になる可能性が高い」

● 「日経平均が大幅反発、午前終値は438円高 」

2008年9月8日 読売新聞

 週明け8日の東京市場は、米政府が発表した政府系住宅金融2社に対する支援策を好感し、株価は大幅に上昇する一方、為替は一時、2円以上も円安・ドル高が進んだ。

 米政府による支援策の発表後、世界の主要市場で最初に取引が始まる東京市場の動向が注目されたが、前週末の世界的な株安の連鎖にひとまず歯止めがかかった形だ。

 8日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)は取引開始直後から大幅に上昇し、前週末終値からの上げ幅は一時、450円を超えた。

 午前の終値は、前週末終値比438円4銭高の1万2650円27銭。東証1部の午前の出来高は約9億6000万株だった。前週末に急落した金融株や不動産株を中心に買い戻され、りそなホールディングスは午前中、買い注文が殺到して取引が成立しなかった。

 三菱UFJフィナンシャル・グループなど3メガバンクはいずれも10%超の大幅反発となった。

● 「「バズーカ砲使った」 米住宅公社救済策に 英FT紙論評 」

日経新聞 2008年9月8日

【ロンドン=吉田ありさ】 英フィナンシャル・タイムズ紙(電子版)は、米政府が発表した米住宅公社救済策を「結局バズーカ砲を使った」と論評した。ポールソン米財務長官が「最後の手段」として公的資金を投入する政府支援に踏み切らざるを得なかったと分析している。

 この時期に発表したのは金融市場の不安が再燃していたことに加え「大統領選が迫っていること、海外中央銀行が米住宅抵当証券を購入しなくなったことなどが呼び水になった」と指摘。対策の狙いは米住宅公社の機能を維持して住宅融資金利を引き下げることにあり、公的資金の投入は金融市場全体にとってプラスになると評価した。 一方で「米国の住宅抵当証券市場を将来どう再構築するかは次期政権の課題として残る」と指摘した。


● 「中国株 8日= 続落、上海総合指数が06年12月以来の安値」

2008年9月8日  Record China

 2008年9月8日、8日の中国大陸株式市場で上海相場は続落。上海総合指数の終値は前営業日終値比2.680%安の2143.421ポイントだった。 上海総合指数が終値ベースで2200ポイントを割り込むのは06年12月13日以来となる。

 この日は値下がりした銘柄が1400あまりに上るなど、ほとんどの銘柄が売り進まれた。中でも、石油化学、不動産のセクターが売り込まれた。非鉄金属セクターも国際商品市況の軟調を受けて売りが集まった。

 一方、時価総額上位の銀行、保険セクターは買い戻しが入り、指数の下げを圧縮した。外貨建てのB株相場も大幅続落。4.039%安の141.170ポイント、深センB株指数が同3.047%安の352.384ポイントで引けた。

● 「資本、財務内容を誇張か=米政府系住宅金融会社-NYタイムズ」
時事通信 2008年9月7日 ワシントン

7日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、米財務省のアドバイザーを務める証券大手モルガン・スタンレーは、政府系住宅金融会社の連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が資本、財務の健全性を誇張するような会計手法を採用していると結論付けた。

 フレディマックは、損失を先送りし、資本不足に陥るのを今年第4・四半期まで遅らせる会計処理を決定。同省の委託で財務内容を調べていたモルガン・スタンレーは、「当初考えられていたより財務基盤は悪化している」と判断した。


● 「米国、今週末にも救済策公表 住宅公社危機で」

2008年9月6日 毎日新聞

【ワシントン斉藤信宏】 経営不安が深刻化している米政府系住宅金融会社、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の2社に対し、米財務省が公的資金投入を含めた救済策の取りまとめに向け最終調整に入ったことが5日、明らかになった。複数の米メディアが報じた。

 報道によると、財務省は7月末成立した住宅関連法案に基づき、2社に資本注入を含む対策を講じる方針という。その上で経営陣の交代に踏み切り、2社の経営再建を支援する。早ければ今週末にも概要を公表する。ポールソン財務長官は5日、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長や2社の経営トップなどと会合を開き、救済策の詳細について協議したという。

