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「135」 渡邊善美(わたなべよしみ)の造反、離党劇の頃(2008年末から翌1月ごろ)の記事のまとめ。2010.9.11

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「23」 国民政治家 故・渡辺美智雄氏の息子の渡辺善美(わたなべよしみ)衆議院議員は優れた政治家です。私は遠くから応援しています。
副島隆彦です。2006年9月12日です。
以下のインタヴュー形式の文章を読めば、渡辺善美(わたなべよしみ)衆議院議員 が、優れた政治家であることが分かるだろう。どんどん若手の政治家たちが低脳化して、ほとんどまともな人間が居なくなっている現状では、彼のような重厚な同世代政治家に頑張ってもらうしかない。  副島隆彦拝

(転載貼り付け始め))

「リベラルタイム」誌 2004年5月号 掲載

渡辺善美(わたなべよしみ)衆議院議員へのインタヴュー


「竹中金融政策は間違っている!」


 「政府の経済政策はピントがずれている」という渡辺喜美氏。大衆の利益を第一義とし、当たり前のことに当たり前に取り組めば、日本が陥った需要と供給の構造的なミスマッチから脱することができる。日本が「国家」としての体をなすために必要な政策とは――

聞き手:渡辺美喜男(わたなべみきお)リベラルタイム誌編集長
取材日:2003.3.8


●旧時代の経済政策

――上場企業の連結経常利益が増加しており、大企業の経営状況は好転しています。一方で、貯蓄ゼロの家庭が急増しているという経済状況をどうお考えですか。


渡辺 世界的な金余りの中で、日米合作のケインズ政策が功を奏している現れだと思います。アメリカは膨大な財政赤字が拡大し、貿易赤字も史上最高です。つまり、アメリカの金庫の中は空っぽですから、日本と中国がアメリカにお金を貸してあげる、という構図が出来上がっているのです。

 昨年は、ドル債の投資主体の四割五分が日本国政府でした。米国債の一五%を日本国政府が保有しており、いかに日本は異常なお金の回し方をしているかということが分かります。アメリカは長期金利が上がらないほどの状況なのに、経済を回しています。

 一方、日本は、為替介入で円高抑制すると同時に、事実上の非不胎化政策(通貨当局が外国為替市場に円売り介入した後で、日銀が介入で市場に放出した円資金を回収しないこと)で、去年から十五兆円ほど放置しています。

 また、長期国債買い切りオペもやっており、日本銀行は今や、短期金利だけでなく、長期金利もコントロールする国債管理銀行として機能しています。「大量ドル買い介入非不胎化量的緩和政策」が奏功して、外需主導の企業収益の改善が行われている、と考えます。それが設備投資を押し上げているということでしょう。

 外需が堅調といっても、中国経済のバブル崩壊リスクと、アメリカ経済の調整リスクの二つを抱えています。中国は明らかに過剰流動性で、ちょうど今から三十年前の日本と同様です。一九七一年のニクソンショックで、一ドル三百六十円の為替の固定相場の世界から、円の切り上げ圧力が加わって、大量の過剰流動性が流れ込んだ日本に似ています。

 ですからフレート代(船賃)が高くなって、中国からの造船の発注が大幅に増えているといっても、船が出来上がった頃には実需はないのではないかという心配があるのです。


●本質が解決しない金融政策

――竹中平蔵経済財政・金融担当相による金融政策についてどうお考えですか。


渡辺 迷走しています。金融機関については、がんがんハードランディングの風を吹かせましたが、結局は外資や優越的地位を利用した融資先の擬似的資本増強が大量に行われて、国有化はしないという話になりました。これでは本質的な問題は解決しません。

 引き当て不足、債務者区分のおかしなところが炙り出されると、再び金融機関の問題に火がつくと思います。


――新生銀行の上場でずいぶん批判の声が上がりました。買収した米投資ファンドのリップルウッドが巨額の利益を得ましたが、儲けるのはアングロサクソン系という不満も強い。


渡辺 一言でいえば、戦略のなさですね。私のように、「戦略型資本主義」の発想が貫徹していれば、国民の怨嗟を買うような事態にはなっていなかったと思います。要するに、私の立場は、グローバリズムを排除もしないが、妄信もしない。

 要はナショナルエコノミーの安定、国益を第一義として行動すればいいだけの話です。当たり前の発想が本質的に欠けていたということでしょうね。


――すべて、市場原理主義が正しいというような議論になっています。金融政策がしっかりしていれば、日本経済もこんな状況にはならなかったのでは。


渡辺 確かに市場には失敗もありますから。竹中さんの金融政策は間違っています。もし私が大臣だったら、もっと上手にやったと思います。当たり前のことが当たり前にできていないということです。市場が失敗している時に政府が出て行かなかったら、誰も失敗から逃れられなくなってしまいます。

