仮説の提示「イーロン・マスクは、今後、スペースX社の経営危機を訴え、それを理由に、ウクライナへのスターリンクのサービスを停止させる。」

かたせ2号 投稿日:2022/10/18 21:03

かたせ2号です。

<主張のまとめ>
(1) イーロン・マスクが、ウクライナのスターリンク事業についての国防総省からの資金援助要請をとりやめる、とツイートした。(本日、2022年10月18日)
(2) (1)の判断により、ウクライナ国内のスターリンクを停止するかしないかの判断は、ウクライナ・NATOの判断を離れて、イーロン・マスクの判断に一任された。これでロシアが断然有利になった。
(3) (1)の判断は、通常の経営者であれば絶対に行わない。あり得ない。しかし、イーロン・マスクはそれをした。なぜか?
(4) 以下の仮説を提示する。「イーロン・マスクは、今後、スペースX社の経営危機を訴え、それを理由に、ウクライナへのスターリンクのサービスを停止させる。そのことを意図して現在、活動している。」

<以下、主張の本文>
かたせ2号です。
最初に、イーロン・マスクのツイート(リプライ)を引用する。

Sawyer Merrittのツイート(情報源は、POLIITICOサイト)
午前4:09 ・ 2022年10月18日(日本時間)
https://twitter.com/SawyerMerritt/status/1582086349305262080
【BREAKING: The Pentagon is considering paying for @SpaceX’s Starlink satellite network ― which has been a lifeline for Ukraine ― from a fund that has been used to supply weapons & equipment over the long term, according to two U.S. officials.
(日本語訳)
<速報>米国防総省は、ウクライナの生命線であるスペースX社のスターリンク衛星ネットワークへの支払いを、長期的な武器・装備の供給に使われてきた基金から行うことを検討していると、2人の米政府関係者が語った。】
 ↓
これに対するイーロン・マスクのリプライ
午前4:57 ・ 2022年10月18日(日本時間)
https://twitter.com/elonmusk/status/1582097354576265217
【SpaceX has already withdrawn its request for funding.To be precise, 25,300 terminals were sent to Ukraine, but, at present, only 10,630 are paying for service
(日本語訳)スペースX社はすでに資金提供の要求を取り下げています。
正確には、25,300台の端末がウクライナに送られましたが、現在では10,630台分の代金しか支払われていません。】

かたせ2号です。
これを上書きする情報はまだ出ていない。これが最新情報。

このイーロン・マスクのリプライによって、はっきりしたこと。
それは、「ウクライナ国内のスターリンクを停止するかしないかの判断は、ウクライナ・NATOの判断を離れて、イーロン・マスクの判断に一任された」ということだ。
しかも、いやいや支援を続けているが、資金繰りに困れば、イーロン・マスクが、いつ停止させるかわからないという危なっかしい状況。裏を返せば、ロシアにとって極めて有利な状況になった。

ここまで来れば、以下のような意見が出てくるのも、ある意味当然である。
私は以下の、アメリカの政治学者の意見に同意する。

藤原直哉ツイート(2022年10月18日)
https://twitter.com/naoyafujiwara/status/1582149608670900225
【(プラウダ紙の2022年10月17日付記事を機械翻訳)
https://www.pravda.ru/news/world/1760558-ilon_mask_vladimir_putin_zapad/
記事名「ポリティコ:イーロン・マスクはプーチンの西側への特使である。」
ウクライナ紛争の平和的解決策を提案したアメリカの大富豪イーロン・マスク氏は、ロシアのプーチン大統領の特使を務めている。これは、アメリカの政治学者であるフィオナ・ヒルが述べたものである。
現在、西側諸国によるモスクワへの威嚇の試みはすべて失敗しており、ワシントンはウクライナでの特別作戦がどのように終了するのかを知らない。
「プーチンは、億万長者のイーロン・マスクなどの特使を使って、西側諸国を自分の条件に同意させようとしている。彼らの口を通して、彼は自分の条件で紛争を終わらせる協定を提案しているのだ」とヒル氏はPolitico誌に語った。
政治アナリストは、これは単なるロシア軍の特殊作戦ではなく、大国が関与する紛争だと考えている。現在の状況は、既存の世界秩序の終焉である、とヒルは確信している。
「私たちの世界は、もはや以前のようにはいかないだろう」と。】

かたせ2号です。

さて、ここで、イーロン・マスクの
「スペースX社はすでに資金提供の要求を取り下げています。」というツイートを再度取り上げて、考えてみる。
これは、通常の経営者の判断では絶対にありえない発言だ。
経営者なら、国防総省から資金援助を受けて、スペースX社での資金の持ち出しをなくすようにするのが、100%正しい行動だ。
しかし、なぜかイーロン・マスクはそれをしなかった。
ということは、経営者としての判断よりも何かを優先させたのは確かだ。

それは、何か?