 住宅金融2社は、社債を発行して調達した資金で民間金融機関から住宅ローン債権を買い取り、証券化して投資家に販売してきた。発行した社債は事実上の政府保証のおかげで最上級の格付けを維持しており、社債と保有・保証している住宅ローン関連資産の残高は5兆ドル(約540兆円)超まで膨らんでいる。

 01年以降に米国の住宅・不動産バブルと歩調を合わせるように規模を拡大してきたが、低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の影響で経営状態が急速に悪化、7月以降は株価が急落して経営危機に直面していた。


●「「米国住宅公社」と世界経済 “魔法”がもたらした逆転のリカップリング」」

2008年9月5日 梅沢正邦 週刊東洋経済

 住宅を購入する際、国民の多くが“お世話”になった住宅金融公庫が、独立行政法人「住宅金融支援構」に衣替えして1年半。 数多くの「独法」の中で、ここほどダイナミックに変身した組織はあるまい。住宅金融公庫は長期住宅資金を直接国民に貸し付けていた。融資残高はピーク時75・9兆円。その直接融資をスッパリやめたのである。

 代わりに、民間金融機関から住宅ローン債権を買い取り、それをMBS(住宅債権担保証券)という証券化商品に仕立て上げ、機関投資家などに販売する証券化業務に全面転換した。郵貯の「出口」の一方を封印する、小泉郵政改革の目玉の一つでもあった。

 住宅金融支援機構は発足時、「5年以内の黒字化、10年以内の累損一掃」を掲げた。だが、初代の島田精一理事長はもっと大きい夢を抱いていた。「MBSを大きく育て、国債市場に次ぐ証券市場を作りたい」。その壮大な夢が怪しくなった。自らの変身のモデルとし、「先生」と頼んできた米国の「住宅公社」、ファニーメイとフレディマックが大揺れに揺れているからだ。

米国債を上回るMBS
 変われば変わるもの。ちょっと前まで、ファニーメイとフレディマックは、米国経済の“救世主”だった。1999年までファニーのMBSの発行残高は1兆ドル(110兆円)に届かなかった。それが2005年には1・9兆ドルに膨れ上がった。MBSの発行は81年から。20年近い時間をかけて積み上げてきた残高をたった5年で倍にしたのだ。

 この時点での米国債の発行残高は492兆円。対して、ファニー、フレディを筆頭とするMBSのトータルの発行残高は630兆円。MBSは米国債を凌駕し、証券市場の“王座”に就いている。周知のように、00年のITバブル崩壊、01年の「9・11」で米国経済は奈落の底へ真っ逆さま、の寸前にあった。それを反転させたのが、ファニー、フレディのMBSに支えられた住宅投資(そして住宅価格上昇を背景にした消費拡大)だった。

 カッコ付きの公社と書いたが、ニューヨーク市場に上場する両社には(今のところ)政府の資本は1ドルも入っていない。にもかかわらず、「GSE」(政府がスポンサーになっている企業)と呼ばれるのは、30年代の大恐慌の最中、「国家住宅法」に基づいて設立され、68年に民営化された後も、大統領が18名の役員のうち5名の任命権を持つこと(現在は空席)、財務省が22・5億ドルの緊急融資枠を設けていることなどによる。ヌエのようなこの立ち位置が絶妙の効果を発揮した。

 政府による暗黙の保証がある、と市場は受け止めていた。MBSの金利は米国債よりわずかに高いだけ。通常の銀行の自己資本比率規制も課せられていない。しかも、政府とは“切れて”いるのだから、MBSの残高がどれだけ膨れ上がっても、米国国債の金利=長期金利には影響を与えない。かくて、MBSは青天井の膨張を続け、しかも長期金利は低いまま、という魔法のような世界が現出したのである。

 だが、大成功は大失敗のもと、という典型だろう。サブプライム問題の表面化で住宅価格が下落すると、本来、プライムしか扱っていないGSEもたちどころにおかしくなる。何しろ、両社は全米住宅ローンの半分近く(証券化や保証)に関与している。3月末の延滞率は1・22%。6月末までの1年間で両社の赤字は140億ドル(1兆5400億円)に達した。しかも、住宅ローン債権・保証額に対する自己資本比率はたったの1・6%にすぎない(3月末)。