 突き詰めていけば、日本が国家の体をなしていないということです。世の中にはいろいろな非常事態があります。大災害、大事故、テロ、戦争等の事態を、民間任せにはしないでしょう。根本的な欠陥は、経済の非常事態という概念が、憲法や国家体制の中で、ほとんど顧みられてこなかったことにあると思います。


●需要と供給のミスマッチ

――大企業の景気が戻りつつある中で、中央と地方、大企業と中小企業の格差の時代といわれています。強い者は強く、弱い者は弱い、という世の中になることについてどうお考えですか。


渡辺 下手をすると、社会崩壊の危機につながる恐れが高くなってきましたね。例えば、私の地元(栃木県)の黒羽刑務所は、定員千七百名ですが、現在二千百名入所しています。平均年齢は四十二歳の働き盛りです。初犯が多いのですが、残念ながら、統計上、半分が五年以内に再び刑務所に戻っています。

 では、いつごろからこのような状態になったのかというと、大きな断層は、平成十年です。ちょうど山一証券、北海道拓殖銀行に続いて日本長期信用銀行が破綻し、失業率、自殺者ともに異常な増加をした年です。それに伴い、犯罪件数も増加しています。この時から、日本の社会の変容が始まったんです。

 いくら景気がよくなっても、社会崩壊が進むのは、深刻なことです。今の経済でいえば、製造業と非製造業、大企業と中小企業、中央と地方という断層がますます拡大していくということになります。ですから、この断層を改善せず、放置しておくのは、全くピントがずれた政策です。


――断層を改善する方策とは。


渡辺 この十年間の停滞の中で、需要と供給の構造的なミスマッチが生じてしまったんです。それを解決するために、今の小泉純一郎内閣が取っているのは、規制緩和と民営化、アウトソーシングといった競争促進政策です。小さな政府論によって、新たな需要をつくれば、このミスマッチが解消するというものです。

 これは今から二十年前、一九八〇年代モデルの発想です。一方、財政出動をして需要をつければ、ミスマッチが解消するという人もいますが、これは私にいわせれば、一九六〇年代モデルです(笑) いかに過剰債務や過剰供給構造の削減をしつつ、供給サイドを今の需要構造に見合った形にするか、というのが大事です。

 ただし、これは大変にお金がかかる話なんです。例えば、私の地元は、足利銀行の破綻で不良債権の塊になってしまった温泉地域があります。大型温泉旅館は、これまで一泊宴会付きの団体相手に設備投資を行ってきましたが、需要が右肩下がりになってきました。そこから、いかにモデルチェンジができるかが問題です。

 一案ですが、これら大型旅館にリハビリの専門家を置いて、介護認定を受けていない、あるいは要介護の低い方々がショートステイのできるケア付き温泉のような施設にすればいい。ニーズは高いと思います。地元住民しか使えない介護保険制度の見直しも必要です。

 そのためには、膨大な過剰債務をカットすると同時に、リスクマネーを供給しなければ実現できません。資本の構造を変えて(DES、債務の株式変換)オーナーには交代いただき、さらに施設をリニューアルするためのDIPファイナンス(事業再生支援出融資制度)を利用することで、今の需要構造に見合った供給サイドの回復が可能になり、ミスマッチが解消されるという考え方です。

 問題は、このためにかかる膨大な資金の捻出方法です。今のような外需主導型ではなく、いかに内需主導型に変えるか。どうせ金利がゼロなら、国内にお金が回るような政策を取ればいいと思います。政策の優先順位付けが間違っているんです。

 構造改革にはお金がかかります。お金をかけて、腹をくくって、政府がやるべきことをやるという姿勢でなければ、この問題は解決しません。


――今のままの政策では、アメリカ型の格差の国家になるのでは。


渡辺 確かに、あまり平等志向が強すぎると世の中が停滞したり、独裁者が出現したりすることになります。また、逆に自由が行過ぎると、弱肉強食になり、無政府状態になる可能性があります。結局、程度問題だと思います。

 当たり前の自由社会を目指すなら、力の強い人がやりたい放題やってはいけない、というのが鉄則です。一番力を持っているのは国家ですから、平時においては、国家は自己抑制して、国民の生命と財産と自由を守るための存在であるべきです。非常事態には国家が正しい処方箋をもって舵取りをすればいいんです。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦拝
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