ここで、タイムリーな情報をロシア系の情報サイトSputnikが報じていたので、記事を引用する。

Sputnikサイトから。
記事名:イーロン・マスクのスターリンクが日本でサービス開始 ウクライナは落胆続編
2022年10月17日配信
https://sputniknews.jp/20221017/13390201.html
(引用開始)
衛星通信ネットワークとデジタルマルチサービスネットワークの開発を行う株式会社ウィサット・テルのワレンチン・アンピロゴフ社長からスプートニクに連絡があった。彼の見解は、先の専門家の見解とは少し異なっている。アンピロゴフ氏によると、日本でのスターリンクのサービス開始は、日本よりもマスク氏本人が必要としているのだという。
アンピロゴフ氏は次のように述べている。
「イーロン・マスク氏は2022年の報告で、ネットワークのアクティブ加入者、つまりお金を払っている加入者が100万人いると言わなければならないのです。さらに2030年には1億人だと報告しなければなりません。それができなければ、彼は破産する恐れがあるのです。スターリンク・プロジェクトの戦略を分析したモルガンスタンレーは、スペースXの評価額の大部分はスターリンク衛星ネットワークからの収益だと考えています。マスク氏は、スターリンク・ネットワークは年間300億ドルの収益もたらすと発言しています。しかし今のところ、加入者一人がスペースXにもたらしているのは1000ドル以上の純損失です。日本が、都市部と地方の住民が同等にインターネットにアクセスできるようするためにスターリンクが必要だと言っても、地方居住者の誰もが加入者端末に500ドル、さらに毎月100ドルの使用料を支払う用意があるとは限りません。スペースXの最大の課題は、端末の原価を下げることです。マスク氏は、2021年4月に、新たな端末モデルに移行することで、原価を1000ドル以下に下げることができると発言しています。計画では端末の販売価格も250~300ドルに下げる予定です。つまり、今のところマスク氏の会社は、原価と販売価格の差を自ら負担することで、損失を負っている状態なのです。もし日本が離島の通信のためにスターリンクを必要としているのであれば、これも良い解決策ではありません。なぜなら加入者端末は屋根の上か屋外に設置される上、さらに地上設備の根幹となるゲートウェイも必要で、これらの設備は軍事紛争の際には敵の格好の標的となるからです。このテーマに詳しいプロフェッショナルなら、スターリンク・プロジェクトがサービスの安定性の問題を解決できていないことや、実際の通信能力が発表されている数字に見合っているのか大きな疑問があることを知っています。しかし、決定するのはプロフェッショナルではなく、まったく別の人なのです。
(引用終わり)

かたせ2号です。
このように、スペースX社の経営がうまくいく可能性が低いことを指摘している。

イーロン・マスクは、すでに以下のことを達成した。
・ウクライナにおけるスターリンクの事業が、赤字であることを世界に知らせた。
・ウクライナにおけるスターリンクの事業が、イーロン・マスクの判断のみで停止できる状態にした(通常の経営者では絶対にありえない判断をすることによって)。

ここまでは確かだ。

以下、私の仮説を述べる。あくまで仮説なので、「そういう考えもあるのかな」とご認識いただければそれで十分です。

(仮説)
「イーロン・マスクは、今後、スペースX社の経営危機を訴え、それを理由に、ウクライナへのスターリンクのサービスを停止させる。そのことを意図して現在、活動している。」

この仮説の通りになるかは、まだわからないので、今後の動向を見守っていきたい。

<補足>
Sputnikサイトの運営者へ。

上記で引用したSpunik記事本文には、ウクライナを題材とする内容がないにもかかわらず、記事名では、しつこく「ウクライナは落胆」と書いています。これも、以前の記事と同様、異様です。
ですからこの記事は、以下の内容にいずれかについて、ロシア側があらかじめ察知しているというメッセージだと解釈しましたが、いかがでしょうか。

(1)ロシア占領地域と接する、戦闘の最前線で、ウクライナ軍がスターリンクを使えない。
(この件については、2022年10月8日のFT紙の記事以来、情報が途絶えている)

(2)ウクライナにおけるスターリンクの事業が、イーロン・マスクの判断のみで停止できる状態になったこと。

(3)イーロン・マスクが、今後、スペースX社の経営危機を訴え、それを理由に、ウクライナへのスターリンクのサービスを停止させること。

以上