 サブプライムはローン開始2年で金利軽減期間が終わり、以降、金利がハネ上がるが、プライムは開始5年後から金利が切り上がる。大量の切り替えが始まるのは09年から。ゴールマン・サックスのアナリストは「ファニーの損失は320億ドル、フレディの損失は210億ドルに拡大する」と見る。推測が正しければ、両社は大幅な債務超過に転落する。

 ヒーローからゼロに

 両社はMBSの発行者であるだけではない。投資家でもある。古い数字で恐縮だが、91年時点ではMBS発行総額のうち自ら保持するのは2%にすぎなかったが(残りは売却)、01年にその比率は33%に高まった。両社が崩壊すれば、住宅市場のみならず、米国のMBS市場、ひいては米国の証券市場そのものが危殆に瀕することになりかねない。

 「ファニーもフレディも重要すぎて潰せない」。大合唱が米国議会を覆い尽くし、「両社に対する緊急融資枠を拡大し、必要なら財務省が出資する」というポールソン長官の提案がすんなり議会を通過した。世界中のMBSの投資家はほっと一息だろう。だが、安心は、次の大いなる不安を生む。では、ファニーとフレディを引き受けたら、米国政府はいったい、大丈夫なのか……。

 両社のMBSを抱え込めば、米国の政府債務は2倍になる。全MBSに責任を持つことになれば、政府債務は3倍に膨れ上がる。MBS市場は“救われ”ても、米国債市場とドルはどうなってしまうのか。

 71年、米国はドル・金の交換を停止した。その2年後、第1次石油危機が起こった。マネーがドル安を“予感”すれば、ドルからの大逃避が始まる。

 現下、狂騰した原油市況はたまさか反落しているが、GSEの政府救済が現実のものとなれば、世界のマネーは再びドルから離れ、商品市況に向かうだろう。

 『ビジネスウィーク』電子版(7月1日)は、ムンバイのアナリストの言葉を引き、「インドはたった6カ月でヒーローからゼロになった」と書いた。インドは石油の7割を輸入に頼っている。しかも、軽油や肥料は大幅な価格補助政策をとっており、当然ながら、財政赤字は急悪化(対GDP比率は6%から11%に)。にもかかわらず(というか、それゆえに)人口の6割が従事する農業の生産性は極めて低劣。インフレ率は12%を超え、インドの「格下げ」が現実味を帯びている。

 「デカップリング」論は幻想だった。サブプライム問題がGSE危機に転化し、証券市場を揺さぶり、ドル不安が資源インフレの種をまく。ファニーとフレディという二人の魔法使いが、米国と世界経済をリカップリングしようとしている。

 FRBのグリーンスパン前議長は「百年に一度あるかないかの危機」と言う。前議長がGSEに警戒心を持ったのは事実だが、結局は、そのヌエ性を最大限“活用”した。

 幸か不幸か、魔法使いの日本の弟子=住宅金融支援機構のローン債権買い取り額は思うようには伸びていない。弟子が“正しい”成長を目指すのなら、今のうちに、ヌエ性をぬぐい去っておく必要があるかもしれない。


● 「世界同時に株安/債券高、起点にヘッジファンドの資金繰り難」

2008年9月5日 東京、ロイター

 5日の東京市場は、欧米市場での大幅株下落/債券上昇を受け、日経平均が一時、前日比400円近い下げとなる一方で国債先物、現物が急騰した。商品投資顧問業者(CTA)をはじめ海外勢が先物主導で株売り/債券買いの注文を大規模に出し、世界同時に大幅な株安/債券高となった。

 背景には世界的な景気後退への懸念と、解約要求に直面するヘッジファンドの資金繰りを反映したポジション手仕舞いがあるとみられ、この先の世界的な市場の混乱を懸念する見方が浮上してきた。

東京株式も全面安
 5日の株式市場では、米国株の急落を受けて幅広い銘柄で売りが優勢となった。海外機関投資家やヘッジファンドなどから大口のポジション調整売りが出たとみられるほか、寄り後も9月中間期末を控えて損失を限定したい国内機関投資家から、先物にヘッジ売りが断続的に出て上値を抑えた。

 信用取引の追い証(追加担保の差し入れ義務)発生に伴う個人投資家の投げ売りもみられ、株式市場はほぼ全面安の展開。国内外の景気、米金融システム、国際情勢など懸念材料は目白押しだが、あらためて大きな悪材料が出たわけではない。売りが売りを呼び込むという需給主導の下げ相場といえる。

 ソシエテジェネラルアセットマネジメント・チーフエコノミストの吉野晶雄氏は「3月の下落時と比べてバリュー面の調整は不十分だ。もう一段の下落もあり得る。ただ、日本のマネタリーコンディションは世界的にみて優位性がある。過度に悲観はしていない」と述べる。

 ヘッジファンドが換金売り
 こうした株売りの背景には、世界景気への懸念だけでなく、ヘッジファンドを中心にした投機筋の資金繰りの問題があるとの指摘がマーケットで出ている。みずほ投信投資顧問・執行役員の岡本佳久氏は「足元の株価下落の本質は、ファンダメンタルズというより需給が大きい。パフォーマンスの悪化したヘッジファンドの閉鎖が表面化してきており、解約売りも含めた換金売りが圧迫している」と指摘。

 その上で「これをにらんだ短期筋が売り乗せし、株価の下げで個人投資家などが売らされている。売り方は年初来安値を意識して売ってくる。安値を付けたとき、買い場という判断ができるかどうかだ。ただ、底打ちはそう遠くないとみている。ここ1─2週間が一番苦しい時期だろう」とみている。

 ある外資系証券の関係者も「ヘッジファンドの手仕舞いがコモディティ価格の全面的な下落に結び付いた。それがコモディティに大きく依存した別のヘッジファンドの経営を圧迫し、信用収縮の連鎖がグローバルに起きている」と話す。

 CTAが株先売り/債先買い
  円債市場では、株式市場と反比例するかたちでマネーが流入。国債先物9月限は一時、139円09銭まで買い進まれ、10年債長期国債利回りは1.435%までいったん低下した。複数の市場筋によると、前日に国債先物を大規模に売っていたCTAが一転してまとまった買い注文を出し、つれて国債現物も上昇した。CTAはこの日、株先売り/債先買いの裁定取引を大規模に展開していたという。

 市場では「海外ヘッジファンドなどが主体となった先物の売買に振らされ、需給だけで動いている状況。ファンダメンタルズの材料が出てきて反応するとか米債が買われたので円債も素直に買われるといった側面が薄れ、非常にひねくれた相場展開になっている。ファンド勢が一気にポジション解消に動く前日のような動きが、再び起こらないとも限らない」(別の外資系証券関係者)との声が漏れた。

 ある邦銀関係者は「現物7年の利回りと5年の利回りがほぼ、フラットになるまで7年が買われた。これは国債先物の買い進まれ方が、いかに激しかったかを示す。この先、国債先物には調整売りが出てくる可能性がある」と予測する。

円売りポジションの巻き戻し始まる
  外為市場では、このところ下落基調が鮮明だった資源国通貨に加え、欧州経済の後退懸念を背景にユーロの下げも目立ってきた。5日午前までの取引で、ユーロ/円は一時150.60円と2007年8月以来1年1カ月ぶり、豪ドル/円は85.84円と06年7月以来2年2カ月ぶり、英ポンド/円 は186.13円と03年12月以来4年9カ月ぶり安値をそれぞれ付けた。

 市場では「世界的な利下げ観測の高まりや株安で投資家がリスク削減の動きを強め、低金利通貨であるドルと円でファンディングされたマネーが巻き戻されている」(バンク・オブ・アメリカの日本チーフエコノミスト兼ストラテジスト、藤井知子氏)とする声が出ている。

 ある国内証券の関係者は 「米系を中心にしたヘッジファンドのポジション手仕舞いで、マネーが米国に還流している。ドルが円を除く主要通貨に対して高くなっている背景は、フロー的には米系投資家のリパトリエーション(資金の国内還流)がかなり影響している。 実態は信用収縮なので、日本の株式市場からもさらに海外勢の資金が出て行く可能性がある」と指摘。その上で「日経平均のチャートも崩れてしまい、海外勢の中には日経平均 で1万円近辺まで売り込むことを考えている向きもいるようだ」と述べている。

●「米AIG、150億ドルの増資必要も-モルガン・スタンレーが予想」
2008年9月5日 ブルームバーグ

 証券大手のモルガン・スタンレーは保険最大手の米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が米住宅市場関連の損失拡大に備えて、150億ドル(約1兆6000億円)の増資が必要となる可能性があるとの見方を示した。

 モルガン・スタンレーのアナリスト、ナイジェル・ダリー氏はAIGの株式投資判断を「オーバーウエート」から「イコールウエート」に引き下げた。株価見通しについても29%下方修正し25ドルとした。同氏はさらに、今月25日にはロバート・ウィラムスタッド新最高経営責任者(CEO)が戦略的見直しの結果を発表する際に、AIGの新規増資の必要性について言及する可能性が高いことから、投資家はそれ以前にはAIGの株価取得には「消極的」となるべきだと指摘した。

 AIGの株価は前日比1.12ドル(5.3%)高の22.34ドルで取引を終えた。AIG株価は年初来では62%下落と、ダウ工業株30種平均の構成銘柄中で最も軟調となっている。

●「米国債下落、政府の公社救済観測で - 10年債3.69%」

2008年9月5日 ブルームバーグ

 米国債相場は下落。米政府によるファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)救済案が近くまとまるとの観測が広がり、安全資産としての米国債の魅力が弱まった。

 米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、財務省が早ければ6日にも救済案を発表すると報道。利回りが上昇した。 株式相場が上げに転じたことも国債の売り材料になった。朝方は8月の雇用統計で雇用者数が8カ月連続で減少したため、米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げよりも利下げに動くとの見方から買いが先行した。

 RBSグリニッチ・キャピタルの米国債トレーダー、グレン・カペロ氏は「救済観測で金融市場をめぐる環境が改善するとの見方から米国債が売られた」と述べた。

 BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後5時12分現在、10年債利回りは前日比で7ベーシスポイント(bp、1bp= 0.01%)上昇の3.69%。一時は3.55%と、4月15日以来の水準まで低下する場面もあった。10年債価格(表面利率4%、償還期限2018年8月)は 17/32下げて102 18/32。

 フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、FOMCが年末までに利下げを実施する確率は9%。1カ月前は利上げ確率が43%あった。

 米労働省が5日に発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(季節調整済み)は前月比8万4000人減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は7万5000人減だった。7月の雇用者数改定値は6万人減(速報値5万1000人減)。8月の失業率は5年ぶり高水準の6.1%と、前月の5.7%から上昇した。

 ジェフリーズの米国債トレーディング責任者、トーマス・ディガロマ氏はWSJ紙の報道を受けて「米国債相場は急速に下げた」と指摘。「上位債に安全網が敷かれるとの思惑が広がったのだろう」と述べた。

 同紙が匿名を条件にした関係者の話として報じたところによると、救済策には両社に資金を供給するために財務省が新たに得た権限の「創造的な使用」や、経営陣交代が含まれる可能性がある。財務省報道官は記事に対するコメントを拒否した。

 同報道によれば、ポールソン財務長官は5日、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長やファニーメイとフレディマックの代表、米連邦住宅金融庁(FHFA)長官と会談する予定。

 ドイツ銀のシニアエコノミスト、トーステン・スロック氏は「今、重要なのは、救済策が危機を脱し、状況が改善すると市場に納得させるような内容なのかどうかだ。これは非常に重大な出来事になり得る」と指摘した。

 FRBによると、海外中央銀行は8月に機関債と関連担保証券を127億ドル売り越した。売り越しは2004年4月以来で初めて。一方、米国債は500億ドルの買い越しだった。買越額は03年12月以来で最大。

 相場の方向転換を示唆する指標は10年債が買われ過ぎの状態にあり、4日間にわたる上昇が終わることを示していた。10年債先物12月限の相対力指数(RSI、期間14日)は72.2と、1月23日以来の高水準を付けた。70 を超えると、相場下落を示唆し、30を下回ると、相場上昇を示唆すると言われる。


●「マケイン氏息子関与の米地銀が破綻」

日経新聞 2008年9月6日

 【ワシントン=米山雄介】米連邦預金保険公社(FDIC)は5日、米ネバダ州の地方銀行、シルバー・ステート・バンクが州当局から業務停止命令を受けたと発表した。米銀の破綻は今年11件目。同行の経営陣には米大統領選で共和党候補に正式指名された
マケイン上院議員の息子が最近まで名前を連ねていた。

 FDICは同じネバダ州を拠点とするネバダ・ステート・バンクを受け皿銀行として選定。同行がシルバー・ステート・バンクの預金や資産などを継承する。シルバー・ステートの総資産は20億ドル。

 共和党大会でマケイン氏の大統領候補指名が終わった直後のタイミングでの業務停止命令に、米メディアではマケイン氏の息子が経営に関与していたこととの関係を疑問視する見方が出ている。

●「ユーロ、ドルに対し1.3355 ドルまで下落も-シティがチャート分析」

2008年9月5日 ブルームバーグ

 シティグループ・グローバル・マーケッツのテクニカルアナリストらは、4日、ユーロの今週末終値が1ユーロ=1.4310- 1.4365ドルの支持線を割り込んだ場合、1.3355ドルまで下落する可能性があるとの見方を示した。

 ブルームバーグ・ニュースがまとめたデータによると、支持線は2007年 12月21日終了週と08年1月25日終了週に付けた安値から成る。支持線は買い注文が集中する可能性のある水準。ユーロは日本時間5日午後零時50分現在、1ユーロ=1.4284ドルと、ニューヨーク時間前日遅くの1.4325ドルから下落。一時、昨年10月24日以来の安値となる1.4214ドルを付けた。ユーロは7月15日に記録した過去最高値の 1.6038ドルから10.9%下落している。


●「欧州中銀、担保基準を厳格化 資産の劣化防ぐ」

日経新聞 2008年9月5日

【フランクフルト=石井一乗】 欧州中央銀行(ECB)は4日、欧州の金融機関がECBから短期資金の供給を受ける際の審査基準を厳格化すると発表した。 銀行などがECBに担保として差し入れる資産担保証券(ABS)の評価額をより低く見積もることが柱で、2009年2月から新基準を適用する。ECBの資産内容の劣化を防ぐのが狙い。

 昨年夏に米金融不安が表面化してからECBは金融市場に多めに資金を供給する体制を取っている。しかし、銀行が持ち込むABSのなかには流動性が低く、担保としての価値が目減りする可能性が高い証券も含まれているとされる。

 ECBは一部証券の評価額を一律に減額するほか、ユーロ圏外の金融機関への資金供給を制限する。中銀へ持ち込むABSが減り、金融市場での取引が正常化する効果が期待できるが、金融機関の調達コストは上昇する公算が大きい。

●「ドイツ経済、恐らく景気後退に入った=経済技術次官」

2008年9月3日 ベルリン、ロイター

 ドイツのオトレンバ経済技術次官は、ドイツ経済が恐らく5年超ぶりにリセッション(景気後退)に入ったとした上で、来年に回復する見込みは薄いとの認識を示した。次官は3日に発表されたロイターとのインタビューで「第3・四半期にゼロ成長にとどまればまだ幸いといえ、実際はマイナス成長の流れを見込んでいる」と指摘。「経済統計・調査は明らかに下降を示しつつあり、(経済は)間違いなく落ち込むだろう」と語った。さらに「問題は速やかに終わらない見通しで、来年に回復するかどうかは疑問だ」と述べた。

 最近のユーロ安・ドル高について、経済への恩恵を見込むのは早計とした。「ユーロ/ドルが1.20─1.30ドルに向かって下落すれば負担は和らぐだろう。現時点で(相場は)依然として比較的高水準だ」と話した。

 8月の消費者物価指数(CPI)は、前年比の伸び率が前月の3.3%から3.1%に鈍化した。次官は最近数カ月の大幅な物価上昇は過去の事柄で「正常化への回帰とはいえないが大幅な負担軽減だ」と述べた。原油高は引き続き問題だともした。


●「カンザスシティー連銀総裁、金融機関の「破たん」を認める必要も」
2008年9月1日 ブルームバーグ

 米カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は1日、各国経済が最も良く機能するためには金融機関の「破たん」を認める必要があるとの見解を示した。

 ホーニグ総裁は、アルゼンチンのブエノスアイレスでの講演で、各国経済は「金融安定と安定的な物価環境のバランスを取る」必要があり、「それを行う際、個々の機関が破たんするのを容認しなければならない」と語った。

 米金融当局が緊急融資プログラムの対象を商業銀行や投資銀行に拡張するなどの対策を講じた後でも、金融市場の混乱は長引いている。同総裁は、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)危機と金融市場の変化が相まって、「金融安定を維持する中央銀行の役割に対し、新たな疑問が提起された」と指摘した。

 そしてホーニグ総裁は、「金融危機は、われわれが阻止に向けた最善の努力をしても、起こるだろう」と述べた上で、「向こう数十年の間に規模と範囲の両面で金融業界の再編が進むなか、『大き過ぎてつぶせない』という問題の重要さは増すだろう」と予想した。 同総裁は、米経済見通しや金融政策については言及しなかった。


●「韓国産業銀の債務保証料が過去最大、リーマンに出資再検討との観測で 」
2008年9月1日 ブルームバーグ

 1日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で、韓国産業銀行(KDB)の債務保証コストが過去最大となった。同行が米証券大手リーマン・ブラザーズ・ホールディングスに出資するとの観測が背景。

 CMAデータビジョンによると、KDBのCDSスプレッドは一時、8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の183bpとなった。過去2週間では43bp上昇(ブルームバーグのデータ)。スプレッド上昇は信用の質が劣化したとの認識を示唆する。英紙サンデー・テレグラフは情報源を明らかにせず、リーマンが最大60 億ドル(約6500億円)の出資をめぐりKDBと交渉したと報じていた。

 ウニクレディトの信用商品戦略責任者、ヨッヘン・フェルゼンハイマー氏(ミュンヘン在勤)は「銀行業界の資本増強と再編は今後も長く続くだろう」とし、「多くの金融機関が苦境にあり、これは業界への圧力の一例に過ぎない」と話した。

 JPモルガン・チェースによれば、銀行・保険25銘柄で構成するマークイットiTraxx金融指数は1.5bp上昇し91bp。主に高リスク・高利回りの50銘柄で構成するマークイットiTraxxクロスオーバー指数は5bp上昇し554bp。投資適格の欧州企業125銘柄で構成するマークイットiTraxx欧州指数は1bp上昇の100.75bp。

●「世界の機関投資家が一斉にファニーメイ、フレディマック債券を売却 、中国銀行が46億ドル分を市場で売却の模様」

英フィナンシャルタイムズ 2008年8月29日

 世界の機関投資家が毎月平均購入してきた米国政府債、ファニーメイ、フレディマックなど住宅ローン担保債券(連邦住宅ローン銀行、ジニーメィなどを含む)は200億ドル。ファニーメイとフレディマック両社の債券総額は1兆5000億ドルに達する。

 ところがFRB速報に従うと、7月16日から8月20日までのおよそ一ヶ月間で147億ドルが売却され、現在の市場に流動している債券規模は9720億ドルと見られる。

 中国銀行は、保有していたファニーメイ、フレディマック債券 を市場で46億ドル分を売却し、三分の一程度に減らした模様だ。 これが引き金となってウォール街では不動産担保証券が猛烈に売られている。中国銀行のみならず中国の工商銀行、建設銀行などが抱えるファニーメイ、フレディマック債権は3000億ドルを超えている。日本も野村證券、三菱UFJなどが相当額を抱え込んでいる。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝


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